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レクリエーションを代替する介護ロボットの問題点――改めて「レクリエーション」とは【第3回】

レクリエーションを代替する介護ロボットの問題点――改めて「レクリエーション」とは【第3回】

コミュニケーションロボットといえば、Pepperなどのロボットが高齢者に向けて体操やクイズを出す様子を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。「介護分野におけるコミュニケーションロボットの活用に関する大規模実証試験」では、そのようなコミュニケーションロボットを「介護者代替プログラム実施型」ロボットと位置づけています。実証試験を担当した産業技術総合研究所招聘研究員の大川弥生氏は、これらのロボットに対して「『レクリエーション』というものについての本質的な誤解がある」と警笛を鳴らします。シリーズ第3弾では、大川氏に「レクリエーションとは何か」について伺うとともに、なぜ現行のコミュニケーションロボットに問題があるのかに迫ります。 報告書を読み解くシリーズ~実証試験から分かるコミュニケーションロボットの可能性と問題点~ シリーズ1 介護コミュニケーションロボット「34%が改善」|実証試験総まとめ シリーズ2 なぜ「活動」に着目?意外な結果から分かったコミュニケーションロボットの可能性 シリーズ3レクリエーションを代替するロボットの問題点――改めて「レクリエーション」とは 実証試験の報告書から分かること実証試験では、目的に合わせてコミュニケーションロボットを3種類に分類しました。そのうちのひとつが、介護者代替プログラム実施型ロボットです。これは、介護者のかわりにレクリエーション等を行うロボットです。 介護者代替プログラム実施型 通常介護者が行う被介護者への働きかけを、設定されたプログラムにもとづいて代替して行う。 (例)体操指導やクイズ、娯楽等、レクリエーションと称して行われていること。 効果測定は、3種類それぞれに対して行われました。利用者の改善率は、ロボットの種類によって多少の差はでましたが、著しい差はありませんでした。一方、介護者の負担軽減率は、ロボットによって大きな差が出ました。もっとも介護者の負担を軽減したのは、環境・操作反応型です。次いで介護者代替プログラム実施型、状態検知対応型と続きました。介護者代替プログラム実施型にたいしては、 体操やレクリエーションの指導をしなくてすむ: 10 名 レクリエーションや体操の指導内容を考えなくてもすむ:5名 などの意見が挙げられました。コミュニケーションロボットとレクリエーションの問題点要介護者・介護者双方に効果が見られた介護者代替プログラム実施型ロボット。この結果だけ見ると問題はなさそうに思えます。しかし大川氏は、「本当にレクリエーションの意味を理解している人からすると、コミュニケーションロボットがレクリエーションに効果があるという表現自体がおかしい」と指摘します。それはなぜでしょうか?レクリエーションの発端は?そもそも、レクリエーションは何のために行われるのでしょうか。レクリエーションの歴史から紐解いていきましょう。大川氏によれば、戦後すぐにできたレクリエーション協会は、当時フォークダンスの普及を進めたと言います。その背景には、「男女7歳にして席を同じうせず」という思想や、戦中の抑圧された生活に対する意識変革がありました。つまり、フォークダンスによって心身機能を向上させるだけでなく、男女で手を取り合って踊ることで、「男女平等」「楽しむのは良いことだ」という意識を推進させる狙いがあったのです。 「なぜ「活動」に着目?意外な結果から分かったコミュニケーションロボットの可能性 」でICFの「生活機能モデル」について簡単に説明しましたが、レクリエーションをとおして「心身機能・構造」「活動」「参加」の3つのレベルに区分される生活機能という概念がそれぞれ相互に関係しあい、より良い「参加」を実現しているといえます。高齢者のレクリエーションは何のため?大川氏はさらに、「生活不活発病」の例をあげて高齢者のレクリエーションについて説明します。生活不活発病とは、「生活が不活発なことによって生じる全身の機能低下」を指します。高齢者の「生活不活発病」の背景には、「家ですることがなくなる」「外出する機会が減る」などがあります。さらには「年寄りがスポーツや皆で集まってワイワイ楽しむなんて」という遠慮もあると考えられます。その結果、生活が不活発になり、さまざまな機能低下につながるのです。この場合のレクリエーションの目的は何でしょうか?ひとつ目は、「することがない」という状況の打破です。レクリエーションを通して「することをつくる」必要があります。ふたつ目は、遠慮しないですむ社会通念をつくることです。戦後のフォークダンスのように、「老人は家でじっとしておくべき」という意識を変革する必要があります。このようにレクリエーションは、単に心身機能を向上させるためだけにあるのではありません。レクリエーションを通じて、「参加」をより良い状態にすることが重要なのです。レクリエーション支援は「人」が主役ここまでを踏まえた上で、大川氏は「レクリエーションを効果的に行うためには、対象となる「人」の状態を把握し、その「人」にどうアプローチしていけば良いかと考え、工夫して働くかけていく必要がある」と述べます。例えば、歩行に不自由がある人と認知機能に低下が見られる人では、レクリエーションの目標も手段も異なるはずです。それにもかかわらず、「レクリエーションの時間だから」という理由だけで両者に同じレクリエーションを提供するのは間違っています。その意味で、レクリエーションの時間を埋めることだけを目的としたようなコミュニケーションロボットが量産されることを問題視しているのです。まとめ報告書の中で大川氏は、現行のコミュニケーションロボットの多くが単に「レクリエーション時間の穴埋め」を想定して開発されていることに警笛を鳴らしました。介護者代替プログラム実施型の介護負担軽減率は4割超えと高くはありますが、「介護とは何のために行われるのか」を改めて考えたとき、「本当にそれで良いのか」と再度問いかける必要があると言えそうです。<参考資料>国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)・国立研究開発法人 産業技術総合研究所 「 介護分野における コミュニケーションロボットの活用に関する 大規模実証試験報告書 」(2017年5月31日)

介護ロボット一覧表【種類別 】計46機器※随時更新

介護ロボット一覧表【種類別 】計46機器※随時更新

さまざまなタイプが続々発売されている介護ロボット。介護ロボットの種類は、ロボットスーツのようなタイプやぬいぐるみのようなものまで多岐にわたります。ここでは介護ロボットの種類を紹介し、それぞれの介護ロボットを一覧にまとめました。介護ロボットの3つの領域介護ロボットの中には、一見ロボットには見えないようなものまであり、「介護ロボットって何だろう?」「どのような種類があるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。介護ロボットの種類は、現在大きく3つに分けられています(※)。 介護支援型のロボット 自立支援型のロボット コミュニケーション・セキュリティ型のロボット です。 ※ 公益社団法人かながわ 福祉サービス振興会 介護ロボット推進本部より 介護支援型ロボット介護支援型ロボットは、介護者の介護業務を支援するロボットです。移乗や入浴、排泄などの介護業務は、介護者の身体的・精神的負担となります。これらの負担を介護ロボットによって軽減することで、腰痛予防、介護スタッフの離職率低下、より質の高いケアの実現など、さまざまなメリットが期待できます。介護支援型ロボット一覧 ロボット名 会社名 説明 HAL®介護支援用(腰タイプ) CYBERDYNE(サイバーダイン) 株式会社 皮膚にセンサーを貼り付け、生体信号を読み取り動作時のパワーををアシストするロボットスーツ。 スマートスーツ 株式会社スマートサポート  機械的な動力を用いず、弾性体(ゴム)の張力だけで軽労化効果を発生させるパワーアシストスーツ。 マッスルスーツ 株式会社イノフィス (イノフィスの取材記事を読む ) 人工筋肉で腰にかかる負担を補助する装着型の腰補助用デバイス。 美浴 株式会社エア・ウォーター ( エア・ウォーターの取材記事を読む ) 半自動で、入浴介助の時間を約1/3まで短縮可能なドーム型のシャワー入浴装置。 リショーネPlus パナソニックエイジフリー株式会社 ( パナソニックエイジフリーの取材記事を読む ) ベッドと車いすを分離合体させることによって、ベッドと車いすの移乗介助を手助けするロボティックベッド。 愛移乗くん 株式会社アートプラン( アートプランの取材記事を読む ) 下半身に障害がある人向け移乗補助装置。本体におんぶされるイメージで寄りかかり、リモコン操作で90°回転して移乗。 ドリーマー  アドロールス株式会社( アドロールスの取材記事を読む ) 専用カップからでる温水が出て陰部と肛門を洗浄。完全自動化した全自動排泄処理ロボット。 自立支援型ロボット自立支援型ロボットは、要介護者の自立を支援するロボットです。移動や食事、排泄といった日常生活動作の支援だけでなく、リハビリをサポートして将来的な自立を支援するタイプもここに含まれます。自立支援型ロボット一覧 ロボット名 会社名 説明 Honda歩行アシスト 本田技研工業株式会社    「倒立振子モデル」に基づく効率的な歩行をサポートする歩行訓練機器。  ACSIVE(アクシブ) 株式会社今仙技術研究所 ( 今仙技術研究所の取材記事を読む ) 「受動歩行」理論に基いて作られた無動力の歩行支援機。 ReWalk 株式会社安川電機 脊髄損傷者用歩行アシスト装置。   Tree リーフ株式会社 ( リーフの取材記事を読む )   足圧測定を装着し、音と映像に合わせて的確なリハビリができる歩行リハビリ支援ツール。 愛移乗くん アートプラン株式会社 ( アートプランの取材記事を読む ) 下半身に障害がある人向け移乗補助装置。本体におんぶされるイメージで寄りかかり、リモコン操作で90°回転して移乗。 RT.1、RT.2 RT.ワークス 株式会社  (RT.ワークスの取材記事を読む ) ハンドルに手を添えて歩くだけで最適なアシストをしてくれる、ロボットアシストウォーカー。 キューレット アロン化成株式会社( アロン化成の取材記事を読む ) 新幹線のトイレと同じ真空式を採用した水洗ポータブルトイレ。 流せるポータくん 株式会社アム( アムの取材記事を読む ) 水があふれでないタイマー機能を搭載した水洗ポータブルトイレ。3種類の施工方法から選べる。 リトルキーパス 株式会社幸和製作所( 幸和製作所の取材記事を読む ) 上り坂・下り坂や転倒につながる急加速、横傾斜を検知し、状況に合わせて全自動でアシストをしてくれるオートサポート歩行車。 ラップポン  日本セイフティー株式会社( 日本セイフティーの取材記事を読む ) 排泄物を自動で袋に包んで密封してくれる、水を使わないポータブルトイレ。 マイスプーン 株式会社セコム(セコムの取材記事を読む) 手の不自由な方が体の一部を動かすだけで、自分で食事ができるようにするロボット食事支援ロボット。 服薬支援ロボ ケアボット株式会社(ケアボットの取材記事を読む 設定した時間に自動的に薬を排出することで、薬の飲み過ぎや飲み忘れ、飲み間違いを予防してくれる服薬支援ロボット。 コミュニケーション・セキュリティ型ロボットコミュニケーション型ロボットは、利用者とコミュニケーションをとったり、ロボットがアウトプットするコミュニケーションを手段として用いることで、利用者の活動を向上させるロボットです。言語を使ったコミュニケーションをとるものだけでなく、非言語的なコミュニケーションをとるものも含まれます。コミュニケーション型ロボット一覧 ロボット名 会社名 説明 PALRO(パルロ) 富士ソフト株式会社    AIによる自律的な会話、歩行、遠隔操作ができるコミュニケーションロボット。  ユニボ ユニロボット株式会社   個人の趣味・嗜好・生活習慣を学習し、交流を促進するソーシャルロボット。 いっしょに笑おう!うなずきかぼちゃん ピップRT株式会社   ( ピップRTの取材記事を読む ) 5種類のセンサやスイッチを内蔵し、接し方によって反応を返す家庭向けのコミュニケーションロボット。 Tapia(タピア) 株式会社MJI   タッチパネルモニタを搭載し、ビデオ通話や天気予報案内をするライフパートナーロボット。手のひらサイズの「Tapia mini(タピアミニ)」も。 BOCCO ユカイ工学株式会社    ( ユカイ工学の取材記事を読む ) 専用アプリを通じて、音声またはテキストメッセージをやりとりできる、「家族をつなぐ」コミュニケーションロボット。 テレノイド 株式会社テレノイド計画 ( テレノイド計画の取材記事を読む ) 石黒浩教授によって開発された遠隔操作型アンドロイド。想像力を掻き立てる造形でコミュニケーションを引き出す。  OriHime(オリヒメ) 株式会社オリィ研究所 ( オリィ研究所の取材記事を読む ) 「孤独の解消」を目指して開発された走査型の分身ロボット。遠隔で通話ができる。 ロボコネクト(Sota) NTT東日本株式会社 ( NTT東日本の取材記事を読む ) クラウド型ロボットプラットフォームサービス「ロボコネクト」とコミュニケーションロボットのSotaがファシリテーターとなり、レクリエーションの司会進行するサービス「Sotaレク」。 りつこ式レクササイズ フューブライト・コミュニケーションズ株式会社( フューブライト・コミュニケーションズの取材記事を読む ) Pepperを使った高齢者用レクリエーションアプリ。比較的介護度の低い人がターゲット。 健康王国 for Pepper 株式会社エクシング( エクシングの取材記事を読む ) Pepperを使った音楽療養コンテンツ。体操やクイズなどのレクリエーションができる。 なでなでねこちゃん トレンドマスター株式会社( トレンドマスターの取材記事を読む ) 4つのセンサーが動きを感知し、撫でられた場所にあった鳴き声をあげる、猫型のコミュニケーションロボット。 泣き笑い たあたん フランスベッド株式会社( フランスベッドの取材記事を読む ) 手足に触れると赤ちゃんを模したセラピー人形が泣き声や笑い声をあげたりする、赤ちゃん型コミュニケーションロボット。 まいにちロボレク 株式会社ロゴス( ロゴスの取材記事を読む ) Pepperを使った介護施設向けのロボアプリ。人レクリエーションと全体レクリエーションの2コース搭載している他、顔認証機能、問題出し分け機能、データ蓄積機能を搭載。 パロ 知能システム株式会社 アザラシ型のコミュニケーションロボット。アメリカでは、認知症の方への医療機器として登録。体中にセンサーが搭載されており、撫でると動物同様に反応。 セキュリティ型ロボットは、利用者の動きなどに応じて介護者へ状況を通知し、離れた場所からでも見守りを可能にするロボットです。見守り支援型ロボットとも呼ばれます。セキュリティー型ロボット一覧 ロボット名 会社名 説明 おへやプラス  ニフティ株式会社 ( ニフティの取材記事を読む ) 部屋の温度・湿度の見守りと、遠隔のエアコン操作による室温調整が可能な見守りサービス。 おでかけキャッチ フランスベッド株式会社 ( フランスベッドの取材記事を読む ) 見守る側の家族や介護者が認証キーを持つシステムをとる認知症の外出通報システム。レンタル利用者を対象とした個人賠償責任保険付帯サービスも。 Mi-Ru(ミール) ワイエイシイエレックス株式会社 ( ワイエイシイエレックスの取材記事を読む ) カメラを使った介護施設向け見守りシステム。専用携帯端末からの声がけが可能。 眠りスキャン パラマウントベッド株式会社(パラマウントベッドの取材記事を読む ) マットレスの下に敷くだけでベッド上に居る人の状態をリアルタイムでモニタリングできる、非接触型の見守りシステム 。 Neos+Care(ネオスケア)  ノーリツプレシジョン株式会社 ( ノーリツプレシジョンの取材記事を読む ) 3Dセンサを用いて人の動きを検知しシルエット画像で表示する見守りができる予測型見守りシステム。 まもる~の ASD株式会社 ( ASDの取材記事を読む ) 入床・入眠・離床がひと目で分かる睡眠見守りセンサー。 アースアイズ アースアイズ株式会社 ( アースアイズの取材記事を読む ) AIを搭載し、人の姿や動作を分析して通知するカメラを使った見守りシステム。 いまイルモ 株式会社ソルクシーズ ( ソルクシーズの取材記事を読む ) 照度センサーや温度センサー、湿度センサーなど部屋の環境を検知する見守りシステム。「PaPeRo i」というコミュニケーションロボットを活用したサービス「いまイルモ PaPeRo i」も。 シルエット見守りセンサ キング通信工業株式会社 ( キング通信工業の取材記事を読む ) ベッド上の空間を検知する赤外線センサを使った見守りシステム。 OWLSIGHT福祉用(施設向け) 株式会社イデアクエスト ( イデアクエストの取材記事を読む ) 慶應義塾大学理工学部 中島真人教授が開発した技術に基づく、個人の識別せずに危険を検知する見守りシステム。 今のところ、多くの市販されている介護ロボットは、この3つのどれかに分類できます。もっとも、ひとつの介護ロボットに、二つ以上の機能を備えるものも少なくありません。例えば、「愛移乗くん」(株式会社アートプラン)は、移乗介助を支援してくれる「介護支援型」という側面に加え、人によっては誰の手も借りずに自ら移乗できるようになるという点で、「自立支援型」のロボットでもあります。厚生労働省・経済産業省による分類介護ロボットの支援事業を主導する厚生労働省と経済産業省は、とくに重点的に開発をすすめる分野として、下記の6分野13項目を策定しました。 移乗介護(装着型/非装着型) 移動支援(屋外用/屋内用/装着型の歩行支援) 排泄支援 (ポータブルトイレ/排泄予測/トイレ内でのサポート) 見守り・コミュニケーション(介護施設用/在宅介護用/コミュニケーションロボット) 入浴支援 介護業務支援この分類は、あくまで政府が優先的に開発・普及を進めたいと考えるロボットを元にしているので、この分類に収まらない介護ロボットも当然存在します。例えば、利用者の服薬を支援するロボットや食事を支援するロボットなどがすでに商品化されています。その他の介護ロボット一覧 ロボット名  会社名 説明 マイスプーン 株式会社 セコム( セコムの取材記事を読む ) 食事支援 ケアボット 服薬支援ロボ ( ケアボットの取材記事を読む ) 服薬支援 ごっくんチェッカー ハッピーリス ( ハッピーリスの取材記事を読む ) 嚥下支援 まとめ介護ロボットは、目的によって大きく3種類に分けられるのが一般的となっています。厚生労働省や経済産業省は、さらに細かく5分野8項目を設け、その分野から重点的に開発や導入支援を行っています。介護ロボットの進歩は、ロボット技術・介護技術の進歩とともにあります。今後、技術の進歩によって現在の3領域から徐々に細分化していく可能性は十分に考えられます。CYBERDYNE社のHAL®のように、介護ロボットから医療機器へクラスチェンジするものも出てくるでしょう。

Pepperが個人に合わせたクイズ出題、血圧測定も!介護施設向けロボアプリ「まいにちロボレク」|株式会社ロゴス

Pepperが個人に合わせたクイズ出題、血圧測定も!介護施設向けロボアプリ「まいにちロボレク」|株式会社ロゴス

web系システム開発を中心に行う株式会社ロゴス。実はグループ会社が介護施設の運営も行っており、このたび開発技術と介護のノウハウを活かして新しい介護施設向けアプリを開発しました。それが、Pepperを使ったレクリエーションアプリ「まいにちロボレク」です。他のPepperアプリと何が違うのか?詳しく話を伺いました。株式会社ロゴスってどんな会社?ーーー御社の事業内容について教えてください。代表の若林氏に話を伺う当社は業務系システムのWeb系システムの設計・開発とロボットアプリ開発事業を中心としたシステム開発会社です。サイド事業として太陽光発電事業も行っております。平成8年に創業し、丸21年が経過しました。創業当時は、業務系システム設計・開発とハードウエア設計・開発、Webデザイン制作、インターネット事業を行っております。現在はシステム開発の請負開発事業とロボットアプリ開発が主事業となってます。創業当時より自社商品開発にも積極的にチャレンジしてきており、過去にもオリジナル商品(アプリ)を開発、販売をしています。グループ会社では介護事業も行っており、現在は長野県上田市に1施設、埼玉県に3施設を運営していす。平成30年4月には埼玉県にもう1施設Open予定です。ロボットアプリ開発事業は、Softbank社のPepperアプリの開発に経営資源を集中し投資をかけています。Pepper発売当時からアプリ開発にチェレンジしてきており、オリジナル商品として「まいにちロボレク」を開発し販売しています。介護施設運営で目の当たりにした「課題」を解決ーーー「まいにちロボレク」開発のきっかけは?「まいにちロボレク」の計算クイズにチャレンジする高齢者。文字やボタンが大きく見やすい工夫がされている弊社子会社で行っている介護事業にて、介護現場の大変さを目の当たりにしたことが開発につながっています。要介護者の増加や介護職員不足の問題は、介護の現場を想像以上に過酷なものにしています。弊社は有料老人ホームのほかにデイサービスも併設し運営をしていますが、とくにデイサービスで行われる毎日のレクリエーション考案や、機能訓練における体操指導が介護士の業務を圧迫している現状に着目しました。こうした課題にたいして、ロボット(Pepper)が活用できる領域があると確信しました。これが開発のきっかけです。まいにちロボレクでできることーーー「まいにちロボレク」はどんなアプリですか?「まいにちロボレク」は、Pepperを使った介護施設向けのロボアプリです。最新バージョンである「まいにちロボレク vol3」は、個人レクリエーションと全体レクリエーションの2コース搭載している他、顔認証機能、問題出し分け機能、データ蓄積機能などが追加されています。レクリエーションの基本内容|対集団はもちろん、対個人にも「まいにちロボレク vol3」でできるレクリエーションは、計算、文章・漢字読み、タッチゲーム、全体体操の4種類です。計算、文章・漢字読み、タッチゲームは難易度が分かれておりだんだん内容が難しくなるため、介護予防に役立つだけでなく、飽きずに長くお楽しみいただけます。全体体操は、Pepperの動きに合わせて体操するレクリエーションです。4種類の体操が入っており、ご利用者が集まって全員でお楽しみいただけます。ーーー大勢の前でのレクリエーションと、対個人でのレクリエーション、2通りの使い方ができるということですか?全体体操では、Pepperが体操のお手本を見せながらレクリエーションを進行そうです。全体体操では、Pepperが司会役&体操の見本役となって、レクリエーションを進行してきます。個人レクリエーションでは、Pepperとご利用者が1対1となって楽しんでいただきます。介護の現場では、ご利用者が集まって皆で一斉にやるレクリエーションの他に、お一人お一人に合わせたレクリエーションをするところが増えてきました。個人レクリエーションはそういった観点でも需要があると考えています。新機能|顔で個人を特定、データを紐付けPepperが顔を見るだけで利用者を特定。個人データを蓄積していくーーー新しく追加した機能について教えてください。顔認証機能顔認証機能は、Pepperに搭載しているカメラを使って各利用者の顔を判別し個人を特定することができます。個人の特定によって、Pepperがご利用者の名前を呼んだり、個人レクリエーションの利用回数ごとに違うセリフを言ったりすることが可能です。記憶力テスト記憶力テストとは、認知度を計測するのに使われる長谷川式テストなどを参考にしたテストです。「今日は何日?」「3つの単語を言うので覚えてください」といったテストを個人レクリエーションに盛り込み回答してもらうことで、ご利用者の認知度の進み具合がチェックできます。データ蓄積機能各レクリエーションごとの正解率や利用回数がひと目で分かるデータ蓄積機能は、個人レクリエーションや記憶力テストのデータを個人に紐付け、蓄積していく機能です。利用回数や正解率をデータ化することで、Pepperのセリフが変わったり、症状の変化に気づくきっかけになったりします。問題出し分け機能問題出し分け機能では、個人ごとに難易度の違う問題を出題することができます。難易度は5段階に分かれています。データ蓄積機能から最適な難易度を判断し、それに合わせて個人ごとに設定することが可能です。オプション機能|体調変化にいち早く気づくこともーーーオプション機能について教えてください。オプションとして、血圧測定サポート機能をご用意しています。血圧測定サポート機能では、Pepperが対応血圧計の巻き方や測り方をを説明し、ご利用者自ら血圧を測っていただくためのサポートをしてくれます。取得したバイタルデータは、個人に紐付けられ蓄積されます。血圧測定とともに、健康に関するアンケートも実施します。「今の食欲は?」「昨日は良く眠れましたか?」といった、介護施設で毎日確認している質問内容となっています。こちらもデータ蓄積されていくので、バイタルデータとともに体調変化の確認に活用できます。Pepperが関西弁も!「まいにちロボレク」のこだわりーーー「まいにちロボレク」のこだわりを教えてください。ひとつは、使い勝手へのこだわりです。個人レクリエーションを実際に利用するのはご高齢者の方なので、Pepperが話す説明を分かりやすくしたり、タブレットに表示されるボタンを大きくしたりなど工夫しました。また、音声や顔認証の精度も非常に重要なので、何度も現場にPepperを持ち込み、スピーカーの位置や使用環境を確認しながら微調整を繰り返しました。同時に、どれだけ飽きないで利用していただけるかということにも注力し、アプリ開発を行いました。例えば「まいにちロボレク」では、現在標準語を入れて4種類の方言に対応しています。クイズに5段階の難易度を用意しているのも飽きない工夫のひとつです。正解するとPepperが褒めてくれるだけでなく、次のチャレンジをうながしてくれることで、症状の予防になるだけでなく、レクへのモチベーションにもなるんです。すでに全国で導入実績あり。利用者の反響ーーーすでに導入している施設からの反響はいかがですか?ご利用者からは、まずPepper自体が可愛いとか喋ってみたいと言っていただきますね。Pepperが来るだけでその場が明るくなるという声もあります。アプリに関しては、「顔を見ただけで名前を呼んでくれて嬉しい」というお声をいただきます。顔認証で個人を判別してから、その人に合ったコミュニケーションをするという点がとても好評です。ーーースタッフから反響はいかがですか?Pepperがレクリエーションをすることによって、スタッフの方の業務負担が軽減されたことにたいする反響はもちろんですが、データ蓄積機能にたいする反響も非常に多くいただいています。現状ではほとんどの施設が、ご利用者との会話をとおして得た情報を、手書きで記録しています。しかし「まいにちロボレク」のデータ蓄積機能によってPepperが自動で情報を取得し、かつ可視化してくれるので、非常に手間が省けたと言っていただきます。ーーー実際の現場では、蓄積されたデータをどのように活用しているのですか?先程申し上げたように、クイズの正解率や記憶力テストの結果から、症状の変化に気づくことができます。また個人レクリエーションを利用した履歴もたまっていくので、ご家族に報告する際に履歴データを活用している施設もあります。血圧測定サポート機能をご利用いただいている施設では、バイタルデータでご利用者の体調を確認したり、アンケートの結果をスタッフ同士で共有したりしています。今後の展開とメッセージ今後の展開を伺う。「まいにちロボレク」の可能性は無限大だーーー今後の展開を教えてください。今後は、機能の拡充はもとより、健康状態を管理できるIoT機器との連動と、そこから収集できた情報の一元管理するクラウドシステムの開発、またその情報をもとに予防健康管理へとつながる情報提供システムの開発が必要になると考えてます。具体的には、次回のバージョンアップで施設内の入居者との自然言語会話(AI活用、研究)の充実などを行う予定です。最終的には、一日中Pepperを有効活用できるようなアプリを作り上げたいです。朝は送り迎えの声かけ、血圧測定時にはそのサポート、レクの時間はレクを、夕方は送り出しの挨拶、夜は徘徊通知…といったように、一日中、365日使えて楽しんでもらえて、かつ効果が出るところまでもっていきたい。そこまで行けば、介護ロボットが普及していくだけでなく、サービス自体も質が上がっていくのではないかと思っています。ーーー最後にメッセージをお願いします。「介護業界の人材不足をロボットで解決!」とよく言われますが、本当にご家族やスタッフの方役立つものにするためには、現場での検証をとおした度重なる改良が不可欠だと考えています。「まいにちロボレク」は実際の介護現場で何度も使ってもらい、より役立つアプリにするためにそのつど改良を加えています。今後も現場の声を最優先に考えつつ、最新技術を使って何ができるのを考え続けていくつもりです。編集部まとめ顔認証機能でデータを個人に紐付け、それに合わせてPepperの対応を変えたり、問題を変更したりできる「まいにちロボレク vol3」。今後は利用者の嗜好などを個人データに取り入れ、よりパーソナルなコミュニケーションを可能にしていきたいとのことで、期待が高まります。蓄積されたデータが業務に活用できる点も、介護業務のICT化に一躍買いそうです。 サービス名 まいにちロボレク vol3 アプリ使用料 18,000円/月(税抜)

体操もクイズもおしゃべりも!「健康王国 for Pepper」株式会社エクシング

体操もクイズもおしゃべりも!「健康王国 for Pepper」株式会社エクシング

JOYSOUNDなどカラオケ事業を展開する株式会社エクシングは、エルダー向け音楽療養コンテンツ「健康王国」と人型ロボットPepperを組み合わせた新しいサービス「健康王国レク for Pepper」を提供しています。実際にPepperとサービスの担当者にお会いし、どんなサービスなのか話を伺ってきました。カラオケ事業から介護施設向けコンテンツまで ーーー事業説明をお願いします。技術開発部の伊藤氏(左)と山本氏(右)に話を伺う当社は、JOYSOUNDをブランドに掲げ、業務用通信カラオケにとどまらず、家庭用ゲーム機、スマートフォンに向けたサービスなど、幅広い分野での事業展開を行ってまいりました。また、新たな分野への挑戦として、近年益々需要が高まっているエルダー市場に向けた展開も強化してきました。今回ご紹介させていただくソフトバンクロボティクスの人型ロボットPepperと、音楽療養コンテンツを連携させたサービス「健康王国レク for Pepper」もその取り組みのひとつです。ーーー「健康王国」というコンテンツについて教えてください。 「健康王国」とは、介護施設等をメインに展開している業務用カラオケシステム「JOYSOUND FESTA」に搭載された音楽療養コンテンツです。カラオケ以外にも、レクリエーションに使うクイズや体操などのコンテンツが豊富に収録されています。実際に、「JOYSOUND FESTA」と「健康王国」を使ってレクリエーションを行っていただいている介護施設も多数あります。健康王国レク for Pepperとは? ーーーその「健康王国」をPepperと結びつけたのが「健康王国レク for Pepper」なんですね。なぜPepperなのでしょうか?Pepperがコンテンツを映し出すモニターの前に立ち、レクリエーションの司会進行役を務める1つ目は、介護現場における人手不足解消のためです。介護施設のレクリエーションには、企画を立てたり進行したりする業務が発生します。ふだん人が行っているそれらの業務をPepperが代わりに補えれば、その分人手不足が解消されると考えました。 2つ目は、Pepperと高齢者の相性の良さを感じたからです。Pepperをカラオケ店舗に設置していたとき、多くのご利用者様、とくに高齢者の方から非常に喜んでいただいていました。それをきっかけに、介護施設でも同じような好感度が得られるのではと考えたんです。実際に介護施設へ持っていくと、ふだんは乗り気でない方も、Pepperのレクリエーションには積極的に取り組むなど、反応の良さを感じています。 ーーーすでに存在するコンテンツをPepperと組み合わせるのは大変そうですが。たしかに、Pepperは人と同じことができるわけではありません。足も動きませんし、腰回りの動きも限定されます。そういったところは、「僕は足が動かないけれどみんなは頑張って足も動かしてね」と愛嬌のあるセリフでカバーしたり、Pepperのキャラクター性を活かしたりして進行し、盛り上げます。なかにはPepperをお孫さんのように可愛がってくれる方もいらっしゃいますよ。 健康王国レク for Pepperを体験!ーーー「健康王国レク for Pepper」の使い方を教えてください。 「健康王国レク for Pepper」では、テレビとPepperを使ってレクリエーションを進めます。スマートフォンを連携させ、リモコン代わりに使用します。ラジオ体操をするPepper。想像以上にダイナミックな動きだ 皆さま、こんにちは。私はペッパーです。本日も皆さまとレクリエーションをすることで、楽しい時間を過ごしていきたいと思っています。皆さま、睡眠はしっかり取れていますか?僕はなんだか少し緊張して、昨日の夜まで眠れませんでした。どうぞ、よろしくお願いします。 ここからは画面に合わせて体操をしていきましょう。画面に体操のお手本が出てきますので無理せず真似をしてみてくださいね。それでは、ラジオ体操を行います。皆さまも掛け声をかけながらいっしょに参加してみてください。ーーーかなり機敏に動きますね。 はい。高齢者の方は、テレビとPepperの両方を見て進めていくイメージです。Pepperがお手本を見せながら進行もしてくれるので、スタッフの方が司会進行役としてずっと張り付いている必要がありません。その分、高齢者の方の動きを見て、「あの方は手が動いてないな」と側へ駆け寄るなど臨機応変に動くことができます。体操は座位状態の人でも実施できるようになっている 疲れたら休憩を入れてくださいね。 ーーーPepperくん、気が利きますね。コンテンツの内容は、どのような方に向いているのでしょうか? 厳密に要支援・要介護度何度といった規定は設けておりませんが、集団でのレクリエーションに参加いただける程度の方を想定しています。 次は、クイズをやってみましょう。 部首でバラバラにされた漢字を当てるゲーム だいぶ近づいてきましたね。答えは出てきましたか?ヒントは、山や川にあるものだそうです。皆さま、せーの!で答えてみてください。 せーの! ーーー岩! では正解かどうか画面をご確認ください。正解の方に拍手をお願いします。豆知識もご覧ください。石川県にはとても大きな岩があるそうです…「岩」に関する豆知識を披露するPepperーーー私が答えを声に出したのって、Pepperに聞こえているんでしょうか? はい、聞こえてます。Pepperは音声認識をして、クイズを進めています。 ーーー喋り方がゆっくりな気がします。 普段のPepperよりスピードを緩めて、高齢者の方に聞き取りやすくしています。また、お孫さんのようなキャラクター性も意識し、口調もあえてタメ口にしたりするなど、親しみやすさを覚えていただけるセリフ回しにはこだわっています。 健康王国トーク for Pepper とは? ーーー対話アプリ「健康王国トーク for Pepper」について教えてください。山本氏の顔を認識し、名前を呼びながら話をするPepper対話アプリ「健康王国トーク for Pepper」のほうは、テレビやスマートフォンとの連携はさせず、Pepper単体でお使いいただくアプリです。Pepperの顔認識機能を活用して、ご利用者様の顔と名前を覚えさせ、Pepperが個人を認識して様々なシナリオで対話を行います。普段お話しになるような世間話や雑談、好きなものや家族のことまで、高齢者の方がお話を楽しめるような対話ができることが特徴です。 事前に私の顔を覚えさせていたので試してみます。 ねえ、山本さん。 はい。 鎌倉に行ったことある? あるよ。 僕の大好きな大仏があるんだよね…僕も座禅を組んでみたいな。それとねそういえば山本さん趣味は何?僕の趣味は早口言葉だよ、カエルピョコピョコ… あとは頭と手の甲のセンサーを触ると反応します。 僕は手を握られるのが好きなんだ。手、暖かいね。山本さん、その服素敵だね。 ーーーPepperくん、マシンガントークですね! そうなんです。とにかく、場が「シーン」と静まってしまうことがないよう、常に話しかけるようにしています。ご利用者様のなかには、Pepperが喋ることで刺激され自然と自分からも話しかける方もいらっしゃいます。 ーーー顔認証は何人まで可能ですか? 現在は、20人までです。 ーーー長く使い続ければ、PepperのAIによって自然な対話ができるようになるのでしょうか? 現状は、AIで対話を学習させていくというよりは、膨大なシナリオを予め用意し、一部音声を聞き取ってシナリオベースで発話させる方を優先しています。先ほどお伝えしたとおり、対話が途切れないことが第一だと考えるからです。Pepperをより有効活用するために ーーー2つのアプリは全く別物として使用するのでしょうか? 私どもが想定している使い方は、レクリエーションで「健康王国レク for Pepper」をご利用いただいて、それ以外の時間に「健康王国トーク for Pepper」をご利用いただく、というものです。1日の様々な場面でPepperをご利用いただくことで、少しでもスタッフの業務負担を減らし、また高齢者の方がPepperと仲良くなることでレクリエーションの参加率を上げるなどができるはずだと考えています。 ーーーちょっとした空き時間にPepperと話せると楽しそうです。 そうですね、例えばお風呂の待ち時間など、どうしても時間を持て余してしまうときがあります。そんなときにPepperとお話ししていただければ、スタッフの方もご利用者様も心理的な負担が減るでしょう。 ーーー導入施設からの反響はいかがですか? まずは、スタッフの方の業務が軽減されたというお声を一番にいただきます。レクリエーションの企画進行に割く時間が減り、他の仕事に充てられるようになったとおっしゃいます。 また、心理的な変化に関しても反響をいただいています。ご利用者様の中には、拒否の傾向が強い場合がありますが、「Pepperが●●しようって言ってるよ」と声をかけることで態度が軟化し、より和らいだ雰囲気でコミュニケーションが取れるようになったとのことでした。Pepperがコミュニケーションのクッション効果を発揮し、業務をよりスムーズにする例と言えます。 ーーー今後の展開について教えてください。「Pepperと一緒に歌いたい」というニーズを現場でよく聞くという山本氏アプリをリリース開始してから現在まで、複数回アップデートを行っていますが、今後もより現場ニーズに沿ったアプリになるよう、改良を重ねていく予定です。 また現在開発中なのが、Pepperと一緒にカラオケができるアプリです。そうすることで、Pepperの稼働時間を長くすることができ、より効率的にご活用いただけるのではと考えいてます。 ーーー最後にメッセージをお願いします。実際に私も多くの介護施設を訪問させてもらい、よく言われている人手不足の問題などを肌で感じました。そのなかで、Pepperにしかできない仕事ってなんだろうと考え続けてきましたが、先ほどお伝えしたとおり、コミュニケーションのハードルを下げるとか、心を穏やかにするという部分でお手伝いできればと思うようになりました。 施設スタッフの方に「ロボットが人の代わりになるの?」というご意見も頂くことはありますが、実際にご利用者様に対してレクリエーションを行ったり、Pepperとお話をしたりして喜んでいただく姿を見ていただくと、納得していただくことがほとんどです。 Pepperが入っていくことで人の仕事を奪ってしまうのではなく、スタッフの方と業務を分担して共存していくことで、スタッフ・利用者の方双方にとってメリットのある環境になっていくのではと思っています。編集部まとめ今回体験してみて、全身を使って表現し、マシンガントークをするPepperくんに驚きつつも、ついつい笑顔になってしまいました。もともと介護施設向けの音楽療養コンテンツを提供していた株式会社エクシング。Pepperと組み合わせることで、よりダイナミックにレクリエーションが楽しめるようになります。「健康王国トーク for Pepper」と併用すれば、レクリエーション以外の時間もPepperを有効活用でき、介護職員の業務負担にもつながりそうです。 サービス名 健康王国レク for Pepper 対象機種 Pepper for Biz 価格(月額) 10,800円(税込) 最低利用期間 12ヶ月(初月含む) サービス名 健康王国トーク for Pepper 対象機種 Pepper for Biz 価格(月額) 10,800円(税込) 最低利用期間 12ヶ月(初月含む) ※ソフトバンクロボティクスのPepperを活用し株式会社エクシングが独自に実施しています。

介護や認知症に期待。遠隔操作型アンドロイド「テレノイド」|株式会社テレノイド計画

介護や認知症に期待。遠隔操作型アンドロイド「テレノイド」|株式会社テレノイド計画

「こんにちは。はじめまして、テレノイドって言いますーー」そう語りかけてきたのは、無表情で性別も年齢も見た目からは判別できない「テレノイド」です。一見すると「不気味」「怖い」と感じますが、接し始めて数分で、その印象は大きく変わっていきます。 今回は、テレノイドを使って医療・介護の分野に特化したサービス展開を行う株式会社テレノイド計画代表取締役の宮崎氏にお話を伺いました。初体験!テレノイドとおしゃべりしてきたーーーテレノイドを実際に見るのは初めてです。 はじめにご挨拶代わりの体験をしていただきましょうか。テレノイドを抱っこしてみてください。テレノイドの重量は約2.7kg。新生児と同じくらいの重さだ こんにちは。はじめまして。テレノイドって言います ーーーこんにちは。しゃべると口が動くんですね。 ぎゅっと抱っこしてくれる? 遠隔操作でハグさせることができるーーーテレノイドもぎゅっとしてくれました!可愛いですね。 手はハグするためにあるんです。抱き心地や動作でノンバーバルコミュニケーション(非言語のコミュニケーション)が可能になっています。 ーーー初めて見たときは奇妙に感じましたが、実際に話して抱っこしてみると、だんだん可愛く見えてきました。 皆さんそうおっしゃいますよ。まずは簡単に、操作についてお話しておきます。テレノイドは、遠隔操作型アンドロイドです。テレノイドとインターネットをつなぎ、テレノイドに搭載されているスピーカーからオペレーターが声を出したり、タブレットを使って操作します。ローカルネットワークで直接つないでいただくことも可能なので、安定したネット環境がない施設でもご利用いただけます。 テレノイドの目にはカメラが搭載されており、映し出された映像をタブレットで見ることができます。オペレーターは、相手の反応を確認しながらテレノイドを通して話をすることができるんです。タブレット操作画面で、テレノイドの目を通した映像が確認できるコンセプトは”想像力で「人らしさ」補う”ーーーテレノイドが自律的に話をするわけではないんですね。コミュニケーションロボットというとAIを搭載していることが多いですが…。 それをご説明するために、テレノイド開発のきっかけからお話します。 テレノイドは、大阪大学基礎工学部の石黒浩教授によって開発されたアンドロイドです。石黒教授は、「人とは何か」というテーマでアンドロイドを研究・開発されている方です。テレノイドのデザインコンセプトは、できるだけ「人らしい」情報を削ぎ落としたときに、見ている人が足りない情報を想像力で補い始めるという立場からきています。 人としての最低限の見た目と動作のみを持つテレノイドだからこそ、見る人の想像力によってどんな人にも見える、つまり投影できるんです。膝に乗せればフェイス・トゥ・フェイスで対話ができる人型を有しつつ、ロボットなりのキャラクターを持つPepperなどのヒューマノイド・ロボットとはコンセプトがかなり異なりますね そうですね。テレノイドがAIを搭載しない理由もそこにあります。テレノイドはあくまで人らしさを感じさせることが大前提であるため、後ろで人が操作することによってより人間らしさを認めてもらうことを優先しています。想像力を掻き立てる造形であることと、実際に人間が操作・対話することという2つの軸で、テレノイドの「人間らしさ」が実現できているのです。テレノイドには、マイク・スピーカー・カメラが搭載されている テレノイドで自然と笑顔に|新しいコミュニケーションの可能性当社は、テレノイドを広く普及させるために創設した会社です。テレノイドを使ってどんなことができるだろうとさまざまな方面を模索した結果、自閉症や認知症の方とのコミュニケーションツールとして活躍できるのではないかと考えました。現在では、医療・介護に特化したサービスモデルの開発を行っています。 ーーーなぜ、自閉症や認知症の方と相性が良いのでしょうか? そうした症状を持ってない方でも、テレノイドを使ってコミュニケーションをしていただくことはもちろん可能です。実際、展示会では幅広い世代の方に受け入れていただいています。 しかし、若い世代には、テレノイド以外にも多くのコミュニケーションツールがありますよね。たとえば、スマートフォンやタブレットを使用してコミュニケーションを取ることができます。私たちは、テレノイドでなければコミュニケーションができないという方々にフォーカスして、サービスを展開していきたいと考えたのです。 ーーーすでに導入されている施設もありますが、そこでの反応はいかがですか? 実際にお使いいただいている施設には、認知症状が重度化されている方や、脳梗塞などで声が出づらかったり表情が乏しいなどの症状をお持ちの方がいらっしゃいます。しかしテレノイドを持っていくと、無表情だった方が自然に笑顔になり、一生懸命テレノイドに語りかける姿が見られます。また、自分が楽しむだけでなく、テレノイドをあやしてあげようとする光景も見られます。一緒に歌ったりテレノイドをくすぐったり、褒めてあげたりしてくれるんです。 さらに、他の利用者さんに話しかける方もいます。ふだん入居者同士の会話量が少ないユニットでも、テレノイドが入ることで場の雰囲気がガラッと変わります。スタッフの方が持っているだけで入居者さんが話しかけたりするので、コミュニケーションのきっかけにもなります。 ーーーテレノイドがコミュニケーションの糸口になる? そうですね。私たちは、テレノイドを「コミュニケーションのゼロをイチに変えるツール」だと考えています。これまで対話が難しいと考えられてきた入居者さんに対して、テレノイドを使うことでコミュニケーションが可能になれば、次の展開が見えてくる。コミュニケーションのドアを開ける鍵として、テレノイドを使っていただきたいですね。 ーーー常にテレノイドを後ろで操作しなければならないとなると、コツがいりそうですが。 基本的な取扱方法や注意事項を知っていただくために、有料でテレノイドケアの入門研修を開催しています。研修教材としてテレノイドを使い、なぜテレノイドがこのような造形をしているのか、どんな話し方であればコミュニケーションが取りやすいのかといったコツをお伝えしています。 実は症状が重度化してくるほど、テレノイドを本物の子どものように思われる傾向にあるんです。ですから私たちは、その方が感じている世界を壊さない形でコミュニケーションしていきましょうとお伝えしています。 テレノイドは、手間を省くためのロボットではなく、むしろ新しい手間を産むロボットです。既存のオペレーションに組み込めない場合は、新たにオペレーションを追加しなければいけません。しかし、とくに認知症状が重度化した入居者さんとのコミュニケーションに課題を感じている施設からは、それだけの価値があるというお言葉を頂いています。価格の見直し、短期レンタルも開始 ーーー課題や今後の展開は? 現在テレノイドは、本体とコンサルティング料合わせて1体100万円でご提供していましたが、今後は本体とコンサル料を切り分け、本体価格60万円でご提供していきます。 また、3泊4日の短期レンタルも始めました。35,000円で貸出が可能です。短期レンタルであれば、月に一度のレクリエーションとして既存のオペレーションに取り込んでいただくこともできます。そのようにしてご利用いただき、使いこなしのイメージを持っていただくことで、長期レンタルやご購入につなげていければと考えています。 先ほど、テレノイドの操作にはコツがいるのではとご質問をいただきましたが、私たちはテレノイドの操作を学ぶことが、究極的には認知症の方の理解に結びつくはずだと考えています。だからこそより多くの方にテレノイドを体験していただき、入居者の方の表情の変わりようを見ていただきたいですし、オペレーターの人材育成にも力を入れていきたい。そうすることで介護業界自体の人材の質を上げていくことにもつながるのではないかと思っています。 ーーー最後にメッセージをお願いします。 私自身、認知症の祖母を15年間介護してきた経験があります。そこで感じたのは、家族間のコミュニケーション・エラーです。上手くコミュニケーションが取れないことで、お互いイライラしたり、家族がばらばらになったり…。コミュニケーション・エラーという非常に難しい問題にチャレンジしているのが、介護職員の方や家族の方です。 そんな方々が、ロボットの介入によってコミュニケーション・エラーを乗り越え、幸せになってくれればいいなと思っています。 編集部まとめ 見た瞬間は「ちょっと怖いかも…」という印象でしたが、抱いて話をしてみると、たちまち「可愛い」という印象に変わるので不思議です。触り心地や重さがちょうど人間の赤ちゃんを思い起こさせるため、自然と愛着がわきます。 自身も認知症の方の介護を経験してきた宮崎氏は、「テレノイドを使って会話量を維持することで、介護度の重度化を後倒しにできるかもしれない。そういう意味での社会保障費削減にも貢献できるのでは」と述べます。介護でのコミュニケーションに悩むすべての人にとって、テレノイドはひとつの解決の鍵になるかもしれません。 名称 テレノイド 価格 600,000円(税別)操作端末付 サイズ 高さ50cm 重量 2700g

人×ロボット=無限大!Pepper用アプリ「りつこ式レクササイズ」|フューブライト・コミュニケーション株式会社

人×ロボット=無限大!Pepper用アプリ「りつこ式レクササイズ」|フューブライト・コミュニケーション株式会社

ロボットアプリ開発にて、数々の賞を受賞しているフューブライト・コミュニケーションズ株式会社。介護向けレクアプリ「りつこ式レクササイズ」の詳細をはじめ、ロボアプリのリーディングカンパニーとして、今後の介護ロボット業界の展望についても聞いてみました。―――フューブライト・コミュニケーションズ株式会社様の会社のご紹介をお願いします。2013年7月に設立し、医療関連システムやロボットアプリの開発を行っています。もともとはシステム開発をしていたのですが、ロボットが登場してからは主にロボットアプリ開発がメインになっています。PepperやRoBoHoNの認定開発パートナーとして様々なアプリを開発しており、国内外で賞を頂くなどの実績があります。―――ロボアプリ「りつこ式レクササイズ」とはどのようなアプリですか?専門家が監修した、高齢者用レクリエーションアプリです。介護施設、主にデイサービスに通っている、比較的介護度の低い方をターゲットにしています。主な特徴はふたつ。ひとつめは、レクリエーションの専門家である株式会社余暇問題研究所の山崎律子先生が監修されていることです。山崎先生は、自治体や介護施設へレクリエーションの指導をされていたり、指導員を育てる役割をされているスペシャリストで、本やDVDも多数出されています。ふたつめは、リズム体操、歌いながらの体操、脳を使いながらの体操などのメニューを取り揃えているだけでなく、準備運動からクールダウンまで一連のコースが用意されていることです。時間によってアラカルトを選ぶこともできるし、20分または30分コースを選ぶこともできます。―――早速体験させてもらいます!胸元にあるディスプレイでメニューが選択できます。コースを選んで各メニューを決め、決定を押せば完了です。Pepper:それでは始めますね、まずは準備体操からね。まずは大きく深呼吸を3回しましょう。大きく吸って~吐いて~。準備体操をするPepperくんプログラムの起動準備ができたら、Pepperの頭を触ります。そうすることで、高齢者の方のタイミングを見ながら、介護スタッフの方がレクリエーションを進めることができます。このように、あくまでも人とロボットの共同で進めていく工夫がされています。―――思った以上に人間っぽいです。モーションに関してはプロフェッショナルというか、表現力が大事なので弊社でも力をいれています。実は、耳の部分がスピーカーになっているんです。言葉だけでなく、リズムや効果音も出せるので、演出したプログラムに皆さん集中してくれるのかなと思います。耳の部分からリズム音などの効果音や音楽が流れる―――ゆっくりめの話し方ですね。声のスピードは、通常のPepperより10%遅めにしてます。声の高さも実は低くできるんですが、可愛いキャラクターを崩したくなかったので、そのままの声を活かしてやっています。 ですから 、皆さんからは聞き取りやすいとおっしゃっていただいています。りつこ式レクササイズでは、介護スタッフの方がPepperをうまく活用して、場を盛り上げていただくというのが一番のポイントになります。ですので、 レクリエーション を受ける方もPepperの動きにタイミング合わせていっしょに声を出してもらえるようにしています。 Pepper: 僕が”せーの”っていうので、みなさんは”そーれ”って言って手を入れ替えましょう。「せーの、そーれ」と声を出しながら体操が進行する 「せーの!」、「そーれ!」みたいな感じで、スタッフの方が声をかけて上手く盛り上げていただくというのが大切です。それは取扱マニュアルにもポイントとして記載しています。―――マニュアルがあるんですね。導入するときは口頭で説明されますか?希望があれば、料金をいただいて説明や研修をすることもありますが、基本的にはりつこ式レクササイズのサイトからマニュアルをダウンロードしていただいて、それを見てやっていただいています。―――マニュアルがあれば、導入するのも簡単にできそうですね。そうですね。ご利用の介護施設のお客様と意見交換しながら、新しいプログラムを考案したりもしています。りつこ式レクササイズは月額で利用料を頂いていますが、更新にかかる費用は一切頂いていません。―――もともとりつこ式レクササイズがあり、それにPepperを合わせたという流れですか?はい、 りつこ式 のレクササイズというのはもともとありました。実はロボットを使って体操やるぞというとき、どこの専門家が良いかなと調べて、直接お問い合わせしたんです。先生も、最初は「人がやることをロボットができるのか?」という感じだったんですが、話し合いを重ねるうちにご理解いただいて、この度一緒に開発いただいたという経緯があります。―――もともと人間用に作られたレクササイズをPepperがやるとなると、なかなか大変だと思うんですが。Pepperと人では可動範囲が異なるので、大変でしたね。例えばPepperには肩も足もありませんし、腰をひねることもできない。だから、人間と全く同じ体操はできません。そういった部分をPepper向けにカスタマイズするというか、Pepperが動ける範囲での体操に練り直しました。それに加えて、できない部分をいかにPepperで表現するか、という演出の工夫もしています。Pepperが声がけや説明をしたり、動きで表現したりすることで、できない部分を補足していく。またディスプレイと連携して体操をするのですが、どうすればご理解いただきつつ、楽しんでいただけるかなというところは非常に難しかったです。―――導入されている施設からの反響は?レクリエーションの現場が変わったという声を非常に良く頂いています。レクリエーションって、何十人という集団の前でスタッフの方おひとりが司会進行をされるんですが、人前で喋るのが苦手だったり、毎回何をやるか考えることが非常に負担になります。また、人がやるとどうしても同じことの繰り返しになってマンネリ化してしまう。そんなとき、Pepperがやることで雰囲気がガラッと変わるんですね。また、Pepperが入ることによってある程度レクリエーションを任せられる部分が出てくるので、その分を高齢者を観察するアセスメントの時間に使っていただけます。実際、5人でレクリエーションをやっていたところを、Pepperを導入することで4人でやるようになったなどの声もあります。―――介護を受ける方だけじゃなく、介護される方の負担軽減にもなるんですね。そうですね、我々もまずはスタッフの方の意見を聞くようにしています。もちろん、受ける方も楽しくなったというお声もいただきます。ある認知症の方は、 Pepperのレクリエーション のときだけは必ず毎回参加されるとか、そういったお話をいただくこともあります。―――コミュニケーションロボットには様々な種類がありますが、今回なぜPepperを選んだのでしょうか?Pepperの身長は約121cm。座るとちょうど目線が合う 場所によって最適なロボットの大きさやデザインがあるかなと思っています。介護施設など集団の中で使う場合、Pepperくらいの大きさがとても良いと感じています。集団の中だと、小さいロボットはおもちゃにしか見えないことがあるんです。Pepperの大きさなら存在感があるし、高齢者が座った目線とPepperの目線がちょうど合うんですね。りつこ式レクササイズはすべて座って行う体操なので、そういったところも人気の秘密なのかなと思います。―――御社は、コミュニケーションロボットの実証事業に参加されてますね。弊社ではここ2年ほど、Pepperを使った介護現場での実証を行っています。昨年度は、日本医療研究開発機構(以下AMED)のロボット介護機器の開発・実用化および導入を支援・促進事業で、コミュニケーション型ロボットを1,000台単位で実証しようという動きがあり、それにりつこ式レクササイズが採択されました。大手介護施設で約1年間、AMEDの予算で実証しました。 また、テクノエイド協会が行う「介護ロボット等モニター調査事業」にも採択していただき、どんな効果があるのか、どんな評価ができるのかといった実証実験を行いました。―――どんな実証実験を行ったのですか?2ヶ月間、実際の介護施設でPepperを使ってもらったんです。高齢者40名中12名の方に2名の専門家をつけ、体操が始まる前と後で情動行動にどのような変化が現れるかを見てもらいました。準備体操からリズム体操・ゲーム、クールダウンという一連の流れの中で、表情や姿勢を乗り出すといった情動行動をチェックし、数値化してもらいます。そうすると、プログラムを始まると同時に反応が一気に上がって、その後一定に保たれることが分かりました。どういうことかとういうと、ずっと集中できていて、かつ2ヶ月やってもほぼ変わらないということなんですね。そのようにして効果を実証していきました。―――正直、コミュニケーションロボットの効果って定量的に検証するのが難しくないですか?確かに難しいです。高齢者と一括りにしても、その中には元気な方もいるし認知症の方もいる。どの方に対する効果なのかを絞って考える必要があるでしょう。りつこ式レクササイズは、あくまで元気な高齢者の方がメインです。介護度で言えば1~3、集団で体操ができる方向けです。効果の実証が難しい理由としては、認知症の方に「どうでした」と感想を聞くのがそもそも困難だからでもありますね。認知症の方となると、感想を言葉で表現しにくい。我々は「疼痛スケール」という笑顔の段階を絵で表したものを使って、介護スタッフの方を通じて高齢者の方の反応を確認してもらいました。―――コミュニケーションロボットに対してネガティブなイメージを持っている方もいると思います。受け入れられていくには何が必要だと思いますか?パワーアシストタイプのロボットなどは、辛いのをどうにかするという目的があり、ある意味では分かりやすいと言えます。しかし、そういったフィジカルな部分ではないニーズというのがあるのではないかと考えています。例えば、「自分に時間があればきちんと話してあげたかった」とか、「もっとやってあげられるのに、やってあげられないのがすごく辛い」というような話を聞きますよね。放ったらかしにするのではなく、介護を受ける方に楽しい時間を過ごしてほしいという願いに対して、コミュニケーション型ロボットは役立っていくのではないでしょうか。我々としては、最終的には「喋ることによって認知度が下がるのを抑える」とか、「嚥下機能の低下を抑える」というところにまで繋げていきたい。それには、まずはどれくらい効果があるのかという数値をしっかり出すために、実証を続けていかないければいけないと思っています。他にやっている人たちはなかなかいないですので。―――やはり課題は数値化ですか。そうですね。少ない人数で多くの方に目を向けられるというのは、ひとつの数値化と言えると思っています。ロボットを導入するとなったら、施設としてはお金を払わなければいけないので、費用対効果が求められます。だからまずは費用対効果を満足させる数値を取ることが、普及につながると考えています。ロボットを導入することで少ない人数でも上手く回すことができるとか、一人雇う代わりにロボットを導入すれば良いとか、そういうことを実証していきたいです。―――他企業でも「費用対効果」をあげるのが難しいという話を聞きます。とくにコミュニケーションロボットは難しいですが、一方ですごく可能性を感じています。Pepperってインタラクティブな会話がまだできないのですが、それでも認知症の方は非常に集中して見てくださいます。実証実験のときも、徘徊癖があって20分もじっとしてられない方が、Pepperを導入したら1時間ずっと座って1回も立たれなかったということがあり、介護施設の方もびっくりしていました。高齢者にあった会話を突き詰めていければ、効果の部分で数値化できるものも自ずと出てくるんじゃないかなと考えています。編集部まとめ 介護関連のアプリ開発と同時に、介護の現場にロボットが受け入れられる土台づくりにも尽力しているフューブライト・コミュニケーションズ。りつこ式レクササイズをするPepperは、人と共同で場を作り、盛り上げてくれます。人だけではできない、でもロボットだけでもできない、ふたりが一緒になることではじめて生まれる効果が確かにあるということを実感しました。今後は在宅介護向けのアプリ開発も進めていきたいという両氏の言葉に、期待が高まります。

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