看取り

「看取り介護」とは?具体的な内容や看取り介護の問題点

「看取り介護」とは?具体的な内容や看取り介護の問題点

ff平成18年に看取り介護加算が実施されてから、「病院以外での看取り」が注目され始めました。ある調査では、7割の特養がすでに看取り介護を実施していることがわかっています。介護をする人にとって、「看取り介護」は避けては通れない業務になってきているのです。 看取りとは?看取り介護とは? ターミナルケアとは何が違うの? 具体的にどんなことをするの? 看取り介護加算について知りたい!看取り介護の問題点は? ここでは、看取り介護をする人に向けて「看取り介護」の基礎知識をまとめます。※2018/02/19修正・追記しました。看取りとは?近年、「どんな状態であっても長く生きる」という考え方から、「残された時間を有意義なものにする」「自分らしい最期を過ごす」という考え方にシフトしつつあります。そこで注目をあびたのが「看取り」および「看取り介護」です。そもそも「看取り」とは何を指しているのでしょうか?看取りの定義全国老人福祉施設協議会の「看取り介護実践フォーラム」(平成25年度)では、看取りを下記のように定義しています。 看取り 近い将来、死が避けられないとされた人に対し、身体的苦痛や精神的苦痛を緩和・軽減するとともに、 人生の最期まで尊厳ある生活を支援することつまり看取り介護とは、要介護状態を改善したり維持したりするための介護ではなく、本人ができるだけストレスなく、自分らしい最期を迎えるための介護だといえるでしょう。ターミナルケアとは何がちがうの?看取り介護とならんで使われる言葉に、ターミナルケアがあります。ターミナルケアは「終末医療」と訳されることからもわかる通り、主に終末期の医療および看護のことを指します。対して看取り介護は、医療行為ではなくおもに終末期における介護・介助のことを指します。つまり大きな違いは、医療行為なのか否かにあるといえるでしょう。具体的な看取り介護の内容は?では、実際の看取り介護はいったいどのようなことをするのでしょうか?介護報酬の「看取り介護加算」は、以下の5つの条件を満たした場合に算定できるとされています。 1 当該施設の看護職員、病院または診療所、指定訪問看護ステーションのいずれかの看護職員との連携で24時間連絡できる体制をとること 2 看取りに関する指針を定め、施設入所の際に、入所者とご家族に看取りに関する定めた指針について内容の説明を行い、同意を得ること 3 医師、看護職員、ケアマネージャー、介護職員などが当該施設においての看取りについての協議を行い、指針について適宜見直すこと 4 看取りに関しての職員研修を行うこと 5 看取りケアは個室または静養室などを利用し、本人、ご家族、周囲の入所者に配慮すること ここでは、看取り介護加算の算定基準を参考に、看取り介護の内容についてまとめます。24時間体制での介護、連携看取り介護は、24時間体制で行われます。夜中であっても医療機関に連絡できるように、あらかじめ体制を整えておく必要があります。本人・家族への説明と同意看取り介護は、本人や家族の同意がなければ行なえません。施設での看取り介護はどのようなものかをじゅうぶんに説明し、納得してもらう必要があります。たとえば、病院との違いや施設において対応可能な医療行為の選択肢、意思確認の方法等についての話し合いを行います。多職種協働のケアカンファレンス、看取り介護計画見直し看取りに向けたケアカンファレンスは、医師、看護職員、ケアマネジャー、介護職員などの多職種が協働して開催し、本人が最期をより豊かに過ごせるよう、各職種でできること・すべきことを話し合います。また看取り介護計画は、週に1回程度の見直しが求められます。看取りに関する研修を行うこと看取り介護を行うには、事前に研修をする必要があります。研修は、下記のような内容が想定されます。  生きることの意味 死に逝くことについて 施設における看取り介護の考え方 本人、家族とのコミュニケーション  身体機能低下プロセスと変化への対応  夜間、緊急時の対応 など 引用元: 特別養護老人ホームにおける看取り介護ガイドライン 個室または静養室を利用すること看取り介護を行うときは、家族が気兼ねなく付き添いできるよう、個室または静養室を利用します。またその際、できるだけストレスなく過ごせるよう、室温や採光、換気などの環境整備にも気を配る必要があります。看取り介護加算の単位数や対象事業者看取り介護加算は、特別養護老人ホーム、グループホーム、特定施設入居者生活介護の3つの事業者が算定できます。 対象事業者 特別養護老人ホーム、グループホーム、特定施設入居者生活介護 単位数は3段階に分かれており、実際に看取りまで行うと、1580単位を取得することができます。平成30年度の介護報酬改定では、取得できる単位数が一部増加しました。 死亡日以前4日以上30日以下 1日につき144単位 死亡の前日および前々日 1日につき780単位 死亡日 1日につき1580単位 【徹底解説!】平成30年度介護報酬改定 総まとめ看取り介護の背景と問題点「看取り介護加算」の創設や強化によって、看取り介護を実施する介護施設が増えてきています。平成30年度の介護報酬改定でも、看取りやターミナルケアに関係する加算が強化されることになりました。その背景には、「多死社会」と「看取り難民」問題があります。41万人が”看取り難民”化する「多死社会」多死社会とは、高齢者の増加により死亡者数が非常に多くなり、人口が少なくなっていく社会形態のこと。具体的には、団塊の世代が平均寿命に到達する2040年、年間死亡数が現在の1.5倍である167万人にのぼると推計されています。多死社会が到来すると、医療保険の財源の膨張するなどさまざまな問題が発生すると予測されています。なかでも深刻な問題として、病院の入院ベッドが不足することによる死亡場所の不足があげられます。厚生労働省によると、2040年には約41万人の看取り場所が足りなくなると推計されています。つまり、このままでは「最期の時を迎えても死ぬ場所がない」”看取り難民”が発生してしまうのです。そうならないためにも、今「看取りの場」の選択肢として、介護事業所による看取り介護が強化されているのです。8割の介護職員が精神的負担「大きい」看取り介護を実施する介護施設が増えてきた一方で、看取り介護の問題点も明らかになってきました。問題点のひとつに、介護職員の負担増があげられます。ある調査では、精神的負担が「大きい」と回答した介護職員が全体の83%にのぼったと報告されており(※)、看取りに不慣れな介護職員や、夜間に不安を感じる介護職員への対応が求められています。具体的には、夜間帯における看護・介護職員の配置を増強させたり、看取り研修を充実させたりすることが考えられます。※出典:平成21年度老人保健健康増進等事業「特別養護老人ホームにおける看取り対応に関する調査研究事業報告書」(三菱総合研究所) 看取り介護をサポートするロボット看取り介護を実施する介護職員のサポートとして、介護ロボットがあります。とくに要介護者の見守りを支援する「見守り支援ロボット」は、夜間帯の介護職員の負担を軽減すると期待されています。ここでは、介護ロボットONLINE編集部が選んだ、看取り介護にも活躍しそうな介護ロボットを紹介します。ネオスケア(Neos+Care)|ノーリツプレシジョン株式会社ネオスケアは、3Dセンサを用いて人の動きを検知し、それをシルエット画像で表示することで、早く正確に、しかもプライバシーに配慮しながら見守りができる予測型見守りシステムです。オプションの生体モニターでは人体のわずかな動きや生体反応がない状態も測定・検知できるため、看取り時の容体の急変にも速やかに対応することができます。業界初!予測型見守りシステム「Neos+Care(ネオスケア)」|ノーリツプレシジョン眠りSCAN|パラマウントベッド株式会社眠りSCANは、マットレスの下に敷くだけでベッド上に居る人の状態をリアルタイムでモニタリングできる、非接触型の見守りシステムです。センサーが呼吸・心拍などの情報も測定します。アラーム設定を看取りに活用することなどが考えられます。ケアプラン改善にも!次世代マット式見守りシステム「眠りSCAN」|パラマウントベッド株式会社EVER Relief|株式会社構造計画研究所 EVER Relief は、ベッド上の動きや状態を見守る離床リスク検知センサーです。バイタルセンサーによって就寝中の異常を検知することができるため、看取りにも活躍します。担当者によれば、「EVER Relief」のバイタルセンサーによって看取り検知ができた施設もあるとのことでした。二段構えセンサーで離床をキャッチ!|「EVER Relief」株式会社構造計画研究所 まとめ看取り介護とは、要介護者のストレスや苦痛を緩和することを目的とし、最期までその人らしくいられるための介護のこと。それを実現するためには、本人や家族の同意はもちろん、介護施設として24時間体制の介護・看護や、介護職員の知識・経験が求められます。そのために介護職員の負担が大きくなっているという問題はあるものの、”看取り難民”をなくすためには今後も介護施設での看取りが推進されていくでしょう。看取りを実施する介護事業所は、「看取り介護加算」等をうまく取り入れつつ、介護職員の負担や不安を軽減するための対策をたてていく必要があります。介護職員は、看取り介護はすでに避けては通れない業務であると考え、研修に参加するなどのステップアップが必要だといえるでしょう。 <参考資料>株式会社三菱総合研究所(2007年3月) 平成21年度老人保健健康増進等事業 「特別養護老人ホームにおける看取り介護ガイドライン」および 「特別養護老人ホームにおける看取り対応に関する調査研究事業報告書」 2018年の介護報酬改定を解説!介護ロボット導入で加算も介護ロボが夜勤職員の代わりに!見守りロボット導入で報酬加算、厚生労働省が発表現役介護職員160名にアンケート調査を実施!97%が「人材不足を感じる」一方で対策は「特にしていない」が4割

【介護×ICT】未来をつくるkaigoカフェと介護ロボットONLINE共催イベントレポート!

【介護×ICT】未来をつくるkaigoカフェと介護ロボットONLINE共催イベントレポート!

2018年5月30日、未来をつくるkaigoカフェと介護ロボットONLINE共催のイベントを開催しました。イベントでは、下記の3社をお呼びし、それぞれ自社商品の紹介や活用事例などについて講演してもらいました。 株式会社オトングラス:OTON GLASS(オトングラス) トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社:D Free(ディーフリー) ケアコラボ株式会社:carecollabo(ケアコラボ) 当日は、「これからのケアの現場に役立つ最新テクノロジーを体験できる!」と銘打って、計7社による展示ブースも用意。今回は、当日の様子や講演内容について、介護ロボットONLINEがレポートします!テーマは「介護×ICT」今回のイベントテーマは、「介護×ICT」。「介護ロボットに興味があるけど、本当に使えるの?」「触る機会がない介護ロボットを見てみたい!」そんな思いを持つ人の、新しい機器や考え方の出会いの場になってほしいという思いから開催が決定しました。当日は、今話題の介護ロボットを開発・販売する注目企業3社を招き、「介護×ICT」の可能性について語ってもらいました。株式会社オトングラス|OTON GLASS(オトングラス)株式会社オトングラス 高橋昌希氏 OTON GLASS(オトングラス)は、文字を読むことが困難な人のために開発された、スマートグラスです。OTON GLASSをかけて、読みたい文字のほうを向き、めがねについているボタンを押すだけで、書かれた文字が音声として読み上げられます。開発のきっかけは、開発者の父親が、脳梗塞による失読症になったこと。しゃべることは問題なくできますが、文字を読むことができなくなったのだといいます。そのような人々に、文字を音声に変換して、内容を理解してもらうのが、オトングラスの役割です。実際に高橋氏がオトングラスをかけて資料を目の前に掲げると、資料に書かれている文章がめがねから流れてきました。 読みあげる音声は、iPhoneのSiriやスマートスピーカーのアシスタントのよう オトングラスは現在、一般販売用のモデルを開発中。2018年中の販売を目指しているとのことです。トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社|DFree(ディーフリー)トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社 中西敦士氏DFreeは、世界初の排泄予測デバイスです。幅6cm程度のセンサーを使って膀胱の膨らみを検知し、排尿のタイミングを予測することで、適切な時間にトイレ誘導が行えたり、排泄に不安がある人も安心して外出できたりします。世界が注目!排泄予知ロボット「DFree」|トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社中西氏によれば、DFreeを導入することで適切なタイミングでのトイレ誘導が可能となり、結果的に高齢者の不安をやわらげ、おむつやパッドの消費量を減らすことも可能なのだとか。独自の調査では、約50%の削減に成功したところもあるそうです。さらに、自立排泄サポートや空振り回数の減少により、排泄介助にかかる時間が約30%削減したという事例も報告されました。平成30年度の介護報酬改定でも、新たに「排せつ支援加算」が創設されるなど、排泄支援が注目を集めています。同社では、2018年6月1日、一般向け排尿予測センサー「DFree Personal」の販売を開始しました。「DFree Personal」は日常生活での個人利用を想定したサービスで、DFree本体とスマホなどの端末をBluetooth通信にて連携するため、外出先でも利用が可能となっています。ケアコラボ株式会社:carecollabo(ケアコラボ)ケアコラボ株式会社 上田幸哉氏  carecollabo(ケアコラボ)は、さまざまなサービスの記録を、タイムラインで統合して表示する新しい介護記録システムです。「ケアコラボ」で介護はもっとクリエイティブに!”利用者”中心の記録システム|ケアコラボ株式会社紙での記録に比べ、情報の分析や活用がしやすいというメリットと、既存のシステムに比べ、「利用者を軸とした記録になっているため、一括して管理できる」というメリットをあわせもつのが大きな特徴です。ケアコラボを使えば、スマホで撮った写真や動画をタイムラインにそのまま投稿できたり、それを家族とも共有したりできます。講演では、ケアコラボを使いながら看取りまで行ったある家族の事例を紹介しつつ、「看取りまでの期間だけでなく、看取ったあとも家族を支えるのに役立っている」とアピールしていました。ケアコラボは、職員1名につき、月額使用料が800円という価格帯も、大きな魅力のひとつです。これまでの介護記録システムとはちがった視点で開発されたケアコラボに、会場にいる多くの人が興味を惹かれている様子が伺えます。休憩時間には展示ブースで体験も 盛況を博した展示ブースでの介護ロボット・ICT体験 講演が終わったあとは、休憩時間を利用した展示ブースでの体験がはじまりました。今回展示されたのは、講演の3社の商品を加えた計7商品。どれも最先端技術を応用した、新しい介護機器です。展示商品 カイテク株式会社:ウェアラブルIoTを活用した高齢者の自立支援サービス「モフトレ(株式会社Moff)PLIMES株式会社:人工知能が嚥下を測る嚥下計「GOKURI」株式会社ロジック:訪問介護事業支援クラウドサービス 「Care-wing 介護の翼」株式会社ライブリッジ:介護求人メディア「pitaru」 「Care-wing 介護の翼」は、ICタグを使用して開始時刻と終了時刻を記録し、自動的に情報がシステムに送信される訪問介護事業支援クラウドサービスだ PLIMES株式会社の「GOKURI」は、首に装着するだけで嚥下を測ってくれる嚥下計。人工知能が正しい嚥下の検出を手助けする カイテク株式会社が展示するのは、ウェアラブルIoTを活用した高齢者の自立支援サービス「モフトレ(株式会社Moff)。デイサービス関係者などが話を聞き入っていた 株式会社ライブリッジが紹介するのは、介護求人メディア「pitaru」。テキスト・写真・動画など様々な素材を組み合わせて記事化していくことで、想いの詰まった専用ページを簡単につくることができる ディスカッションではさまざまな意見が休憩時間をおえ、最後に少人数に分かれたディスカッションが行われました。今回のイベントに参加していたのは、介護の現場で働く人、介護事業所を経営する人、介護ロボットやICTに興味のある一般の人など、さまざまな職種の人々です。それぞれの立場から、「介護×ICT」の今とこれからについて話し合います。発表された意見はその場でまとめて共有された(協力:ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社) その後の発表では、「上司が積極的な施設もあるけど、部下との認識を合わせることが大切」という現場目線の意見や、「いろんなディバイスが出てきて記録ができるようになってきたが、分散してしまっているのでそれぞれの管理が必要」という現状の課題などがあがりました。無事終了! ご参加くださった皆様、ありがとうございました! 大盛況に終わった「介護×ICT」イベント。介護ロボットONLINEが行ったアンケートでは、「介護ロボットを導入したい」という声が多数寄せられました。ここでは、寄せられた声を抜粋して紹介します。コメント抜粋 ・農業の進化を見れば、医療・介護もテクノロジーの活用が必須だと思います。・介護ロボットを導入すれば、人が本来やるべきことに専念できる。・「人」でなくてもいい仕事は、いっぱいあります。 未来をつくるkaigoカフェ代表の高瀬氏は、最後の挨拶でこう話していました。「けっきょく、介護ロボットも使う人次第。自分がじっさいに活用して、どういう未来を描きたいのかを明確にした上で、うまく付き合っていけたらいと思います」。介護ロボットONLINEでは、これからも介護ロボットに関する新しい情報を発信し、みなさんとよりよい介護の未来を模索していきます!<会場提供> ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社 (https://www.ctp.co.jp/) <講演協力> ケアコラボ株式会社 上田幸哉氏(http://page.carecollabo.jp/)トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社 中西敦士氏(https://dfree.biz/index.html)株式会社オトングラス 高橋昌希氏(https://otonglass.jp/) ■未来をつくるkaigoカフェURL:http://www.kaigocafe.comNPO法人未来をつくるkaigoカフェ(代表:高瀬 比左子)は、介護に関する身近なテーマをもとに肩書や役職を気にせず自由に思いを語ることで、自分自身の見落としていた可能性や自分自身の中に眠るものを呼び覚まし、一歩踏み出すきっかけを作れる場を提供する活動をおこなっています。

「まもる~の」で定期巡視が不要に!扉の向こうがわかる見守りへ(株式会社礎・わらい)

「まもる~の」で定期巡視が不要に!扉の向こうがわかる見守りへ(株式会社礎・わらい)

サービス付き高齢者向け住宅でありながら、要介護度の高い入居者を積極的に受け入れている「わらい〜和楽居〜」(株式会社礎)。「医療・介護特化型」のコンセプトのもと、看取りまで行うのが特長です。「わらい」では、開設当初からさまざまなICT機器を取り入れ、24時間活用しています。「わらい」に導入されているスマホ対応のナースコールと2種類のセンサーは、すべて1台のスマートフォンで確認・操作が可能です。今回注目したのは、2種類のセンサーのうちのひとつである、睡眠見守りセンサー「まもる~の」(ASD株式会社)。「まもる~の」は、入床・入眠・離床がひと目で分かる睡眠見守りセンサーです。モニター本体と、マットレスの下に敷くエアバッグセンサーを組み合わせて、睡眠のモニタリングを行うことができます。「わらい」では、「まもる~の」とナースコールをうまく使い分けて、見守りはもちろん業務改善に有効活用しているとのこと。「わらい」の運営会社である株式会社礎(いしずえ)の執行役員・理学療法士 糸魚川 恒氏に、介護ロボットを導入する際の注意点や、複数の介護ロボットを使い分けるコツ、取得したデータを無駄にしない秘訣などを取材してきました。<インタビュー協力>株式会社礎(いしずえ)執行役員・理学療法士 糸魚川 恒氏睡眠見守りセンサー「まもる~の」で介護と睡眠を見える化|ASD株式会社導入前|1台のスマホでナースコールもセンサーも使いたい当施設では現在、睡眠見守りセンサー「まもる~の」、無線式コールシステム「ココヘルパ Vcam」(ジーコム株式会社)、マット型センサー「aams」(株式会社バイオシルバー)の3つのICT機器を導入しています。マット型センサー「aams」は重篤な方向けのオプションですが、それ以外の2つは全入居者様を対象に活用しています。当施設は2016年11月に開設しましたが、開設する前から、ICT機器を積極的に取り入れようという方針を持っていました。開設当初、ナースコール導入の助成金が存在したため、それを活用して、まずはナースコールを導入しようと決めていたんです。調べていくうちに、スマホに対応した新しいナースコールシステムと既存のシステムは、新規導入ならそれほど費用が変わらないことを知りました。そこで、「じゃあスマホ対応のシステムを導入しよう」となり、「せっかくスマホを使うなら、他のセンサーもスマホで見れるようになるといいよね」ということで、センサーも探しはじめたという経緯があります。当施設は、「医療・介護特化型」のコンセプトのもと、医療依存度・介護依存度の高い入居者を積極的に受け入れており、看取りの機会も多いです。そのため、夜勤スタッフにとって、安否確認はかなりセンシティブなものとなります。そんな精神的負担の多い看取りを、見守りでサポートしていこうという思いもありました。決め手は要望を柔軟に叶えてくれたから スマホ1台で完結するので、複数の端末を持ち歩く必要がない ーーーセンサーにもいろいろありますが、今回「まもる~の」に決めたのはなぜですか?機器の選定は、かなり難しかったですね。まず、展示会で機器を見に行って、そのあと気になったいくつかのメーカーに来社してもらい、直接説明を受けました。それでも、価格や特性が異なる機器を正確に理解した上で選定し、さらにそれを上席が納得するよう説明するのは、とても大変でした。ただ、先ほど説明したとおり、「スマホ1台でナースコールもセンサーも見たい」という希望があったので、それを満たすかどうかでふるいにかけましたね。実は、「まもる~の」はもともとアンドロイド用のアプリは用意されていなかったのですが、こちらの要望を伝えたら、すぐ試作品を作ってくれたんです。そうした姿勢にも感銘をうけ、最終的に「まもる~の」の導入を決めました。「まもる~の」でもそうでしたが、解決したい課題や実現したいことをそのまま相談してみると、協力を惜しまないメーカーはたくさんいらっしゃいます。「悪くないのに、ここだけが不満だ、惜しいな」と思ったら、それをそのまま伝えてみるのも、妥協のない機器選定には重要です。 「まもる~の」導入の初期費用は約680万円導入|「かくれんぼごっこ」で操作を実践ーーー導入の際に工夫したことはありますか?当施設のスタッフの多くは、60代前後の女性です。人によっては、スマホの扱いに慣れない人もいました。とはいえ、ナースコールも「まもる~の」も、スマホアプリは直感的に操作できるよう作られています。いちいち説明書を読んだり口で説明してもらったりするよりは、使ってみるほうが早く覚えてもらえるだろうと思いました。 スマホアプリは直感的な操作に優れている そこで、施設オープン前にスタッフを集めて、それぞれにスマホを渡し、かくれんぼのようなスタイルで実際にアプリを使ってもらいました。スマホを持たないスタッフが居室に散らばってセンサーやナースコールを鳴らし、スマホを持ったスタッフがどこで鳴っているかを探したり、スマホを通して対応したりするというデモをやったんです。そうすると、1時間もしないうちに、全員が操作できるようになったのです。それ以来、ICTやスマホに苦手意識をもつスタッフはいなくなりましたね。運用|ナースコールと使い分け2段構えの見守りを実施ーーー「まもる~の」の具体的な活用方法を教えてください。 『「まもる~の」のセンサーは他製品よりもかなり小さい』という糸魚川氏 当施設では、全居室に「まもる~の」を導入しています。当施設は3階建てなので、2台のモニターを使用して、3つのブロックに分けて表示しています。 赤枠内が「まもる~の」用のモニター モニターで確認できるのは、脈拍や呼吸、体動、部屋の温度や気圧、明るさ、そして入居者様の様子です。脈拍などの数値に異常がある場合はアラームが鳴りますが、アラーム機能をメインに活用しているわけではありません。当施設では、主に3つの使い方をしています。スタッフルームにいながら安否確認 各入居者の様子がひと目でわかる 1つめは、スタッフルームにいながらの安否確認です。「まもる~の」が取得する各種データから、部屋の様子や入居者様の様子を把握し、室内に入らずとも見守ることができます。離床センサーとして 個別に時間設定ができる離床タイマー 2つめは、離床センサーとしての使い方です。「まもる~の」の離床センサーは、入居者様ごとに詳細な設定が可能です。たとえば、「Bさんはふだんから活動量が少ないので、ベッドから1分離れた時点で通知するようにしよう」とか、「Aさんは夜間によくトイレに行くから、夜12時から朝5時の間に、ベッドから30分以上離れた時点で通知しよう」といった設定です。自動で離床タイマーを起動しトラブルを通知してくれるので、発見の遅れを防ぐことができます。早期発見や業務改善にむけたデータの活用3つめは、早期発見や業務改善にむけたデータの活用です。たとえば、「ちょっといつもと様子がちがうな」と感じた入居者様のデータを確認して、ふだんと変化がないかを見るという使い方をしています。睡眠や脈拍に変化があれば、早めに医師に相談するなど、いつもより注意して介助を行うなどの対応をします。 緑色の部分が目が覚めている状態をあらわす。「ある入居者様の亡くなる前のグラフです。あまり眠れていない日が続いたかと思うと、ずっと寝ている日があることもわかります」と話す糸魚川氏 ほかにも、全入居者様のデータを分析して、多くの人が起床する時間帯に合わせてスタッフの数を増やすといった業務改善を行うこともあります。ーーー「まもる~の」を見て駆けつける、ということはあまりないんですね。そうですね。当施設では、ナースコールがその役割を担っています。「まもる~の」は、実際にトラブルのアラームが鳴った場合は別ですが、ふだんはデータが必要なときに、こちらがそのつど見にいくという活用方法がメインです。ナースコールと「まもる~の」を動と静で使い分け、2段構えで見守りを行っているという感じですね。効果|扉の向こうがわかる意義ーーー「まもる~の」導入によって得られた効果やメリットを教えてください。大きな効果として、定期巡視が必要ないという点があげられます。当施設と入居者様の介護度が近い特別養護老人ホームでは、2時間ごとに定期巡視するのが一般的ですが、当施設では「まもる~の」を通して居室内を見守っているので、必要に応じた訪室が可能です。これは、常に全室に気を張っていなければならない職員にとって、肉体的・精神的負担の軽減になります。また、見守り度合にメリハリをつけることで、限られた人員で安定したサービスを提供するための土台にもなります。また、定期巡視のせいで寝ていた入居者様を起こしてしまい、入居者様の生活リズムをかえって崩してしまったり、入居者様を起こしてしまったことでスタッフの対応が増えるといったデメリットがなくなりました。もう1つが、ベテランスタッフしか知り得なかった「感覚知」が、データとして出せるようになったことです。たとえば、入居者様個々人の特性やそれに合わせた最適な介助タイミングなどは、熟練スタッフや勤続が長いスタッフが「なんとなく」把握していました。しかし「まもる~の」を導入することで、「デイサービスに行った日はよく眠れているな」といった目に見えない感覚が可視化できるようになります。こうしたデータを活用することで、より質の高いケアを提案できたり、入社したばかりのスタッフでも熟練スタッフと同レベルのケアができるようになったりします。課題・問題点ーーー逆に、問題や課題はありますか?1つめが、マットレスによっては誤作動を起こすことがある点ですね。最近のマットレスは、自動除圧機能などが登場し、年々高性能になってきています。「まもる~の」のセンサーはマットレスの下に敷くタイプですが、マットレスの性能によっては、センサーが正しい情報を表示できないケースもあるんです。この点に関しては、メーカーの方にすでにご相談しています。2つめが、「知らされた情報に対して、我々はどこまで介入すべきなのか?」という問題です。これまでは「気づかなかった」で済まされてきたことが、ICT機器の導入によって済まされなくなってきました。ICTを使えば、人の目では気づけない小さな変化も知ることができますが、そのすべてに対応するわけにはいきませんよね。しかし、「知っていた以上は責任が生じる」という考え方があるのも事実です。「まもる~の」にかぎらず、すべてのICT機器にいえることですが、知らされた情報に対して介入すべき否かの線引は、今後も慎重に議論していく必要があるでしょう。まとめ「まもる~の」は、離床センサー機能も充実していますが、主たる見守りセンサーの機能自体は、ナースコールのように向こうからお知らせしてくれるという機器ではなく、むしろ自分たちが能動的にデータを取りに行くことで真価を発揮する機器だと思います。その点を理解し、導入前から「こういうふうにデータを有効活用しよう」と想定しておくことで、より大きな成果が得られると思います。<取材協力>医療・介護特化型サービス付き高齢者向け住宅 わらい〜和楽居〜所在地:埼玉県越谷市 大里173-1問い合わせ:048-971-5322

夜間の見回り回数が1/3に!現場発信の見守りロボ「Dream Care(ドリームケア)」|株式会社DREAM TOKYO

夜間の見回り回数が1/3に!現場発信の見守りロボ「Dream Care(ドリームケア)」|株式会社DREAM TOKYO

平成30年度、夜勤職員配置加算の緩和条件として「見守りロボット」の導入が認められました。「見守りロボットを一定割合導入すれば、夜勤職員の休憩時間を増やすことができる」ということで、にわかに話題になっています。そんな見守りロボットを現場目線で開発・販売している会社が、今回ご紹介する「株式会社DREAM TOKYO」さんです。同社によれば、昨年秋頃から見守りロボットの問い合わせがじわじわと増加しているのだとか。注目度急上昇中の「Dream Care(ドリームケア)」が選ばれる理由を、同社営業部 部長の松村忠典氏にじっくり聞いてみました! 株式会社DREAM TOKYO 営業部 部長 松村忠典氏に話を聞いた 夜間の見回り回数が1/3に!Dream Careとは?「Dream Care(ドリームケア)」はバイタルセンサーを活用した非接触型の見守りシステムです。ある施設では、Dream Careを導入してから夜間の見回り回数を1/3まで減らすことができたとのことでした。Dream Careの一番の強みは、入居者様を見守るだけでなく、プライバシーを守りながら施設のリスクマネジメントにも貢献するという点です。まずは、Dream Careの3つの特徴をご説明します。 Dream Care本体。3つの丸が並ぶうち、中央がカメラ、左右が赤外線LEDだ1.バイタルセンサーをつかって非接触でモニタリング1つ目の特徴は、リアルタイムで入居者様の様子をモニタリングできるという点です。夜間巡回していても、部屋をのぞくだけでは本当に寝ているのかどうかまではわからないですよね。Dream Careなら、入居者様の睡眠を見える化することができるんです。入居者様の様子は、Dream Care本体に内蔵されているバイタルセンサーから取得しています。管理用のモニタでは、入居者様の状態を「睡眠」「安静」「活動」「不在」という4段階に分けてアイコン表示しています。さらに、脈拍と呼吸数も数値として表示されます。 アイコンと数値で分かりやすく表示。施設内の様子が一覧できるアイコンをクリックすると、睡眠状態などを15分ごとにグラフ化したデータも見ることができますし、過去の履歴をさかのぼってみることもできます。2.プライバシーに配慮した録画記録機能2つ目の特徴は、Dream Careに搭載されているカメラによる録画機能です。カメラといっても、監視のために搭載されているのではありません。その証拠に、Dream Careから映像を配信したり、常時録画したりすることはできない仕様になっています。このカメラは、あくまで記録用のカメラです。そのため、録画は限られたシチュエーションでしか開始されません。たとえば、入居者様の部屋に2人以上の人がいるときや、入居者様に激しい動きがあったとき、そして離床検知したときなどです。つまり、事件事故が起きやすいときにだけ作動して、記録を残しているのです。ーーー「PCには配信しない」ということですが、録画された映像はどうなるのでしょうか?本体に搭載したUSBメモリに保存しておき、必要に応じてPCで見てもらうというスタイルです。部屋にカメラをとりつけることに抵抗感を抱く方もいらっしゃいますが、Dream Careはこのようにプライバシーに配慮しているので、その点を納得いただいた上で導入していただいています。3.異常発生時のアラート通知機能3つ目の特徴は、アラート通知機能です。Dream Careでは、主に以下の3つのシーンのときに管理用のPCのモニタにアラートを通知します。 呼吸や脈拍に異常値が発生した場合 不在を検知した場合 夜間活動を検知した場合  (離床検知・徘徊報知) 異常を検知したときは、一覧画面の下にアラートメッセージが表示され、デバイスからはアラート音が鳴り響きます。また事前に登録したメールアドレス宛にメッセージが届くようになっています。2018年4月には新機能もさらに、2018年4月には、新しくスナップショット機能を追加する予定です。スナップショット機能とは、アラートが出た最初の瞬間だけ写真をとって、その写真をPCに表示するという機能です。実際にDream Careをお使いいただいている施設から、「アラートが鳴って駆けつけても、直前に何が起こったのかわからない。駆けつける前に状況が把握できれば、準備して駆けつけることができるので負担も減るし、より早く対応できる」と相談をいただいたことがありました。プライバシーを守りつつ、スタッフの方に事前に状況をお知らせするにはどうすればいいかと考えたときに、スナップショットをとって共有するという方法にたどり着いたのです。開発のスタートはリスクマネジメントからーーーインタビュー冒頭で、Dream Careは「施設のリスクマネジメントにも貢献する」とおっしゃっていましたが、なぜでしょうか?実は、Dream Careは、愛知県にある介護施設様からのある要望から開発がスタートしているんです。その要望とは、「事件や訴訟問題につながるトラブルを防ぎ、施設を守りたい」というもの。つまり、組織のリスクマネジメントとして活用できる機器を探していらっしゃいました。万が一のときのエビデンスを残すなら監視カメラがよいのかもしれませんが、プライバシーに配慮すべき介護施設では使えません。そこで、センサーをつかったシステムを開発しようと考えました。開発中、実際にその施設でデモをしてみると、「リスクマネジメント」に対するニーズだけでなく、「使いやすさ」に対するニーズが非常に多く寄せられました。そこでスタッフの方も使いやすいように改良を重ねているうちに、経営側も現場側も活用しやすいシステムになったのです。転倒が3割減!現場から支持される反応の速さーーー現場で働く方々は、Dream Careをどのように評価しています?現場スタッフの方からとくに好評いただいているのが、センサーの反応速度ですね。これまで、離床センサーとしてスタンダードだったマット型センサーは、踏んだらアラートが鳴るという仕組みなので、アラートが鳴った時点ですでに離床状態にあるわけです。だから、急いで駆けつけても当然離床のタイミングには間に合わず、少なからず転倒事故が起きてしまっていました。それに比べてDream Careは、離床の初期の動作でアラートを作動させることができるので、アラートが鳴ってから駆けつけても離床のお手伝いに間に合います。実際にある施設では、「Dream Careを導入してから転倒が3割減った」とお話されていました。ーーー離床の前の動作でアラートを鳴らすとなると、心配なのが誤報です。寝返りと間違えませんか?寝返りと間違えないように、動きの大きさやタイミング、時間などで離床かどうかを判断しています。ただ、動きは人それぞれで異なりますので、Dream Careでは「離床と判断する基準」を個別に調整できるようにしています。利用者ごとに活動量やアラート検知時間などが設定できる設定自体は非常に簡単です。夜間の活動量をパーセント表示で設定できるようになっており、数値が低いほど小さな動きでも離床と判断します。「この方はよく寝返りをうつな」という場合は70%と設定するなど、感覚的に設定いただけます。看取り時にはスタッフの精神的負担にもーーーバイタルデータがとれるということは、看取りにも活用できるのでしょうか。そうですね。当商品は医療機器ではありませんが、呼吸や脈拍などのデータを参考に、看取りにご活用いただけると考えています。実際に、すでにDream Careをご利用いただいている施設からは、看取りに関連したお声が寄せられています。たとえば、「バイタルデータから息を引き取られた時間が正確にわかるため、ご家族に詳細な時間をお伝えすることができた」というスタッフの方がいらっしゃいました。またアラート通知のおかげで急変にもすぐ気づくことができるので、看取り時のスタッフの精神的負担が軽減されるでしょう。1週間の無料貸出・介護ロボ補助金も対象にーーー導入プロセスを教えてください。お問い合わせいただきましたら、まずは現地調査をします。その際、何台必要なのかなどをお聞きした後、お見積りをお出しします。ご希望であれば、1週間程度のデモ設置をしていただくことも可能です。その後、デモの結果に応じて録画設定などのご相談も承ります。導入の前には、必ず入居者様とご家族に設置の案内をしていただき、必要に応じて同意書にご了承いただきます。ここまで終わったら、後は工事をするだけです。Dream Careは、神奈川県をはじめ多数の自治体で「介護ロボット導入支援事業」の補助金対象となっていますので、初期費用が心配な事業所様もぜひご相談ください。目的は人員削減ではなく質の高いケアーーー最後に、介護スタッフや介護家族の方にメッセージをお願いします。営業として施設の方にDream Careを紹介して思うのは、「見守りシステムを入れても、スタッフの数が減らせるわけではない」ということです。見守りシステムは、作業そのものを手伝うわけではありません。Dream Careは、人の代わりにおむつを替えることもできませんし、入浴介助することもできません。しかし、現場で働く方々が作業しやすいような環境づくりのお手伝いはできます。我々は、入居者の方の尊厳や生活の質を高めるための道具の一つとして、Dream Careを使ってほしいと思っています。「ケアの質をあげるために、少し余裕がほしい」という思いを、Dream Careが叶えていければと思います。編集部まとめ現場発信で開発された「Dream Care(ドリームケア)」。スナップショット機能などの独自の工夫が、現場フレンドリーです。また、もともと施設のリスクマネジメントという視点から開発されただけあって、万が一の事故や事件のときにも安心な機能が的確におさえられています。転倒や見回り回数が減ったという具体的な実績は、現場の意見を吸い上げて改善を重ねていった結果だといえるでしょう。機器構成 本体 非接触バイタルセンサー・カメラ・マイク・データ保存用メモリ等内蔵 その他 クラウドサーバーサービス 状態表示モニター(PCモニター別途) タブレット端末またはスマートフォン(別途) 無線LAN環境(別途) 装置仕様 電源 100V~240V 消費電力 20W 動作温度 4~35℃ 動作湿度 20~80% (結露なきこと) 寸法 205×105×41.5 重量 250g

10年で倍増!身体拘束の実態と介護ロボットの光と影

10年で倍増!身体拘束の実態と介護ロボットの光と影

要介護者の行動を制限し、自由を奪う「身体拘束」。実は、この10年の間で倍増しているのをご存知ですか?厚生労働省は、平成30年度の介護報酬改定で身体拘束を厳罰化する改定を加える(※1)など、問題視しています。身体拘束が増えている背景には、認知症の増加や、医療・介護業界の人手不足があります。身体拘束は高齢者の尊厳を侵害するだけでなく、身体機能の低下も招く危険な行為です。そんな身体拘束を減らすために、今、何ができるのでしょうか?ここでは、身体拘束に該当する行為や身体拘束の実態、身体拘束ゼロを目指す取り組みなどを紹介していきます。※2018年3月14日追記しました。※1 「身体拘束、来年度から対策強化へ 減算を拡大 要件も厳格化 厚労省方針」より身体拘束とは面会に行った桃子さんは、手足を縛られて身体が硬直した高志さんを見て唖然としました。鼻から栄養剤のチューブを入れるため、嫌がって抜かないようベッドに手足を縛り、手には指が使えないようミトン型の手袋をされていたのです。離床したときは、個室から出られないようにリクライニング式の車イスに動体をベルトで縛り、脚の間もベルトで巻かれていました。 引用元:東田勉(2014年)『認知症の「真実」』講談社現代新書こうした身体拘束が、とくに認知症の高齢者に対して行われている実態があります。身体拘束とは、手足をベッドにしばりつけたり、鍵のかかった部屋に閉じこめたり、ベッドやいすを使用して行動を制限したりすること。厚生労働省は、具体的として下記のような行為を挙げています(※2)。身体拘束の具体例 徘徊しないように、車いすやいす、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。 転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。 自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む。 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢をひも等で縛る。  点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、または皮膚をかきむしらないように、手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける。 車いすやいすからずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y字型拘束帯や腰ベルト、車いすテーブルをつける。 立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるようないすを使用する。 脱衣やおむつはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。 他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドなどに体幹や四肢をひも等で縛る。 行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる。 自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する。 ※2 「 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準 」よりこれらに該当しなくても、不用意に行動を制限する場合、身体拘束とみなされることがあります。たとえば、次で紹介する「スピーチロック」などがそうです。3つの身体拘束|スリーロックとは身体拘束をさらにひろく定義する言葉として、「スリーロック」があります。「スリーロック」は、しばしば3つの身体拘束とも呼ばれます。1.スピーチロック言葉による拘束です。「ちょっと待っててね」「~しちゃダメ」「立ち上がらないで」「どうしてそんなことするの」といった叱責の言葉も含まれます。2.ドラッグロック薬物の過剰投与、不適切な投与で行動を抑制することです。夜間の徘徊などを、眠剤や安定剤、泌尿器系の薬でコントロールすることもこれに当たります。3.フィジカルロック物理的な拘束をして身体の動きを制限することです。先ほど上げた11の具体例もここに当てはまります。スピーチロックやドラッグロックは目に見えない分、ケアする側も自覚がないまま行ってしまうことがあります。スリーロックの関連記事はこちらから介護の身体拘束は、どこからが当てはまるのか?(認知症オンライン)身体拘束が認められるケース|緊急やむを得ない場合身体拘束は、いついかなるときでも禁止されるというわけではありません。場合によっては、身体拘束をしてもやむを得ないとされています。厚生労働省は、身体拘束が認められる要件として以下の3つを定めています。 切迫性 利用者本人または他の利用者等の生命または身体が危険に晒される可能性が著しく高いこと 非代替性 身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する介護方法がないこと 一時性 身体拘束その他の行動制限が一時的なものであることこの3要件を満たす場合は、「緊急やむを得ない場合」として身体拘束が認められます。身体拘束の実態本来であれば「緊急やむを得ない場合」のみ行われる身体拘束。しかし、身体拘束はこの10年間で増加傾向にあります。身体拘束 倍増の背景に「認知症の増加」「人手不足」「精神保健福祉資料」によれば、全国の精神科病院および一般病院精神科病床の入院患者のうち、2014年に身体拘束を受けていた患者数は全国で1万682人と報告されています。これは、2003年の患者数の約2倍にあたる数です。なぜ、身体拘束は増えているのでしょうか?その理由として、認知症の増加が考えられます。「平成28年版高齢社会白書」によれば、2025年には65歳以上の認知症患者数が約700万人に増加と推計されており、高齢者のうち5人に1人が認知症となっている計算になります。認知症が増加する一方で、介護の人手不足は年々深刻化しています。人手不足が深刻化する一方で増加の一途をたどる認知症の患者や利用者に、医療や介護の現場が対応しきれていない実態が身体拘束という形であらわれているといえます。 実際に、京都府が実施した調査によれば、 身体拘束の廃止が困難な理由として、半数を超える58.9% の施設が「介護を担当する職員が少ない」と回答したことが分かっています。 つまり、「介護の人材不足」が身体拘束を招いている一因となっているといえるでしょう。「身体拘束を断ればいい」ができない理由「身体拘束が嫌なら、本人や家族が断ればいいじゃないか」ーーそう思うかも知れません。しかし現実には、身体拘束を拒否するのが難しいケースもあるのです。たとえば、本人が身体拘束をやめてほしいと訴えた場合、その訴え自体が認知症や精神症状だと捉えられてしまうケースです。場合によっては、訴えたせいでさらに身体拘束がひどくなる恐れもあります。家族が訴える場合はどうでしょう。施設に本当に充分な人的余裕がなく、また身体拘束を減らすことに積極的でない場合、退院や退所を勧められる危険性があります。在宅で介護できない事情がある家族はそう言われてしまうと困るので、けっきょく我慢するしかない、というケースも実際に存在するのです。なぜ身体拘束は問題なのか?|3つの弊害厚生労働省も問題視する身体拘束。そもそもなぜ身体拘束は問題なのでしょうか?身体拘束は、おもに3つの弊害を招くと考えられています。1.精神的苦痛を与える不適切な扱いや不用意な抑制は、人権侵害や虐待にあたる許しがたい行為です。とくに「身体を縛る」「介護衣(つなぎ服)を着せる」といった行為は、高齢者に不安や怒り、屈辱、あきらめといった大きな精神的苦痛を与えます。2.身体的な機能を奪ってしまう長時間不自然な体勢を強いる拘束や、向精神薬を過剰に服用させて動きを制限する拘束は、高齢者の身体機能を奪う恐れのある危険な行為です。関節の拘縮や筋力低下などを招きかねず、要介護度の重度化につながることも少なくありません。3.家族やスタッフに後悔やトラウマを残す身体拘束は、された本人だけでなく周囲にも影響を与えます。たとえば、拘束されている高齢者を見て、後悔や混乱、苦悩といったトラウマを抱える家族も存在します。また、身体拘束をするスタッフも後悔やトラウマを抱えることがあります。身体拘束をしていることで士気がさがり、離職の原因になることもあるのです。身体拘束は減らせるのか?高齢者の人権を脅かし、身体機能の低下や精神的混乱も招きかねない身体拘束。そんな身体拘束を減らそうと、全国でさまざまな取り組みが行われています。神奈川県の取り組みたとえば神奈川県では、身体拘束廃止に関する研究事業を行い、身体拘束をせずにすむサービス計画書の作成方法などを伝えています。 報告書では、臀部の皮膚を掻き壊してしまう利用者に対して、ミトン型の手袋をつける代わりに、以下のような対応を取ることをおすすめしています。 身体拘束の代わりにとるとよい対応 ・排泄物による臀部のかゆみとの関係を考え、排せつ援助の適正度を再考・刺激の少ない石けんを使用・かゆみに対して気を紛らわせる環境づくり・臀部での掻き壊しがあるため、車いすの座面調整、時間短縮 参考:神奈川県「 介護保険施設等における身体拘束廃止に関する研究事業 」この対応の裏には、「身体拘束をせざるを得ない状況になるほど高齢者が暴れるには、きっと何か理由があるはずだ」という考え方があります。その原因を取り除くことで、身体拘束ゼロを実現しようという試みなのです。各施設での取り組み~「身体拘束ゼロへの手引き」から~厚生労働省が発行している「身体拘束ゼロへの手引き」では、身体拘束ゼロに取り組む病院や施設の事例が紹介されています。ここでは、その取り組みを抜粋して紹介します。東京都八王子市にある上川病院では、「縛る」身体拘束をなくすために、以下のような対応をとっています。「縛る」身体拘束をゼロにするためにとった対応・「拘束」を「縛る」にいい換える・施設内のひもを捨てる・縛らないことの責任は責任者がとると宣言する・管理者とスタッフが現場を共有し、いっしょに縛らないですみ方法を考えるこうした対応を徹底したことによって、縛る非効率さに気づいたり、縛っていた頃に感じていた罪悪感がなくなったりするという結果が生まれたとのことです。見守りの強化が身体拘束を減らす?こうした取り組みとは別に、身体拘束を減らす工夫として「見守りの強化」があります。 厚生労働省は「 身体拘束ゼロへの手引き 」にて、「人員不足を理由に、身体拘束をやむなしとするのは本末転倒」だと指摘し、身体拘束をしない工夫のポイントとして「見守りの強化・工夫」を挙げています。その解決策として、最先端のロボット技術を搭載した見守りロボットに期待が集まっています。次章では、すでに市販されている見守りロボットをご紹介します。見守り強化につながる介護ロボット ベッド見守りシステム| OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」は、非接触・無拘束のベッド見守りシステムです。特徴は、立ち上がりや離床はもちろん、悶えや呼吸などの非常に小さな動きも検出できるところ。これにより、無呼吸症候群の方が寝ている間にちゃんと呼吸できているかなどまで確認できます。OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用では人の様子は撮影されないため、一般的なカメラと比較して侵害度が低く、プライバシーに配慮されているといえます。慶応大学発ベンチャーが開発!非接触の見守りシステム 「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」|株式会社イデアクエストマット式見守りシステム|眠りSCAN「眠りSCAN」は、マットレスの下に敷くだけでベッド上にいる人の状態をリアルタイムでモニタリングできる、非接触型の見守りシステムです。センサーにより、体動や呼吸・心拍などを検知し、睡眠・覚醒・起き上がり・離床などの状態が分かります。モニターでは、イラストによって状態を表示し、数値などでバイタルデータを表示します。ケアプラン改善にも!次世代マット式見守りシステム「眠りSCAN」|パラマウントベッド株式会社 予測型見守りシステム| Neos+Care(ネオスケア)「Neos+Care(ネオスケア)」は、3Dセンサーを用いて人の動きを検知し、それをシルエット画像で表示する予測型見守りシステムです。センサーでは、起き上がり動作や端座位、柵越え、ずり落ち、離床、入退室などの検知が可能です。モニターではシルエット画像が表示されるため、通常のカメラ映像に比べプライバシーに配慮されているといえます。業界初!予測型見守りシステム「Neos+Care(ネオスケア)」|ノーリツプレシジョン3Dセンサ見守りシステム|シルエット見守りセンサ 「シルエット見守りセンサ」は、ベッド上の空間を検知する赤外線センサーを使った見守りシステムです。センサーによって起床やはみ出し、離床を検知します。モニターでは個人の特定ができないシルエット画像で表示されるため、通常のカメラ映像に比べプライバシーに配慮されているといえます。離床はもちろんはみ出しも!人の動きを検知する「シルエット見守りセンサ」|キング通信工業株式会社介護ロボットが新しい身体拘束を生んでしまう?ご紹介したように、ほとんどの見守りロボットは要介護者のプライバシーに配慮した見守りができるよう、機能を制限するなどの工夫をしています。しかし、それでもこうした見守りロボットを指して「身体拘束にあたるのではないか」「人権侵害になるのではないか」と疑問を呈する人も多くいます。 ネット上では、センサーなどによる身体拘束について、さまざまな意見があがっています。 ねぇねぇ!センサーマットって身体拘束なの?— りょうこ (@r_ryokooo) 2012年1月25日 介護業界で身体拘束について、よく問われますが、よくわからないのが、センサーマットとか離床センサーは拘束になるケースもあると言いますが、どこまでが拘束なのかがわからなくなります。— グータラ介護士 (@wild78644079) 2017年11月13日 以前見学した施設でのこと。離床センサーを希望したら、それは身体拘束にあたるから当施設は使いません、と。でも母はコール使えず、今フラつきながら勝手に歩こうとしてて非常に危険、少ない職員でどう気がつくの?と質問したら「ベッドに鈴つけます」と。(((猫かよ!)))— フルフル (@chapter1925) 2017年7月23日 前に身体拘束防止の研修でフットセンサーも身体拘束って言われた。センサーが鳴ってその人の動きを抑制するなら拘束だけど、動こうとする人が転んだりする危険がないよう介助にすぐ行けるようにするためなら問題ないんじゃって言ったらそれでも拘束ですって言い切られたけど、やっぱり違うよね。— 釦 (@botao_tomomi) 2012年7月19日 厚生労働省は、センサーが身体拘束にあたる可能性を示唆厚生労働省は「 介護ロボット重点分野別 講師養成テキスト 」 にて、現在介護施設で使用されている認知症老人徘徊感知機器(センサー)が身体拘束にあたる可能性を示唆しています。切迫性・非代替性・一時性の3要件を満たさない場合に安易にセンサーを使用することに関して、「人権を侵している」と注意喚起しているのです。 見守りロボットに対しても危険性を指摘 見守りロボットに関しても、同様の危険性を指摘しています。とくに映像監視型の見守りロボットを例にあげ、「可視化した画像を見ているだけでは監視・抑制機器となりかねない」と述べています。具体的には、センサーの感知をうけて、 「動かないで」 「まだ寝ててください」 などの対応、いわゆる“スピーチロック”が身体拘束につながるとしています。介護ロボットで身体拘束ゼロをめざすためにとはいえ、すでに多くの施設で、見守りロボットやセンサーが身体拘束廃止のために使われています。また自治体によっては、身体拘束廃止への工夫として、見守り機器の使用を推奨しているケースもあります(※3)。従来の徘徊感知機器にせよ、ロボット技術を活用した最先端の見守りロボットにせよ、大切なのはそれらをいかに使いこなすかという点にあるといえるでしょう。 ※3 岡山県「身体拘束のないケアの実現に向けて」より身体拘束を生まない見守りロボットの使い方厚生労働省は「 介護ロボット重点分野別 講師養成テキスト 」 にて、見守りロボットを使用する際の重要なポイントとして下記を上げています。  画像や履歴から、行動のきっかけや原因・背景を分析する 「どんな生活がしたいのか」という思いを汲み取り、ケアプランに位置付ける  職員同士で情報を共有し、チームで取り組む 定期的にモニタリングを実施し、その必要性について見直しを行うセンサーや見守りロボットが身体拘束を生む恐れがあることをじゅうぶんに理解した上で、そうならない使い方を模索することが、今後の課題となるでしょう。見守りロボットは“グレーゾーン”現在のところ、センサーや見守りロボットが身体拘束にあたるかどうかはグレーゾーンだといえます。使い方によっては、センサーや見守りロボットがスピーチロックなどの身体拘束を招くことにもなりかねません。そうした機器を活用する、もしくはこれから活用しようとする介護従事者は、監視・抑制機器ではなくあくまでも要介護者の自立支援機器としての活用法を十分考える必要があるでしょう。見守りロボットを「監視」という身体拘束を生むものとするか、はたまた身体拘束を減らす救世主とするかは、介護現場で働くあなた次第といえそうです。 <参考資料>介護のニュースサイト Joint「身体拘束、来年度から対策強化へ 減算を拡大 要件も厳格化 厚労省方針」(2017/11/20, http://www.joint-kaigo.com/article-5/pg75.html)認知症オンライン「介護の身体拘束は、どこからが当てはまるのか?」(2017/11/20, https://ninchisho-online.com/archives/13096/)日本看護倫理学会 臨床倫理ガイドライン検討委員会(2015 年6月)「身体拘束予防ガイドライン」NPO法人 PandA-J(2011年)「サービス提供事業所における虐待防止指針および身体拘束対応指針に関する検討」厚生労働省(2015年)「 介護ロボット重点分野別 講師養成テキスト 」特定非営利活動法人 地域ケア政策ネットワーク(2017年3月)「 身体拘束及び高齢者虐待の未然防止に向けた 介護相談員の活用に関する調査研究事業 報告書 」 特定非営利活動法人 地域ケア政策ネットワーク 介護相談・地域づくり連絡会(2017年3月)「 身体拘束及び高齢者虐待の未然防止に向けた 介護相談員の活用に関する調査研究事業 報告書」京都府(2015年)「 平成27年度介護保険施設等における身体拘束状況調査結果 」介護ロボが夜勤職員の代わりに!見守りロボット導入で報酬加算、厚生労働省が発表「看取り介護」とは?具体的な内容や看取り介護の問題点職員と現場を守る!これからの介護リスクマネジメント

【徹底解説!】平成30年度介護報酬改定 総まとめ

【徹底解説!】平成30年度介護報酬改定 総まとめ

平成30年度、3年ぶりとなる介護報酬改定が行われます。2018年1月、その改定内容の全貌が明らかになりました。今回の改定の4つの基本的な考え方を軸にしながら、基本報酬が下がるサービスは?どんな加算がとれるようになったの?など、改定内容を詳しく解説していきます!なお、介護保険法の改正については、以下の記事をごらんください。【どうなる?平成30年】介護保険法の改正ポイントをわかりやすく解説【まとめ】 ※記事内の情報はすべて2018/02/08時点のものです。 介護報酬の基本知識 介護報酬とは、介護事業所が提供した介護サービスに対して支払われる料金のことです。 ここでは、介護報酬のしくみとこれまでの改定率の動きについて、簡単に説明します。基本報酬と加算(減算)がある介護報酬には、「基本報酬」と「加算(減算)」の2種類があります。「基本報酬」とは、訪問介護や施設といった事業所形態ごとに決められている基本的な単位のこと。その「基本報酬」に対して、単位を上乗せすることを「加算」といいます。単位が上乗せされるということは、事業所に支払われる料金が増えるということなので、事業所はより多く料金をもらうために、「加算」が設定されたサービスや取り組みを強化するようになります。介護報酬の改定では、基本報酬が「引き上げ」または「引き下げ」になるケースと、加算(減算)が「新設」「強化」されるケースがあります。これまでの介護報酬改定率介護報酬は3年ごとに改定されますが、今回は全体で0.54%の微増に決着しました。前回の大幅なマイナス改定では結果的に多くの介護事業所が倒産に追い込まれるなど、介護報酬の影響力は非常に大きいため、改定までに多くの関係者が何度も議論を重ねて決定されます。平成30年度介護報酬改定の基本的な4つの考え方平成30年度の介護報酬は、「地域包括ケアシステムの推進」「自立支援・重度化防止」「多様な人材の確保と生産性の向上」「介護サービスの適正化」という4つの基本的な考え方を軸に改定が展開していきます。それぞれをくわしく見ていきましょう。Ⅰ 地域包括ケアシステムを推し進める!1つめの軸は「地域包括ケアシステムの推進」です。これは、中重度者も含めた誰もがどこでも適切な医療・介護サービスをうけられるようにしよう、という考え方です。これにより、複数のサービスの報酬がアップしています。ここでは、4つのポイントに絞って解説していきます。POINT1.ターミナルケア・看取りを評価! 具体的には・・・■ターミナルケアや看取り(特養)を実施すると加算される など地域包括ケアシステムの推進として、ターミナルケアや看取りがますます重視されるようになりました。今回の改定でも、医療ニーズへの対応やターミナルケアを実施する施設に対して加算を新設する改定がなされています。 関係するサービス種別 訪問看護・認知症対応型共同生活介護・特定施設入居者生活介護・居宅介護支援・介護老人福祉施設「看取り介護」とは?具体的な内容や看取り介護の問題点 訪問看護は加算アップ訪問看護では、看護体制強化加算がⅠとⅡに分けられ、ターミナルケア加算の算定者数が多い場合により多くの加算が得られるように改定されます。認知症対応型共同生活介護も加算アップ認知症対応型共同生活介護では、医療連携体制加算が改定されます。これまでの医療連携体制加算に加えて、看護職員や看護師をより手厚く配置したり、たんの吸引などの医療ケアを提供したりする施設に対して新たにⅡ、Ⅲとして加算を設けます。特定施設入居者生活介護も加算アップ特定施設入居者生活介護では、これまで特に医療ニーズに対応した際の加算は設けられていませんでしたが、今回新たに2つの加算が新設されます。入居継続支援加算は、たんの吸引などのケア提供を評価します。退院・退所時連携加算は、医療提供施設の退院・退所時の連携を評価します。居宅介護支援も加算アップ居宅介護支援では、末期の悪性腫瘍と診断された利用者に対して、ターミナル期において通常より頻回に訪問したり、利用者の状態を医師や事業者へ提供した場合、それを評価するターミナルケアマネジメント加算が新たに設けられます。介護老人福祉施設も加算アップ介護老人福祉施設では、2点変更点があります。1つめは配置医師緊急時対応加算が新設されたことです。これは、特養の配置医師が施設の求めに応じて、早朝・夜間・深夜に施設を訪問して入所者の診療を行った場合、単位が加算されるものです。2つめは看取り介護加算の強化です。これまでの看取り介護加算に加えて、配置医師緊急時対応加算の体制が整備されてた上で看取りを行った場合、より高い評価がなされます。POINT2.医療と介護の連携を強化! 具体的には・・・ ■ケアマネ・訪問介護事業所と医療機関との情報連携を義務化する など地域包括ケアシステム構築のひとつとして、医療と介護の連携が叫ばれています。医療から介護へスムーズに移行できるよう、新たな加算等が加わりました。 関係するサービス種別 居宅介護支援・通所リハビリテーション・訪問リハビリテーション居宅介護支援は3つの変更あり居宅介護支援では、主に3点の変更点があります。1つめは入院時情報連携加算の取得条件の変更です。情報提供の期間が入院後7日から3日以内になるかわりに、提供方法は問わないという変更がなされました。2つめは退院・退所加算の単位です。連携回数に応じた評価、およびカンファレンスに参加した場合の上乗せ評価がなされます。3つめは特定事業加算に新しくⅣという区分が新設される点です。これは、医療機関等と総合的に連携する事業所をさらに評価するための加算です。訪問リハビリテーション・通所リハビリテーションは見直しあり通所リハビリテーションでは、医療保険のリハビリ提供から新たに介護保険のリハビリ提供を開始する場合、 面積や人員の要件を緩和 リハ計画書の様式を互換性のもったものにする ことが見直されています。POINT3.介護医療院の創設 具体的には・・・ ■介護医療院に転換した場合、加算あり など 関係するサービス種別 介護療養型医療施設、医療療養病床 など 介護医療院は、医療的ケアが必要な重介護者の受入れと、看取りやターミナルケアの機能を備える生活施設です。創設の背景には、介護療養型医療施設数の減少や医療ニーズの増大などがあります。そうした問題を解決するため、介護療養型医療施設等から介護医療院への転換が推進されていきます。転換する場合、基準が緩和されたり、転換後の加算が与えられます。POINT4.認知症の人への対応を評価! 具体的には・・・ ■看護職員の配置が手厚いグループホームを評価する■ショートステイ・小多機でも認知症の人を対応すると加算される など認知症の人への対応強化がますます重視されるようになってきました。今回の改定では、看護職員を手厚く配置していたり、専門的なケアを提供したりする施設に加算を設けています。 関係するサービス種別 認知症対等型共同生活介護、短期入所生活介護、短期入所療養介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、特定施設入居者生活介護 認知症対応型共同生活介護は加算アップ認知症対応型共同生活介護では、医療連携体制加算が強化されます。Ⅰ~Ⅲに分けられ、Ⅱ~Ⅲではより手厚く看護師・看護職員を配置した場合を評価します。(※「POINT1.ターミナルケア・看取りを評価!」で説明済)短期入所生活介護、短期入所療養介護は加算アップ短期入所生活介護、短期入所療養介護では、国や自治体が実施または指定する認知症ケアに関する専門研修を修了している者が介護サービスを提供した場合、新たに認知症専門ケア加算を設けています。小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、特定施設入居者生活介護は加算アップ小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、特定施設入居者生活介護では、若年性認知症の人を受け入れた場合に、新たに若年性認知症利用者受入加算がされます。Ⅱ 自立支援・重度化防止の取組を強化 2つめの軸は「自立支援・重度化防止への取組」です。今回の改定では、主にリハビリテーションの強化を中心に改定が展開されています。これにより、リハビリテーションに関係する複数のサービスの報酬がアップしています。 POINT1.リハビリテーションの強化を評価! 具体的には・・・ ■外部のリハ職と共同して計画を作成すると加算される など先述したとおり、今回の改定ではリハビリテーションに対する加算がこれまで以上に重視されています。リハビリテーション強化のポイントは、主に3つあります。 リハビリテーションマネジメント加算 アウトカム評価の拡充 外部リハ職との連携 関係するサービス種別 訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護、通所介護、認知症対応型通所介護、短期入所生活介護、特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護、介護老人福祉施設 1.リハビリテーションマネジメント加算■訪問リハビリテーション、通所リハビリテーションで加算アップ訪問リハビリテーション、通所リハビリテーションでのリハビリテーションマネジメント加算の変更点は、Ⅲ・Ⅳの区分が新設され、医師の詳細な指示に基づいたマネジメントが評価されるようになった点です。■介護予防訪問リハビリテーション、介護予防訪問通所リハビリテーションでも加算アップ要支援者のリハビリテーションを行う介護予防訪問リハビリテーション、介護予防訪問通所リハビリテーションでは、これまでリハビリテーションマネジメント加算がありませんでしたが、多職種連携の取組などを評価するために新たに新設されました。2.アウトカム評価の拡充■訪問リハビリテーションアウトカム評価はこれまで、介護予防通所リハビリテーションにのみ設けられていましたが、これを予防介護訪問リハビリテーションにおいても設けられることになります。具体的には、事業所評価加算という新しい加算項目で評価されます。■通所リハビリテーション介護予防通所リハビリテーションでは生活行為向上リハビリテーション実施加算が新設され、生活行為の向上に焦点をあてたリハビリテーションの提供を評価します。生活行為向上リハビリテーションは、目標に達成した場合、3月以内~6月まで加算されますが、6月で目標が達成できない場合、減算されます。3.外部のリハ職との連携■訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護訪問介護では、これまでの生活機能向上連携加算に加え、医療提供施設のリハ専門職や医師が訪問して行った場合、評価を充実します(生活機能向上連携加算(Ⅱ))。定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護では、これまで生活機能向上連携加算がありませんでしたが、これからは訪問介護と同様の加算が創設されます。■通所介護、認知症対応型通所介護、短期入所生活介護、特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護、介護老人福祉施設通所介護をはじめとした各種施設では、外部のリハ専門職や医師が訪問し、共同でアセスメントを行ったり計画を作成することを評価する生活機能向上連携加算が新設されます。POINT2.訪問介護に大きな変化が! 具体的には・・・ ■生活援助中心型の基本報酬を引き下げ■利用回数が多すぎる訪問介護(生活援助中心型)を適正化する など 自立支援・重度化防止の取組として、訪問介護の生活援助サービスにメスが入ります 。まず、生活援助の報酬が引き下げられます。それに伴い、身体介護の報酬が微増します。後述しますが、生活援助ヘルパーの研修も簡略化されます。 関係するサービス種別 訪問介護 訪問介護は生活援助の基本報酬引き下げへ訪問介護では、身体介護をより重視する一方で、生活援助の基本報酬を下げる改定が行われます。さらに、訪問回数の多い訪問介護へも対策がたてられています。通常のケアプランよりかけ離れた回数の生活援助のための訪問介護を位置づける場合は、ケアマネジャーが市町村にケアプランを届け出なければならなくなります。そのうえで、必要に応じてサービス内容の是正を促していくとしています。POINT3.デイサービスに新しい加算 具体的には・・・ ■ Barthel Index(バーセルインデックス)という評価方法を使用して、ADL維持等加算という新しい加算を新設する など 関係するサービス種別 通所介護 通所介護は加算アップ通所介護には、ADL維持等加算という新しい加算が新設されます。これは、ADL(日常生活動作)の維持、または改善の度合いが一定の水準を超えた場合に加算されるものです。測定には、新たにBerthel Index(バーセルインデックス)という評価方法が採用されることになっています。POINT4.各サービスで排せつ支援に対する加算! 具体的には・・・ ■ 排泄における要介護状態を軽減した場合、排せつ支援加算が加算される など 自立支援・重度化防止として、リハビリといっしょに注目されているのが「排せつ」です。今回の改定で、排せつにおける要介護状態を軽減できると考えられる利用者に対して支援を行う場合、新しい加算が設けられることになりました。 関係するサービス種別 各種の施設系サービス 施設系サービスで加算アップ排せつ支援加算は、排せつの要介護状態を軽減できると医師等が判断し、かつ利用者もそれを望む場合に、原因の分析や支援を行うことで加算されるものです。目安として、「全介助」から「一部介助」以上に、または「一部介助」から「見守り等」以上に改善することが掲げられています。Ⅲ 多様な人材の確保と生産性の向上 3つめの軸は「多様な人材の確保と生産性の向上」です。具体的には、各種基準の緩和やロボットやICTを活用した負担軽減などがあげられます。ここでは、大きく2つのポイントについて触れます。POINT1.介護福祉士は身体介護を中心に、生活援助は新しい人材に具体的には・・・■ 生活援助の人材確保のため、新しい研修カリキュラムを創設 関係するサービス種別 訪問介護 訪問介護では、生活援助を担うヘルパーを確保するために、生活援助ができる訪問介護ヘルパーの研修時間を短縮するなどの措置がとられる予定です。その一方で、身体介護は介護福祉士等が中心となって担っていきたいという意向があります。そのためか、先述したとおり生活援助中心型の基本報酬は引き下げられます。POINT2.介護ロボットが夜間職員の代わりに! 具体的には・・・ ■ 見守り支援ロボットを導入することで、夜間配置加算の取得条件を緩和する 関係するサービス種別 介護老人福祉施設、短期入所生活介護 介護老人福祉施設、短期入所生活介護では、夜勤職員配置加算の取得条件が緩和されます。現行では「最低基準よりも1人以上多く置いた場合」となっている加算要件を、「ベッド上の入所者の動向を検知できる見守りロボットを、入所者数の15%以上に設置している場合、夜勤職員の数が最低基準を0.9人上回っていれば取得できる」と変更しています。つまり、見守りロボットが夜勤職員の0.1人分(10%)に相当するということです。これによって夜勤職員の数を減らすことはできなくとも、職員の勤務時間を減らすことはできるので、休憩時間が多くとれるなどのメリットがあると考えられます。介護ロボが夜勤職員の代わりに!見守りロボット導入で報酬加算、厚生労働省が発表Ⅳ 介護サービスの適正化4つめの軸は、「介護サービスの適正化・重点化」です。これまでの介護報酬改定でも、収益の大きいサービスは基本報酬が削られてきましたが、今回も例外ではありません。3つのポイントに絞って解説します。POINT1.訪問系サービスの集合住宅減算が拡大へ! 具体的には・・・ ■ 集合住宅居住者への訪問サービスに関する減算が拡大訪問系サービスには、事業所と同一の敷地内(または隣接する敷地内)に所在する建物に住居する者に対してサービスを提供する場合、減算される制度があります。この、通称「集合住宅減算」が今回の改定で拡大されます。 関係するサービス種別 訪問介護、夜間対応型訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、定期巡回・随時対応型訪問介護看護 訪問介護、夜間対応型訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーションで減算見直し見直されたのは、 建物の範囲 減算幅 のふたつです。1.建物の範囲減算の対象となる建物の範囲は、これまで有料老人ホーム等のみが「同一建物」とされてきましたが、それ以外の建物であっても、集中住宅減算の対象となるようになりました。2.減算幅これまで1月あたりの利用者数が20人以上の場合10%減算だったところ、1月あたりの利用者数が50人以上の場合15%減算となりました。定期巡回・随時対応型訪問介護看護も減算拡大定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、1月あたりの利用者数が50人以上の場合、900単位/月の減算となりました。POINT2.訪問看護・介護予防訪問看護の基本報酬を引き下げ! 具体的には・・・ ■ 両サービスとも基本報酬、介護予防訪問看護はさらに引き下げ  関係するサービス種別 訪問看護、介護予防訪問看護2つめにメスが入ったのは、訪問看護および介護予防訪問看護です。まず、両サービスとも基本報酬が引き下げられます。さらに、要支援者に対する訪問看護である介護予防訪問看護は、訪問看護ステーション・病院(または診療所)ともに基本報酬が引き下げられます。POINT3.大規模通所介護の基本報酬を引き下げ! 具体的には・・・ ■ サービス提供時間を1時間ごとに見直し■大規模な通所介護事業所の基本報酬を引き下げ3つめのメスは、通所介護に入りました。とくに大規模型の通所介護は、基本報酬がダウンします。また、サービス提供時間の区分がより細かく分けられます。 関係するサービス種別 通所介護、認知症対応型通所介護、通所リハビリテーション 通所介護、認知症対応型通所介護で、大規模型は基本報酬をダウン通所介護、認知症対応型通所介護では、大規模型Ⅰ・Ⅱの基本報酬が引き下げられます。サービス提供時間も2時間ごとから1時間ごとに見直されました。通所リハビリテーションでも基本報酬引き下げへ通所リハビリテーションでは、長時間のサービス提供の基本報酬が引き下げられました。具体的には、「6時間以上8時間未満」だったサービス提供時間区分が1時間ごとになり、各時間区分での基本報酬がダウンしています。まとめここまで、平成30年度の改定内容を4つの軸にわけて確認してきました。全体としては0.54%の微増となりましたが、サービスによっては基本報酬が引き下げされているものもあり、運営の上では厳しい状況が続くでしょう。 介護ロボットONLINEが独自に行ったアンケートでは、約7割の介護従事者が今回の改定内容に不満を抱いているということも分かっています。介護の現場で実際に働く人々が強く「加算すべき」と考えているものとして「介護職員の処遇改善」があげられますが、今回の介護報酬改定ではあまり触れられていません。ここからも、現場と制度のギャップが感じられます。介護報酬の改定内容が最終決定するのは、2018年4月です。介護ロボットONLINEでは、引き続き介護報酬改定の動きを追っていきます。251名に緊急アンケート!「H30年度の介護報酬改定、満足ですか?」に72%が「不満」平成30年度介護報酬改定 リンク集社会保障審議会(介護給付費分科会)資料一覧 厚生労働省|社会保障審議会(介護給付費分科会) サービス別全般・ 運営基準の改正等の概要(案) (平成29年12月1日) ・ 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の改正等に関する事項について(案) (平成29年12月1日) ・ 地域区分について(案)  (平成29年10月27日) 居宅サービス・ 訪問介護の報酬・基準について  (平成29年11月1日)・ 訪問看護の報酬・基準について(平成29年11月8日)・ 通所介護の報酬・基準について (平成29年11月8日)・ 通所リハビリテーションの報酬・基準について (平成29年11月8日)・ 訪問リハビリテーションの報酬・基準について (平成29年11月8日)・ 居宅療養管理指導の報酬・基準について (平成29年11月8日)・ 短期入所生活介護の報酬・基準について (平成29年11月15日)・ 短期入所療養介護の報酬・基準について (平成29年11月22日)・ 特定施設入居者生活介護の報酬・基準について (平成29年11月15日)・ 福祉用具貸与の報酬・基準について (平成29年10月27日) 共生型サービス・ 共生型サービスの報酬・基準について (平成29年11月29日) 地域密着型サービス・ 定期巡回・随時対応型訪問介護看護・夜間対応型訪問介護の報酬・基準について (平成29年11月1日)・ 定期巡回・随時対応型訪問介護看護・夜間対応型訪問介護の報酬・基準について 2 (平成29年12月6日) ・ 認知症対応型共同生活介護、認知症対応型通所介護等の報酬・基準について (平成29年11月15日) ・ 療養通所介護の報酬・基準について (平成29年11月8日)・ 小規模多機能型居宅介護の報酬・基準について (平成29年11月1日)・ 看護小規模多機能型居宅介護の 報酬・基準について (平成29年11月8日) 居宅介護支援 ・ 居宅介護支援の報酬・基準について② (平成29年12月1日) 施設サービス ・ 介護老人福祉施設の報酬・基準について (平成29年11月15日) ・ 介護老人保健施設の報酬・基準について (平成29年11月22日) ・ 介護療養型医療施設・介護医療院の報酬・基準について(平成29年11月22日)その他・ その他の事項について (平成29年11月29日) ・ 介護人材関係について (平成29年11月29日)  

251名に緊急アンケート!「H30年度の介護報酬改定、満足ですか?」に72%が「不満」

251名に緊急アンケート!「H30年度の介護報酬改定、満足ですか?」に72%が「不満」

平成30年度、3年ぶりの介護報酬改定が行われます。介護報酬は、介護事業所の経営状況や介護スタッフの給与に大きな影響を与える重要な要素です。今回の改定では、0.54%のプラス改定に決着しました。プラス改定は、人員配置の充実や職員の待遇アップなどにつながる反面、税金や保険料などの国民負担が増えることも意味します。今回の改定について、「もっと引き上げるべきだ」「いや、これが限界だろう」など、さまざまな意見が聞かれます。実際に介護の現場で働く介護スタッフは、この介護報酬改定をどう感じているのでしょうか?介護ロボットONLINE編集部では、全国の介護従事者向けに、介護報酬改定についてアンケートを行いました。平成30年度の介護報酬改定をおさらい今回の改定は、0.54%のプラス改定になりました。改定では、以下の4点が重視されています。1.地域包括ケアシステムの推進 中重度者の対応 認知症の人への対応 医療と介護の連携 など2.自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現 リハビリテーションの強化 アウトカム評価の導入・拡充 など3.多様な人材の確保と生産性の向上 介護ロボットの活用 など 4.介護サービスの適正化 長時間の通所リハビリの基本報酬の見直し などこうした改定と比較して、実際の現場ではどこに課題感を抱いているのか、より改定が必要だと感じているサービスや項目はどれなのか、アンケートから明らかにしていきます。72.9%が「今回の介護報酬改定に不満」(1)今回の改定に満足?不満?まずはじめに、平成30年度の介護報酬改定に満足しているかどうかを聞いたところ、「満足」と答えた人が27.1%(68名)、「不満」と答えた人が72.9%(183名)となりました。マイナス改定になるかと噂されていたところを一転、プラス改定に落ち着きはしたものの、過半数の人が満足できない現状であることがわかります。介護報酬の「加算」に対する意識続いて、介護報酬の「加算」に対してアンケートをとりました。介護報酬には、「基本報酬」と「加算(減算)」の2種類があります。「基本報酬」とは、訪問介護や施設といった事業所形態ごとに決められている基本的な単位のこと。その「基本報酬」に対して、単位を上乗せすることを「加算」といいます。単位が上乗せされるということは、事業所に支払われる料金が増えるということなので、事業所はより多く料金をもらうために「加算」が設定されたサービスや取り組みを強化するようになります。加算をつけるべきだと思うのは「処遇改善」「認知症対応」「人員配置」(2)加算をつけるべきだと思うもの(良くしたい項目)は何ですか?加算をつけるべきだと思う項目を聞いたところ、「介護職員の処遇改善に対する加算」が79.7%(200カウント)ともっとも多く、次いで「認知症対応に対する加算」が71.1%(180カウント)、「人員配置に対する加算」が67.7%(170カウント)となりました(複数回答)。それ以降は「中重度社受入・対応に対する加算」(53.4%/134カウント)、「看取り・ターミナルケアに対する加算」(52.2%/131カウント)、「医療と介護の連携」(39.8%/100カウント)と続きました。介護現場を知るスタッフは、モチベーションやイメージアップ、人員不足解消のための加算が何よりも必要だと感じていることが読みとれます。また、認知症の人や中重度者の受入への加算を求める声も多く、それらの対応の負担の重さや緊急度がうかがえます。66%が介護ロボットによる夜勤職員配置加算に「反対」平成30年度の介護報酬改定にて、「夜勤職員配置加算」の取得条件が緩和されます。見守り支援ロボットを入居者の15%以上導入した場合、夜勤職員配置加算が取りやすくなるのです。言いかえれば、見守りロボットが、夜勤職員の代わりになるということです。この改定に対する賛否を聞きました。(3)見守りロボット導入による加算条件の緩和に賛成?反対?見守りロボット導入による加算条件の緩和に賛成かどうかを聞いたところ、「賛成」と答えた人が33.1%(83名)、「反対」と答えた人が66.9%(168名)となりました。夜勤経験ありと答えた人(195名)に限った場合、「賛成」が27.1%(53名)、「反対」が72.3%(141)となり、夜勤の経験がある人のほうが、反対する割合が高いことが分かりました。コメントの一部を紹介いたします。「賛成」と答えた人のコメント(自由回答)・人手不足の解消には、絶対必要です( 女性/40代/ 生活相談員・支援相談員 )・少ないスタッフによる見落としが少なくなるのではないか?の期待(女性/50代/ 非常勤介護職員 )・夜勤職員の見守りや巡回の負担が軽減するから( 女性/30代/福祉用具専門相談員 )・現在の見守りロボットが使えるものとは思えないがより良いものの開発へ向けてこういう流れは必要だから(男性/50代/常勤介護職員)・介護職員不足によるきつい勤務から解放される可能性があるから(女性/40代/管理職)「反対」と答えた人のコメント・小さい施設では導入が厳しい(男性/40代/管理職)・導入するにあたっての資金が加算でペイできるものではないから(女性/40代/常勤介護職員)・確かに夜は大変だったが人の介護にロボットも加わると機械操作や故障等のメンテナンスもしないとならない。想像すると余計な仕事まで増えそう(女性/40代/ 生活相談員・支援相談員)・ロボットでは認知症高齢者に対する細やかな気配りは難しいと感じるから(男性/30代/常勤介護職員)・事故になった時どうするのか?いろいろ危ない(女性/20代/常勤介護職員)自由回答からはさまざまな意見が(4)介護報酬改定に関して、あなたの自由な意見を聞かせてください。報酬引き上げにともなう介護保険料の負担増に懸念の声もコメント(自由回答)・介護報酬が上がるということは、いずれ介護保険料に跳ね返ってくるだろうから、悩ましいところだと思います( 女性/40代/ケアマネージャー )・介護職員の給料がアップするのは良いことだと思いますが、それによって利用者の方の負担が増えるのはどうなんでしょうか?(女性/50代/常勤介護職員)・介護報酬改定により所得は増えるのは嬉しいが、年金や住民税が更に増えてしまうので結局はあまり変わらない気がする。(女性/20代/常勤介護職員)介護福祉士の処遇改善が話題になる一方で棚上げされる「ケアマネジャー」コメント(自由回答) ・ケアマネの加算を増やして欲しいです。(女性/50代/ ケアマネージャー )・ケアマネージャーの処遇も良くしてほしい。その他、在宅サービスにおいて、特に訪問介護の質を上げてほしい。雑な対応など酷い職員が目立つように思う。(男性/40代/ケアマネージャー)介護の質や介護職のイメージアップも大事コメント(自由回答) ・改定によって負担はしかたないが、その分質の良い介護が受けられる状態にしなければいけない。(女性/50代/常勤介護職員)・これを機会に介護業界全体のイメージアップ(賃金が安い)を図れるのではないか?ケアの質を向上させるいい機会だと思う。(男性・30代/管理職)・介護福祉士の認知度を上げる努力が大切。介護福祉士という名称を広め、国家資格であることのアピールを通して介護を考えて欲しい。(女性/60代/常勤介護職員)・介護報酬をあげるのは賛成だが、それに見合う介護員の質が伴っていない。(女性/30代/機能訓練指導員)まとめ今回の調査では、全体の72%以上が平成30年度の介護報酬改定内容に不満を感じているという結果となり、現場と制度のギャップが明らかになりました。ただし、今回の改定で重点的に加算されることとなる中重度者への対応や認知症の人への対応に関しては、現場のニーズをうまく汲みとれているといえるでしょう。今回、はじめて介護ロボットが介護報酬加算に影響を与えることになりましたが、介護ロボットに対する不信感はまだ根強いようです。介護報酬の改定内容が本決まりするのは、2018年4月です。介護ロボットONLINEでは、引き続き介護報酬改定のニュースを分かりやすくお届けしていきます。「介護の人材不足」について、また、このアンケートの結果や内容についてのご意見やご感想は、公式Twitter( @kaigo_robot )または Facebook までお寄せください。なお、本コンテンツの文章およびグラフの引用・転載を希望される方は、  介護ロボットONLINE問い合わせフォームよりご連絡ください。< アンケート調査概要 >・調査期間:2018年1月13日(土)~1月25日(木)・調査対象:介護事業所経営者および介護従事者20代~60代以上の男女251名・男女割合:男性/30.7%・女性/68.9%・その他/0.4%

介護スタッフも知っておきたい!育児・介護休業法とは?

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持続的で質の高い介護を実現するためには、介護家族の突発的な介護離職を防ぐことが非常に大切です。悩みやとまどいを抱く介護家族に向けて、介護のプロとして「育児・介護休業法」について説明できるようにしておきましょう。ここでは、介護家族の介護離職をふせぐ「育児・介護休業法」の情報を分かりやすく解説するとともに、介護スタッフが初めての介護にとまどう介護家族のためにできるアドバイスをまとめていきます。 介護スタッフが、利用者の家族にできること初めて家族の介護に直面することになった方にとって、介護スタッフは非常に頼りがいのある存在です。介護スタッフにとっても、利用者の介護だけでなくその家族をフォローも同時に行うことで、さまざまなメリットが得られます。介護家族との信頼関係ができる介護初心者の介護家族は、「何が分からないのかが分からない」という状態にあります。そんな家族に向けて「育児・介護休業法」の紹介をはじめとしたアドバイスやフォローをすることで、「頼りになる!」という安心感や信頼感をもってもらうことができます。質の高い介護が実現する質の高い介護は、多くの関係者の協力関係があって成り立つもの。介護家族が不安や悩みを一人で抱え込んでしまうと、介護の共倒れになってしまいかねません。介護スタッフが気持ちよく介護をするためにも、介護家族のフォローは不可欠です。介護離職問題に貢献できる介護離職とは、家族の介護を理由に仕事を辞めてしまう問題です。介護離職をしてしまうと、精神的、身体的、経済的負担が一挙に押し寄せることになります。 もちろん、熟考した上での介護離職は悪いことではありません。しかしパニックのまま介護離職をしてしまうと、あとで後悔することになりかねないのです。 ゆとりある介護をするためには、介護離職をさせない工夫が非常に重要です。 介護休業とは介護休業とは、要介護状態になった家族の介護やその他の世話のために、一定期間以上の休業を取得できる制度です。 介護休業とは 2週間以上にわたって介護が必要な要介護状態の家族を介護するために、通算93日間の休業期間を3回に分けて取得できます。 誰が取れる? ・1年以上、同じ会社で働いている人・介護休業取得から半年後も同じ会社で働く予定のある人※上記を満たしていれば、パート・アルバイトの方でも取得できます。 対象となる家族は? 父母(配偶者の父母もふくむ)、配偶者(事実婚もふくむ)、子、祖父母、兄弟姉妹、孫POINTはここ! 介護スタッフとして、介護家族にアドバイスするPOINTは以下の3つです。 (1)3回にわけて取得できる 介護休業は、通算93日間まで取得できます。この93日間は、最大3回に分割することができます。例えば、介護の準備期間である退院後に1ヶ月(31日間)、特養への入所が必要になったときに1ヶ月(31日間)、看取りの時期に1ヶ月(31日間)、合計で93日間というように、段階に合わせて取得することができるのです。 (2)申し出は2週間前に介護休業を取得するには、休業開始の2週間前に申し出る必要があります。申出には「介護休業申出書」を会社に提出します。会社によっては、家族が要介護状態にあることを証明する書類が必要な場合もあります。 (3)休業しても、賃金の67%が支給される 雇用保険の介護給付金制度を使えば、休業中でも賃金の67%が支給されます。支給されるのは、介護休業が終了してからとなります。休業することで経済的な不安を感じている介護家族にとっては、非常に心強い制度です。介護休暇とは 介護休暇 とは? 要介護状態にある家族の介護やその他の世話を行うために、1年に5日(対象家族が2人以上の場合は10日)までの休暇の取得が可能です。 誰が取れる? ・6ヶ月以上、同じ会社で働いている人・1週間の内、2日以上働いている人 ※上記を満たしていれば、パート・アルバイトの方でも取得できます。 対象となる家族は?   父母(配偶者の父母もふくむ)、配偶者(事実婚もふくむ)、子、祖父母、兄弟姉妹、孫POINTはここ! 介護スタッフとして、介護家族にアドバイスするPOINTは以下の2つです。 (1)事前の申出は不要介護休暇は、介護休業と違って事前の申出が必要ありません。「どうしても今すぐ休まなくてはいけなくなってしまった!」というときでも、その場で電話して休暇が取れます。ただし会社によっては、後日書類の提出を求める場合があります。(2)取得単位は「半日」から介護休暇は、半日からの取得が可能です。そのため、午前に介護関連の用事を済ませて午後から出社するという使い方もできます。よりフレキシブルな休み方、働き方ができるだけでなく、数少ない休暇を最大限有効活用することができます。  介護家族にすべきアドバイスとは?介護休業・介護休暇に共通して言えることは、取得する休暇は家族を介護するための休暇ではないという点です。ここは強調して説明する必要があります。「育児・介護休業法」による休業・休暇は、あくまで「介護の環境を整備するための期間」です。そこの理解がないと、せっかく休暇をとったのに介護に忙殺され、結局休暇期間が終わるまでに利用サービスや入所先が決まらず、介護離職してしまうということになりかねません。もっとも介護初心者の方にとっては、「休みをとったは良いけど、休みの間に一体何をすべきなの?」という疑問が依然として残るでしょう。そうした悩みを抱えるご家族のために、介護のスタート段階にすべきことをまとめました。ぜひ、介護家族のフォローにお役立てください。  “介護休業中にすること”リスト 「介護の環境を整備する」といっても、内容は多岐にわたります。家族の要介護認定をとったり、ケアマネジャーと面談したり、入所する施設を探したり、介護サービスを受ける場所を見学したり…。もちろん、その間に要介護者を介護しなければいけないこともあります。限られた休業期間で効率よく環境整備をするには、「何をすべきか」を明確にする必要があります。「何が分からないのか分からない」状態の介護家族に、最低限でも下記のようなアドバイスができると良いでしょう。 1.介護保険、介護サービスの概要を知るこれまでまったく介護に関わることがなかった人にとって、介護保険や介護サービスは未知の世界です。どのような仕組みなのか、どのような種類があるのかなどは、今後長く介護していくにあたって知っておいて損はありません。懇切丁寧に教える必要はありませんが、介護保険や介護サービスについて分かりやすく解説されている冊子を渡したり、ウェブサイトを紹介したりすると、介護家族としてはとても助かります。2.地域包括支援センターに行くもし、介護家族がまだ地域包括支援センターに行っていなかったら、ぜひ行くように勧めましょう。ただし、その際は下記の点も一緒に伝えましょう。 サービス利用者(要介護者)の居住区の地域包括支援センターに行く必要がある。 ほとんどの地域包括支援センターは平日の17時まで。 「介護保険証の番号」「かかりつけの主治医氏名、医療機関名、所在地、電話番号」「個人番号」を控えて持っていく。スムーズなやり取りのために、こうしたちょっとした一言を付け加えてあがると親切です。3.介護関係者と、介護の役割分担を決めておく介護は、一人でできるものではありません。主介護者がいたとしても、主介護者を支える多くの人が必要です。とくに在宅介護をする場合は、家族間での介護の役割分担をあらかじめ決めておくことが大切です。4.介護機器を上手に取り入れるときには介護機器を上手く介護に取り入れることも大切です。最近では、ロボット技術を活用した在宅向け介護機器が販売されるようになり、見守りやコミュニケーションに役立てられています。見守りロボットとしては、 認知症外出通報システム「おでかけキャッチ」 や 室内環境見守りサービス「「おへやプラス」 があり、状況やニーズによって使い分けることもできます。コミュニケーションロボットとしては 「なでなでねこちゃん」 や 「泣き笑い たあたん」 があり、要介護者にいやしや生きがいを提供するのに役立っています。介護の環境整備にかかる期間は約3ヶ月一般的に、介護に適した環境整備には約3ヶ月ほどかかると言われています。その3ヶ月の間に、介護家族はさまざまな準備をする必要があります。ただでさえ大変な介護の第一歩の時期に、何度も会社を休んだり早退したりすることに遠慮や気兼ねを感じてしまうと、さらなるストレスを抱え込むことになります。そうしたストレスが介護離職につながれば、結果的に要介護者や介護スタッフにとってもマイナスの影響を与えかねません。もっとも助けを必要としている時期に「育児・介護休業法」を始めとする的確な情報提供やアドバイスをすることで、介護家族の介護離職を防ぎ、要介護者・介護スタッフにとってもより良い介護を導くことができます。<参考資料>厚生労働省「育児・介護休業法について」(2017年11月20日,http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html)厚生労働省「【平成29年10月1日施行対応】育児・介護休業法のあらまし」(2017年11月20日,http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/34.html)和氣美枝(2016)『介護離職しない、させない』毎日新聞出版

二段構えセンサーで離床をキャッチ!|「EVER Relief」株式会社構造計画研究所

二段構えセンサーで離床をキャッチ!|「EVER Relief」株式会社構造計画研究所

建物の構造設計からスタートした構造計画研究所は、そこから派生した様々な事業を展開しています。そんな構造計画研究所が、介護ロボットを開発しました。それが、離床リスク検知センサー「EVER Relief」です。これまでに培ってきたセンサー技術やノウハウが生かされた「EVER Relief」の魅力と、開発に携わる担当者の想いを伺いました。実はセンサーのスペシャリスト。「人の動き」を検知するセンサー作った理由ーーーまずは、御社の事業紹介をお願いいたします。自身も介護施設へ何度もヒアリングに行ったという坂木氏に話を伺う 弊社は1959年に創業して以来、建物の構造設計業務をはじめとしたさまざまな業務を行ってきました。弊社の構造設計は、古くは熊本城の天守閣再建工事や、近年では六本木ヒルズなどにも採用されています。建物の高層化や複雑化にともない建築の構造計算に日本で初めてコンピュータを導入してからは、ソフトウェア開発やシミュレーションを活用した各種コンサルティングなどで、防災対策からマーケティング支援などへと事業が広がっていきます。現在では、世界中の最先端技術を持つ企業とコラボレーションしつつ、幅広く社会の問題解決に取り組んでいます。ーーーなぜ、建物の構造設計をしていた会社が介護ロボットの開発を始めたのでしょうか?当社が福祉・介護製品を開発したのは、今回の「EVER Relief」が初めてのことです。元々持っていたソフトウェア開発技術やセンサー技術を新たな分野で生かせないかと考え、介護分野に参入したという流れです。もっとも、人の動きを把握するセンサー技術を生かして安全・安心に繋げるという理念は、介護だけでなく弊社のあらゆる事業に共通して言えることです。早さと精度の秘密は2つのセンサーにありーーー「EVER Relief」はどんな製品ですか?離床センサーと呼ばれるものの一つです。従来のスイッチ式の離床通知装置と大きく異なるのは、起き上がり動作を捉えて通知をするという点です。そのため、失報や誤報が少ないのが特徴です。ーーースイッチ式の離床通知装置は失報や誤報が多いのですか?多くのスイッチ式装置は、要介護者がベッドから降りたときに装置を踏むことで立ち上がりを知らせるとか、ベッドから離れたらナースコールが鳴るといった仕組みをとっています。そのため、前者であれば装置を踏まれなかった場合に失報となりますし、後者であれば寝返りと区別がつかず誤報となるケースがあります。「EVER Relief」は、ふたつのセンサーで起き上がりを検知します。ひとつ目は動きや心拍・呼吸を検知するメインセンサー、ふたつ目は起き上がり動作を検知するサテライトセンサーです。センサー技術に新規性があるというわけではなく、ふたつを組み合わせた点に弊社の独自性があります。では実際に「EVER Relief」を体験していただきましょう。EVER Reliefのデモを体験!「EVER Relief」は2つのセンサーで離床を検知メインセンサーでは、心拍・呼吸と起き上がり始めの動作を捉えます。しかしそこだけだと寝返りと区別がつかないこともあるため、体が起き上がったときに作動するサテライトセンサーと組み合わせることで、起き上がりを立体的に捉えていきます。センサーには3つの状態があります。安静に寝ている状態である「スタンバイ」、メインセンサーのみが起き上がりを検知した状態「リスク」、サテライトセンサーが検知した状態「アラート」です。「アラート」状態になってはじめて、ナースコールが鳴るようになっています。 ーーー「リスク」ではナースコールは鳴らないんですか?鳴りません。単なる寝返りの可能性があるからです。これにより寝返りによる誤報が劇的に減少します。モニターでグラフの動きが逐一分かるデモ用のモニターをご覧ください。ここにグラフの線が3本ありますね。真ん中のグラフが動きを捉えています。ーーー触っていなくてもグラフが反応しています。非接触なので、手を上にかざすだけで動きを検知します。通常はマットレスの下に取り付けるので、身体に干渉しません。サテライトセンサーは、上体を起こしたときに検知するような位置の壁に取り付けます。「リスク」の状態で、サテライトセンサーを反応させてみましょう。ーーーサテライトセンサーに手をかざした瞬間に疑似ナースコールが光りました!すごく早いんです。ですので、ナースコールが鳴るタイミングがちょうど良いという声もいただいています。ーーースイッチ式よりも早いんですか?起き上がった瞬間に検知するので早いですね。スイッチ式、とくに踏んだら鳴るというタイプのものは、知らせた時点でもうベッドから降りてしまっているわけです。でも現場のニーズとしては、ベッドから降りる前に知らせてほしいと言われる。なぜなら、足をついた瞬間から、転倒リスクが高まっていくからです。足をついた状態で知らされても遅すぎるんですね。ーーー上下のグラフは何を表しているんですか?上が心拍、下が呼吸を表しています。このふたつは、動きがない状態が続くとアラート状態になります。これにより、就寝中の看取り検知が可能になります。赤が心拍、緑が体動、青が呼吸をあらわすーーー看取り検知というと、お亡くなりになったのに気づくということですか?そうです。夜間勤務者のストレス要因には、要介護者に怪我をさせてはならない、亡くなっていることに気づかず放置してはいけない、というふたつがあるんです。ーーー亡くなったまま放置すると、罪悪感を覚えるということですか?もちろんそれもありますが、亡くなっていることに朝方まで気づけずにいると、事件性があるかもしれないということで警察を呼ぶことになってしまい、業務的な負担が増してしまうんです。だからこそ、プレッシャーを感じたまま見回りを続けなければいけないんですね。看取り検知ができる「EVER Relief」を使うことで、そうしたプレッシャーやストレスが軽減されます。実際に、「EVER Relief」を導入してから看取り検知ができたとおっしゃる利用者の方もおられます。スポット利用で価値を最大限に活かすーーーありがとうございます!続いて、開発秘話や課題をお伺いしていきます。ーーーどんな方が適しているのでしょうか?要介護度が何度くらいといった規定を設けているわけではありませんが、やはり動きを検知しているので、動ける程度の方にお使いいただければと思います。認知症の方や、気持ちは元気だけど身体が少しついていかない方、お薬などの影響で寝起きはふらつきが出る方などに向いています。ーーー離床センサーとしては少し高めの価格設定ですが。確かに、通常より高めです。ただし「EVER Relief」は、施設の方全員に使ってもらうというつもりではないんです。というのも、「EVER Relief」のような製品が必要なほど転倒リスクが高い方は、施設の中でもだいたい1割程度だと考えているんです。そういう方にピンポイントで利用していただき、そこまで転倒リスクが高くない方には従来のスイッチタイプを利用いただくなど、使い分けをしていただくことで費用対効果が高まります。介護現場の負担を減らすためにーーー現状の課題や今後の展開について教えてください。「EVER Relief」ではバイタルデータをとっていますが、現状では起き上がり検知・看取り検知のみに利用されています。しかし我々としては、そのデータに基づいて利用者の変調を事前にキャッチし、それをお知らせできればと考えています。あとは、もっと違和感なく現場で使っていただけるよう、細かい点を修正していく必要も感じています。使用上のちょっとした注意点は、面と向かって我々が説明すればもちろんご理解いただけますが、その方が次の人へ説明し、また次の人へ説明されていくとき、確実に忘れ去られていく。そういったことを極力なくし、現状のオペレーションにすっとなじむ介護ロボットこそが、現場に普及し持続的に使っていただけるのだと考えています。ーーー最後に、介護の現場で働く方へメッセージをお願いします。「EVER Relief」は、介護現場の負担を減らしたいという思いで開発しました。開発の過程で、介護施設に何度も泊まり込みをさせていただきヒアリングしてきましたが、結局、働いてる人の心に余裕がなければ良い介護にならないと思うんです。私たちは、働いてる人の心に余裕が生まれるような手助けがしたい、そう思ってやっています。編集部まとめ 実際に「EVER Relief」のデモをみて、その精度の高さに驚きました。非接触にもかかわらず、身体をかざすだけで心拍や呼吸、動きが検知されます。また起き上がり動作への反応も非常に速く、サテライトセンサーに近づいた瞬間、疑似ナースコールが光りました。「すでに既存の離床センサーに限界を感じている介護職員は多い」と言う坂木氏の言葉から、「EVER Relief」のニーズの高さがうかがえます。 商品名 EVER Relief 外形 (メインセンサ)W=340mm, H=64mm, D=18mm オプションバイタルデータのクラウド化・分析 希望小売価格 195,000 円(税抜)

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