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介護報酬

介護ロボが夜勤職員の代わりに!見守りロボット導入で報酬加算、厚生労働省が発表

介護ロボが夜勤職員の代わりに!見守りロボット導入で報酬加算、厚生労働省が発表

2018年4月に行われる介護報酬改定。すでに改定に向けてさまざまな議論が行われています。そんななか、厚生労働省は見守りロボットを導入することで加算対象となる夜勤職員の数を減らしてもよいとする方針を固めました。一言で言えば、見守りロボットが夜勤職員の代わりになるということです。見守りロボットとは?どのくらい導入したら加算が取得できるの?など、詳しく解説していきます。※2018/01/09更新しました。 見守りロボが夜勤職員の代わりに!?夜間職員配置加算が緩和話題になっているのは、「夜勤職員配置加算」の緩和です。見守りロボットの導入で、「夜勤職員配置加算」を取得しやすくしようとしているのです。夜勤職員配置加算とは?夜勤が発生する特別養護老人ホーム(以下、特養)では、介護の質を保証するためおよび介護職員の過負担を防ぐために、夜間に配置する最低人員数が決められています。介護報酬制度では、この最低基準よりも多く夜間に人員を配置した場合、報酬加算するシステムがあります。これを夜勤職員配置加算と呼びます。現行のルールでは、夜間に最低基準よりも1人以上多く職員を置いた場合に報酬が加算されます。加算要件に「見守りロボット」が追加される?今回の改定では、「最低基準よりも1人以上多く置いた場合」という加算要件に以下の2つの要件を追加しようとしています。1.ベッド上の入所者の動向を検知できる見守りロボットを、入所者数の15%以上に設置している場合 2.見守りロボットを安全かつ有効に活かすための委員会を設置し、必要な検討を行っている場合この両方を満たしている場合に、夜勤職員の数が最低基準を0.9人上回っていれば取得できるようにするとしています。つまり、見守りロボットが夜勤職員の0.1人分に相当するということです。これによって夜勤職員の数を減らすことはできなくとも、職員の勤務時間を減らすことはできるので、休憩時間が多くとれるなどのメリットがあると考えられます。見守りロボットの効果は?気になるのは、見守りロボットが本当に夜勤職員0.1人分の働きができるのか?という点です。この疑問に応えるべく、厚生労働省は平成29年5月~8月にかけて見守りロボットの効果検証を実施しました。この検証により、見守りロボットには介護職員の負担軽減効果や業務改善効果があると判明したのです。ナースコールによる訪室回数が6分の1に減少実証研究では、 非接触の見守りシステム  OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用 や マット式見守りシステム 眠りSCAN を含む7機種が採用されました。その結果、導入後の訪室回数が減少したという結果がでたのです。とくにナースコールによる訪室は導入前の6分の1まで減っていることから、介護職員の負担を減らしつつ、必要なときに訪室できていることがわかります。ヒヤリハット、介護事故が0件に!ふたつめの効果として、ヒヤリハットや介護事故の減少があげられます。見守りロボット導入から3回調査が行われましたが、回数を重ねる毎にヒヤリハットや介護事故の件数がすくなくなっていき、最終的には0件になっています。半数以上の介護職員が高評価介護職員への聞き取り調査では「夜間も安心して見守ることができる」と回答したのが50%、「介護者の心理的負担が軽くなる」と回答したのが42.8%と、過半数が好意的な評価をくだしています(複数回答)。ただし、「必要以上に見に行くこととなってしまう」と18.8%が回答しており、状況や使い方によっては、導入前よりも訪室を増やしてしまう可能性も示唆されています。対象となる見守りロボットは未定。今回の基準緩和の対象となる見守りロボットについては、現在のところ「 高齢者がベッドから落ちそうになったり、はいかいしたりした場合、センサーが感知して知らせる機器 」とのみ報道されています( NHKニュース より引用)。よって、対象となる見守りロボットがはっきりと明示されているわけではありません。ここでは、厚生労働省による実証実験に採択されたロボットや、経済産業省の「ロボット介護機器開発・導入促進事業」において開発された介護ロボットを中心に、すでに市販されている見守り機器をご紹介します。※ここでご紹介する見守り機器がかならずしも介護保険に適用する見守りロボットであるというわけではありません。Neos+Care(ネオスケア)Neos+Care(ネオスケア)は、3Dセンサを用いて人の動きを検知し、それをシルエット画像で表示することで、早く正確に、しかもプライバシーに配慮しながら見守りができる予測型見守りシステムです。2017年春には「生体モニターオプション」も追加され、対象者の3種の生体状態(体動:身体を動かす動作、静止:椅子やベッドで安静にしている動作、停止:生体反応がない状態)をリアルタイムに把握することができるようになりました。開発メーカーによれば、 Neos+Care(ネオスケア) を導入した現場からは「転倒の回数が減った、転倒者の数が減った」という反響や、駆けつけの前に状況が確認できるので、実際にケア時間の削減につながったというデータもあるとのことです。 取材記事はこちらから 業界初!予測型見守りシステム「Neos+Care(ネオスケア)」|ノーリツプレシジョン シルエット見守りセンサシルエット見守りセンサは、ベッド上の空間を検知する赤外線センサを使った見守りシステムです。センサによって起床やはみ出し、離床を検知して通報するだけでなく、端末を使って離れた場所からも様子が確認できるのが特徴です。開発メーカーによれば、シルエット画像を確認することで本当に今すぐ駆けつけが必要かどうか判断できるため、不要な駆けつけを減らすことが期待できるとのことです。取材記事はこちらから離床はもちろんはみ出しも!人の動きを検知する「シルエット見守りセンサ」|キング通信工業株式会社 OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用は、非接触・無拘束のベッド見守りシステムです。ベッドの上に取りつけることで、ベッドの上での立ち上がりや離床などの動きの変化はもちろん、悶えや震え、呼吸などの非常に小さな動きも検出できます。開発メーカーによれば、のどや胸の小さな動きも捉えることができるため、見守りだけでなく、無呼吸症候群の方が寝ている間にちゃんと呼吸できているか、脳梗塞で胸の筋肉が麻痺してしまった方がリハビリでどれくらい改善されたか、などさまざまな活用シーンが考えられるとのことです。取材記事はこちらから 慶応大学発ベンチャーが開発!非接触の見守りシステム 「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」|株式会社イデアクエスト 眠りSCAN眠りSCANは、マットレスの下に敷くだけでベッド上に居る人の状態をリアルタイムでモニタリングできる、非接触型の見守りシステムです。センサーは体動や呼吸・心拍などを検知します。それらの情報から睡眠・覚醒・起き上がり・離床などの状態を判断し、リアルタイムでモニター表示します。開発メーカーによれば、状況を見える化することはスタッフの精神的負担の軽減につながるだけでなく、状況に合わせて介護の優先順位をつけることで、目が覚めているときに介護するなどして入居者の睡眠を確保しつつ、巡視業務にもメリハリをつけることができるとのことです。実際に眠りSCANを全床に設置している施設からは、「夜間の見守りが楽になった」という声があがっていると言います。取材記事はこちらから ケアプラン改善にも!次世代マット式見守りシステム「眠りSCAN」|パラマウントベッド株式会社 Mi-Ru(ミール)Mi-Ru(ミール)は、カメラを使ったポール状の介護施設向け見守りシステムです。カメラの映像から利用者の動きを判断し、危険と思われる動きを察知したら端末で通知します。遠隔でも映像を確認できますが、任意でモザイク映像に切り替えることができるので、プライバシーにも配慮されているといえます。特徴は遠隔から声がけができること。「今行きますね」などの声かけで、駆けつけるまでに利用者に安心感を与えることができます。取材記事はこちらから 遠隔で声掛けもできる!ポール状施設向け見守りシステム  Mi-Ru(ミール)|ワイエイシイエレックス株式会社 見守りケアシステム M-2画像: フランスベッド株式会社HP より「見守りケアシステム M-2」は、ベッド利用者の離床動作を検知して通知するベッド内蔵型の見守りロボットです。起き上がりや離床を通知するだけでなく、身体を動かすことが困難な方の体重を毎日測ることができる「体重測定機能」や、介助時や食事の際にセンサー機能を一時停止しても再度検知を開始する「自動見守り再開機能」を標準搭載している点が特徴です。オプションで、行動特性の記録ができる「ログ解析ソフト」機能もあります。  見守りロボットのこれまでとこれから上で紹介した以外にも、さまざまな見守りロボットがこれまでに開発されてきました。経済産業省の事業である「ロボット介護機器開発・導入促進事業」では、他分野と比較してもっとも多い35社が見守りロボットの開発に乗り出しています。 介護ロボットONLINEが独自に行った調査 では、半数を超える61.5%の人が 「今後導入する予定のある介護ロボット」に「見守り支援型」をあげており、介護施設も高い関心を寄せていることが分かりました。さらに 介護ロボットONLINE独自の取材 では、すでに「シルエット見守りセンサ」を導入している施設の声として「駆けつけの回数が減っていると思う」という聞き取りも行っています。見守りロボットの有用性は、すこしずつ証明されてきていると言えるでしょう。今後の社会保障審議会に注目!ロボットスーツや大型の移乗支援ロボットに比べて安価な商品も多く、安全面でも不安が少ない見守りロボットは、介護ロボットとしては導入へのハードルも低いといえます。厚生労働省の実証研究では、見守りロボットによって介護職員の負担や介護事故が減少するという結果もでています。見守りロボット導入に加算がつけば、費用対効果の面でも期待が高まるでしょう。介護ロボットONLINEでは、今後も見守りロボットの取材を積極的に行っていきます。 <参考資料> 厚生労働省(2017年)第153回社会保障審議会介護給付費分科会資料 厚生労働省「介護ロボットの導入支援及び導入効果実証研究事業」公募開始 (2017/12/13)

【介護職の夜勤の悩み別!】あなたの施設におすすめの見守りロボット

【介護職の夜勤の悩み別!】あなたの施設におすすめの見守りロボット

介護職につきものの「夜勤」。長時間労働やワンオペなどの問題が注目されがちですが、一方で「自分のペースで働ける」「夜勤手当がつく」などの理由から、夜勤専従(日勤はせず、夜勤だけを担当する働き方)で働く人もいます。介護職の夜勤は、日中よりも配置人数を減らしている施設がほとんどです。その分、日中よりも業務量は減りますが、それでも一人あたりの業務負担は重くなります。また、夜勤中は、万が一施設内でトラブルが発生しても頼れるのは自分のみ、ということもあるでしょう。自分のとっさの判断がすべてなので、夜勤スタッフにのしかかる責任は重大です。近年、そんな夜勤を助けるツールのひとつとして、「見守りロボット」が注目されているのを知っていますか?「見守りロボット」とは、複数の入居者を同時に見守ることができたり、入居者の離床やひとり歩きなどを検知し、必要に応じてスタッフまでお知らせしてくれたりする、新しい見守り支援機器です。平成30年度の介護報酬でも、見守り機器の導入が「 夜勤職員配置加算 」の緩和条件になることが決まっており、ますます期待が高まっています。今回は、夜勤にありがちなお悩み別に、おすすめの見守りロボットを紹介していきます。悩み別のおすすめ見守りロボット盛り上がりを見せつつある「介護ロボット」のなかでも、とくに期待が集まっている「見守りロボット」。期待度の高まりとともに、多種多様な見守りロボットが開発・販売されています。ここでは、悩み別にあなたの施設におすすめの見守りロボットを紹介します。お悩み1.夜勤の急変がこわい 初めての夜勤でまさかの急変!頼れるスタッフも少ないし、テンパりながらなんとか自分で対応。でも、そのときの恐怖がトラウマで、夜勤に入るたびに急変が起きないよう祈ってます…。 急変を予知してくれる「 ライフリズムナビ+Dr. 」がおすすめ! 夜間は急変が起こりやすい時間帯です。スタッフが少ない中で急変が起きたら、たとえ経験の浅い新米介護士であっても、自分の判断で動かなくてはなりません。慣れないうちは、「万が一最悪の事態になったら…」と考えると恐怖に足がすくむこともあるでしょう。急変の体験がトラウマとなり、「夜勤につくのがこわくなった」という人も少なくありません。そんな悩みにおすすめなのが、急変を予知する「 ライフリズムナビ+Dr. 」です。医師ならではの着眼点で「まさか」の予兆を見える化「ライフリズムナビ+Dr.」|エコナビスタ株式会社ライフリズムナビ+Dr.で訪室していない間も安心|グランフォレスト鷺宮の活用事例 ライフリズムナビ+Dr.は、「急変にはかならず予兆がある」という医師の気づきから開発された、予兆を見える化する健康見守りロボットです。3種類のセンサーで利用者の状態をモニタリングし、現在の状態と過去の状態を比較することで、微妙な変化を察知します。3種類のセンサーからは、それぞれ睡眠データ、温湿度データ、活動量データが取得され、ベッド上の動きや睡眠の深度、無呼吸途中覚醒などがモニター表示されます。お悩み2.居室数が多くて巡回がたいへん 夜間巡回で安否を確認するけど、全居室を回るのは大変だし、ちゃんと眠れているか、呼吸をしているか不安になるときがあります…。 居室内の状況が一覧で見られる「眠りSCAN」がおすすめ! 夜勤の主な業務のひとつに、夜間巡回があります。1~2時間に1回程度の頻度でフロアを見回り、利用者の呼吸状態や体調に異変がないかを確認します。しかし、消灯後の居室内で入居者ひとりひとりの状態を把握するのは一苦労です。見回りのタイミングややり方によっては、眠っている入居者を起こしてしまうことにもなりかねません。そんな悩みにおすすめなのが、睡眠測定器として睡眠研究にも使われている「眠りSCAN」です。ケアプラン改善にも!次世代マット式見守りシステム「眠りSCAN」|パラマウントベッド株式会社眠りスキャンでは、最大80名までの居室での状況および就床時の呼吸数心拍数を1台のモニターで確認することができます。「ちゃんと眠っているか」「呼吸に問題はないか」などを見える化することで、状況に合わせて介護の優先順位をつけたり、目が覚めているときに介護するなどして入居者の睡眠を確保したりすることができます。何より、リアルタイムで入居者の状況が一覧で見られるので、訪室していないときでも安心感があります。お悩み3.万が一のときのエビデンスを残したい 介護の現場では、どんなに注意していても事故やトラブルが起きてしまうもの。万が一のときに介護スタッフを守れるように、エビデンスを残せないかしら。 本体に録画映像が残る「Dream Care(ドリームケア)」がおすすめ! 介護サービスを提供する上で避けては通れない、事故やトラブル。事故を起こさないためのリスクマネジメントはもちろん必要ですが、どんなに気をつけていても起きるときは起こってしまいます。職員と現場を守る!これからの介護リスクマネジメント事故やトラブルで心配なのが、入居者のケガやトラブルを介護スタッフや施設の設備のせいだと糾弾されることです。実際にスタッフや施設設備に非があるのなら謝罪と是正をすべきですが、そうでない場合はその説明をする必要があります。しかし、記録や証拠がなければ、どんなに言葉を尽くしても相手に伝わらないということもありえます。スタッフの身の潔白を証明したり、入居者や家族に納得してもらえるよう説明するために活用できるのが、「 Dream Care(ドリームケア)」です。夜間の見回り回数が1/3に!現場発信の見守りロボ「Dream Care(ドリームケア)」|株式会社DREAM TOKYO「Dream Care」は、離床検知やバイタル異常時の通知ができる非接触型の見守りロボット。離床の初期の動作でアラートを作動させたり、入居者様の様子をアイコン・数値表示で常時お知らせたりすることが可能です。さらに、特徴のひとつとして、搭載されているカメラによる録画機能があります。入居者に激しい動きがあったときや離床検知したときーーつまり、事件事故が起きやすいときに限り、カメラが作動して記録を残してくれるのです。録画記録はPCなどに配信されず、本体のSDメモリに残されるのみなので、プライバシーにも配慮されているといえます。お悩み4.アラートが鳴りすぎて、つい電源を切ってしまう 今の離床通知センサは、離床したときだけでなく体位変換や排せつ介助のときもアラートが鳴るから、介助中は電源を切っています。でも、そのあとに電源をつけ忘れることが多く、離床センサの意味がありません…。 自動で見守りを再開していくれる「 見守りケアシステムM-2 」がおすすめ! これまでの離床マットや赤外線センサなどによる離床通知機器は、入居者・介護スタッフ関係なく、人間を検知したらアラートを出すものがほとんどでした。スタッフが介助に入るたびにアラートが鳴ってしまうため、介助中は機器の電源を落とすという施設も少なくありません。しかし、電源を落としたことを忘れてしまい、本当に必要なときに通知されないという事態を引き起こすこともよくあるといいます。そんなヒューマンエラーをなくすためにおすすめなのが、自動で見守りを再開してくれる機能付きの「 見守りケアシステムM-2 」です。ベッド内蔵型で体重も測れる「見守りケアシステムM-2」|フランスベッド株式会社「見守りケアシステムM-2」は、ベッド内蔵型の見守りロボット。ナースコールと連携させた離床通知はもちろん、利用者の日々の体重測定も自動でしてくれるすぐれものです。M-2のコントローラーには見守りを一時停止する機能が搭載されており、その機能を使えば、一時停止モードから10分後に自動的に電源をオンにしてくれます。また、一時停止中にベッドに人が乗った場合も自動でオンになるので、介助後の「電源を入れ忘れた!」がなくなります。改めて考えたい「見守りロボット」のメリット・デメリットこれまでの離床センサなどと比べて、最近開発された新しい見守りロボットには、下記のようないくつかの特徴があります(※)。 離床だけでなく、多様な状況を自動認識する 対象者に応じた通知設定ができる 報知とあわせて画像などの情報も提供できる 転倒につながる動作や予兆動作が検知できる 離れた場所からリアルタイムで安全確認ができる 失報誤報が予防できる※参考 厚生労働省(2015)『介護ロボット重点分野別講師養成テキスト』 ここからは、「見守りロボット」全般に共通するメリットやデメリットについてあらためて考えてみましょう。見守りロボットのメリット厚生労働省による調査によれば、見守りロボットを本格導入したある施設にて、以下のような効果が得られたと報告されています。導入効果からもわかるとおり、見守りロボットにはさまざまなメリットがあるといえます。もっとも大きなメリットは、転倒をはじめとする事故の減少でしょう。離床の通知自体が既存の機器にくらべて速くなったことにくわえ、離れた場所からでもタイムリーに入居者の動きを確認できるため、早期対応や緊急度の判断がしやすくなります。もうひとつのメリットは、利用者の自立やQOLの向上につながるという点です。厚生労働省の調査によれば、導入した施設の職員の半数以上が、「利用者の生活の質(QOL)が良くなった」と回答していることがわかっています。見守りロボットは、利用者の生活リズムや行動パターンを見える化することで、利用者に合わせたケアを可能にするのです。さらに、間接的なメリットとして、職員の意識向上や職場環境の改善による離職率の低下などがあげられます。見守りロボットが業務負担を減らしたり、質の高いケアの提供をサポートしたりすることで、介護人材の確保や育成につながる効果も期待できます。見守りロボットのデメリット見守りロボットのデメリットとして覚えておきたいのは、「見守りロボットはスタッフ(人間)の代わりにはなれない」ということです。見守りロボットができるのはあくまで見守りの支援であり、必要に応じて実際に対応したり介助したりするのは、介護スタッフである人間です。その点を理解していないと、「見守りロボットを導入しても業務効率化にならない」「ロボットなんか役に立たない」という誤った認識を抱くことになってしまいます。後ほど詳しく説明しますが、制度上も、見守りロボットが人間ひとり分の代わりになることはありえません。大事なのは、見守りロボットをいかに活用して、ケアの向上につなげるかという視点であることを覚えておきましょう。見守りロボットで「夜勤職員配置加算」の算定要件が緩和平成30年度の介護報酬で、見守りロボットの導入が「夜勤職員配置加算」の緩和条件になることが決まりました。介護ロボが夜勤職員の代わりに!見守りロボット導入で報酬加算、厚生労働省が発表夜勤職員配置加算とは、夜勤が発生する特別養護老人ホーム(以下、特養)などで決められている最低基準よりも多く人員を配置した場合に加算されるものです。これまでのルールでは、夜間に最低基準よりも1人以上多く職員を置いた場合に報酬が加算されるとしていました。それが今回の改定で、以下のように変更になりました。平成30年度の介護報酬改定 1.ベッド上の入所者の動向を検知できる見守りロボットを、入所者数の15%以上に設置している場合2.見守りロボットを安全かつ有効に活かすための委員会を設置し、必要な検討を行っている場合この両方を満たしている場合に、夜勤職員の数が最低基準を0.9人上回っていれば取得できるとする。 つまり、見守りロボットが夜勤職員の0.1人分に相当するということです。これによって夜勤職員の数を減らすことはできなくとも、職員の勤務時間を減らすことはできるので、休憩時間が多くとれるなどのメリットがあると考えられます。だからといって、安易に見守りロボットを導入するのはおすすめできません。自分の施設の課題や問題点、見守りロボットのデメリットなどを理解した上で、最適な機器を選ぶことが重要になってきます。悩みに応じて見守りロボットを選ぼう見守りロボットには、入居者の事故の軽減やQOLの向上など、多くのメリットがあります。長期的には、職員の意識向上や職場環境の改善効果、それにともなう離職率の低下まで期待できます。夜勤は、スタッフに身体的・精神的な負担が重くのしかかる重労働です。長時間労働やトラブルが重なることで、介護職を離れてしまうスタッフもいます。そんなスタッフの悩みを見守りロボットで解決するには、導入前にスタッフや施設の課題を洗い出す必要があります。見守りロボットにもさまざまな種類がありますが、悩みに応じて最適な機器を選ぶことで、見守りロボットの効果が最大限に生かされるでしょう。<参考資料>厚生労働省(2015)『介護ロボット重点分野別講師養成テキスト』市場規模500億円にむけて本格始動!平成30年度の介護ロボット関連事業まとめ睡眠見守りセンサー「まもる~の」で介護と睡眠を見える化|ASD株式会社

実証実験で転倒がゼロに!「ベッド見守り支援ソリューション」|NECネッツエスアイ株式会社・トーテックアメニティ株式会社

実証実験で転倒がゼロに!「ベッド見守り支援ソリューション」|NECネッツエスアイ株式会社・トーテックアメニティ株式会社

主な機能 1.離床検知2.同時見守り3.健康見守り 参考価格(税抜)※設置作業(取付け、調整、クラウド環境登録、動作試験)等は別途費用がかかります。 年額利⽤料(クラウドサービス費、センドバック保守費)¥ 36,600-/ベッド サービス概要ベッド見守り支援ソリューションは、被介護者のベッド上の動きを検知して通知する「介護ロボット」を活用したソリューションです。ベッド(介護ベッド・一般ベッド)の脚に取り付けたセンサから荷重情報等を取得し、被介護者の離床前の動きを検知し、ナースコールや管理端末へ知らせます。また、生活リズムやバイタルの取得も可能です。実証実験で転倒がゼロに!「ベッド見守り支援ソリューション」|NECネッツエスアイ株式会社・トーテックアメニティ株式会社2018年01月、NECネッツエスアイ株式会社はトーテックアメニティ株式会社の「見守りライフ」を導入からメンテナンスまでワンストップで提供する「ベッド見守り支援ソリューション」の販売を開始すると発表しました。「見守りライフ」とは、介護ベッドに取り付ける荷重センサによってさまざまなデータを取得し、離床をお知らせしたり、生活リズムの見える化などを行う介護ロボット。実証試験の結果から明らかになった効果は?両社が語る「ロボットとスタッフの共存」に必要なものとは?そんな気になる疑問を、両社に直接聞いてきました! トーテックアメニティ社(左2名)とNECネッツエスアイ社(右3名)の両社に話を伺う「ベッド見守り支援ソリューション」とは?ーーーまずは「見守りライフ」および「ベッド見守り支援ソリューション」でできることを教えてください。 主な機能は、離床検知機能、健康見守り機能、同時見守り機能、メール配信機能の4つです。それぞれご説明します。 離床の兆しをナースコールでお知らせNECネッツエスアイ:1つめの離床検知機能とは、離床を事前に察知し、お知らせする機能です。離床前の「動き出し」や「起き上がり」といった動作を検知し、ベッド上の利用者が完全に離床する前にナースコールで通知します。生活リズムを見える化NECネッツエスアイ:2つめは健康見守り機能です。これは、睡眠・体重・脈拍・呼吸(※)などのデータをとり、生活リズムを見える化する機能です。 ※脈拍・呼吸(バイタル)データは参考値 特徴は、 対象者の情報/状況を24時間データで見える化 データ化しているためスタッフ間の情報共有が容易 の2点です。これらにより質の高いケアサービスの提供ができると考えています。ーーーたとえばどのようなことができるのでしょうか?たとえば、眠れないという入居者様に睡眠導入剤を投薬している場合、その薬が本当に効いているかどうかを睡眠データから確認することが可能です。また、4日以上のショートステイを希望される入居様に対してはケアプランの作成が必要となりますが、このケアプランを作るために1週間くらい入居者様の様子見をするという話を聞きます。ベッド見守り支援ソリューションを活用すれば正確なデータに基づき、その方にあったケアプランをより早く作成することもできるはずです。最大40床を一覧で確認|施設の見守りを効率化 3つめは同時見守り機能です。最大40床まで同時に確認することができます。 トーテックアメニティ: ある施設では20床に当製品を導入いただいていますが、夜間にその見守り画面を見ると画面全体が青(=睡眠を表す色)になっているので、ひと目で「異常なし」ということが確認できるのです。このように、同時に見守りできるというのは効率化にもつながりますし、巡回に行っていない間のスタッフの安心にもつながります。 ベッド上の状態を知らせるアイコンは色ごとに分けられているメール配信機能トーテックアメニティ:4つめがメール配信機能です。こちらは主に「在宅介護向け」としてご利用されるお客様へのサービスですが、就寝時刻や睡眠時間等を決まった時間にメールでお届けする定期配信機能と、いつもと違うことが起きたときにメールを送る機能の2種類あります。 定期配信メールの一例後者では、たとえば「いつもは7時に起きるのに、今日に限って8時になっても起きてこない」あるいは「夜中にトイレに行って1時間も帰ってこない」など、ふだんと違った様子を察知したときにメールを送ります。これにより、離れて暮らす家族の異変を察知し、様子を見に行ったりするなど、予防や対策を行うことが可能となります。「見守りライフ」を在宅でご活用いただいている例はまだまだ少ないですが、今後はご家族だけでなく自治体や介護事業所などを巻き込んだ見守り体制の構築に、当製品が貢献できればと考えています。トーテックアメニティ社の「見守りライフ」をNECネッツエスアイ社がワンストップ提供ーーー今回の「ベッド見守り支援ソリューション」は、トーテックアメニティ社の「見守りライフ」を活用してNECネッツエスアイ社がサービス展開していますね。NECネッツエスアイ:弊社の役割は、介護事業所に対し「見守りライフ」の導入から運用、メンテナンスまでをワンストップで、トータルソリューションとして提供することです。「見守りライフ」で施設の課題を解決していただき、施設そのものの価値を高めるお手伝いをしたいと考えています。プライバシーにも配慮しながら見守りできる 見守りに使用するのはベッドの脚にとりつける荷重センサとベッド裏にとりつけるバイタルセンサだーーー御社自身が映像監視ビジネスも行っていますが、なぜ今回見守り機器として「見守りライフ」を活用することにしたのでしょうか?弊社が得意とするカメラを用いた顔認証システムは、入居者様が監視されていると感じてしまう懸念もあり、プライバシーの側面で導入のハードルが高いことがあげられます。カメラを使用せずに見守る方法を模索していたときに「見守りライフ」と出会い、いっしょにソリューションをご提供することになりました。すでに20施設以上の導入実績もトーテックアメニティ:弊社は「見守りライフ」の開発を担当しています。主にソフトウェア開発、とくに見守り画面の見せ方やクラウドシステムの構築などが中心です。これまでに開発だけでなく販売も行っていたので、すでに「見守りライフ」の導入事例は20施設以上あります。実証試験でわかった驚きの効果とは?ーーー「ベッド見守り支援ソリューション」発売に先がけて、特養にて実証試験を行なったと聞きました。その結果について教えてください。NECネッツエスアイ:実証試験は、特別養護老人ホーム「ニューバード」とそこに入居されている4名にご協力いただき、2017年10月~12月に実施しました。結果的に、それまで多い時には月4回ほど起こっていた転倒をゼロにすることができました。くわしくご説明します。転倒リスクを早めの介助で防ぐNECネッツエスアイ:効果が出たのは、4名のうち「ベッド見守り支援ソリューション」とナースコール連携をしていた2名です。そのうち1名は要介護度3程度の方で、事前調査では夜中のトイレの時間に転倒が多いということが分かっていました。実証試験前は月に3~4回ほど転倒していたのですが、実証試験中は「ベッド見守り支援ソリューション」が離床をナースコールで即座に知らせるため、スタッフがトイレまで介助を行うことで、転倒回数をゼロにすることができたのです。ベッドからのズレ落ちもゼロにNECネッツエスアイ:もう1名は要介護5の方です。事前調査では、ベッドの柵から足がはみ出てしばしばベッドから落ちてしまうことが分かっていました。月に1~2回ほど落ちてしまうことがあるため、施設側ではベッド下に衝撃を抑えるマットを敷くなどの対策をとっていたようです。そこで実証試験を行った結果、そうしたずれ落ちが2ヶ月間はゼロでした。こうした結果から、「ベッド見守り支援ソリューション」が離床通知機器として充分な働きをすることが実証されたといえます。“生活リズムの見える化”がもたらした変化ーーー「ベッド見守り支援ソリューション」の“生活リズムの見える化”に関してはいかがですか?何か効果や反響はありましたか?トーテックアメニティ:“生活リズムの見える化”ーー「健康見守り機能」の反響としては、こんなエピソードがあります。認知性の方は、よく眠れなかった日の翌朝、「不穏(ふおん)」とよばれる行動を起こされることがあります。不穏は場合によって暴れるなどのリスクにつながるおそれがあるので、スタッフ同士で事前に把握しておくことが重要です。しかし、よく眠れていないのに「眠れた」と答えるなど、ご本人への確認だけでは充分でないことがしばしばでした。そんなときに睡眠データを事前に確認し、スタッフ同士で共有・引き継ぎをしっかりすることで、ご利用者様の不穏行動を事前に気にかけたり、防いだりすることができたのです。実際に、そのように睡眠データを活用していると、ある施設から聞いています。NECネッツエスアイ:睡眠データに限らず、「健康見守り機能」で取得したデータの共有は、ケアプラン作成時にも役立っているというお声もいただいています。生活リズムを見ながら話し合うことができるので、議論の質が高まったそうです。介護スタッフと見守りロボットの共存のためにーーー平成30年度の介護報酬改定では、見守り支援ロボットを夜勤職員の代わりとして認めるという改定がなされそうです。見守り支援ロボットと介護スタッフをはじめとする人間がうまく共存していくには、何が必要だと考えますか?NECネッツエスアイ:1つ目は人間と介護ロボットの分業化ですね。「ベッド見守り支援ソリューション」を導入したある施設長からは、「“目”を使うところは人間では限界がある。そういう部分はセンサに頼っていきたい」と話していました。「見続ける」「記録し続ける」のは、見守り支援ロボットだからこそできること。その点をうまくオペレーションに取り入れていただければと思います。2つ目は、我々のような立場のSI’er(システムインテグレーター)がスタッフと介護ロボットを仲立ちすることだと考えています。介護現場で働くスタッフの方々に、使い方やメリットなどを納得がいくまでご説明するのが我々の使命です。将来的には、介護ロボットがどの現場にもありふれたものになり、介護スタッフの負担が軽減されるとともに、利用者もその恩恵を享受できるような社会になってほしいと思っています。トーテックアメニティ:介護ロボットときくと、つい介護スタッフの方の負担軽減を第一に考えてしまいがちです。しかし大事なのは、介護をうける方にどのようなメリットがあるのかという点だと考えています。介護スタッフの負担軽減はもちろん、被介護者にとってのメリットという視点もあわせ持つことで、介護ロボットはより広く認知され、受け入れられていくのではないでしょうか。編集部まとめ 離床通知はもちろん、生活リズムの見える化までできる「ベッド見守り支援ソリューション」。設置はほぼ全ての介護ベッドにメインの荷重センサを取り付けるだけなので、離床マットの入れ替えとして重宝されているというのもうなずけます。ナースコールとの連携など、既存のシステムに追加する形で導入できるのも大きな魅力のひとつでしょう。しかし、真価を発揮するのはより大規模に導入したとき。介護ロボだからこそできる「一気に見守り」を支えるNECネッツエスアイ社のサポート力にも期待できそうです。 コメントお名前(ニックネーム):鼻沢耳男 コメント内容:私も以前、介護施設(グループホームが多い)で働いていて、夜勤の際は軽く音が聞こえた際にも念のため確認に行ってました。寝返りであればいいのですが、柵を越えて落下の危険性があるならば、素早く対応出来て良いのではないかと思います。 ただ、最初はコストがかかって浸透しにくいのではないかと思います。高くない入所費用でも利用できる様になれば、多くの施設で使われる様になると思います。

ベッド内蔵型で体重も測れる「見守りケアシステムM-2」|フランスベッド株式会社

ベッド内蔵型で体重も測れる「見守りケアシステムM-2」|フランスベッド株式会社

発売日 2017年5 月1日(水)(見守りケアシステムM-2) 価格 オープンプライス 製造/販売 フランスベッド株式会社 問い合わせ先 03-6741-5579 (病院施設企画室) 製品概要センサーがベッド利用者の体動や動作を検知し通知します。「動き出し」「起き上がり」「端座位」「離床」「離床管理」の5つの通知モードから選び、ベッドからの転倒、転落の危険性を軽減するほか、認知症の方の徘徊による事故等の予防につながります。ベッド内蔵型で体重も測れる「見守りケアシステムM-2」|フランスベッド株式会社介護ベッドをはじめ、さまざまな福祉用具の開発、レンタル事業を行っているフランスベッド株式会社。介護ロボットONLINEでは、以前にも泣き笑い たあたんや おでかけキャッチを取材しました。今回取材するのは、今注目度が急上昇している“見守り支援ロボット”。平成30年度の介護報酬改定で、見守り支援ロボットが夜勤職員配置加算の緩和条件として認められることになったのです。 「見守りケアシステムM-1・M-2」について、商品開発部の今西氏に話を伺いました。 商品開発部 今西忠之氏に話を伺う「見守りケアシステム M-1・M-2」とは?「見守りケアシステムM-2」は、ベッドご利用者様の離床動作を検知して通知するベッド内蔵型の見守りロボットです。見た目は普通の介護ベッドに見えますが、実はこちらのベッドにも「見守りケアシステムM-2」が内蔵されています。ベッド自体は通常の3モーター等の電動ベッドで、そこに追加でセンサを内蔵します。新車にオプションをつけるイメージですね。4つのセンサでベッド上の動きをキャッチ当製品の旧モデルとして、「見守りケアシステムM-1」(2013年2月発売)があります。まずは「M-1」と共通する機能をご紹介します。センサは、ベッドの足の根元に搭載されています。4ヶ所のセンサがそれぞれ重量を測ることで、人の重心を読みとっているんです。たとえば、ベッドの上で人が起き上がると重心が下の方に寄りますし、端座位(ベッドに腰かけた状態)だと左右どちらかに寄りますよね。そのように極めて正確にベッド上の人の動きをレスポンス良くキャッチすることができます。。4段階のアラート設定「見守りケアシステムM-2」では、ベッド上の人の状態を「動き出し」・「起き上がり」・「端座位」・「離床」の4段階で判断します。4段階すべてでアラートがなるわけではなく、そのうちのひとつの段階を選択していただき、その状態になったときだけアラートを発します。起き上がりから離床までの動きがゆっくりの方には「離床」モードで、起き上がったらすぐ離床するという方には「起き上がり」モードで通知してもらう、といったご利用者様の状態に合わせてカスタマイズが可能です。1度目の通知後、ご利用者様が完全に離床した状態になったら、2度目の通知がなされます。ーーー「動き出し」と寝相を間違えることは無いのでしょうか?大きな寝相に対しては、アラートが発されることもあります。ただ、「動き出し」モードを選択されたご利用者様は離床にともなうリスクが非常に高い方が多いので、「それでもいいから知らせてほしい」というニーズがありますね。ヒューマンエラーをなくす「自動見守り再開機能」現場から好評をいただいているのが、「自動見守り再開機能」です。一般的な離床センサは、ナースコールの配線を分配して設置されています。この「見守りケアシステム」シリーズも同様です。そのため、排泄介助などのたびにセンサが反応しないようにナースコールもろとも電源をオフにすることが多いのです。しかし、介助が終わったあとにオンにするのを忘れてしまい、センサもナースコールも使えないまま放置してしまうというヒューマンエラーが多発していると分かりました。当製品では、コントローラー自体に一時停止する機能を追加し、一時停止モードから10分後に自動的に電源がオンになるようにしています。また一時停止中にベッドに人が乗った場合も、自動でオンになります。 M-2における新たな新機能とは?「M-1」をさらにブラッシュアップさせたのが、2017年5月に発売した今回ご紹介する「M-2」です。主に2つの機能が追加されました。無線LAN対応でリアルタイム表示ひとつめは、通信機能を追加した点です。これにより、PC上でリアルタイムにご利用者様の状態を見守ることが可能になりました。最大20台まで一気に見守ることができるので、遠目からでも複数のご利用者様の状態をご覧いただけます。ご利用者様の表示をダブルクリックすると、個人の情報をまとめて見ることができます。アラームの履歴や体重の変化、現在の状況などが見られるこの画面は、印刷することも可能です。ニーズが多かった体重測定機能ふたつめは、体重測定機能を追加したことです。当製品をご利用いただいている事業所から、「体重も計れないのか」というお問い合わせを非常に多くいただきました。詳細な重さまで量るのは価格等の問題で難しいと考えていたのですが、「目安でも良いから知りたい」という声が多く、今回追加に至りました。体重計のような使い方に加えて、ベッド離着床時に自動で体重計測を行いますので、日々ベッドを利用するだけで1日の平均体重をベッドが6か月分記録されます。つまり、毎日の体重確認に加えて体重増減の傾向を簡単に確認することが可能なのです。現場の声を吸いあげた改良、オプション機能もその他にも、リモコンの位置を頭から足元に移動させるといった改良を行っています。またオプションとして、バイタルセンサと温湿度センサを追加することで、心拍や居室内の環境を見守ることもできるようになりました。こうした改良は、営業時代から付き合いのある事業所の方々にヒアリングし、そこで得た声を参考にしています。他社よりも「正確」「簡単」をめざしてーーー開発の背景を教えてください。弊社が「見守りケアシステムM-1」の開発を手がけはじめた当初、すでに同等の製品が他社から販売されていました。しかし市場リサーチを行った結果、「正確性」と「操作の簡単さ」に課題があるということが分かりました。取説なしでも操作できるとくに「操作の簡単さ」は、継続的にお使いいただくのに不可欠な要素です。そのため弊社では、「取扱説明書を見なくても使える」製品をめざして開発をはじめました。ーーー介護ロボットのなかには、操作が難しく持ち腐れになってしまうという話をよく聞きます。そうならないためにも、誰でも使えるように操作の面ではこだわりました。液晶に表示される問いに答えるあいだに設定が終わるようにしたり、クリックとダブルクリックだけでほとんどの操作ができるようにしたりという工夫をほどこしています。ーーーM2は厚生労働省の「モニター調査事業」でも検証されていましたね。はい、そちらの事業でも、介護職員の方から「取説を見なくても直観的に操作でき、簡単に使いこなせた」と言っていただきました。導入先からも、「使い方が分からない」という問い合わせはいただいたことがないですね。サーバーレスでランニングコスト削減もう一つ他社と大きく違うのが、サーバーをたてていないという点です。他社の同等製品は、サーバー(サービスを提供するコンピュータ)をたてて情報を集めたり、集めた情報を解析したりしています。その分高度な処理ができるケースもありますが、一方でサーバーを管理する手間がかかったり、保守費用などが発生したりすることも多いです。介護現場で働く方々はコンピュータに詳しくない方も多いので、買い切りでできるだけシンプルなシステムをご提供できるよう工夫しました。「見たら欲しくなる」見守りロボットーーー最後にメッセージをお願いします。ここまでご説明したとおり、すごく使いやすい機器になっています。ぜひ一度見ていただきたいですね。見たらたぶんほしくなると思います(笑)。弊社では全国各所にショールームをご用意しておりますので、足を運んでいただければと思います。また、介護事業所様であればデモ機をお持ちして実際にお使いいただけますので、弊社までお気軽にお問い合わせください。編集部まとめ取材時には、「実は介護の現場ではそれほどバイタル情報が求められていないのでないか」「デモでお使い頂くときも取説は置いていかない」など、現場の真のニーズを捉えているゆえのいわば独自路線的なフランスベッド社ならではの姿勢が随所に見られました。見守り支援ロボットが各社で開発・販売されているなか、著しい差別化をはかるのがますます難しくなる中、あくまでユーザーファーストを貫く「見守りケアシステムM-2」は、たしかに“見たら欲しくなる”ロボットだろうと実感させられました。

測定時間が1/10に!「自分の足で歩きたい」を叶える歩行解析デバイス「AYUMI EYE」とは?

測定時間が1/10に!「自分の足で歩きたい」を叶える歩行解析デバイス「AYUMI EYE」とは?

スターターキット AYUMI EYEモジュール 1個 装着ベルト 1本 iPad、iPhoneアプリ(ダウンロード) イートレガイドブック 1冊 製品概要デバイスを腰につけて歩くだけで、利用者の歩行状態がわかる歩行解析デバイスです。「推進力」「バランス」「リズム」の3点から分析し、利用者一人一人の歩きを見える化します。利用者に負担をかけず、測定時間の短縮にもつながります。測定時間が1/10に!「自分の足で歩きたい」を叶える歩行解析デバイス「AYUMI EYE」とは?「いつまでも自分の足で歩きたい」ーーーこれは、多くの高齢者が抱いている願いです。介護予防に力をいれるフィットネスクラブ型デイサービス「早稲田イーライフ田園調布」では、施設内での歩行トレーニングはもちろん、自宅でも自ら運動する習慣を身に着けてもらうために、さまざまな取り組みを行っています。そんな同施設で導入しているのが、歩行解析デバイス「AYUMI EYE」です。「AYUMI EYE」は、利用者の腰にベルトで装着して歩くだけで身体機能測定ができる介護ロボットです。今回は、「AYUMI EYE」を使っている施設担当者や利用者の方に、使ってみた感想や生の声を聞いてきました。 「AYUMI EYE」導入で変わったことや実際の活用方法を中心に、「AYUMI EYE」の魅力に迫ります! モジュール(写真中央)をベルトで腰に固定するだけ介護ロボットで身体機能測定の課題を解決!これまで早稲田イーライフで行ってきた身体機能測定は、厚生労働省のマニュアルに基づいたものでした。しっかり測定できる反面、下記のようなさまざまな課題も抱えていました。・測定時間が長い・スタッフや利用者の負担・リスクが大きい・再現性が低い などそうした課題を抱くデイサービスにとって、AYUMI EYEは革新的な身体機能測定ツールなのだとか。まずは早稲田イーライフ田園調布の管理者である古村さんに話を聞いてみます。簡単な測定で測定時間1/10、必要人員も削減早稲田イーライフ田園調布 管理者の古村薫平さん「これまでの身体機能測定は、利用者様一人あたり最低でも30分はかかっていました。その分測定種目も多く、利用者様の負担も大きかった。しかしAYUMI EYEを導入してから、一人あたり3分程度にまで短縮したんです」早稲田イーライフ田園調布の管理者である古村さんは、AYUMI EYEを使った身体機能測定について、「これまでとくらべて格段に手間も時間も省けるようになった」と驚きの声をあげています。AYUMI EYEの使い方は簡単。5cmほどのモジュールを利用者の腰に装着し、そのまま直線距離6~10m歩くだけです。測定は、AYUMI EYEアプリを操作するスタッフと利用者に寄り添うスタッフの2名体制で行います。これまでと比べると、測定に必要な人員数も大幅に減ったといいます。「測定時間が短縮されたことで、利用者様の休憩時間も長くとれるようになりました。スタッフと利用者様が話をする時間も増えたので、身体の状態や環境の変化について知る機会も増えましたね。」”歩行の見える化”がやる気につながるAYUMI EYEによる変化は、利用者である高齢者にも表れています。「昨日は暖かかったので、ひさしぶりに杖だけで外出したんです。そうしたら、25分も歩けたんですよ」そう嬉しそうに話すのは、同施設に半年前から通っている岡部さん(80代・女性)です。脊椎間狭窄症を患った当初は、自宅内でも歩行器がなければ歩けなかったといいます。しかし同施設に通い始めてから、メキメキ改善しました。AYUMI EYEを使って身体機能測定する古村さんと岡部さん分かりやすいレポートで結果を共有 レポート結果を見て歩行状態について話し合う「歩行速度が前に比べて変わっているわね。これは良くなっているということかしら?」AYUMI EYEによる身体機能測定後、レポート結果を見ながら古村さんと振り返ります。速度や歩幅、ふらつきなどが数値で表されるので、変化が分かりやすいのです。「歩幅が大きくなったので、進むスピードも早くなっている」という古村さんの説明に対しても「なるほどね」と納得顔です。「息子夫婦に迷惑をかけたくない」「将来的には自分の足で郵便局や銀行に行きたい」と目標を語る岡部さん。その背景には、「同居している息子夫婦に迷惑をかけたくない」という思いがあるようです。だからこそ、歩行訓練にも力が入ります。「岡部さんはご自宅でも自主的に運動されているので、改善が早いんです。ですから結果を共有するときも、“内ももをもっと鍛えたほうが良いから、自宅ではこんな運動をやってみてください”といったアドバイスもしています。」結果が分かりやすいからモチベーションにつながり、それが運動習慣につながる。このサイクルが、AYUMI EYE販売元である早稲田エルダリーヘルス事業団が提唱する“行動変容”です。早稲田エルダリーヘルスが提供するサービスとは?「弊社では、『ソーシャルサポート』『行動変容』『運動プログラム』の3つの観点から、高齢者の健康をサポートしています。」そう話すのは、早稲田エルダリーヘルス事業団・代表の筒井氏。早稲田エルダリーヘルス事業団は、早稲田大学のエルダリー・ヘルス研究所で開発された介護予防プログラムを社会に提供するために設立された企業です。 早稲田エルダリーヘルス事業団 代表の筒井祐智氏運動の習慣化が健康への鍵「しっかりした研究に基づいた運動プログラムがあっても、週に1~2回の運動ではあまり意味がない。施設に来ていないときでも運動をしてほしいという思いから、“なぜ運動をしなくてはならないか?”を知ってもらう『ソーシャルサポート』と、運動を習慣化する『行動変容』を大事にしています。」具体的には、情報誌や動画配信による啓蒙活動や、「イーロコモ手帳」という専用の手帳による継続促進を行っています。 ソーシャルサポートとして年4回発行している雑誌『welist』AYUMI EYEで運動の好サイクルをつくる「動画や雑誌で動機づけをして、手帳を使って継続化する、つまり、モチベーションをもってちゃんと運動するというサイクルを作るのが我々のサービスの本質です。AYUMI EYEは、このサイクルを自然と作ってくれる機器だと考えています。」AYUMI EYEによる身体機能測定結果のレポートは、推進力、バランス、リズムをスコア化されており、以前の測定結果と比較することができます。バランスはマップ化され、課題やそれに対応する運動も自動で提案してくれます。Wi-fi環境でプリント接続されていれば、その場でプリントアウトも可能です。結果が分かりやすいから、みんなで共有・活用できる「厚生労働省が推奨しているマニュアルや指標は、利用者にとってもスタッフにとっても分かりづらく、PT・OTでなければ説明が難しかった。しかしAYUMI EYEの指標であれば、一般のスタッフも分かりやすく説明できます。」さらに、利用者の家族やケアマネジャーとの共有にも役立ちます。AYUMI EYEの結果をケアプランに反映しているケアマネも少なくないといいます。自立支援にむけたAYUMI EYEの展開今、介護予防とともに注目を集めているのが「自立支援」です。平成30年度の介護報酬改定でも、自立支援につながる介護サービスに対する加算が引き上げられます。AYUMI EYEは、今後「自立支援」に対してもアプローチしていく予定だといいます。AYUMI EYEで加算報酬も「AYUMI EYEの結果が自立支援のエビデンスにお使いいただけたり、加算取得の一つの条件を満たすことができれば、より普及が進むと考えています。」介護予防や自立支援がすすめば、介護保険給付、ひいては医療保険給付の抑制につながります。元気に外出できれば、買い物や旅行といった購買活動も活発になります。その意味で、「いつまでも自分の足で歩く」支援は、社会貢献にもつながるのです。編集部まとめ「時間がかかる」「負担が大きい」「理解しづらい」という課題を抱えたこれまでの身体機能測定を、短時間で、簡単に、負担なくできることを実現した「AYUMI EYE」。これまでの身体機能測定からAYUMI EYEへの切り替えを経験したデイサービス利用者からは、「測定中のふらつきなどの恐怖から解放された」という評価も聞こえてきました。今後もAYUMI EYEは見せ方や機能の充実化を図りつつ、「いつまでも自分の足で歩きたい」という高齢者の願いを実現していってくれるでしょう。<取材協力>早稲田イーライフ田園調布株式会社早稲田エルダリーヘルス事業団

介護報酬申請にも使える!介護予防サービス「モフトレ」|株式会社Moff

介護報酬申請にも使える!介護予防サービス「モフトレ」|株式会社Moff

スターターキット iPad1台 回線利用料 Moffバンド5本 コネクターケーブル(TV接続用) HDMIケーブル(TV接続用) データベース利用(クラウド) 製品概要ウェアラブルデバイス「Moffバンド」と専用アプリを使った、レクリエーションの介護予防プログラムです。結果は自動で記録され、介護報酬の加算請求の申請支援にも活用できます。介護報酬申請にも使える!介護予防サービス「モフトレ」|株式会社Moffセンサー技術とIoT機器を活用し、今までにないヘルスケア・サービスを提供する株式会社Moff。スマートトイとして販売していた「Moffバンド」を使って、介護事業所向けに新しい介護予防プログラムサービス「モフトレ」の提供を開始しました。「モフトレ」の特徴と魅力について、代表の高萩昭範氏にお話を伺いました。株式会社Moff 代表取締役の高萩昭範氏に話を伺う 最先端テクノロジーで新しいヘルスケアをーーー株式会社Moffとはどのような会社でしょうか?当社は2013年に設立した会社です。子どもから高齢者まで、誰もが楽しく身体を動かすことで健康的な生活を送ってほしいという思いから、IoTやセンサー技術を使った新しいヘルスケア・サービスを提供しています。現在のウェブやアプリのサービスは、多くの場合画面のなかで提供されていますが、当社のサービスは画面のなかの体験ではなく現実空間を使った体験である点が特徴です。はじめは、子ども向けのスマートトイとして開発を行っていました。そこでの反響と経験から、介護分野でも楽しく役に立てるようなサービスが作れると感じ、この度「モフトレ」をリリースしました。ウェアラブルデバイスを使った介護予防プログラム「モフトレ」とはーーー「モフトレ」とはどのようなサービスですか?「モフトレ」は、IoTを使った介護事業所向けの自立支援サービスです。「モフトレ」を使えば、どんな人でも簡単に機能訓練を提供できます。また単に機能訓練が提供できるだけでなく、利用者にとって楽しく、かつデータが自動的に集まる形で提供することが可能なのが特徴です。「モフトレ」で使うのは、「Moffバンド」という腕時計型のモーションセンサーとタブレットです。タブレット上に、機能訓練のコンテンツが配信されます。コンテンツは、個別機能訓練加算の取得を想定したトレーニング内容となっています。コンテンツにしたがって機能訓練をすると、「Moffバンド」が動きを計測し、結果や分析内容がタブレット上に表示されます。それらのデータは自動的に記録され、個別機能訓練加算の申請に必要な書類の参考資料としてもお使いいただけます。実際に使っているところを見せてもらった「モフトレ」は、Moffバンド 5個とアプリがインストールされたタブレット端末(iPad)1台を1セットとして販売しています。最大で5人が同時に利用できます。 ロコモ予防トレーニングはじめにトレーニングメニューを選びます。今回はロコモ予防トレーニングを試してみましょう。ロコモ予防トレーニングは、ADL目標を達成するにあたって鍛えるべき部位の機能訓練メニューです。例えば「洗濯する」というADLは、腕を上下左右に動かしたり、膝を伸ばしたりする動きが必要になります。 それらの動きを分解して、ひとつひとつ鍛えましょうというメニューです。 項目を選ぶと、音楽と動画が流れます。利用者は、動画と同じ動きを行います。左上の数字は、利用者が正しく身体を動かせた回数をカウントしたものです。Moffバンドが動きを検知し、自動的に反映しています。 日常生活動作トレーニングもう一つ、日常生活動作トレーニングというものもあります。こちらは、日常生活動作自体を訓練するトレーニングです。今回は「お風呂で洗髪する」という日常生活動作をトレーニングしてみましょう。メニューを選択すると、今度はアニメーションが流れます。このアニメーションは、自分の動きをトレースして動く3Dアニメーションです。タブレットの前で腕を上げると、3Dアニメーションも同じように腕をあげます。 洗髪をイメージしながら動く。 すると、タブレット上のアニメーションも同じ動きをする。「洗髪」という動作にはさまざまな動きが組み合わさっていますが、ちゃんとひじが上がっているか、前かがみになりすぎていないかなどをMoffバンドが計測しているんです。動きを表現するだけじゃない。数値として計測する技術タブレット上ではアニメーションの動きで表現していますが、システム側では定量的に計測しています。こちらはシステム側で使用している技術デモ画面ですが、手首を右に回すと、その角度が数値で出ていますよね。このような細かい数値情報が計測できるため、さまざまな分析が可能なのです。 手首を回すと、何度回転したかが計測されるモフトレの2つの特徴とは認知症の人との親和性ーーーありがとうございます。自分の動きに合わせて動くアニメーションは、見ていても楽しいですね。この部分は、これまでやってきたスマートトイでの体験が活きているのかなと思っています。自分が動くと音や映像で何かしらの反応があるというとてもシンプルな体験は、言葉による説明の理解が難しい子どもでも楽しめます。その意味で、スマートトイは知的障害者の方からも多くの反響をいただきました。ーーー「モフトレ」は認知症の方々ととくに親和性が高いと伺いましたが。その通りです。そこが「モフトレ」の最大の特徴でもあります。「モフトレ」は、認知症が原因で要介護4と認定された方にもお使いいただいています。しかも、自ら進んで能動的に動いていただいているという声が寄せられています。さらに当社は、通所介護を利用している95人の要介護者を対象に、「モフトレ」の利用による可動域や認知機能の効果を検証しました(※)。その結果、認知機能の数値が116%、右肩の可動域が115%とと、それぞれ向上が見られました。 これまで機能訓練が難しいと思われてきた方でも、「モフトレ」だったら自分から運動してくれるというケースもあり、新しい介護予防としての可能性を感じています。 ※ IoTで認知症テストのスコアが向上〜ウェアラブルIoTによる自立支援サービス「モフトレ」により〜(株式会社Moffプレスリリース,2017年9月14日) 介護報酬加算の参考資料としてもーーーデータが介護報酬加算の際の参考資料になるという点も、非常に特徴的と感じました。より多くの方に「モフトレ」を楽しんでいただくには、まず多くの事業所に取り入れてもらわければならないと考えました。そのためには、コンテンツの内容や使いやすさはもちろん、経済的なメリットも提示できなければならないと思ったんです。介護ロボットではよくあることかもしれませんが、「商品やサービスは良いけど、導入する余裕がない」という事業所は非常に多いのが現状です。ですから、「モフトレ」の費用対効果を高めるためにも、コンテンツの内容は個別機能訓練加算の取得を想定し、取得に必要なデータが取れるようにしています。新たに機能訓練を取り入れたい事業所からも好評ーーー反響はいかがですか?先ほども申し上げましたが、やはり認知症の方も自分から楽しそうに参加してくれた、という反響が大きいですね。業務という観点で言えば、これまでなかなかちゃんとやってこれなかった機能訓練が簡単にできるようになったという声をいただきます。ノウハウや企画がなくても始められて、しかも自動的に記録されるのでとても楽だというスタッフの方が多いですね。また、「モフトレ」がトレーニングを進めてくれるあいだに、利用者の方へ適切な声がけをするなどの純粋なコミュニケーションに集中できるようになったという声もありました。医療との連携、そして在宅へーーー今後の展開を教えてください「モフトレ」でもデータをとっていますが、介護の世界だけではなく医療とも連携してデータを収集し、それを次のステージに活かせればと考えています。最終的には、在宅でも「モフトレ」をご利用いただければいいなと思っています。編集部まとめ2017年8月にリリースしてからまだ1ヶ月という現段階で、すでに大手グループのデイサービスや有料老人ホームでの利用実績がある「モフトレ」。導入前提でトライアルしている最中の事業所も多いとのことですが、「費用対効果を懸念されているところからも反応が良い」とか。トレーニング内容は東京大学と早稲田大学の先生によって監修されています。単なるレクリエーション提供サービスとは違い、内容の質・使いやすさ・コストパフォーマンスの3点を満たす「モフトレ」は、今一番取り入れやすい介護ロボットの形と言えるでしょう。

「看取り介護」とは?具体的な内容や看取り介護の問題点

「看取り介護」とは?具体的な内容や看取り介護の問題点

平成18年に看取り介護加算が実施されてから、「病院以外での看取り」が注目され始めました。ある調査では、7割の特養がすでに看取り介護を実施していることがわかっています。介護をする人にとって、「看取り介護」は避けては通れない業務になってきているのです。 看取りとは?看取り介護とは? ターミナルケアとは何が違うの? 具体的にどんなことをするの? 看取り介護加算について知りたい!看取り介護の問題点は? ここでは、看取り介護をする人に向けて「看取り介護」の基礎知識をまとめます。※2018/02/19修正・追記しました。看取りとは?近年、「どんな状態であっても長く生きる」という考え方から、「残された時間を有意義なものにする」「自分らしい最期を過ごす」という考え方にシフトしつつあります。そこで注目をあびたのが「看取り」および「看取り介護」です。そもそも「看取り」とは何を指しているのでしょうか?看取りの定義全国老人福祉施設協議会の「看取り介護実践フォーラム」(平成25年度)では、看取りを下記のように定義しています。 看取り 近い将来、死が避けられないとされた人に対し、身体的苦痛や精神的苦痛を緩和・軽減するとともに、 人生の最期まで尊厳ある生活を支援することつまり看取り介護とは、要介護状態を改善したり維持したりするための介護ではなく、本人ができるだけストレスなく、自分らしい最期を迎えるための介護だといえるでしょう。ターミナルケアとは何がちがうの?看取り介護とならんで使われる言葉に、ターミナルケアがあります。ターミナルケアは「終末医療」と訳されることからもわかる通り、主に終末期の医療および看護のことを指します。対して看取り介護は、医療行為ではなくおもに終末期における介護・介助のことを指します。つまり大きな違いは、医療行為なのか否かにあるといえるでしょう。具体的な看取り介護の内容は?では、実際の看取り介護はいったいどのようなことをするのでしょうか?介護報酬の「看取り介護加算」は、以下の5つの条件を満たした場合に算定できるとされています。 1 当該施設の看護職員、病院または診療所、指定訪問看護ステーションのいずれかの看護職員との連携で24時間連絡できる体制をとること 2 看取りに関する指針を定め、施設入所の際に、入所者とご家族に看取りに関する定めた指針について内容の説明を行い、同意を得ること 3 医師、看護職員、ケアマネージャー、介護職員などが当該施設においての看取りについての協議を行い、指針について適宜見直すこと 4 看取りに関しての職員研修を行うこと 5 看取りケアは個室または静養室などを利用し、本人、ご家族、周囲の入所者に配慮すること ここでは、看取り介護加算の算定基準を参考に、看取り介護の内容についてまとめます。24時間体制での介護、連携看取り介護は、24時間体制で行われます。夜中であっても医療機関に連絡できるように、あらかじめ体制を整えておく必要があります。本人・家族への説明と同意看取り介護は、本人や家族の同意がなければ行なえません。施設での看取り介護はどのようなものかをじゅうぶんに説明し、納得してもらう必要があります。たとえば、病院との違いや施設において対応可能な医療行為の選択肢、意思確認の方法等についての話し合いを行います。多職種協働のケアカンファレンス、看取り介護計画見直し看取りに向けたケアカンファレンスは、医師、看護職員、ケアマネジャー、介護職員などの多職種が協働して開催し、本人が最期をより豊かに過ごせるよう、各職種でできること・すべきことを話し合います。また看取り介護計画は、週に1回程度の見直しが求められます。看取りに関する研修を行うこと看取り介護を行うには、事前に研修をする必要があります。研修は、下記のような内容が想定されます。  生きることの意味 死に逝くことについて 施設における看取り介護の考え方 本人、家族とのコミュニケーション  身体機能低下プロセスと変化への対応  夜間、緊急時の対応 など 引用元: 特別養護老人ホームにおける看取り介護ガイドライン 個室または静養室を利用すること看取り介護を行うときは、家族が気兼ねなく付き添いできるよう、個室または静養室を利用します。またその際、できるだけストレスなく過ごせるよう、室温や採光、換気などの環境整備にも気を配る必要があります。看取り介護加算の単位数や対象事業者看取り介護加算は、特別養護老人ホーム、グループホーム、特定施設入居者生活介護の3つの事業者が算定できます。 対象事業者 特別養護老人ホーム、グループホーム、特定施設入居者生活介護 単位数は3段階に分かれており、実際に看取りまで行うと、1580単位を取得することができます。平成30年度の介護報酬改定では、取得できる単位数が一部増加しました。 死亡日以前4日以上30日以下 1日につき144単位 死亡の前日および前々日 1日につき780単位 死亡日 1日につき1580単位 【徹底解説!】平成30年度介護報酬改定 総まとめ看取り介護の背景と問題点「看取り介護加算」の創設や強化によって、看取り介護を実施する介護施設が増えてきています。平成30年度の介護報酬改定でも、看取りやターミナルケアに関係する加算が強化されることになりました。その背景には、「多死社会」と「看取り難民」問題があります。41万人が”看取り難民”化する「多死社会」多死社会とは、高齢者の増加により死亡者数が非常に多くなり、人口が少なくなっていく社会形態のこと。具体的には、団塊の世代が平均寿命に到達する2040年、年間死亡数が現在の1.5倍である167万人にのぼると推計されています。多死社会が到来すると、医療保険の財源の膨張するなどさまざまな問題が発生すると予測されています。なかでも深刻な問題として、病院の入院ベッドが不足することによる死亡場所の不足があげられます。厚生労働省によると、2040年には約41万人の看取り場所が足りなくなると推計されています。つまり、このままでは「最期の時を迎えても死ぬ場所がない」”看取り難民”が発生してしまうのです。そうならないためにも、今「看取りの場」の選択肢として、介護事業所による看取り介護が強化されているのです。8割の介護職員が精神的負担「大きい」看取り介護を実施する介護施設が増えてきた一方で、看取り介護の問題点も明らかになってきました。問題点のひとつに、介護職員の負担増があげられます。ある調査では、精神的負担が「大きい」と回答した介護職員が全体の83%にのぼったと報告されており(※)、看取りに不慣れな介護職員や、夜間に不安を感じる介護職員への対応が求められています。具体的には、夜間帯における看護・介護職員の配置を増強させたり、看取り研修を充実させたりすることが考えられます。※出典:平成21年度老人保健健康増進等事業「特別養護老人ホームにおける看取り対応に関する調査研究事業報告書」(三菱総合研究所) 看取り介護をサポートするロボット看取り介護を実施する介護職員のサポートとして、介護ロボットがあります。とくに要介護者の見守りを支援する「見守り支援ロボット」は、夜間帯の介護職員の負担を軽減すると期待されています。ここでは、介護ロボットONLINE編集部が選んだ、看取り介護にも活躍しそうな介護ロボットを紹介します。ネオスケア(Neos+Care)|ノーリツプレシジョン株式会社ネオスケアは、3Dセンサを用いて人の動きを検知し、それをシルエット画像で表示することで、早く正確に、しかもプライバシーに配慮しながら見守りができる予測型見守りシステムです。オプションの生体モニターでは人体のわずかな動きや生体反応がない状態も測定・検知できるため、看取り時の容体の急変にも速やかに対応することができます。業界初!予測型見守りシステム「Neos+Care(ネオスケア)」|ノーリツプレシジョン眠りSCAN|パラマウントベッド株式会社眠りSCANは、マットレスの下に敷くだけでベッド上に居る人の状態をリアルタイムでモニタリングできる、非接触型の見守りシステムです。センサーが呼吸・心拍などの情報も測定します。アラーム設定を看取りに活用することなどが考えられます。ケアプラン改善にも!次世代マット式見守りシステム「眠りSCAN」|パラマウントベッド株式会社EVER Relief|株式会社構造計画研究所 EVER Relief は、ベッド上の動きや状態を見守る離床リスク検知センサーです。バイタルセンサーによって就寝中の異常を検知することができるため、看取りにも活躍します。担当者によれば、「EVER Relief」のバイタルセンサーによって看取り検知ができた施設もあるとのことでした。二段構えセンサーで離床をキャッチ!|「EVER Relief」株式会社構造計画研究所 まとめ看取り介護とは、要介護者のストレスや苦痛を緩和することを目的とし、最期までその人らしくいられるための介護のこと。それを実現するためには、本人や家族の同意はもちろん、介護施設として24時間体制の介護・看護や、介護職員の知識・経験が求められます。そのために介護職員の負担が大きくなっているという問題はあるものの、”看取り難民”をなくすためには今後も介護施設での看取りが推進されていくでしょう。看取りを実施する介護事業所は、「看取り介護加算」等をうまく取り入れつつ、介護職員の負担や不安を軽減するための対策をたてていく必要があります。介護職員は、看取り介護はすでに避けては通れない業務であると考え、研修に参加するなどのステップアップが必要だといえるでしょう。 <参考資料>株式会社三菱総合研究所(2007年3月) 平成21年度老人保健健康増進等事業 「特別養護老人ホームにおける看取り介護ガイドライン」および 「特別養護老人ホームにおける看取り対応に関する調査研究事業報告書」 2018年の介護報酬改定を解説!介護ロボット導入で加算も介護ロボが夜勤職員の代わりに!見守りロボット導入で報酬加算、厚生労働省が発表現役介護職員160名にアンケート調査を実施!97%が「人材不足を感じる」一方で対策は「特にしていない」が4割

【どうなる?平成30年】介護保険法の改正ポイントをわかりやすく解説【まとめ】

【どうなる?平成30年】介護保険法の改正ポイントをわかりやすく解説【まとめ】

3年ごとに改正される介護保険法。平成29年に公布され、翌平成30年4月に施行された今回の改正では、「自己負担額が3割に増加」と大きくニュースに取り上げられました。しかし、注目すべきなのは自己負担額の見直しだけではありません。じっくり読み解いていくと、私たちの生活に大きな影響を与える改正ポイントが多数あるのです。今回は、介護保険法の改正ポイントをまとめて、わかりやすく解説します。介護保険法の改正とは2000年に施行されて以来、3年ごとに改正されてきた介護保険法。介護保険とは、40歳以上のすべての人が介護保険の被保険者となり、要介護認定をうけた人の介護サービスを1~2割負担で利用できるようにする制度です。介護保険法は、そんな介護保険制度について定めた法律のこと。これまでに4回改正されており、利用者の自己負担額などが改正されてきました。今回の改正では、大きな改正ポイントが5点あります。それぞれわかりやすく解説していきます。5つの改正ポイント自己負担割合が最大3割負担に!1つめの改正は、サービス利用料の自己負担額の増加です。これまで、サービス利用料の自己負担額は、所得に応じて1割負担もしくは2割負担でした。しかし、今回の改正にともなって、最大で3割負担となる人が出ることになります。ただし、自己負担額の上限は、44,000円とされています。自己負担額が3割になるのは、現在2割負担している人のうち、特に高所得の人です。対象となる具体的な基準はまだ公表されていませんが、現時点では、「合計所得金額が 220万円以上」かつ「年金収入+その他合計所得金額340万円以上(単身世帯の場合。夫婦世帯の場合463万円以上)」と想定されています。厚生労働省の試算によると、3割負担となる対象者数はおよそ12万人。これは利用者全体の3%にあたります。収入に応じて保険料が変わる!2つめの改正は、介護納付金における総報酬割の導入です。これによって、40~64歳の被保険者による負担が、収入に応じて変わることになります。詳しい説明の前に、まずは介護納付金の流れについて説明しましょう。介護給付費(1年間の介護保険給付費の総額)の財源は、50%が税金、残りの50%が被保険者による保険料でまかなわれています。このうち、被保険者による保険料はさらに2つにわかれ、1つが65歳以上の被保険者(第1号被保険者)による保険料、もう1つが40~64歳の被保険者(第2号被保険者)による保険料によって成り立っています。今回、改正の対象となるのは、後者の第2号被保険者の保険料の仕組みです。第2号被保険者の保険料は、介護給付費の全体の28%と決められています。全体の28%にあたる介護給付費を、第2号被保険者の人数で割った数字が、第2号被保険者1人あたり保険料となります。第2号被保険者の保険料は、効率よく、かつ確実に徴収するために、被保険者が加入している医療保険から納付されます。これまで、各医療保険者が納付する金額(介護納付金)は、医療保険に加入している第2号被保険者の人数で決められていました。そのため、加入人数が多い医療保険者は、報酬額にかかわらず、多く介護納付金を収める必要がありました。上の図の場合、A医療保険の加入者のほうが、B医療保険の加入者より平均月収が少ないにもかかわらず、加入人数が多いという理由で、A医療保険者はより多くの介護納付金を収めることになるのです。それが、今回の改正で、人数ではなく、保険者の報酬額に応じて決められることになりました。上の図の場合、A医療保険とB医療保険の加入人数は異なりますが、全体の報酬額が同額であるため、A・Bの介護納付金は同じです。つまり、人数ではなく報酬額に応じて介護納付金が決まるということは、加入者の所得に応じて負担額が変わるということを意味しているのです。3割自己負担の導入にもいえることですが、今回の改正では、「高所得者がより多く負担する仕組み」がいっそう強化されたといえます。自立支援・重度化防止を見据えた「インセンティブ」3つめの改正は、自治体の機能を強化し、高齢者の自立支援・重度化防止のための取組を進めることです。中でも重要なのが、自立支援・重度化防止のための取組に対して付与される財政的インセンティブ(報奨金)です。インセンティブが付与される指標案には、「要介護状態の維持・改善の状況等」も含まれています。つまり自治体は、高齢者の要介護度を下げられれば、国からインセンティブがもらえることになります。医療・介護ニーズに応えた「介護医療院」4つめの改正は、新しい介護保険施設となる「介護医療院」の創設です。「介護医療院」とは、長期にわたって療養が必要な要介護者に対して、医療や看護・介護・生活上の世話を行うことを目的とする施設です。背景には、今後、増加が見込まれる慢性期の医療・介護ニーズがあります。地域共生社会の実現に向けた「共生型サービス」5つめの改正は、地域共生社会の実現に向けたさまざまな規定です。ここでは、そのうちの一つである、介護保険と障害福祉両方の制度に位置づけられた「共生型サービス」について説明します。「共生型サービス」とは、高齢者と障害者が同一の事業所でサービスを受けやすくするための新しいサービスの形です。これまで、障害者と高齢者は、別々の事業所でサービスを受けなければいけませんでしたが、今回の改正によって、障害福祉サービス事業所等でも、介護保険事業所としてサービスを提供することができるようになります。介護保険法、改正したらどう変わる?ここまで、今回の改正ポイントを5つにしぼって解説してきました。ここからは、改正にともなって訪れると考えられる変化について、考えていきましょう。介護離職者が増えてしまうまず考えられるのが、介護離職者の増加です。介護離職者とは、家族等の介護を理由に、今の仕事を辞める人のことを指します。介護離職者が増えると考えられる理由は、「自己負担額の増加」と「自立支援・重度化防止に対するインセンティブの付与」の2つです。利用者の負担が増えれば、介護サービスを利用するのでなく、自分で介護しようと考える人が増える可能性があります。中には、増加するサービス費を支払うことができず、やむを得ず会社を辞めて介護に専念する人も出てくるかもしれません。もう ひとつの懸念は、自治体に付与される要介護度の改善に対するインセンティブの存在です。要介護度が改善すること自体はよいことですが、家族にとっては、介護度が重い方がより多くの介護サービスを利用できることになるため、要介護度の判定には慎重になることがほとんどです。そこへきて、要介護度の改善にインセンティブが付与されるとなると、「できれば重めの介護度を」と考える家族の思いとは裏腹に、これまで以上に厳しく判定され、軽い介護度と認定される可能性があるのです。そうなると、受けられる介護サービスの量が減ってしまい、家族の負担が増えることにもなりかねません。中には、介護離職をして、自ら介護にあたらざるを得ないという人も出てくる可能性があります。今後ますます自己負担が増えていく?次に考えられるのが、自己負担額のさらなる増加です。今回の改正では「現役世代並みの所得のある者」を対象に利用者負担割合の見直しが行われましたが、対象者が全体の約3%にとどまるなど、大きなインパクトではありませんでした。しかし、膨張し続ける社会保障費や、止まらない少子化などを考慮すると、介護にかかる財源の確保には、今後も頭を悩ませ続けることになるでしょう。これまでの改正で、1割から2割、そして3割と、少しずつ大きくなってきた自己負担割合ですが、さらに拡大される可能性は十分にあると考えられます。まとめ3年ぶりなった、平成29年(2017年)介護保険法改正。大きな話題となった「利用者負担の増加」は、平成30年(2018年)8月から施行される予定です。自己負担割合の拡大をはじめとした今回の改正は、要介護者はもちろん、周囲の家族や介護スタッフにも影響を与えます。改正をうけて、これからの介護がどう変わっていくのか、介護ロボットONLINEでは引き続きウォッチしていきます。」<参考資料>厚生労働省『 「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」 の公布について(通知) 』厚生労働省「 地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律のポイント 」【徹底解説!】平成30年度介護報酬改定 総まとめ

【介護×ICT】未来をつくるkaigoカフェと介護ロボットONLINE共催イベントレポート!

【介護×ICT】未来をつくるkaigoカフェと介護ロボットONLINE共催イベントレポート!

2018年5月30日、未来をつくるkaigoカフェと介護ロボットONLINE共催のイベントを開催しました。イベントでは、下記の3社をお呼びし、それぞれ自社商品の紹介や活用事例などについて講演してもらいました。 株式会社オトングラス:OTON GLASS(オトングラス) トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社:D Free(ディーフリー) ケアコラボ株式会社:carecollabo(ケアコラボ) 当日は、「これからのケアの現場に役立つ最新テクノロジーを体験できる!」と銘打って、計7社による展示ブースも用意。今回は、当日の様子や講演内容について、介護ロボットONLINEがレポートします!テーマは「介護×ICT」今回のイベントテーマは、「介護×ICT」。「介護ロボットに興味があるけど、本当に使えるの?」「触る機会がない介護ロボットを見てみたい!」そんな思いを持つ人の、新しい機器や考え方の出会いの場になってほしいという思いから開催が決定しました。当日は、今話題の介護ロボットを開発・販売する注目企業3社を招き、「介護×ICT」の可能性について語ってもらいました。株式会社オトングラス|OTON GLASS(オトングラス)株式会社オトングラス 高橋昌希氏 OTON GLASS(オトングラス)は、文字を読むことが困難な人のために開発された、スマートグラスです。OTON GLASSをかけて、読みたい文字のほうを向き、めがねについているボタンを押すだけで、書かれた文字が音声として読み上げられます。開発のきっかけは、開発者の父親が、脳梗塞による失読症になったこと。しゃべることは問題なくできますが、文字を読むことができなくなったのだといいます。そのような人々に、文字を音声に変換して、内容を理解してもらうのが、オトングラスの役割です。実際に高橋氏がオトングラスをかけて資料を目の前に掲げると、資料に書かれている文章がめがねから流れてきました。 読みあげる音声は、iPhoneのSiriやスマートスピーカーのアシスタントのよう オトングラスは現在、一般販売用のモデルを開発中。2018年中の販売を目指しているとのことです。トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社|DFree(ディーフリー)トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社 中西敦士氏DFreeは、世界初の排泄予測デバイスです。幅6cm程度のセンサーを使って膀胱の膨らみを検知し、排尿のタイミングを予測することで、適切な時間にトイレ誘導が行えたり、排泄に不安がある人も安心して外出できたりします。世界が注目!排泄予知ロボット「DFree」|トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社中西氏によれば、DFreeを導入することで適切なタイミングでのトイレ誘導が可能となり、結果的に高齢者の不安をやわらげ、おむつやパッドの消費量を減らすことも可能なのだとか。独自の調査では、約50%の削減に成功したところもあるそうです。さらに、自立排泄サポートや空振り回数の減少により、排泄介助にかかる時間が約30%削減したという事例も報告されました。平成30年度の介護報酬改定でも、新たに「排せつ支援加算」が創設されるなど、排泄支援が注目を集めています。同社では、2018年6月1日、一般向け排尿予測センサー「DFree Personal」の販売を開始しました。「DFree Personal」は日常生活での個人利用を想定したサービスで、DFree本体とスマホなどの端末をBluetooth通信にて連携するため、外出先でも利用が可能となっています。ケアコラボ株式会社:carecollabo(ケアコラボ)ケアコラボ株式会社 上田幸哉氏  carecollabo(ケアコラボ)は、さまざまなサービスの記録を、タイムラインで統合して表示する新しい介護記録システムです。「ケアコラボ」で介護はもっとクリエイティブに!”利用者”中心の記録システム|ケアコラボ株式会社紙での記録に比べ、情報の分析や活用がしやすいというメリットと、既存のシステムに比べ、「利用者を軸とした記録になっているため、一括して管理できる」というメリットをあわせもつのが大きな特徴です。ケアコラボを使えば、スマホで撮った写真や動画をタイムラインにそのまま投稿できたり、それを家族とも共有したりできます。講演では、ケアコラボを使いながら看取りまで行ったある家族の事例を紹介しつつ、「看取りまでの期間だけでなく、看取ったあとも家族を支えるのに役立っている」とアピールしていました。ケアコラボは、職員1名につき、月額使用料が800円という価格帯も、大きな魅力のひとつです。これまでの介護記録システムとはちがった視点で開発されたケアコラボに、会場にいる多くの人が興味を惹かれている様子が伺えます。休憩時間には展示ブースで体験も 盛況を博した展示ブースでの介護ロボット・ICT体験 講演が終わったあとは、休憩時間を利用した展示ブースでの体験がはじまりました。今回展示されたのは、講演の3社の商品を加えた計7商品。どれも最先端技術を応用した、新しい介護機器です。展示商品 カイテク株式会社:ウェアラブルIoTを活用した高齢者の自立支援サービス「モフトレ(株式会社Moff)PLIMES株式会社:人工知能が嚥下を測る嚥下計「GOKURI」株式会社ロジック:訪問介護事業支援クラウドサービス 「Care-wing 介護の翼」株式会社ライブリッジ:介護求人メディア「pitaru」 「Care-wing 介護の翼」は、ICタグを使用して開始時刻と終了時刻を記録し、自動的に情報がシステムに送信される訪問介護事業支援クラウドサービスだ PLIMES株式会社の「GOKURI」は、首に装着するだけで嚥下を測ってくれる嚥下計。人工知能が正しい嚥下の検出を手助けする カイテク株式会社が展示するのは、ウェアラブルIoTを活用した高齢者の自立支援サービス「モフトレ(株式会社Moff)。デイサービス関係者などが話を聞き入っていた 株式会社ライブリッジが紹介するのは、介護求人メディア「pitaru」。テキスト・写真・動画など様々な素材を組み合わせて記事化していくことで、想いの詰まった専用ページを簡単につくることができる ディスカッションではさまざまな意見が休憩時間をおえ、最後に少人数に分かれたディスカッションが行われました。今回のイベントに参加していたのは、介護の現場で働く人、介護事業所を経営する人、介護ロボットやICTに興味のある一般の人など、さまざまな職種の人々です。それぞれの立場から、「介護×ICT」の今とこれからについて話し合います。発表された意見はその場でまとめて共有された(協力:ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社) その後の発表では、「上司が積極的な施設もあるけど、部下との認識を合わせることが大切」という現場目線の意見や、「いろんなディバイスが出てきて記録ができるようになってきたが、分散してしまっているのでそれぞれの管理が必要」という現状の課題などがあがりました。無事終了! ご参加くださった皆様、ありがとうございました! 大盛況に終わった「介護×ICT」イベント。介護ロボットONLINEが行ったアンケートでは、「介護ロボットを導入したい」という声が多数寄せられました。ここでは、寄せられた声を抜粋して紹介します。コメント抜粋 ・農業の進化を見れば、医療・介護もテクノロジーの活用が必須だと思います。・介護ロボットを導入すれば、人が本来やるべきことに専念できる。・「人」でなくてもいい仕事は、いっぱいあります。 未来をつくるkaigoカフェ代表の高瀬氏は、最後の挨拶でこう話していました。「けっきょく、介護ロボットも使う人次第。自分がじっさいに活用して、どういう未来を描きたいのかを明確にした上で、うまく付き合っていけたらいと思います」。介護ロボットONLINEでは、これからも介護ロボットに関する新しい情報を発信し、みなさんとよりよい介護の未来を模索していきます!<会場提供> ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社 (https://www.ctp.co.jp/) <講演協力> ケアコラボ株式会社 上田幸哉氏(http://page.carecollabo.jp/)トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社 中西敦士氏(https://dfree.biz/index.html)株式会社オトングラス 高橋昌希氏(https://otonglass.jp/) ■未来をつくるkaigoカフェURL:http://www.kaigocafe.comNPO法人未来をつくるkaigoカフェ(代表:高瀬 比左子)は、介護に関する身近なテーマをもとに肩書や役職を気にせず自由に思いを語ることで、自分自身の見落としていた可能性や自分自身の中に眠るものを呼び覚まし、一歩踏み出すきっかけを作れる場を提供する活動をおこなっています。

ICT活用で介護はどう変わる?メリットと今すぐICT化すべき業務

ICT活用で介護はどう変わる?メリットと今すぐICT化すべき業務

最近よく耳にするICT。介護の現場でも、ICTを活用した業務効率化が重要視されてきています。一方で、「なんか難しそう」「どうやって活用すればいいの?」「ICTを導入すると何が変わるの?」と思っている人も少なくないでしょう。手作業やアナログでの業務が多い介護業界では、ICT化がこれからの経営を左右するといっても過言ではありません。今回は、介護におけるICT化のメリットや課題、導入を成功させるコツなどを紹介します。ICTとは?ICTとは「Information and CommunicationTechnology」の略で、日本では「情報通信技術」と訳されます。日本ではIT(情報技術)に代わる言葉として、2000年代後半から注目されるようになりました。「Communication/コミュニケーション」という単語が含まれていることからもわかる通り、ICTには情報処理の技術だけでなく、情報をどのように伝達・共有するかという意味合いも含まれています。IT、IoTとの違いICTのほかに、IT、IoTという言葉もよく使われます。ここでそれぞれの違いについて理解しましょう。ITとはITとは「Information Technology」の略で、日本では「情報技術」と訳され、ICTとほぼ同じ意味で使われています。ITという言葉の誕生の背景には、急速に加速したPCやインターネットの普及があります。当時は主にオフィスでの業務効率化や高速化がすすめられました。その後、2000年以降にブロードバンド回線や携帯電話が浸透し始め、個人でもITにふれる機会が多くなっていきます。IoTとはIoTとは「nternet of Things」の略で、日本では「モノのインターネット」と訳されることが多いです。あらゆるモノがインターネットとつながる仕組みや、その技術のことを指します。インターネットに接続されたモノから情報を取得したり、取得した情報を分析して反応を返したりします。具体的には、インターネットに接続された体重計から取得した体重をスマートフォンに自動で記録したり、記録した体重を分析して運動アドバイスをしたりするサービスなどが挙げられます。介護のICT化の背景ICT、IT、IoTの違いもわかったところで、ここからは介護現場におけるICT化について考えていきましょう。今、介護の世界ではICT化の波がきていますが、その背景には「人材不足」があります。「3人に1人が高齢者」の未来すでに周知のとおり、日本は少子高齢化が進んでいます。2015年には4人に1人が高齢者となり、その割合はこれからも増大していくと考えられています。2035年には、なんと3人に1人が高齢者になると見込まれています。高齢化がすすめば、その分要介護者も増えるでしょう。「介護難民」を減らすためにも、介護人材の確保は急務なのです。介護業界のICT活用率は最低レベル介護人材の確保と同時に、介護の業務効率化も不可欠です。内閣府の調査によれば、このままでは2030年までに日本の労働力人口は約900万人減ってしまうことが予測されています。労働力人口が減っていくなか、増え続ける介護需要に応えるには、介護業務を効率化するしかありません。とくに介護の現場では、いまだに多くの事務作業が手作業で行われているといわれています。実際、総務省の調べによれば、保健・医療・福祉業界のICT活用率・効果ともに産業最低であることが分かっています。画像引用: http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc114640.html このように、介護のICT化による業務効率化が今、最大の課題となっているのです。ICT化のメリット・デメリットICT化の重要性が理解できたところで、ICT化によるメリット・デメリットを整理していきましょう。ICT化のメリットICT化のメリットには、直接的なメリットと間接的なメリットの2種類があります。まずは直接的なメリットとして、以下の4つを紹介します。 事務作業の軽減、ストレス軽減 科学的介護の実現 コミュニケーション活性化 生産性の向上一番のメリットは、記録業務のICT化による事務作業の軽減や、事務作業のストレス軽減です。ホームヘルパーが訪問先でスマートフォンから介護記録を入力したり、タブレットで次の訪問先の情報を得たりすることが考えられます。また介護記録などをICT機器で分析・フィードバックすることで、科学的根拠に裏付けられた介護(科学的介護)が実現するでしょう。さらに、スタッフがスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末をもつことで、スタッフ間の情報共有やコミュニケーションが活発化することも期待できます。また、ICTで売上や居室稼働率を予測したり、コスト管理を図ったりすることで施設運営全体の生産性を向上させることも可能です。間接的なメリットとしては、以下の4つを紹介します。 離職率の低下 若手人材の確保 ケアの質の向上 介護職の魅力の向上 まず挙げられるのが、業務負担やストレスの軽減による離職率の低下や、スマホ世代である若手人材の確保です。ICT化してすぐに効果が出るものではありませんが、長期的に見ればリクルート面でもメリットがあるのです。また、これまで事務作業にあてていた時間をケアの時間にあてることで、ケアの質の向上も期待できるでしょう。そうすればスタッフのやりがいや介護職という仕事自体の魅力アップにもつながります。介護業界においてICT活用に取り組むことは社会的にも話題性があります。事業所としてだけでなく、介護業界全体のイメージアップや採用にも貢献するでしょう。ICT化のデメリットICT化のデメリットは、主に以下の3つです。 導入コストが高い 情報漏えいリスクがある スタッフへの教育が必要 もっとも大きなデメリットは導入コストの高さです。ICT化を実現するには、施設内全体にインターネット環境を整備したり、パソコンやスマホなどのデバイスを購入したりする必要があります。個人情報を扱う場合は情報漏えいにも気をつけなければいけないので、セキュリティ対策にも費用がかかるでしょう。また、ICT機器を扱うスタッフへの教育も不可欠です。とくにパソコンなどのデバイスに慣れないスタッフにとっては、慣れるまでは今まで以上の手間やストレスがかかってくる場合もあります。ICT化が求められる介護業務とは?メリット・デメリットが理解できたところで気になるのが、「ICTって、具体的にどこでどういう風に使えるの?」というところですよね。ここからは、介護においてICTが活用されはじめている例を紹介していきます。介護記録をICT化ICT化が急速に進みつつあるのが「介護記録」です。現状、介護記録の多くは手作業で行われており、介護保険請求を行ったり行政などに提出したりするために使われています。しかし事務業務が多すぎて残業したり、本来のケアに注力できなかったりという本末転倒な事態に陥っている事業所も少なくありません。介護記録をICT化することで、ケアプランやアセスメントチャート作成の時間が軽減できたり、介護記録を持ち歩かずにすむことでヘルパーが直行直帰できたりするといったメリットがあります。また、紙ベースよりも楽に情報共有ができるという点も大きなメリットでしょう。タブレットデバイスの導入最近介護施設でよく見られるようになってきたのが、iPadなどのタブレットデバイスです。ある事業所では、タブレットでシフト要請やケアプラン呼び出しなどを行うことにより、2年間で約10%の労働時間削減に成功したという例もあります。タブレットデバイスはパソコンよりも直感的に操作できるため、スマホ世代の若い人材も抵抗感なく使えるのがポイントです。見守りロボットを始めとしたIoT機器の導入じわじわと浸透し始めているのは、見守り支援ロボットをはじめとしたIoT機器の導入です。バイタルデータなどを取得して離床や在室などを判断し、必要に応じて通知してくれるだけでなく、取得したデータを分析してケアプラン作成時の参考資料となるようにまとめてくれる機器まで登場しています。ICT化を阻む課題深刻な人材不足を前に、急務となっている介護現場のICT化。しかし、そんなICT化を阻む課題が残されています。使いこなせないこれまで多くの業務を手作業で行ってきたスタッフにとって、突然パソコンやタブレットを使いこなせといわれても難しいでしょう。介護福祉系の学校でもまだICTに関する教育過程がないことも、ICTの普及を阻んでいる一つの要因といえそうです。スタッフからの反発使う前からICT機器に抵抗感をもっている人も、実は少なくありません。Wi-Fi環境などに左右されてスムーズに使えなかったり、慣れないデバイスの操作方法を一から覚えなくてはならなかったりと、ICT機器を導入することで増える手間も確かにあるからです。導入コストの問題最後の課題は「導入コスト」です。デメリットでも挙げましたが、ICT化するにはネットワーク環境やデバイスの整備が不可欠となるため、初期費用がどうしても高くなる傾向にあります。また一度購入してしまえば終わりというわけではなく、介護記録ソフトであれば月額使用料がかかるなど、ランニングコストも発生します。しかし近年では、ICT化に補助金がでたり、ICT化することで報酬加算されたりする動きがではじめています。次章では、ICT化にまつわる介護報酬改定や補助金制度について解説します。介護のICT関連の報酬加算・補助金制度2018年度に実施される介護報酬改定では、介護事業所や業務のICT化を評価する改定が決定しています。たとえば訪問介護では、ICTを活用し動画などで利用者の状況を把握し、定期的に助言する場合、加算が取得できるようになりました。その他の例も見ていきましょう。テレビ電話でリハ会議に参加【通所リハ・訪問リハ】2018年度の介護報酬改定で、リハビリテーション会議への医師の参加が、テレビ電話などを活用した遠隔参加でもOKとなりました。これにより、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)が算定しやすくなります。動画で利用者の状況を把握・助言【訪問介護】先述したとおり、訪問介護ではICTを活用した動画などで利用者の状況を把握・助言が評価されるようになりました。具体的には、生活機能向上連携加算(I)という加算が算定できるようになります。オペレーターの専任要件が緩和【定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護】定期巡回型サービスでは、ICT等の活用によって利用者情報確認やコール対応ができれば、オペレータと事業所の職員の兼務が認められることになりました。排せつ介護の分析にICTを活用【介護老人福祉施設】今回の改正で新たに作られた排せつ支援加算は、排せつ介護に要する原因分析し、その結果を踏まえた支援計画と支援をするした場合に算定される加算です。分析に使える介護ロボットやICT機器を導入することで、加算を取りながら質の高い介護が実現できそうです。ICT導入に使える補助金制度IT導入補助金ITツールを導入しようとする中小企業・小規模事業者に対して、生産性の向上を図るために経費の一部を支援する補助金です。パッケージソフトの費用はもちろん、WEBサーバーの利用料や導入にかかる教育費用なども補助の対象となっています。補助金の対象となるのは以下のとおりです。 パッケージソフトの本体費用 クラウドサービスの導入・初期費用 クラウドサービスの契約書記載の運用開始日から 1年分までのサービス利用料、ライセンス、アカウント料 パッケージソフトのインストールに掛かる費用 ミドルウエアのインストールに掛かる費用 動作確認に掛かる費用 IT ツール(ソフトウエア、サービス等)の導入に掛かる教育、操作指導費用。また、事業計画の検討に関係するコンサル費用(しかし、関連会社、取引会社への説明会等費用は補助対象外) 契約書記載の運用開始日から 1年分までの問い合わせ・補助対応に掛かる費用、保守費用 社内外・取引先向けホームページ制作サービス初期費用 契約書記載の運用開始日から1年間の WEBサーバー利用料(ただし、既に存在するホームページの日常的な更新・改修費用は補助対象外) 地域医療総合確保基金(介護分)地域医療総合確保基金(介護分)とは、介護施設や介護従事者の確保に向けた取り組みを支援する基金です。人材確保の一環として職場環境の改善を支援していますが、そのなかに「介護ロボット導入支援事業」があります。補助内容は自治体によって異なりますが、1機器につき導入経費の2分の1(上限10万円)程度が補助されることが多いようです。介護現場で今すぐ使えるICTはこれ!ここでは、実際に介護の現場で使われているICT機器を紹介します。介護記録システム「ケアコラボ」ケアコラボ(carecolLabo)は、アセスメントからケアプランの作成、日々のケア記録に特化した介護記録システムです。バイタルや食事量などの基本的な記録はもちろん、写真や動画も記録でき、それらを一元管理することが可能です。またそうした情報をスタッフ同士だけでなく利用者の家族とも共有できる点が特徴です。排せつ予知デバイス「DFree」排せつ支援加算に活用できそうな機器として「DFree」があります。DFreeは、超音波センサーで膀胱の大きさの変化を捉え、排尿の前後のタイミングをアプリでお知らせしてくれるICT機器です。2018年4月には「排泄自立支援」プランのサービス展開を開始し、個人の排泄状況をアセスメントし、その方にあった支援計画を作成するサポートまで行ってくれます。失敗しない導入の進め方業務効率化や生産性アップに貢献してくれるICTですが、導入の仕方を誤ると、せっかく購入したスマホやタブレットが使われずに放置されてしまう、という事態にもなりかねません。介護事業所や介護業務のICT化を成功させるには、以下の3つを意識しましょう。現場で導入を推進する人材の確保どんなに便利なサービスでも使われないと意味がありません。現場の意見も聞かず、トップダウンでICT化を進めるのではなく、現場レベルでICT化をいっしょに進めてくれる推進者を確保しましょう。成功事例に学ぶ介護業界のICT化はまだはじまったばかりですが、すでに先駆的な施設はめざましい成果を挙げています。そうした施設に話を聞いたり足を運んだりすることで、成功した要因や自分の施設でも活かせそうなポイントを習得しましょう。タイミングを図る何の問題もないところに、突然ICTを導入しようとしてもうまくいきません。現場で困っていることや悩んでいることを探り、その解決にむけてみんなの心が動いているときこそ、ICT化のベストタイミングです。ICT化はあくまで手段介護報酬が改定される2018年度以降、ますます盛んになるだろう介護業界におけるICT化。ICT化は、介護の人材不足という避けては通れない大きな課題を解決するための重要な手段です。業務効率化のために、多くの事業所が介護記録システムや介護ロボットを導入せざるを得なくなるでしょう。そんなとき忘れてはならないのが、ICT化はあくまで手段であるということです。ICT化の真の目的は、離職率の低下や定着率アップにつながる職場環境の改善や、利用者のQOL向上やADL維持にあります。ICT機器を選ぶときは、「導入することで介護の質に貢献するか?」という視点をぜひ持っておいてください。

川崎市の福祉イベント「ウェルフェアイノベーションフォーラム2018」に行ってきた!

川崎市の福祉イベント「ウェルフェアイノベーションフォーラム2018」に行ってきた!

2018年3月20日、神奈川県川崎市にて「 ウェルフェアイノベーションフォーラム 2018」が開催されました。10年目を迎えたかわさき基準(KIS)の認証式や、さまざまなテーマにわかれたシンポジウムなどが行われる同フォーラムに、介護ロボットONLINE編集部がお邪魔してきました!KIS認証機器を中心に、気になる介護ロボットの紹介やシンポジウムの内容をレポートしていきます!ウェルフェアイノベーションフォーラムとはウェルフェアイノベーションフォーラム2018とは、川崎市が開催している福祉と産業のイベントです。今回が7回目の開催となる本フォーラムでは、川崎市独自の福祉製品認証基準である「かわさき基準(KIS)」の認証をうけた福祉機器の認証式や、4つのテーマからなるシンポジウム、そして最先端機器の体験や展示が行われます。川崎市の取り組み川崎市では、2014年度から「産業と福祉の融合で新たな活力と社会的価値の創造を目指す」取り組みを進めています。こうした取り組みを「ウェルフェアイノベーション」と位置づけ、約300の企業・団体等が参画するフォーラム運営のほか、福祉課題を解決する異業種間連携等の「新たな製品・サービスの創出に向けたプロジェクト」や、本市独自の福祉製品認証基準である「かわさき基準(KIS)」認証を通じた製品の活用促進等を行っています。2017年度からは、5年間の計画となる「第2期川崎市ウェルフェアイノベーション推進計画」を策定し、新たに「モニター評価等支援事業」などをスタートしました。次章からは、ウェルフェアイノベーションフォーラム2018の様子をレポートしてきます!16製品がかわさき基準(KIS)認証を取得本年で10年目を迎えたかわさき基準(KIS)の認証式。今回の募集テーマは、「新たな在宅モデルの構築、介護者・介助者負担の軽減、ダイバーシティのまちづくり」でした。今回、テーマに沿った16の福祉機器が認証をうけました。 かわさき基準(KIS)プレミアム認証福祉製品 MIRAI SPEAKER Curvy (株式会社サウンドファン) 引きずり型避難マット「ストレッチグライドR(レスキュー)タイプ (パラマウントベッド株式会社) 車椅子 レル・ライト (有限会社さいとう工房) ヘルパー歩 (キョウワアグメント株式会社) 移動・移乗 FREE-SLOPE(株式会社ミスギ) ARUKUTOMO(株式会社発明ラボックス) 視覚障がい者歩行誘導ソフトマット 歩導くん ガイドウェイ(錦城護謨株式会社) 排泄(おむつ) ディスパース オンリーワン幅広テープ(株式会社光洋-ディスパース) 排泄(ポータブルトイレ) ラップポン・ブリオ (日本セイフティー株式会社) 食事 MOMOシリーズ(テクノツール株式会社) コミュニケーション コバリテ視覚支援スタートキット(株式会社古林療育技術研究所) こんにちは赤ちゃん(トレンドマスター株式会社) 見守り 見守りケアシステム M2(フランスベッド株式会社) その他 トランクソリューション(トランクソリューション株式会社) AYUMI-EYE(株式会社早稲田エルダリーヘルス事業団) モフトレ(株式会社Moff) ここでは、介護ロボットONLINE編集部がとくに気になった機器をご紹介します。自動ラップ式排泄処理システム ラップポン・ブリオラップポンは、排泄物を自動でラップしてくれるポータブルトイレです。水を使わず、ポータブルトイレに付き物のバケツ洗浄も必要ないので、介護者の負担や、ニオイを気にする要介護者の精神的負担も軽減されます。関連記事を読む 自動で密封、すぐ捨てられる!自動ラップ式トイレ「ラップポン」|日本セイフティー株式会社 赤ちゃん型コミュニケーションロボット こんにちは赤ちゃん比較的高額なコミュニケーションロボットが多いなか、「こんにちは赤ちゃん」は8,000円(税抜)という低価格で提供している点が大きな特徴です。「利用者によってはコミュニケーション促進や癒しの効果も期待できる」として、今回認証をうけました。関連記事を読む 自らがお世話する存在へ。赤ちゃん型ぬいぐるみロボット「こんにちは赤ちゃん」|トレンドマスター株式会社 歩行解析デバイス AYUMI EYE画像: 測定時間が1/10に!「自分の足で歩きたい」を叶える歩行解析デバイス「AYUMI EYE」とは? AYUMI EYEは、専用センサーを利用者の腰部へはりつけ、6~10m歩くだけで利用者の歩行状態を見える化する歩行解析デバイスです。川崎市は、「AYUMI EYEを利用することで利用者に歩行の改善の意識づけを行うとともに、適切な歩行改善トレーニングの実施につなげることができれば、歩行の改善と生活の変化が期待できる」と評価しています。関連記事を読む 測定時間が1/10に!「自分の足で歩きたい」を叶える歩行解析デバイス「AYUMI EYE」とは? IoT自立支援・回復サービス モフトレ画像: 介護報酬申請にも使える!介護予防サービス「モフトレ」|株式会社Moff モフトレは、ウェアラブルモーションセンサーのMoff Bandとタブレットを使用した機能訓練トレーニングサービスです。トレーニングの実施時間はもちろん、それぞれのトレーニングの回数や角度(可動域)などのデータが記録されます。またそうしたデータを共有することで、ご家族、ケアマネージャーなどとより密なコミュニケーションをとることが可能になります。川崎市は、現状や訓練効果を客観的に把握し取組を進めることができる点、利用者と支援者のコミュニケーション活性化にもつながる点をとくに評価しています。関連記事を読む 介護報酬申請にも使える!介護予防サービス「モフトレ」|株式会社Moff トークセッションで介護ロボット導入のコツを紹介シンポジウムでは、「介護現場での人とモノとの関わり方」「認知症とテクノロジー 新しい取組と実践」などのテーマにわかれてトークセッションが行われました。とくに「介護現場での人とモノとの関わり方」では、積極的に介護ロボットを取り入れている特別養護老人ホーム金井原苑(社会福祉法人一廣会) 施設長の依田明子氏が登壇し、導入のコツとして「新しいことは、たとえ良いことでも職員にとっては負担となる」としたうえで、それを乗り越えるために以下の3点を挙げています。 現場で導入を推進する人材の確保 成功事例に学ぶ タイミングを図る 金井原苑では、さまざまな助成金を駆使しながら2年間で500万円ほどの設備投資を行い、介護リフトを含む多種多様な介護ロボットを導入しているとのことでした。まとめ今年で7回目となる「ウェルフェアイノベーションフォーラム」。昨年度からは新たにモニター事業を開始するなど、国内でも先進的な取り組みを続けてきました。福祉機器や介護ロボットをはじめとした「モノ」を活用し、新しい介護のあり方の模索していく川崎市の今後に注目です。<ウェルフェアイノベーションフォーラム2018>開催日:2018年3月20日(火)12:45~会 場:川崎フロンティアビル 2階概 要:・KIS認証式- 知って、使ってみよう -(12:50~13:10)・シンポジウム- 聞いて、深めよう -(13:15~18:30 )・体験・展示- 見て、触れよう -(11:30~18:00)

CareTEX(ケアテックス)2018に行ってきた!気になる介護ロボットをレポート

CareTEX(ケアテックス)2018に行ってきた!気になる介護ロボットをレポート

3月14日~16日の3日間、CareTEX(ケアテックス)が開催されました。CareTEX(ケアテックス)とは、「国際介護用品展」「介護施設産業展」「介護施設ソリューション展」の3つで構成された、介護用品やサービスの専門展です。同時開催として、「次世代介護テクノロジー展」「健康長寿産業展」「超高齢社会のまちづくり展」も開催されました。これらをまとめて、「東京CareWeek2018」と位置づけています。今回は、とくに「次世代介護テクノロジー展」で見つけた気になる介護ロボットを中心に、CareTEX(ケアテックス)や東京CareWeek2018の様子をレポートします!介護ロボット、IoT製品だけで30件以上!今回のCareTEXでは、介護ロボット、IoT製品だけでも30件以上の展示がなされていました。介護ロボットONLINEで取材した商品はもちろん、まだ研究段階の製品や発売したばかりの製品も多数出展されていました。 介護記録から排せつのタイミングを予測するシステムは、九州工業大学 大学院情報工学研究院 システム創成情報工学研究系 齊藤研究室の研究だ。 2018年3月13日に販売を開始した「モフ測」にて、Moff Bandをつけたところ。「モフ測」は身体機能を手軽に計測して見える化するサービスだ。ウェアラブルデバイスでの身体測定機能ブームが到来!?「次世代介護テクノロジー展」で目立ったのが、ウェアラブルデバイスによる身体測定サービスです。介護ロボットONLINEでもすでに取材している モフトレや AYUMI EYE を筆頭に、歩行測定や身体機能測定を手軽に行える介護ロボットが多数展示されていました。「キューズタグウォーク」で歩行分析を体験してみたそのうちのひとつ、「キューズタグウォーク」で実際に歩行分析を体験してみました。「キューズタグウォーク」は、住友電気工業株式会社が開発している歩行分析機器です。加速度センサーを内蔵した手のひらサイズの機器を腰につけ、10m程度を歩くだけで歩行測定が完了します。 専用センサをベルトで腰につけるだけで準備完了。あとは往復10m程度を歩くだけだ。間を置かずに測定結果がでました。画面を見ながら解説してもらいます。歩行評価は「動き」「前後バランス」などの6項目にわかれており、それぞれに点数がつけられます。編集部員は「前後バランス」と「リズム」の得点が年代平均より低いことがわかりました。「ふだん、座り仕事ばかりではないですか?」という一言についドキリとしてしまいます。担当者によれば、過去3回のデータとの比較することができるため、利用者のモチベーションアップやコミュニケーション促進としても役立つとのことでした。移乗支援ロボットで体験!介護ロボットとして確かな地位を確率してきた「移乗支援ロボット」。 イノフィスのマッスルスーツ をはじめとしたロボットスーツはもちろん、 愛移乗くん や リショーネPlus などの移乗ロボットも多数展示されていました。 編集部が体験したのが、マッスル株式会社の「ROBOHELPER SASUKE(ロボヘルパー サスケ)」です。「ロボヘルパーSASUKE」は、ベッド・車いす間の移乗をアシストしてくれるリフト型介護ロボット。そのアシストは「まるでお姫様抱っこ」みたいと評判だとか。さっそく体験してみました! ベッドに寝た状態から体験開始! 「ロボヘルパーSASUKE」を使用する前に、腕を固定するためのカバーをかけます。その後、足首にポールを差し込んだ状態で徐々にリフトしていきます。 安定感があるので、持上げられているという感覚をほとんど感じなかった。実際に体験してみると、「リフトされている感」「持上げられている感」をほとんど感じず、非常に安心感がありました。持ち上げた状態で「ロボヘルパーSASUKE」を車いすの前まで移動させ、次は徐々におろしていきます。移乗中は介護者と要介護者が常に向かい合わせの状態になるので、実際の介護現場では声かけをしながら移乗できます。ベッドから車いすに移動するときも揺れを感じることなく、安心して身を任せることができました。もちろん、介助者の腰負担の軽減も期待できそうです。介護システムブースが大盛況介護ロボットブースとおなじく盛況だったのは、介護システムブースです。こちらのブースでは、介護記録ソフトや介護保険請求ソフト、モバイルシステムや介護アプリなどが展示されており、多くの人が真剣にブース担当者の説明を聞く姿が見られました。中でも介護ロボットONLINE編集部が注目したのは、NDソフトウェア株式会社のブースに展示されていた「Voice fun(ボイスファン)」です。こちらは、音声入力で介護記録できる音声入力支援システムです。 「Voice fun(ボイスファン)」は介護福祉業界に特化して開発されているため、「移乗」「口腔」といった業界用語もスムーズに変換できるのが特徴です。担当者によれば、情報共有と業務効率の大きな改善が期待できるとのことでした。専門セミナーは満員状態!CareTEX(ケアテックス)では、業界動向や施設運営など、さまざまなコースにわかれて専門家が講演する専門セミナーが終日開催されています。 専門セミナーのコース一覧。 介護ロボットONLINE編集部は、とくに「最先端テクノロジーコース」のセミナーを聴講してきました!オリックス・リビングは介護ロボット導入のメリットを紹介オリックス・リビング株式会社の 取締役社長 森川 悦明氏によるセミナーでは、同社施設における介護ロボットの活用法や、導入メリットが紹介されました。森川氏によれば、介護ロボット導入のメリットは以下の3つがあるとのことです。 ケアの質の向上 先進的取組をしているという従業員のプライド向上 よくする介護に携われるという期待感同社は正社員率が80%を超えており、その要因の一つに介護ロボットの導入があるのではないかと述べていました。さくらコミュニティサービスは「介護記録ソフト」のこれからを解説株式会社さくらコミュニティサービスの高橋学氏によるセミナーでは、AIによる科学的介護の導入や2018年度介護報酬の改定について解説されました。同社は、AIを活用したケアプラン作成支援システムを開発したことで、昨年大きな話題となった企業です。高橋氏によれば、介護記録にかかっているコストは年間で1万8000時間、時給にすると2000万円にものぼるとのこと。しかし介護記録ソフトを使えば、約400万円のコストダウンが実現できる可能性があると述べていました。介護記録ソフトのデメリットとして「導入コストの高さ」がありますが、すでに政府は「人づくり革命」「生産性革命」と名付けられた政策にて介護のICT化を推し進めており、今後介護記録ソフト導入に対して何らかの補助金が出る可能性が高いとのことです。ビーブリッドはICTの失敗しない導入方法を伝授株式会社ビーブリッドの代表取締役である竹下康平氏によるセミナーでは「テクノロジーは介護を救えるか」と題して、介護のICT化の流れや失敗しない導入の進め方が解説されました。急激に押し寄せた「ICT化」の風潮に対して、「ICT化はあくまで手段であり、目的ではない」ときっぱり主張し、その上で導入のためには「ICTへの理解」「現場職員への説明・気持ち」「ハード・ソフトの環境整備」が不可欠であると結論づけています。2018年度以降、今まで以上にICT化の動きが盛んになるはずと述べ、メーカー主導でなく介護現場の第一線に立つ介護事業者主導でのICT機器開発が望まれると発言していました。まとめ多くの介護ロボットが一堂に集結したCareTEX(ケアテックス)。介護ロボットブースは年々拡張していっている印象を受けました。展示会のたびに新製品が発売されており、介護ロボットの勢いがまだまだ衰えていないことを実感します。介護ロボットに劣らず勢いを感じさせるのが、介護業務のICT化とそれにともなう介護システムです。人材不足や業務効率化にダイレクトに影響を与える介護記録ソフトの導入や施設全体の統合システム化は、今後政府主導でますます推進されていくと考えられます。介護業界は問題が山積みだとよく言われますが、そうした課題に対して、テクノロジーを用いてどのように対抗していくべきか、改めて考えさせられる展示会でした。

10年で倍増!身体拘束の実態と介護ロボットの光と影

10年で倍増!身体拘束の実態と介護ロボットの光と影

要介護者の行動を制限し、自由を奪う「身体拘束」。実は、この10年の間で倍増しているのをご存知ですか?厚生労働省は、平成30年度の介護報酬改定で身体拘束を厳罰化する改定を加える(※1)など、問題視しています。身体拘束が増えている背景には、認知症の増加や、医療・介護業界の人手不足があります。身体拘束は高齢者の尊厳を侵害するだけでなく、身体機能の低下も招く危険な行為です。そんな身体拘束を減らすために、今、何ができるのでしょうか?ここでは、身体拘束に該当する行為や身体拘束の実態、身体拘束ゼロを目指す取り組みなどを紹介していきます。※2018年3月14日追記しました。※1 「身体拘束、来年度から対策強化へ 減算を拡大 要件も厳格化 厚労省方針」より身体拘束とは面会に行った桃子さんは、手足を縛られて身体が硬直した高志さんを見て唖然としました。鼻から栄養剤のチューブを入れるため、嫌がって抜かないようベッドに手足を縛り、手には指が使えないようミトン型の手袋をされていたのです。離床したときは、個室から出られないようにリクライニング式の車イスに動体をベルトで縛り、脚の間もベルトで巻かれていました。 引用元:東田勉(2014年)『認知症の「真実」』講談社現代新書こうした身体拘束が、とくに認知症の高齢者に対して行われている実態があります。身体拘束とは、手足をベッドにしばりつけたり、鍵のかかった部屋に閉じこめたり、ベッドやいすを使用して行動を制限したりすること。厚生労働省は、具体的として下記のような行為を挙げています(※2)。身体拘束の具体例 徘徊しないように、車いすやいす、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。 転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。 自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む。 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢をひも等で縛る。  点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、または皮膚をかきむしらないように、手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける。 車いすやいすからずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y字型拘束帯や腰ベルト、車いすテーブルをつける。 立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるようないすを使用する。 脱衣やおむつはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。 他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドなどに体幹や四肢をひも等で縛る。 行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる。 自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する。 ※2 「 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準 」よりこれらに該当しなくても、不用意に行動を制限する場合、身体拘束とみなされることがあります。たとえば、次で紹介する「スピーチロック」などがそうです。3つの身体拘束|スリーロックとは身体拘束をさらにひろく定義する言葉として、「スリーロック」があります。「スリーロック」は、しばしば3つの身体拘束とも呼ばれます。1.スピーチロック言葉による拘束です。「ちょっと待っててね」「~しちゃダメ」「立ち上がらないで」「どうしてそんなことするの」といった叱責の言葉も含まれます。2.ドラッグロック薬物の過剰投与、不適切な投与で行動を抑制することです。夜間の徘徊などを、眠剤や安定剤、泌尿器系の薬でコントロールすることもこれに当たります。3.フィジカルロック物理的な拘束をして身体の動きを制限することです。先ほど上げた11の具体例もここに当てはまります。スピーチロックやドラッグロックは目に見えない分、ケアする側も自覚がないまま行ってしまうことがあります。スリーロックの関連記事はこちらから介護の身体拘束は、どこからが当てはまるのか?(認知症オンライン)身体拘束が認められるケース|緊急やむを得ない場合身体拘束は、いついかなるときでも禁止されるというわけではありません。場合によっては、身体拘束をしてもやむを得ないとされています。厚生労働省は、身体拘束が認められる要件として以下の3つを定めています。 切迫性 利用者本人または他の利用者等の生命または身体が危険に晒される可能性が著しく高いこと 非代替性 身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する介護方法がないこと 一時性 身体拘束その他の行動制限が一時的なものであることこの3要件を満たす場合は、「緊急やむを得ない場合」として身体拘束が認められます。身体拘束の実態本来であれば「緊急やむを得ない場合」のみ行われる身体拘束。しかし、身体拘束はこの10年間で増加傾向にあります。身体拘束 倍増の背景に「認知症の増加」「人手不足」「精神保健福祉資料」によれば、全国の精神科病院および一般病院精神科病床の入院患者のうち、2014年に身体拘束を受けていた患者数は全国で1万682人と報告されています。これは、2003年の患者数の約2倍にあたる数です。なぜ、身体拘束は増えているのでしょうか?その理由として、認知症の増加が考えられます。「平成28年版高齢社会白書」によれば、2025年には65歳以上の認知症患者数が約700万人に増加と推計されており、高齢者のうち5人に1人が認知症となっている計算になります。認知症が増加する一方で、介護の人手不足は年々深刻化しています。人手不足が深刻化する一方で増加の一途をたどる認知症の患者や利用者に、医療や介護の現場が対応しきれていない実態が身体拘束という形であらわれているといえます。 実際に、京都府が実施した調査によれば、 身体拘束の廃止が困難な理由として、半数を超える58.9% の施設が「介護を担当する職員が少ない」と回答したことが分かっています。 つまり、「介護の人材不足」が身体拘束を招いている一因となっているといえるでしょう。「身体拘束を断ればいい」ができない理由「身体拘束が嫌なら、本人や家族が断ればいいじゃないか」ーーそう思うかも知れません。しかし現実には、身体拘束を拒否するのが難しいケースもあるのです。たとえば、本人が身体拘束をやめてほしいと訴えた場合、その訴え自体が認知症や精神症状だと捉えられてしまうケースです。場合によっては、訴えたせいでさらに身体拘束がひどくなる恐れもあります。家族が訴える場合はどうでしょう。施設に本当に充分な人的余裕がなく、また身体拘束を減らすことに積極的でない場合、退院や退所を勧められる危険性があります。在宅で介護できない事情がある家族はそう言われてしまうと困るので、けっきょく我慢するしかない、というケースも実際に存在するのです。なぜ身体拘束は問題なのか?|3つの弊害厚生労働省も問題視する身体拘束。そもそもなぜ身体拘束は問題なのでしょうか?身体拘束は、おもに3つの弊害を招くと考えられています。1.精神的苦痛を与える不適切な扱いや不用意な抑制は、人権侵害や虐待にあたる許しがたい行為です。とくに「身体を縛る」「介護衣(つなぎ服)を着せる」といった行為は、高齢者に不安や怒り、屈辱、あきらめといった大きな精神的苦痛を与えます。2.身体的な機能を奪ってしまう長時間不自然な体勢を強いる拘束や、向精神薬を過剰に服用させて動きを制限する拘束は、高齢者の身体機能を奪う恐れのある危険な行為です。関節の拘縮や筋力低下などを招きかねず、要介護度の重度化につながることも少なくありません。3.家族やスタッフに後悔やトラウマを残す身体拘束は、された本人だけでなく周囲にも影響を与えます。たとえば、拘束されている高齢者を見て、後悔や混乱、苦悩といったトラウマを抱える家族も存在します。また、身体拘束をするスタッフも後悔やトラウマを抱えることがあります。身体拘束をしていることで士気がさがり、離職の原因になることもあるのです。身体拘束は減らせるのか?高齢者の人権を脅かし、身体機能の低下や精神的混乱も招きかねない身体拘束。そんな身体拘束を減らそうと、全国でさまざまな取り組みが行われています。神奈川県の取り組みたとえば神奈川県では、身体拘束廃止に関する研究事業を行い、身体拘束をせずにすむサービス計画書の作成方法などを伝えています。 報告書では、臀部の皮膚を掻き壊してしまう利用者に対して、ミトン型の手袋をつける代わりに、以下のような対応を取ることをおすすめしています。 身体拘束の代わりにとるとよい対応 ・排泄物による臀部のかゆみとの関係を考え、排せつ援助の適正度を再考・刺激の少ない石けんを使用・かゆみに対して気を紛らわせる環境づくり・臀部での掻き壊しがあるため、車いすの座面調整、時間短縮 参考:神奈川県「 介護保険施設等における身体拘束廃止に関する研究事業 」この対応の裏には、「身体拘束をせざるを得ない状況になるほど高齢者が暴れるには、きっと何か理由があるはずだ」という考え方があります。その原因を取り除くことで、身体拘束ゼロを実現しようという試みなのです。各施設での取り組み~「身体拘束ゼロへの手引き」から~厚生労働省が発行している「身体拘束ゼロへの手引き」では、身体拘束ゼロに取り組む病院や施設の事例が紹介されています。ここでは、その取り組みを抜粋して紹介します。東京都八王子市にある上川病院では、「縛る」身体拘束をなくすために、以下のような対応をとっています。「縛る」身体拘束をゼロにするためにとった対応・「拘束」を「縛る」にいい換える・施設内のひもを捨てる・縛らないことの責任は責任者がとると宣言する・管理者とスタッフが現場を共有し、いっしょに縛らないですみ方法を考えるこうした対応を徹底したことによって、縛る非効率さに気づいたり、縛っていた頃に感じていた罪悪感がなくなったりするという結果が生まれたとのことです。見守りの強化が身体拘束を減らす?こうした取り組みとは別に、身体拘束を減らす工夫として「見守りの強化」があります。 厚生労働省は「 身体拘束ゼロへの手引き 」にて、「人員不足を理由に、身体拘束をやむなしとするのは本末転倒」だと指摘し、身体拘束をしない工夫のポイントとして「見守りの強化・工夫」を挙げています。その解決策として、最先端のロボット技術を搭載した見守りロボットに期待が集まっています。次章では、すでに市販されている見守りロボットをご紹介します。見守り強化につながる介護ロボット ベッド見守りシステム| OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」は、非接触・無拘束のベッド見守りシステムです。特徴は、立ち上がりや離床はもちろん、悶えや呼吸などの非常に小さな動きも検出できるところ。これにより、無呼吸症候群の方が寝ている間にちゃんと呼吸できているかなどまで確認できます。OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用では人の様子は撮影されないため、一般的なカメラと比較して侵害度が低く、プライバシーに配慮されているといえます。慶応大学発ベンチャーが開発!非接触の見守りシステム 「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」|株式会社イデアクエストマット式見守りシステム|眠りSCAN「眠りSCAN」は、マットレスの下に敷くだけでベッド上にいる人の状態をリアルタイムでモニタリングできる、非接触型の見守りシステムです。センサーにより、体動や呼吸・心拍などを検知し、睡眠・覚醒・起き上がり・離床などの状態が分かります。モニターでは、イラストによって状態を表示し、数値などでバイタルデータを表示します。ケアプラン改善にも!次世代マット式見守りシステム「眠りSCAN」|パラマウントベッド株式会社 予測型見守りシステム| Neos+Care(ネオスケア)「Neos+Care(ネオスケア)」は、3Dセンサーを用いて人の動きを検知し、それをシルエット画像で表示する予測型見守りシステムです。センサーでは、起き上がり動作や端座位、柵越え、ずり落ち、離床、入退室などの検知が可能です。モニターではシルエット画像が表示されるため、通常のカメラ映像に比べプライバシーに配慮されているといえます。業界初!予測型見守りシステム「Neos+Care(ネオスケア)」|ノーリツプレシジョン3Dセンサ見守りシステム|シルエット見守りセンサ 「シルエット見守りセンサ」は、ベッド上の空間を検知する赤外線センサーを使った見守りシステムです。センサーによって起床やはみ出し、離床を検知します。モニターでは個人の特定ができないシルエット画像で表示されるため、通常のカメラ映像に比べプライバシーに配慮されているといえます。離床はもちろんはみ出しも!人の動きを検知する「シルエット見守りセンサ」|キング通信工業株式会社介護ロボットが新しい身体拘束を生んでしまう?ご紹介したように、ほとんどの見守りロボットは要介護者のプライバシーに配慮した見守りができるよう、機能を制限するなどの工夫をしています。しかし、それでもこうした見守りロボットを指して「身体拘束にあたるのではないか」「人権侵害になるのではないか」と疑問を呈する人も多くいます。 ネット上では、センサーなどによる身体拘束について、さまざまな意見があがっています。 ねぇねぇ!センサーマットって身体拘束なの?— りょうこ (@r_ryokooo) 2012年1月25日 介護業界で身体拘束について、よく問われますが、よくわからないのが、センサーマットとか離床センサーは拘束になるケースもあると言いますが、どこまでが拘束なのかがわからなくなります。— グータラ介護士 (@wild78644079) 2017年11月13日 以前見学した施設でのこと。離床センサーを希望したら、それは身体拘束にあたるから当施設は使いません、と。でも母はコール使えず、今フラつきながら勝手に歩こうとしてて非常に危険、少ない職員でどう気がつくの?と質問したら「ベッドに鈴つけます」と。(((猫かよ!)))— フルフル (@chapter1925) 2017年7月23日 前に身体拘束防止の研修でフットセンサーも身体拘束って言われた。センサーが鳴ってその人の動きを抑制するなら拘束だけど、動こうとする人が転んだりする危険がないよう介助にすぐ行けるようにするためなら問題ないんじゃって言ったらそれでも拘束ですって言い切られたけど、やっぱり違うよね。— 釦 (@botao_tomomi) 2012年7月19日 厚生労働省は、センサーが身体拘束にあたる可能性を示唆厚生労働省は「 介護ロボット重点分野別 講師養成テキスト 」 にて、現在介護施設で使用されている認知症老人徘徊感知機器(センサー)が身体拘束にあたる可能性を示唆しています。切迫性・非代替性・一時性の3要件を満たさない場合に安易にセンサーを使用することに関して、「人権を侵している」と注意喚起しているのです。 見守りロボットに対しても危険性を指摘 見守りロボットに関しても、同様の危険性を指摘しています。とくに映像監視型の見守りロボットを例にあげ、「可視化した画像を見ているだけでは監視・抑制機器となりかねない」と述べています。具体的には、センサーの感知をうけて、 「動かないで」 「まだ寝ててください」 などの対応、いわゆる“スピーチロック”が身体拘束につながるとしています。介護ロボットで身体拘束ゼロをめざすためにとはいえ、すでに多くの施設で、見守りロボットやセンサーが身体拘束廃止のために使われています。また自治体によっては、身体拘束廃止への工夫として、見守り機器の使用を推奨しているケースもあります(※3)。従来の徘徊感知機器にせよ、ロボット技術を活用した最先端の見守りロボットにせよ、大切なのはそれらをいかに使いこなすかという点にあるといえるでしょう。 ※3 岡山県「身体拘束のないケアの実現に向けて」より身体拘束を生まない見守りロボットの使い方厚生労働省は「 介護ロボット重点分野別 講師養成テキスト 」 にて、見守りロボットを使用する際の重要なポイントとして下記を上げています。  画像や履歴から、行動のきっかけや原因・背景を分析する 「どんな生活がしたいのか」という思いを汲み取り、ケアプランに位置付ける  職員同士で情報を共有し、チームで取り組む 定期的にモニタリングを実施し、その必要性について見直しを行うセンサーや見守りロボットが身体拘束を生む恐れがあることをじゅうぶんに理解した上で、そうならない使い方を模索することが、今後の課題となるでしょう。見守りロボットは“グレーゾーン”現在のところ、センサーや見守りロボットが身体拘束にあたるかどうかはグレーゾーンだといえます。使い方によっては、センサーや見守りロボットがスピーチロックなどの身体拘束を招くことにもなりかねません。そうした機器を活用する、もしくはこれから活用しようとする介護従事者は、監視・抑制機器ではなくあくまでも要介護者の自立支援機器としての活用法を十分考える必要があるでしょう。見守りロボットを「監視」という身体拘束を生むものとするか、はたまた身体拘束を減らす救世主とするかは、介護現場で働くあなた次第といえそうです。 <参考資料>介護のニュースサイト Joint「身体拘束、来年度から対策強化へ 減算を拡大 要件も厳格化 厚労省方針」(2017/11/20, http://www.joint-kaigo.com/article-5/pg75.html)認知症オンライン「介護の身体拘束は、どこからが当てはまるのか?」(2017/11/20, https://ninchisho-online.com/archives/13096/)日本看護倫理学会 臨床倫理ガイドライン検討委員会(2015 年6月)「身体拘束予防ガイドライン」NPO法人 PandA-J(2011年)「サービス提供事業所における虐待防止指針および身体拘束対応指針に関する検討」厚生労働省(2015年)「 介護ロボット重点分野別 講師養成テキスト 」特定非営利活動法人 地域ケア政策ネットワーク(2017年3月)「 身体拘束及び高齢者虐待の未然防止に向けた 介護相談員の活用に関する調査研究事業 報告書 」 特定非営利活動法人 地域ケア政策ネットワーク 介護相談・地域づくり連絡会(2017年3月)「 身体拘束及び高齢者虐待の未然防止に向けた 介護相談員の活用に関する調査研究事業 報告書」京都府(2015年)「 平成27年度介護保険施設等における身体拘束状況調査結果 」介護ロボが夜勤職員の代わりに!見守りロボット導入で報酬加算、厚生労働省が発表「看取り介護」とは?具体的な内容や看取り介護の問題点職員と現場を守る!これからの介護リスクマネジメント

【3/14~3/16開催】CareTEX2018 (ケアテックス)@東京ビッグサイト

【3/14~3/16開催】CareTEX2018 (ケアテックス)@東京ビッグサイト

2018年3月14日、CareTEX2018 (ケアテックス)が開催されます。CareTEX2018 (ケアテックス)とは、介護用品はもちろん、介護施設向けの設備や備品、サービスなどが一堂に集まるプロ向けの展示会です。会場では、商品を見ながら500社の出展社と具体的な商談をすることもできます。同時開催される次世代介護テクノロジー展では、多くの介護ロボットも出展される予定です。今回はそんなCareTEX2018 (ケアテックス)の概要についてまとめました。開催概要 概要は以下のとおりです。 名称第4回 CareTEX2018 (ケアテックス)【国際】介護用品展/介護施設産業展/介護施設ソリューション展同時開催展■ 第1回 [次世代] 介護テクノロジー展 (Careテクノロジー2018)■ 第1回 [国際] 健康長寿産業展 (ヘルスケア JAPAN 2018)■ 第1回 超高齢社会のまちづくり展 (CareCity 2018)専門セミナー3月14日(水) 超高齢社会を豊かなものにするために 介護事業M&A活用術~3,000件以上の買い手に聞いた、今、欲しい事業の特徴とは?~ 老人ホームがコミュニティを形成する!河原町団地における高齢者高密度化都市のコミュニティ拠点の取り組み 法改正で外国人材拡大!海外介護人材活用成功の秘訣~高度人材と技能実習生の違い、日本語教育、受入体制~ シニアマーケティング最前線 高齢化社会で広がる新たな市場とその攻略について 介護施設における食事サービス提供のトレンド ~経営効率&顧客満足度向上のために押さえるべきポイントとは~ 「地域を支え、信頼される、かかりつけ薬局」~地域包括ケアの実現に向けて~ 【2018年介護保険改正】介護保険制度をめぐる施策について 介護業界だから取り組むべきデータに基づくエリアマーケティング~地域の需要と供給を地図上に可視化~ 売上アップのために「介護職 採用困難期」を乗り切る仕組みと仕掛け ~採用成果は、やり方ひとつで大きく変わる。あなたの会社の採用活動は「できること全て」をやり尽くしていますか?~ 道具(もの)が、人を応援する! 自立への第一歩は“生活の武器” となる正しい道具の選び方・使い方 高齢者もいきいきと暮らすまちを実現!~住民と行政の協働による愛媛県喜多郡内子町の成功事例~介護の周辺ビジネスの市場と動向~介護報酬に頼らないサービスのヒントと可能性~転倒、誤薬、行方不明...介護現場で起きる事故をどう防ぐか~事例から学ぶ原因分析と再発防止策~医療介護同時改定に向けて、ケアマネジメントはどうあるべきか介護の現場に必要なイノベーション~目標に向かって活用するロボット介護機器~その食形態は対象者の口にあっていますか?Industry4.0による社会の大変革における新しい街づくり ~訪問看護ステーションを軸にして~高齢化が進むASEAN地域におけるビジネスチャンス~介護産業のアジア展開の現状と課題~介護レクリエーションで施設の魅力UP!~認知症予防につながるレクで集客力の向上、離職率の低下に貢献~改定後も勝ち残るデイサービスの作り方と集客方法仲間が集まる!「働きたくなる法人の秘密」採用・教育・定着手法大公開3月15日(木) 高齢者とのコミュニケーションが開かれた「まち」をつくるために ~心・脳・社会の関係を理解しよう~法改正をチャンスととらえよ!収益改善で介護事業者が取り組むべき保険外サービスとは「選ばれる高齢者住宅」の建築的アプローチ~コンセプトと地域性を反映させた施設デザインとは~介護現場がイキイキする「介護記録の書き方」&「連携の仕方」神奈川県の未病改善への取り組みにおける未病産業の展開について高齢者の生きる喜びを引き出す『介護食』の提案 ~「食」から考える、良いホーム・良い介護とは~先端技術やICTの活用で、高齢者がいつまでも働ける「まち」次世代ヘルスケア産業の創出~生涯現役社会の構築を目指して~介護保険制度下における仕事とはなにか?~高齢者は被介護者ではなく社会資源~入居者増につながる高品質ケア・運営の工夫介護現場の働き方改革!~AIの活用でどのようなことができる?~福島県須賀川市の「まちづくり」とは? 公立岩瀬病院が地域と一緒に進める包括ケアの実践と展望中国介護産業の現状と今後(第1部:市場動向編)2018年同時改定を追い風に!デイサービスの生き残り戦略はこれだ!今さら聞けない!介護のプロのための福祉用具の基礎知識シニアマーケットを激変させる“この先シニア”のHanako世代とは?健康寿命の延伸に寄与する『スマイルケア食』~利用者の状態に合わせた選び方~「みんなの認知症情報学」が目指す安心・安全なまちづくり ~人工知能技術でエビデンスをつくり、生活・学習・自立を支援~中国介護産業の現状と今後(第2部:投資・進出編)待ったなし、「経営力」が試される時代!平成30年改正を生き残るための経営改善手法とはICTの導入が人材確保・顧客満足度の向上につながる!現場で失敗しないICT化の進め方介護職員の離職率を下げるために、なにができるか?~離職率7割からの奇跡のV字回復を成し遂げた秘策~ 3月16日(金) 高齢社会の交通手段~決め手はオンデマンドバス!~どうなる、超高齢社会?どうする、日本の介護!~介護職がもっと「誇り」を持てる社会となるために~採用・定着にも効果大!これからの介護事業者に不可欠な“理念経営”実践戦略とは?~活力溢れる“強い組織”をつくるために~生き残りをかけて~これからのデイサービスに必要な保険外サービスとは?~高齢者の運動革命~高齢者が激変する運動の力~高齢者施設における栄養ケアの課題と解決 ~多職種で支える栄養ケア・マネジメント~政府はこう考える!人口急減・超高齢化でも活気ある社会 ~今こそ地方創生!戦略策定から実践へ~個人データの分散管理で、医療-介護-自治体-企業 の連携を実現!~高齢者を社会全体で見守るために~サ高住及びセーフティネット住宅に関する施策の動向についておいしく・楽しく自立支援!栄養士が中心となって運営する『レストランデイ』の取り組み未来を見据える!自立支援型ケアプランの運用にAIをどう活用するか? ~豊橋市の取り組み事例を交えて~構想から具体化へ・日本版CCRC実現のポイント川崎発で生まれる、ウェルフェアイノベーション~産業と福祉の融合で新たな活力と社会的価値を創造する~集客・採用・開設、介護事業の課題解決に役立つブランド戦略講座ケアマネージャーのための医師との上手なつき合い方テクノロジーは介護を救えるか~失敗しない導入のすすめ方~調理の省力化とコスト削減を実現する、ユニバーサルデザインフードの活用法開催期間2018年(平成30年) 3月14日(水) ~ 3月16日(金)開催時間9:30~17:00(受付開始 9:00)会場東京ビッグサイト 東4、5、6 ホール〒135-0063東京都江東区有明3-11-1 アクセスマップはこちらよりご覧ください 入場料5,000円※事前登録者および招待券持参者は無料※一般ユーザー、学生、18歳未満は入場不可主催ブティックス株式会社後援(公社)関西シルバーサービス協会、 高齢者住宅経営者連絡協議会、 (一社)シルバーサービス振興会、 (一社)全国介護付きホーム協会、(一社)日本アクティブコミュニティ協会、 (一社)日本衛生材料工業連合会、 (公社)日本栄養士会、 (一社)日本介護協会、 (一社)日本介護支援専門員協会、日本介護食品協議会、 (一社)日本ケアマネジメント学会、 (一社)日本作業療法士協会、 (公財)日本障害者リハビリテーション協会、 (一社)日本福祉用具供給協会、 日本ホームヘルパー協会、 (公社)日本理学療法士協会、 福祉住環境コーディネーター協会※予定、団体名五十音順

【徹底解説!】平成30年度介護報酬改定 総まとめ

【徹底解説!】平成30年度介護報酬改定 総まとめ

平成30年度、3年ぶりとなる介護報酬改定が行われます。2018年1月、その改定内容の全貌が明らかになりました。今回の改定の4つの基本的な考え方を軸にしながら、基本報酬が下がるサービスは?どんな加算がとれるようになったの?など、改定内容を詳しく解説していきます!なお、介護保険法の改正については、以下の記事をごらんください。【どうなる?平成30年】介護保険法の改正ポイントをわかりやすく解説【まとめ】 ※記事内の情報はすべて2018/02/08時点のものです。 介護報酬の基本知識 介護報酬とは、介護事業所が提供した介護サービスに対して支払われる料金のことです。 ここでは、介護報酬のしくみとこれまでの改定率の動きについて、簡単に説明します。基本報酬と加算(減算)がある介護報酬には、「基本報酬」と「加算(減算)」の2種類があります。「基本報酬」とは、訪問介護や施設といった事業所形態ごとに決められている基本的な単位のこと。その「基本報酬」に対して、単位を上乗せすることを「加算」といいます。単位が上乗せされるということは、事業所に支払われる料金が増えるということなので、事業所はより多く料金をもらうために、「加算」が設定されたサービスや取り組みを強化するようになります。介護報酬の改定では、基本報酬が「引き上げ」または「引き下げ」になるケースと、加算(減算)が「新設」「強化」されるケースがあります。これまでの介護報酬改定率介護報酬は3年ごとに改定されますが、今回は全体で0.54%の微増に決着しました。前回の大幅なマイナス改定では結果的に多くの介護事業所が倒産に追い込まれるなど、介護報酬の影響力は非常に大きいため、改定までに多くの関係者が何度も議論を重ねて決定されます。平成30年度介護報酬改定の基本的な4つの考え方平成30年度の介護報酬は、「地域包括ケアシステムの推進」「自立支援・重度化防止」「多様な人材の確保と生産性の向上」「介護サービスの適正化」という4つの基本的な考え方を軸に改定が展開していきます。それぞれをくわしく見ていきましょう。Ⅰ 地域包括ケアシステムを推し進める!1つめの軸は「地域包括ケアシステムの推進」です。これは、中重度者も含めた誰もがどこでも適切な医療・介護サービスをうけられるようにしよう、という考え方です。これにより、複数のサービスの報酬がアップしています。ここでは、4つのポイントに絞って解説していきます。POINT1.ターミナルケア・看取りを評価! 具体的には・・・■ターミナルケアや看取り(特養)を実施すると加算される など地域包括ケアシステムの推進として、ターミナルケアや看取りがますます重視されるようになりました。今回の改定でも、医療ニーズへの対応やターミナルケアを実施する施設に対して加算を新設する改定がなされています。 関係するサービス種別 訪問看護・認知症対応型共同生活介護・特定施設入居者生活介護・居宅介護支援・介護老人福祉施設「看取り介護」とは?具体的な内容や看取り介護の問題点 訪問看護は加算アップ訪問看護では、看護体制強化加算がⅠとⅡに分けられ、ターミナルケア加算の算定者数が多い場合により多くの加算が得られるように改定されます。認知症対応型共同生活介護も加算アップ認知症対応型共同生活介護では、医療連携体制加算が改定されます。これまでの医療連携体制加算に加えて、看護職員や看護師をより手厚く配置したり、たんの吸引などの医療ケアを提供したりする施設に対して新たにⅡ、Ⅲとして加算を設けます。特定施設入居者生活介護も加算アップ特定施設入居者生活介護では、これまで特に医療ニーズに対応した際の加算は設けられていませんでしたが、今回新たに2つの加算が新設されます。入居継続支援加算は、たんの吸引などのケア提供を評価します。退院・退所時連携加算は、医療提供施設の退院・退所時の連携を評価します。居宅介護支援も加算アップ居宅介護支援では、末期の悪性腫瘍と診断された利用者に対して、ターミナル期において通常より頻回に訪問したり、利用者の状態を医師や事業者へ提供した場合、それを評価するターミナルケアマネジメント加算が新たに設けられます。介護老人福祉施設も加算アップ介護老人福祉施設では、2点変更点があります。1つめは配置医師緊急時対応加算が新設されたことです。これは、特養の配置医師が施設の求めに応じて、早朝・夜間・深夜に施設を訪問して入所者の診療を行った場合、単位が加算されるものです。2つめは看取り介護加算の強化です。これまでの看取り介護加算に加えて、配置医師緊急時対応加算の体制が整備されてた上で看取りを行った場合、より高い評価がなされます。POINT2.医療と介護の連携を強化! 具体的には・・・ ■ケアマネ・訪問介護事業所と医療機関との情報連携を義務化する など地域包括ケアシステム構築のひとつとして、医療と介護の連携が叫ばれています。医療から介護へスムーズに移行できるよう、新たな加算等が加わりました。 関係するサービス種別 居宅介護支援・通所リハビリテーション・訪問リハビリテーション居宅介護支援は3つの変更あり居宅介護支援では、主に3点の変更点があります。1つめは入院時情報連携加算の取得条件の変更です。情報提供の期間が入院後7日から3日以内になるかわりに、提供方法は問わないという変更がなされました。2つめは退院・退所加算の単位です。連携回数に応じた評価、およびカンファレンスに参加した場合の上乗せ評価がなされます。3つめは特定事業加算に新しくⅣという区分が新設される点です。これは、医療機関等と総合的に連携する事業所をさらに評価するための加算です。訪問リハビリテーション・通所リハビリテーションは見直しあり通所リハビリテーションでは、医療保険のリハビリ提供から新たに介護保険のリハビリ提供を開始する場合、 面積や人員の要件を緩和 リハ計画書の様式を互換性のもったものにする ことが見直されています。POINT3.介護医療院の創設 具体的には・・・ ■介護医療院に転換した場合、加算あり など 関係するサービス種別 介護療養型医療施設、医療療養病床 など 介護医療院は、医療的ケアが必要な重介護者の受入れと、看取りやターミナルケアの機能を備える生活施設です。創設の背景には、介護療養型医療施設数の減少や医療ニーズの増大などがあります。そうした問題を解決するため、介護療養型医療施設等から介護医療院への転換が推進されていきます。転換する場合、基準が緩和されたり、転換後の加算が与えられます。POINT4.認知症の人への対応を評価! 具体的には・・・ ■看護職員の配置が手厚いグループホームを評価する■ショートステイ・小多機でも認知症の人を対応すると加算される など認知症の人への対応強化がますます重視されるようになってきました。今回の改定では、看護職員を手厚く配置していたり、専門的なケアを提供したりする施設に加算を設けています。 関係するサービス種別 認知症対等型共同生活介護、短期入所生活介護、短期入所療養介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、特定施設入居者生活介護 認知症対応型共同生活介護は加算アップ認知症対応型共同生活介護では、医療連携体制加算が強化されます。Ⅰ~Ⅲに分けられ、Ⅱ~Ⅲではより手厚く看護師・看護職員を配置した場合を評価します。(※「POINT1.ターミナルケア・看取りを評価!」で説明済)短期入所生活介護、短期入所療養介護は加算アップ短期入所生活介護、短期入所療養介護では、国や自治体が実施または指定する認知症ケアに関する専門研修を修了している者が介護サービスを提供した場合、新たに認知症専門ケア加算を設けています。小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、特定施設入居者生活介護は加算アップ小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、特定施設入居者生活介護では、若年性認知症の人を受け入れた場合に、新たに若年性認知症利用者受入加算がされます。Ⅱ 自立支援・重度化防止の取組を強化 2つめの軸は「自立支援・重度化防止への取組」です。今回の改定では、主にリハビリテーションの強化を中心に改定が展開されています。これにより、リハビリテーションに関係する複数のサービスの報酬がアップしています。 POINT1.リハビリテーションの強化を評価! 具体的には・・・ ■外部のリハ職と共同して計画を作成すると加算される など先述したとおり、今回の改定ではリハビリテーションに対する加算がこれまで以上に重視されています。リハビリテーション強化のポイントは、主に3つあります。 リハビリテーションマネジメント加算 アウトカム評価の拡充 外部リハ職との連携 関係するサービス種別 訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護、通所介護、認知症対応型通所介護、短期入所生活介護、特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護、介護老人福祉施設 1.リハビリテーションマネジメント加算■訪問リハビリテーション、通所リハビリテーションで加算アップ訪問リハビリテーション、通所リハビリテーションでのリハビリテーションマネジメント加算の変更点は、Ⅲ・Ⅳの区分が新設され、医師の詳細な指示に基づいたマネジメントが評価されるようになった点です。■介護予防訪問リハビリテーション、介護予防訪問通所リハビリテーションでも加算アップ要支援者のリハビリテーションを行う介護予防訪問リハビリテーション、介護予防訪問通所リハビリテーションでは、これまでリハビリテーションマネジメント加算がありませんでしたが、多職種連携の取組などを評価するために新たに新設されました。2.アウトカム評価の拡充■訪問リハビリテーションアウトカム評価はこれまで、介護予防通所リハビリテーションにのみ設けられていましたが、これを予防介護訪問リハビリテーションにおいても設けられることになります。具体的には、事業所評価加算という新しい加算項目で評価されます。■通所リハビリテーション介護予防通所リハビリテーションでは生活行為向上リハビリテーション実施加算が新設され、生活行為の向上に焦点をあてたリハビリテーションの提供を評価します。生活行為向上リハビリテーションは、目標に達成した場合、3月以内~6月まで加算されますが、6月で目標が達成できない場合、減算されます。3.外部のリハ職との連携■訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護訪問介護では、これまでの生活機能向上連携加算に加え、医療提供施設のリハ専門職や医師が訪問して行った場合、評価を充実します(生活機能向上連携加算(Ⅱ))。定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護では、これまで生活機能向上連携加算がありませんでしたが、これからは訪問介護と同様の加算が創設されます。■通所介護、認知症対応型通所介護、短期入所生活介護、特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護、介護老人福祉施設通所介護をはじめとした各種施設では、外部のリハ専門職や医師が訪問し、共同でアセスメントを行ったり計画を作成することを評価する生活機能向上連携加算が新設されます。POINT2.訪問介護に大きな変化が! 具体的には・・・ ■生活援助中心型の基本報酬を引き下げ■利用回数が多すぎる訪問介護(生活援助中心型)を適正化する など 自立支援・重度化防止の取組として、訪問介護の生活援助サービスにメスが入ります 。まず、生活援助の報酬が引き下げられます。それに伴い、身体介護の報酬が微増します。後述しますが、生活援助ヘルパーの研修も簡略化されます。 関係するサービス種別 訪問介護 訪問介護は生活援助の基本報酬引き下げへ訪問介護では、身体介護をより重視する一方で、生活援助の基本報酬を下げる改定が行われます。さらに、訪問回数の多い訪問介護へも対策がたてられています。通常のケアプランよりかけ離れた回数の生活援助のための訪問介護を位置づける場合は、ケアマネジャーが市町村にケアプランを届け出なければならなくなります。そのうえで、必要に応じてサービス内容の是正を促していくとしています。POINT3.デイサービスに新しい加算 具体的には・・・ ■ Barthel Index(バーセルインデックス)という評価方法を使用して、ADL維持等加算という新しい加算を新設する など 関係するサービス種別 通所介護 通所介護は加算アップ通所介護には、ADL維持等加算という新しい加算が新設されます。これは、ADL(日常生活動作)の維持、または改善の度合いが一定の水準を超えた場合に加算されるものです。測定には、新たにBerthel Index(バーセルインデックス)という評価方法が採用されることになっています。POINT4.各サービスで排せつ支援に対する加算! 具体的には・・・ ■ 排泄における要介護状態を軽減した場合、排せつ支援加算が加算される など 自立支援・重度化防止として、リハビリといっしょに注目されているのが「排せつ」です。今回の改定で、排せつにおける要介護状態を軽減できると考えられる利用者に対して支援を行う場合、新しい加算が設けられることになりました。 関係するサービス種別 各種の施設系サービス 施設系サービスで加算アップ排せつ支援加算は、排せつの要介護状態を軽減できると医師等が判断し、かつ利用者もそれを望む場合に、原因の分析や支援を行うことで加算されるものです。目安として、「全介助」から「一部介助」以上に、または「一部介助」から「見守り等」以上に改善することが掲げられています。Ⅲ 多様な人材の確保と生産性の向上 3つめの軸は「多様な人材の確保と生産性の向上」です。具体的には、各種基準の緩和やロボットやICTを活用した負担軽減などがあげられます。ここでは、大きく2つのポイントについて触れます。POINT1.介護福祉士は身体介護を中心に、生活援助は新しい人材に具体的には・・・■ 生活援助の人材確保のため、新しい研修カリキュラムを創設 関係するサービス種別 訪問介護 訪問介護では、生活援助を担うヘルパーを確保するために、生活援助ができる訪問介護ヘルパーの研修時間を短縮するなどの措置がとられる予定です。その一方で、身体介護は介護福祉士等が中心となって担っていきたいという意向があります。そのためか、先述したとおり生活援助中心型の基本報酬は引き下げられます。POINT2.介護ロボットが夜間職員の代わりに! 具体的には・・・ ■ 見守り支援ロボットを導入することで、夜間配置加算の取得条件を緩和する 関係するサービス種別 介護老人福祉施設、短期入所生活介護 介護老人福祉施設、短期入所生活介護では、夜勤職員配置加算の取得条件が緩和されます。現行では「最低基準よりも1人以上多く置いた場合」となっている加算要件を、「ベッド上の入所者の動向を検知できる見守りロボットを、入所者数の15%以上に設置している場合、夜勤職員の数が最低基準を0.9人上回っていれば取得できる」と変更しています。つまり、見守りロボットが夜勤職員の0.1人分(10%)に相当するということです。これによって夜勤職員の数を減らすことはできなくとも、職員の勤務時間を減らすことはできるので、休憩時間が多くとれるなどのメリットがあると考えられます。介護ロボが夜勤職員の代わりに!見守りロボット導入で報酬加算、厚生労働省が発表Ⅳ 介護サービスの適正化4つめの軸は、「介護サービスの適正化・重点化」です。これまでの介護報酬改定でも、収益の大きいサービスは基本報酬が削られてきましたが、今回も例外ではありません。3つのポイントに絞って解説します。POINT1.訪問系サービスの集合住宅減算が拡大へ! 具体的には・・・ ■ 集合住宅居住者への訪問サービスに関する減算が拡大訪問系サービスには、事業所と同一の敷地内(または隣接する敷地内)に所在する建物に住居する者に対してサービスを提供する場合、減算される制度があります。この、通称「集合住宅減算」が今回の改定で拡大されます。 関係するサービス種別 訪問介護、夜間対応型訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、定期巡回・随時対応型訪問介護看護 訪問介護、夜間対応型訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーションで減算見直し見直されたのは、 建物の範囲 減算幅 のふたつです。1.建物の範囲減算の対象となる建物の範囲は、これまで有料老人ホーム等のみが「同一建物」とされてきましたが、それ以外の建物であっても、集中住宅減算の対象となるようになりました。2.減算幅これまで1月あたりの利用者数が20人以上の場合10%減算だったところ、1月あたりの利用者数が50人以上の場合15%減算となりました。定期巡回・随時対応型訪問介護看護も減算拡大定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、1月あたりの利用者数が50人以上の場合、900単位/月の減算となりました。POINT2.訪問看護・介護予防訪問看護の基本報酬を引き下げ! 具体的には・・・ ■ 両サービスとも基本報酬、介護予防訪問看護はさらに引き下げ  関係するサービス種別 訪問看護、介護予防訪問看護2つめにメスが入ったのは、訪問看護および介護予防訪問看護です。まず、両サービスとも基本報酬が引き下げられます。さらに、要支援者に対する訪問看護である介護予防訪問看護は、訪問看護ステーション・病院(または診療所)ともに基本報酬が引き下げられます。POINT3.大規模通所介護の基本報酬を引き下げ! 具体的には・・・ ■ サービス提供時間を1時間ごとに見直し■大規模な通所介護事業所の基本報酬を引き下げ3つめのメスは、通所介護に入りました。とくに大規模型の通所介護は、基本報酬がダウンします。また、サービス提供時間の区分がより細かく分けられます。 関係するサービス種別 通所介護、認知症対応型通所介護、通所リハビリテーション 通所介護、認知症対応型通所介護で、大規模型は基本報酬をダウン通所介護、認知症対応型通所介護では、大規模型Ⅰ・Ⅱの基本報酬が引き下げられます。サービス提供時間も2時間ごとから1時間ごとに見直されました。通所リハビリテーションでも基本報酬引き下げへ通所リハビリテーションでは、長時間のサービス提供の基本報酬が引き下げられました。具体的には、「6時間以上8時間未満」だったサービス提供時間区分が1時間ごとになり、各時間区分での基本報酬がダウンしています。まとめここまで、平成30年度の改定内容を4つの軸にわけて確認してきました。全体としては0.54%の微増となりましたが、サービスによっては基本報酬が引き下げされているものもあり、運営の上では厳しい状況が続くでしょう。 介護ロボットONLINEが独自に行ったアンケートでは、約7割の介護従事者が今回の改定内容に不満を抱いているということも分かっています。介護の現場で実際に働く人々が強く「加算すべき」と考えているものとして「介護職員の処遇改善」があげられますが、今回の介護報酬改定ではあまり触れられていません。ここからも、現場と制度のギャップが感じられます。介護報酬の改定内容が最終決定するのは、2018年4月です。介護ロボットONLINEでは、引き続き介護報酬改定の動きを追っていきます。251名に緊急アンケート!「H30年度の介護報酬改定、満足ですか?」に72%が「不満」平成30年度介護報酬改定 リンク集社会保障審議会(介護給付費分科会)資料一覧 厚生労働省|社会保障審議会(介護給付費分科会) サービス別全般・ 運営基準の改正等の概要(案) (平成29年12月1日) ・ 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の改正等に関する事項について(案) (平成29年12月1日) ・ 地域区分について(案)  (平成29年10月27日) 居宅サービス・ 訪問介護の報酬・基準について  (平成29年11月1日)・ 訪問看護の報酬・基準について(平成29年11月8日)・ 通所介護の報酬・基準について (平成29年11月8日)・ 通所リハビリテーションの報酬・基準について (平成29年11月8日)・ 訪問リハビリテーションの報酬・基準について (平成29年11月8日)・ 居宅療養管理指導の報酬・基準について (平成29年11月8日)・ 短期入所生活介護の報酬・基準について (平成29年11月15日)・ 短期入所療養介護の報酬・基準について (平成29年11月22日)・ 特定施設入居者生活介護の報酬・基準について (平成29年11月15日)・ 福祉用具貸与の報酬・基準について (平成29年10月27日) 共生型サービス・ 共生型サービスの報酬・基準について (平成29年11月29日) 地域密着型サービス・ 定期巡回・随時対応型訪問介護看護・夜間対応型訪問介護の報酬・基準について (平成29年11月1日)・ 定期巡回・随時対応型訪問介護看護・夜間対応型訪問介護の報酬・基準について 2 (平成29年12月6日) ・ 認知症対応型共同生活介護、認知症対応型通所介護等の報酬・基準について (平成29年11月15日) ・ 療養通所介護の報酬・基準について (平成29年11月8日)・ 小規模多機能型居宅介護の報酬・基準について (平成29年11月1日)・ 看護小規模多機能型居宅介護の 報酬・基準について (平成29年11月8日) 居宅介護支援 ・ 居宅介護支援の報酬・基準について② (平成29年12月1日) 施設サービス ・ 介護老人福祉施設の報酬・基準について (平成29年11月15日) ・ 介護老人保健施設の報酬・基準について (平成29年11月22日) ・ 介護療養型医療施設・介護医療院の報酬・基準について(平成29年11月22日)その他・ その他の事項について (平成29年11月29日) ・ 介護人材関係について (平成29年11月29日)  

251名に緊急アンケート!「H30年度の介護報酬改定、満足ですか?」に72%が「不満」

251名に緊急アンケート!「H30年度の介護報酬改定、満足ですか?」に72%が「不満」

平成30年度、3年ぶりの介護報酬改定が行われます。介護報酬は、介護事業所の経営状況や介護スタッフの給与に大きな影響を与える重要な要素です。今回の改定では、0.54%のプラス改定に決着しました。プラス改定は、人員配置の充実や職員の待遇アップなどにつながる反面、税金や保険料などの国民負担が増えることも意味します。今回の改定について、「もっと引き上げるべきだ」「いや、これが限界だろう」など、さまざまな意見が聞かれます。実際に介護の現場で働く介護スタッフは、この介護報酬改定をどう感じているのでしょうか?介護ロボットONLINE編集部では、全国の介護従事者向けに、介護報酬改定についてアンケートを行いました。平成30年度の介護報酬改定をおさらい今回の改定は、0.54%のプラス改定になりました。改定では、以下の4点が重視されています。1.地域包括ケアシステムの推進 中重度者の対応 認知症の人への対応 医療と介護の連携 など2.自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現 リハビリテーションの強化 アウトカム評価の導入・拡充 など3.多様な人材の確保と生産性の向上 介護ロボットの活用 など 4.介護サービスの適正化 長時間の通所リハビリの基本報酬の見直し などこうした改定と比較して、実際の現場ではどこに課題感を抱いているのか、より改定が必要だと感じているサービスや項目はどれなのか、アンケートから明らかにしていきます。72.9%が「今回の介護報酬改定に不満」(1)今回の改定に満足?不満?まずはじめに、平成30年度の介護報酬改定に満足しているかどうかを聞いたところ、「満足」と答えた人が27.1%(68名)、「不満」と答えた人が72.9%(183名)となりました。マイナス改定になるかと噂されていたところを一転、プラス改定に落ち着きはしたものの、過半数の人が満足できない現状であることがわかります。介護報酬の「加算」に対する意識続いて、介護報酬の「加算」に対してアンケートをとりました。介護報酬には、「基本報酬」と「加算(減算)」の2種類があります。「基本報酬」とは、訪問介護や施設といった事業所形態ごとに決められている基本的な単位のこと。その「基本報酬」に対して、単位を上乗せすることを「加算」といいます。単位が上乗せされるということは、事業所に支払われる料金が増えるということなので、事業所はより多く料金をもらうために「加算」が設定されたサービスや取り組みを強化するようになります。加算をつけるべきだと思うのは「処遇改善」「認知症対応」「人員配置」(2)加算をつけるべきだと思うもの(良くしたい項目)は何ですか?加算をつけるべきだと思う項目を聞いたところ、「介護職員の処遇改善に対する加算」が79.7%(200カウント)ともっとも多く、次いで「認知症対応に対する加算」が71.1%(180カウント)、「人員配置に対する加算」が67.7%(170カウント)となりました(複数回答)。それ以降は「中重度社受入・対応に対する加算」(53.4%/134カウント)、「看取り・ターミナルケアに対する加算」(52.2%/131カウント)、「医療と介護の連携」(39.8%/100カウント)と続きました。介護現場を知るスタッフは、モチベーションやイメージアップ、人員不足解消のための加算が何よりも必要だと感じていることが読みとれます。また、認知症の人や中重度者の受入への加算を求める声も多く、それらの対応の負担の重さや緊急度がうかがえます。66%が介護ロボットによる夜勤職員配置加算に「反対」平成30年度の介護報酬改定にて、「夜勤職員配置加算」の取得条件が緩和されます。見守り支援ロボットを入居者の15%以上導入した場合、夜勤職員配置加算が取りやすくなるのです。言いかえれば、見守りロボットが、夜勤職員の代わりになるということです。この改定に対する賛否を聞きました。(3)見守りロボット導入による加算条件の緩和に賛成?反対?見守りロボット導入による加算条件の緩和に賛成かどうかを聞いたところ、「賛成」と答えた人が33.1%(83名)、「反対」と答えた人が66.9%(168名)となりました。夜勤経験ありと答えた人(195名)に限った場合、「賛成」が27.1%(53名)、「反対」が72.3%(141)となり、夜勤の経験がある人のほうが、反対する割合が高いことが分かりました。コメントの一部を紹介いたします。「賛成」と答えた人のコメント(自由回答)・人手不足の解消には、絶対必要です( 女性/40代/ 生活相談員・支援相談員 )・少ないスタッフによる見落としが少なくなるのではないか?の期待(女性/50代/ 非常勤介護職員 )・夜勤職員の見守りや巡回の負担が軽減するから( 女性/30代/福祉用具専門相談員 )・現在の見守りロボットが使えるものとは思えないがより良いものの開発へ向けてこういう流れは必要だから(男性/50代/常勤介護職員)・介護職員不足によるきつい勤務から解放される可能性があるから(女性/40代/管理職)「反対」と答えた人のコメント・小さい施設では導入が厳しい(男性/40代/管理職)・導入するにあたっての資金が加算でペイできるものではないから(女性/40代/常勤介護職員)・確かに夜は大変だったが人の介護にロボットも加わると機械操作や故障等のメンテナンスもしないとならない。想像すると余計な仕事まで増えそう(女性/40代/ 生活相談員・支援相談員)・ロボットでは認知症高齢者に対する細やかな気配りは難しいと感じるから(男性/30代/常勤介護職員)・事故になった時どうするのか?いろいろ危ない(女性/20代/常勤介護職員)自由回答からはさまざまな意見が(4)介護報酬改定に関して、あなたの自由な意見を聞かせてください。報酬引き上げにともなう介護保険料の負担増に懸念の声もコメント(自由回答)・介護報酬が上がるということは、いずれ介護保険料に跳ね返ってくるだろうから、悩ましいところだと思います( 女性/40代/ケアマネージャー )・介護職員の給料がアップするのは良いことだと思いますが、それによって利用者の方の負担が増えるのはどうなんでしょうか?(女性/50代/常勤介護職員)・介護報酬改定により所得は増えるのは嬉しいが、年金や住民税が更に増えてしまうので結局はあまり変わらない気がする。(女性/20代/常勤介護職員)介護福祉士の処遇改善が話題になる一方で棚上げされる「ケアマネジャー」コメント(自由回答) ・ケアマネの加算を増やして欲しいです。(女性/50代/ ケアマネージャー )・ケアマネージャーの処遇も良くしてほしい。その他、在宅サービスにおいて、特に訪問介護の質を上げてほしい。雑な対応など酷い職員が目立つように思う。(男性/40代/ケアマネージャー)介護の質や介護職のイメージアップも大事コメント(自由回答) ・改定によって負担はしかたないが、その分質の良い介護が受けられる状態にしなければいけない。(女性/50代/常勤介護職員)・これを機会に介護業界全体のイメージアップ(賃金が安い)を図れるのではないか?ケアの質を向上させるいい機会だと思う。(男性・30代/管理職)・介護福祉士の認知度を上げる努力が大切。介護福祉士という名称を広め、国家資格であることのアピールを通して介護を考えて欲しい。(女性/60代/常勤介護職員)・介護報酬をあげるのは賛成だが、それに見合う介護員の質が伴っていない。(女性/30代/機能訓練指導員)まとめ今回の調査では、全体の72%以上が平成30年度の介護報酬改定内容に不満を感じているという結果となり、現場と制度のギャップが明らかになりました。ただし、今回の改定で重点的に加算されることとなる中重度者への対応や認知症の人への対応に関しては、現場のニーズをうまく汲みとれているといえるでしょう。今回、はじめて介護ロボットが介護報酬加算に影響を与えることになりましたが、介護ロボットに対する不信感はまだ根強いようです。介護報酬の改定内容が本決まりするのは、2018年4月です。介護ロボットONLINEでは、引き続き介護報酬改定のニュースを分かりやすくお届けしていきます。「介護の人材不足」について、また、このアンケートの結果や内容についてのご意見やご感想は、公式Twitter( @kaigo_robot )または Facebook までお寄せください。なお、本コンテンツの文章およびグラフの引用・転載を希望される方は、  介護ロボットONLINE問い合わせフォームよりご連絡ください。< アンケート調査概要 >・調査期間:2018年1月13日(土)~1月25日(木)・調査対象:介護事業所経営者および介護従事者20代~60代以上の男女251名・男女割合:男性/30.7%・女性/68.9%・その他/0.4%

【介護ロボットフォーラム2017】最新介護ロボットを紹介!見守りロボ、排泄予測ロボも

【介護ロボットフォーラム2017】最新介護ロボットを紹介!見守りロボ、排泄予測ロボも

2018年1月22日、介護ロボットフォーラム2017が開催されました。介護ロボットフォーラムとは、すでに商品化あるいは、近々商品化を予定している介護ロボット等を一堂に集める展示会です。今回は全24社の介護ロボットが展示され、説明や相談が行われました。そんな展示会に、介護ロボットONLINE編集部も行ってきました!編集部が気になった介護ロボットを中心に、フォーラムの様子をお届けします。介護ロボットフォーラム2017とは介護ロボットフォーラムは、厚生労働省の「福祉用具・介護ロボット実用化支援事業」の一環として2016年から開催されている展示会兼相談会です。展示会場では、介護ロボットの動向やシーズ・ニーズの報告をしあう「介護ロボットシンポジウム」も同時開催されました。会場は大混雑!シンポジウムは終始立ち見状態フォーラム会場であるTOC有明には、全24社の介護ロボットが展示されました。開場早々多くの人が来場し、会場内は混雑状態。介護ロボットの注目度の高さが伺えます。 どの介護ロボットの前にも人だかりができていた 介護ロボットの国内施策や海外動向を報告するシンポジウムは、常に立ち見状態。介護ロボット開発メーカーだけでなく、介護施設関係者や自治体関係者など、多くの人が傍聴していました。 介護ロボットの海外の動向を報告する株式会社日本政策投資銀行の植村 佳代氏気になった介護ロボットをピックアップ!今回のフォーラムでは、見守り支援、移乗支援(装着/非装着)、自立支援、排泄支援など、多種多様な介護ロボットが展示されていました。その中でも気になった介護ロボットをピックアップしていきます。介護報酬改定で注目度アップ!見守り支援ロボット展示会場で目立ったのは、展示されている見守り支援ロボットの多さです。約1/3以上が見守り支援ロボットだったといっても過言ではないでしょう。その背景には、平成30年度の介護報酬改定があるといえます。「見守りロボが夜勤職員のかわりとなることで、夜勤職員配置加算の条件が緩和される」という方針が、2017年の審議会で打ち出されたのです。詳しくはこちら: 介護ロボが夜勤職員の代わりに!見守りロボット導入で報酬加算、厚生労働省が発表 エアコンみまもりサービス|パナソニック株式会社パナソニック製のエアコンと、別売りのルームセンサを組み合わせて見守りをする「エアコンみまもりサービス」。遠隔でエアコン操作できるのはもちろんのこと、非接触のバイタル生体センサであるルームセンサによって室内にいる人の活動量や睡眠状態を見守ることができます。介護事業所向けの製品で、在宅での活用は実証段階とのこと。新築やリフォーム時だけでなく、必要な部屋1台から導入可能な点も魅力です。ケアサポートソリューション|コニカミノルタ株式会社居室天井に設置する行動検知センサによって、居室内にいる人の起床や離床、転倒などを検知・通知します。ベッド上の状態を通知する見守り支援ロボットが多い中、居室内全体の様子を知ることができる点が魅力です。遠赤外線で夜間の見守りもでき、転倒時には前後30秒録画することでエビデンスを残すことができます。メーカー担当者によれば、「転倒時のエビデンスを残す機能で、家族への説明がスムーズにいったという例もある」と話していました。シルエット見守りセンサ|キング通信工業株式会社防犯カメラを中心としたセキュリティ機器メーカーのキング通信工業は、はやい段階から見守り支援ロボットを開発・販売しています。「シルエット見守りセンサ」は、ベッド上の人をシルエットで表示することで、プライバシーに配慮しながら見守ることができる見守りロボット。遠隔からシルエット画像を確認することで、本当に今すぐ駆けつけが必要かどうか判断できます。取材記事はこちらから: 離床はもちろんはみ出しも!人の動きを検知する「シルエット見守りセンサ」|キング通信工業株式会社 介護支援から自立支援へ?パワーアシストスーツ見守り支援ロボットについで目立っていたのが、パワーアシストスーツです。パワーアシストスーツとは、スーツのように装着することで、介護作業時やリハビリ時に身体の動きをサポートしてくれる装着型のロボットのこと。これまでは介護する人の動きを支援する“介護支援”的な側面が強かったのですが、昨今の流れにのり、被介護者の動きをサポートする“自立支援”的側面が強調されていたのが印象的です。展示会場では、多くの人が実際に装着し、使用感に驚きの声を挙げていました。マッスルスーツ|株式会社イノフィスマッスルスーツは、主に介護者の腰にかかる負担を軽減するためのウェアラブルロボットです。装着者の動作をアシストしますが、電力を使っていない点が特長です。そのため、入浴介助など水を使うシーンでも使用することができます。メーカー担当者によれば、今後は被介護者のリハビリや自立支援にむけた活用方法も模索していきたいとのことでした。取材記事はこちらから: 人工筋肉で介護の腰痛問題を解決!マッスルスーツ| 株式会社イノフィス HAL|CYBERDYNE株式会社もっとも有名なパワーアシストスーツのひとつであるHAL。2017年10月には、足腰の弱った高齢者向けに「HAL® 腰タイプ 自立支援用」を新たに販売開始しました。メーカー担当者によれば、現状では自立支援用よりも「HAL®介護支援用(腰タイプ)」のほうが需要が高いとのことですが、今後は自立支援用の注目度が高まるだろうとのことです。関連記事はこちらから: ロボットスーツに新製品登場!「HAL® 腰タイプ 自立支援用」とは? 新たな重点分野!排泄予測とコミュニケーションロボット介護ロボットには、重点的に開発・普及をすすめるために「ロボット技術の介護利用における重点分野」が定められています。2017年10月、新たに1分野5項目が追加されました。今回のフォーラムでも、新しい重点分野に該当する介護ロボットが多数展示されていました。【排泄予測ロボット】DFree|トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社DFreeは、腹部に装着するだけで排尿前後のタイミングを教えてくれる、ユニークな排泄予知デバイスです。本体には超音波センサが内蔵されており、膀胱の大きさの変化を捉えることで「そろそろ出そうだ」もしくは「出ました」というお知らせをしてくれます。自立支援の波は、排泄分野にまで届きはじめているようです。取材記事はこちらから:世界が注目!排泄予知ロボット「DFree」|トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社【コミュニケーションロボット】 Chapit| 株式会社レイトロンChapit(チャピット)は、在宅での使用を想定したコミュニケーションロボットです。コミュニケーション以外にも、音声で家電を操作できる「家電コントロール機能」や、ゴミの日や服薬の時間を教えてくれる「タイムサポート機能」があります。フォーラムでは、音声で照明を点灯するデモを行っていました。【コミュニケーションロボット】パロ|株式会社知能システムパロは、アザラシ型メンタルコミットロボットです。全身に張り巡らされたセンサーと人工知能によって、触れると動物のような動きを返します。これにより、アニマルセラピーと同等のセラピー効果があると言われています。メーカー担当者によれば、国内以上にヨーロッパ圏での導入が進んでいおり、日本では介護事業所よりも個人で購入する人が多いとのことでした。関連記事はこちらから: 癒やし効果でギネス登録!アザラシ型メンタルコミットパロの効果や価格 排泄支援、リハビリ支援…その他の介護ロボットたち今回紹介した介護ロボット以外にも、移動支援や排泄支援、リハビリ支援などさまざまなロボットが展示されていました。 移動・移乗支援ロボ「ロボットアシストウォーカーRT.1・RT.2」(RT.ワークス) リハビリ支援ロボ「歩行リハビリ支援ツール Tree」(リーフ) 排泄支援ロボ「水洗ポータブルトイレ キューレット」(アロン化成)介護ロボットの流れは「介護支援から自立支援へ」シンポジウムでは、厚生労働省や経済産業省から今後のロボット政策についての説明がなされました。とくに経済産業省は、これまでの介護従事者を支援する介護ロボット開発のサポートから、被介護者の自立を支援する介護ロボット開発のサポートに軸足をうつそうとする姿勢を強調しており、「介護支援から自立支援へ」という介護業界全体の流れを後押しする様子がみうけられました。関係者へのヒアリングでは、介護報酬改定をうけた見守り支援ロボへの影響はまだあまり出ていないということでしたが、新設される介護事業所では見守り支援ロボの導入が一般的になってきた印象を受けているとのことで、今後の普及に期待がもてそうです。<介護ロボットフォーラム2017 詳細情報>開催日 :平成30年1月23日(火)  11:00~16:30開催場所:TOC有明 4階コンベンションホールWESTホール(東京都江東区有明)参加費 :無料(入退場自由)事務局 :公益財団法人テクノエイド協会

市場規模500億円にむけて本格始動!平成30年度の介護ロボット関連事業まとめ

市場規模500億円にむけて本格始動!平成30年度の介護ロボット関連事業まとめ

2017年12月22日、2018年度予算案が閣議決定されました。平成30年度も、介護ロボット関連事業に予算がついています。これにより、介護ロボットの開発や導入への補助金がでるケースもあります。ここでは、主に経済産業省と厚生労働省の介護ロボット関連事業についてまとめます。ロボット介護機器開発・標準化事業(経済産業省)経済産業省は、「 ロボット介護機器開発・標準化事業 」に11億円の予算をあてました。 ロボット介護機器開発・標準化事業 平成30年度から平成32年度までの3年間の事業。最終的には、ロボット介護機器の国内市場規模を約500億円へ拡⼤することを目標としています。 おもな事業内容は、「開発補助」と「海外展開のための環境整備」の2つです。自立支援型ロボットの開発補助厚⽣労働省と連携して策定した「ロボット技術の介護利用における重点分野」に該当する介護ロボットの開発を補助します。具体的には、開発にかかる費用を最大1億円まで国が補助します。海外展開にむけた環境整備安全性に関する国際規格 (ISO13482)とEUの基準適合マーク(CEマーク)との連携を進めることで、介護ロボットの海外展開を推進します。介護ロボット開発等加速化事業(厚生労働省)厚生労働省は、昨年度に引き続き「介護ロボット開発等加速化事業」を実施する予定です。平成30年度は、昨年度の倍にあたる6億円を予算にあてています。 介護ロボット開発等加速化事業 介護ロボットの提案から開発までを牽引するプロジェクトコーディネーターを配置し、着想段階から介護現場のニーズを開発内容に反映させるほか、試作機へのアドバイス、開発された機器を用いた効果的な介護技術の構築など、介護ロボット等の開発・普及の加速化を図ります。昨年度の「介護ロボット開発等加速化事業」では、おもに3つの事業が展開されました。ニーズ・シーズ連携協調のための協議会の設置開発前の着想段階から介護ロボットの開発の方向性について開発企業と介護現場が協議し、介護現場のニーズを反映した開発の提案内容を取りまとめる協議会を設置します。報告書によれば、平成28年度は排泄支援、入浴支援、移乗支援、見守り支援などの分野で意見交換がなされています。 福祉用具・介護ロボット実用化支援事業介護現場のニーズに適した実用性の高い介護ロボットの開発が促進されるよう、開発中の試作機器について介護現場での実証、 成果の普及啓発等を行い、介護ロボットの実用化を促す環境を整備します。1月23日には 介護ロボットフォーラム2017の開催も予定しています。 介護ロボットを活用した介護技術開発支援モデル事業介護ロボットの導入を推進するために、使用方法の熟知や、 施設全体の介護業務の中で効果的な活用方法を構築します。具体的には、介護ロボットを活用した介護技術の開発までを支援するモデル事業を実施します。厚生労働省による成果概要によれば、平成28年度は2つの見守り支援ロボットが事業に採択され、効果的な活用方法などを模索したとのことです。平成30年度、これまでと何が違う?介護ロボット関連事業を主導してきた経済産業省と厚生労働省。介護ロボットの開発や普及に力をいれはじめたのは、2013年(平成25年)に閣議決定された「日本再興戦略」がきっかけです。日本の成長戦略を示したこの戦略には「ロボット介護機器開発5か年計画」 が盛り込まれており、これまで原則的にはこの計画にしたがって事業が展開されてきました。 「ロボット介護機器開発5か年計画」 の開始から5年目にあたる平成30年の介護ロボット関連事業は、これまでと何が違うのでしょうか?経済産業省は「自立支援型」ロボットを強調経済産業省による「ロボット介護機器開発・標準化事業」では、これまで以上に「自立支援型」のロボットが強調されています。「ロボット介護機器開発・標準化事業 」の前事業にあたる「ロボット介護機器開発・導入促進事業 」では、どちらかというと介護従事者の負担軽減が強調されてきたのに比較すると、これは大きな変化といえるでしょう。厚生労働省は大型の補助金制度はないものの、倍の予算で普及に注力厚生労働省は今回、「介護ロボット開発等加速化事業」にて昨年の倍にあたる6億円の予算をあてました。 52億円の予算をあてた 2015年(平成27年)の「介護ロボット等導入支援特別事業」ほど目立つものではありませんが、それでも「介護ロボットの普及や活用法の確立に力を入れていこう」という思いが読みとれます。同時に、ICT化による介護事業所の生産性向上にも注力してく方針もうちだしています。「介護事業所における生産性向上」事業には9億円の予算があてられており、少ない人材で最大限のパフォーマンスがだせるシステムづくりを構築したい考えです。目標「市場規模500億円」は実現するか?経済産業省は、介護ロボットの国内市場規模を約500億円へ拡⼤することを目標にかかげ、開発や海外展開にむけた準備をはじめています。平成30年度の介護報酬改定でも、見守りロボットに報酬加算が適用されるなど、介護ロボット業界はにわかに盛り上がりをみせています。しかし、価格の高さなどの理由から介護ロボットの普及率はまだまだ高いとはいえず、開発にも課題が残ります。果たして、「市場規模500億円」は実現するのでしょうか?今後も介護ロボット関連事業の動きに注目です。<参考資料>経済産業省「 平成30年度経済産業省関連予算案等の概要 」(2018/01/10取得)経済産業省「 ロボット介護機器開発・標準化事業 」(2018/01/10取得)厚生労働省「 平成30年度厚生労働省予算概算要求の概要 」(2018/01/10取得)厚生労働省 老健局「 老健局PR版本文(30概算要求) 」(2018/01/10取得)

「介護は誰にでもできる仕事」!?ロボットに沸く今、改めて考えたい介護職の将来性

「介護は誰にでもできる仕事」!?ロボットに沸く今、改めて考えたい介護職の将来性

介護福祉士は、数ある介護系資格のなかでも唯一の国家資格として知られており、合格のためには幅広い知識を学ぶ必要があります。介護福祉士はいわば介護の専門家ですが、介護職の専門性についてはたびたび議論されてきました。昨今では、ホリエモンこと堀江貴文氏が自身のTwitterにて「 介護は誰にでもできる仕事 」と発言し議論を巻き起こす一方で、政府は「経験・技能のある職員」を中心に8万円相当の処遇改善を図ると発表し、専門性のある介護人材を高く評価しようという動きもあります。介護の仕事は、果たして本当に「誰にでもできる」のでしょうか?また介護の専門性は、いったいどこにあるのでしょうか?介護の専門性に関する調査をひもときつつ、今後の介護職に求められる専門性について考えてみました。介護の専門性にたいするさまざまな声自身も服役中に介護を経験したことのある堀江氏による「 介護は誰にでもできる仕事 」という発言は、多くの人にさまざまな反応を呼び起こしました。 介護を「専門的な仕事ではない」と考える人も少なくない一方で、「専門知識や技術が求められる専門職である」と考える人も多くいます。 介護福祉士という資格の専門性はもはや無いと言って過言でない— なごや (@SMOKING_nago121) 2017年11月22日 いやでも保育士と介護士は専門性は比較的低い方なのでは— 安西先生、楽して痩せたいです (@handgasitaidesu) 2017年10月13日 保育士も介護士も専門性高いよ。— gadrinium@インフル警戒モード (@gadrinium) 2017年10月17日 介護は本当大変な仕事。体力、精神力ももちろんだけど、疾患理解や医療知識だって必要なのに、現状は人手不足によって無資格で出来てしまう所もある。うちの病院も然り。でもものすごく専門性の高い仕事だから、もっと評価されてもいいと思うんだよな。— か し (@ryu52sora41) 2017年11月14日 こうした議論が生じる原因のひとつに、専門性がオープンでないことがあげられるでしょう。そこで厚生労働省は、介護施設や事業所が「専門性が必要」と認識している業務を明らかにする調査を行いました。次章では、その内容をまとめていきます。報告書からわかる、施設が求める介護の専門性厚生労働省は、「 介護人材の類型化・機能分化に関する調査研究事業 」にて、介護施設がどのような業務を「専門性が高い」と認識しているのかを調査しました。調査にあたって、介護人材は専門知識の度合いによって下記の5段階に分類されます。介護業務は、下記の7つに分類されます。各業務の専門性に対する施設の認識は、「各業務をするのに最適な人材は、5段階のうちどの人材か」を答えるというかたちで調査されました。たとえば、「a.身体介護の実施」に最適な人材として「4.より専門性の高い知識、技術を有する介護福祉士等」を選んだ場合、「a.身体介護の実施」には高い専門性が必要だと認識しているといえます。生活援助は専門性が低い?1~3の業務を比較した場合、施設・事業所は「生活援助」<「身体介護」<「特定ケア」の順に専門性が高くなると認識していることが分かりました。とくに老健では、約半数の施設が「知識、技術をそれほど有しない者」が「生活援助」に適任であると認識していることから、「生活援助には高い専門性は必要ない」という考えが読みとれます。生活援助ヘルパーを新設する動きもこうした調査に合わせて、生活援助を行うヘルパーの基準を緩めようという動きが出はじめています。厚生労働省は、短期間の研修で生活援助をできるようにするヘルパーの基準緩和を提案しました。間口を広げて人材を確保する一方で、生活援助の基本報酬を下げる狙いがあると考えられます。この提案に対して、日本ホームヘルパー協会は強い反発を示しました。「生活援助は誰にでもできる仕事ではない」と主張したうえで、生活援助は「単なる家事代行サービスではなく、重度化を防いでいる」と訴えています。生活援助のなかで利用者の状況を把握し、コミュニケーションを通して「日々の暮らしを支えている」という主張は、「生活援助には専門性が必要なく、誰にでもできる仕事だ」という見解だけでなく、「生活援助」をその他の業務と切り離して考えること自体の是非を問うことにもつながるといえるでしょう。専門性が高いと考えられている業務は?逆に、専門性が高いと認識されている業務はどれなのでしょうか?介護人材の類型化・機能分化に関する調査研究事業報告書によれば、「アセスメントの実施」や「介護計画の作成」は、「介護福祉士」および「より専門性の高い知識、技術を有する介護福祉士等」が適任だと認識している施設の割合が高いことがわかりました。また「情報収集」はもちろん、それをふまえた「ケアの提案」も「介護福祉士」および「より専門性の高い知識、技術を有する介護福祉士等」が適任だと認識しています。つまり「介護計画」や「情報連携」などの業務には、高度な専門性が必要だと考えているということです。地域包括ケアで、医療従事者とのやりとりが増える「情報連携」のなかでも、今後とくに増えていくと考えられるのが「外部の機関や事業所からの情報収集」「外部の機関等に対するより良いケアの方法の提案」です。その背景に、地域包括ケアシステムの推進があります。地域包括ケアシステムの構築には、医療と介護の連携が不可欠です。高齢者が住みなれた地域で生活をしていくために、医療スタッフと介護スタッフはともに意見を出し合ってケアの方針を決めていく必要があるからです。つまり、介護福祉士は医療スタッフと対等に議論できる高度な知識と、外部機関とやりとりする高いコミュニケーション能力が求められることになるのです。「生活援助」のような専門性が低いと思われている業務を介護福祉士以外に任せようという動きがある一方で、介護福祉士にはより専門性の高い業務を求められていくといえるでしょう。「介護ロボットが人の代わりに介護する」にひそむ誤解専門性の低い業務を介護士以外に任せようとする動きの極点に、介護ロボットがあります。「人間の代わりにロボットが介護してくれる」という介護ロボットの一般的なイメージがそれを表しているといえるでしょう。しかし現在の介護ロボットは、「人間の代わりに介護する」というレベルには達していません。実際には補助的な役割を担っているだけです。すでにロボット掃除機が一般家庭にも普及しつつありますが、あくまで「掃除」という作業の一部分をカバーするにとどまります。ホームヘルパーが利用者の暮らしやすさを考えながら生活の基盤をととのえ、部屋の乱雑さから心身状態を把握し、それに合った対応をするのと比較すると、「介護」というには程遠いことがわかります。こうした介護の奥深さに、介護ロボットがこれからどれほど対応できるようになるかは疑問ですが、一見「作業」のように見える掃除も、利用者の状態や症状を把握するために不可欠な「専門業務」となりうることを忘れてはなりません。介護福祉士の将来性は暗くないたびたび議論される「介護の専門性」。政府は、超高齢社会の到来にともなう介護の人手不足や財源不足から、介護人材を機能分化してより効率よく介護できるようにしようと模索しています。しかし介護における各業務を切り離して、それぞれの専門性をはかることがはたして正しいといえるのかという疑問は残ります。「生活援助」と「情報収集」が地続きにあるとすれば、「生活援助」をロボットや介護関係者以外が行うことでよりよい介護が妨げられる危険性もでてくるからです。いずれにせよ、介護福祉士が今後ますます高い専門性を求められるのは間違いありません。専門性には、医療従事者と対等に話せる介護知識や、介護ロボットを使いこなす技術力などが含まれるでしょう。同時に、高い専門性に見合った待遇が整備されていく必要もあります。実際、政府は「経験・技能のある職員」を中心に8万円相当の処遇改善を図ると発表しました。介護福祉士の将来性は、必ずしも暗いわけではありません。少しずつではありますが、その専門性が認められてきているといえます。介護業界に対する誤解を解いてイメージアップを図るためには、介護職からの情報発信がますます重要になってくるでしょう。 <参考資料> 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(2016年3月)「 介護人材の類型化・機能分化に関する調査研究事業報告書 」 厚生労働省(2017年9月13日)「 第147回社会保障審議会介護給付費分科会資料 」 

実はメリットがいっぱい!神奈川県の「さがみロボット産業特区」とは?

実はメリットがいっぱい!神奈川県の「さがみロボット産業特区」とは?

全国でも1・2を争うスピードで高齢化が進んでいる神奈川県。そんな神奈川県では、深刻化する超高齢社会にむけて、3つの「特区」を設けて独自の取り組みを行っています。「特区」とは、規制緩和などの特例措置が適用される特別なエリアのこと。今回は、そのうちのひとつである「さがみロボット産業特区」をご紹介します。さがみロボット産業特区とは?画像提供: さがみロボット産業特区特設HP さがみロボット産業特区は、生活支援ロボットの研究開発や、実用化・普及を推進しているエリアです。生活支援ロボットとは、介護・医療、高齢者等への生活支援、災害対応など、人々の生活を支えるロボットをさします。一般的に想像するような二足歩行ロボットだけでなく、ロボット関連技術を使った製品や機器、たとえば、高齢者の見守りセンサーやドローンのようなものも含まれます。そうした生活支援ロボットの実用化を通じて、地域の安全・安心を実現することが目標として掲げられています。そのために、特区ではおもに4つの支援を行っています。1.規制緩和ロボットの実用化に向けて必要となる規制緩和について国との協議を行い、実証実験や実用化を支援しています。たとえば、通常であれば市町村等からしか受け付けていない介護保険適用の提案も、この特区から行うことが可能です。2.開発支援企業や大学等の各機関がもつ技術・資源を最適に組み合わせる「神奈川版オープンイノベーション」によって、共同研究開発を促進します。その他、「重点プロジェクト」の実用化に向けて、アドバイザー支援や広報支援、国の補助金等の獲得に向けた支援等も行っています。3.実証実験生活支援ロボットの実証場所やモニターのコーディネートを行っており、 「重点プロジェクト」や「公募型ロボット実証実験支援事業」では、実証実施にかかる一部経費を補助しています。 「公募型ロボット実証実験支援事業」では、毎年度全国から公募を行っています(※  平成29年度の募集は終了)。 また、本格的な実証実験の前に、あらかじめ動作確認等を行うことができる「プレ実証フィールド」を用意しています。4.立地支援特区制度を活用して新たに事業展開をはかる企業にたいして設備費など投資額の一部を補助したり、低い利率で融資を受けられる制度があります。具体的には、「企業誘致促進補助金」では、県外からの立地の場合、投資額の10%・上限額10億円が、「企業誘致促進賃料補助金」では賃料月額の2分の1・上限900万円が補助されます。さがみロボット産業特区で商品化した介護ロボットさがみロボット産業特区の支援によって、これまでに数々のロボットが商品化されてきました。その中でも、今回は介護ロボットに絞って紹介していきます。パワーアシストハンド|株式会社エルエーピー画像提供: さがみロボット産業特区特設HP 「パワーアシストハンド」は、脳血管疾患などにより麻痺した手指や固まりかけている関節の曲げ伸ばしをサポートするロボットです。専用グローブのなかに手を入れることで、空気圧を利用したシステムで手指の曲げ伸ばしをサポートしてくれます。特区では、実証実験や発売に当たっての検査や手続きに関するアドバイス等の支援を行いました。ReWalk(リウォーク)|株式会社安川電機 画像提供: さがみロボット産業特区特設HP ReWalk(リウォーク)は、脊髄損傷により起立できなくなってしまった方向けの歩行アシスト装置です。腕時計型のコミュニケータと補助杖と一緒に使用します。センサーが身体の傾きなどを検知し、それに合わせて歩行をアシストしてくれます。特区では、神奈川リハビリテーション病院における実証実験を支援しました。 OWLSIGHT(アウルサイト)|株式会社イデアクエスト 画像提供: さがみロボット産業特区特設HP  OWLSIGHT(アウルサイト)は、非接触・無拘束の見守りシステムです。ベッドのそばに取りつけることで、ベッドの上にいる人の立ちあがりやもたれかかりなどを検知するほか、もだえやふるえのような小さな動きも検知してくれます。特区では、2ヶ所の介護施設で一定期間使用してもらい、そこで出た意見を改良に反映させ、商品化を実現しました。ベッドサイド水洗トイレ|TOTO株式会社画像提供: さがみロボット産業特区特設HP ベッドサイド水洗トイレは、ベッドのそばに設置できるポータブル水洗トイレです。 水洗機能により、 従来のポータブルトイレのメリットをそのままに、ポータブルトイレでは気になりがちなニオイや処理の負担が軽減されています。特区では、介護施設において排泄に関する実態調査を実施するとともに、高齢者宅においても実際に一定期間使ってもらう実証実験を支援しました。さがみロボット産業特区だからできることさがみロボット産業特区の取り組みは、ロボットメーカーの開発支援だけではありません。ロボットの実用化・普及によって、県民や介護施設の課題解決をめざしたさまざまな取り組みも行っています。ここでは、県民や介護施設が利用できる取り組みをまとめました。1.ロボット体験施設で、介護ロボット等が体験できるロボット体験施設とは、住宅展示場内のモデルハウスで、実際の暮らしに近い環境でロボットを体験できるロボットのショールームのことです。現在は、厚木会場・茅ヶ崎会場にてロボットが展示されています。展示されているロボットは以下のとおりです。 うなずきかぼちゃん いまイルモ  パルロ  ハロー!ズーマー パワーアシストハンド    など ロボット体験施設のほかに、ロボット体験認定ルームもあります。こちらは、企業のショールームやすでにロボットを活用している福祉施設で、もっているロボットを一般公開している施設をさします。施設によって公開しているロボットが異なるので、事前に確認するとよいでしょう。 →参考: ロボット体験認定ルーム 一覧 2.ロボット体験キャラバンで、介護ロボットの説明が聞けるロボット体験キャラバンとは、 介護施設等の実際の現場まで生活支援ロボットを持ってきてもらい、説明を聞いたり体験できたりする出張型の説明会および体験会のことです。 今年度からは、介護施設や医療機関に加え、地域のコミュニティなども訪問先に加わりました。  ロボット一覧 の中から事前に6種類から8種類のロボットを選び、当日に持ってきてもらいます。 第3期募集期間 *受付終了■平成29年11月1日(水曜日)から平成30年1月31日(水曜日)まで※具体的な訪問日は別途調整訪問先対象■県内の介護・障がい者(児)施設、医療機関、地域のコミュニティ、福祉イベント、学校など※応募者多数の場合は先着順 訪問先での流れ■訪問時間…2~3時間程度■内容…ロボットの機能・使い方などの説明、ロボットの体験(適宜、質疑応答)、アンケートの記入 3.生活支援ロボットのモニター制度で、一定期間ロボットが試せる 生活支援ロボットのモニター制度とは、購入やリースをする前に一定期間ロボットを試せる制度です。神奈川県内の介護施設や医療機関等が対象ですが、ロボットによっては、県内在住の個人の方も申し込み可能です。モニター期間は1ヶ月で、試用後は簡単なアンケートに回答する必要があります。 現在は12のロボットから選ぶことができます(※1)。※1  ロボット一覧 にて「モニター対象」と記載のあるもの募集期間■平成29年4月14日(金曜日)から平成30年1月19日(金曜日)までモニター募集対象■神奈川県内の介護・障がい者(児)施設・医療機関・学校など※ロボットによっては、県内在住の個人の方も申し込み可能4.ロボット導入支援補助金で、最大200万円の補助が受けられる さがみロボット産業特区で商品化したロボットを導入する施設等向けに、最大で200万円の「ロボット導入支援補助」制度があります。こちらはロボットが社会の中で活用されていることを多くの方に知ってもらうため、 原則として神奈川県内の法人による購入が補助対象となりますが、一部のロボットは個人も対象になります。募集期間■平成29年4月14日(金曜日)から平成30年1月31日(水曜日)まで※ 予算の上限に達した場合には、期限前でも受付終了 補助金額 ■ロボット1台ごとに、購入価格(本体価格+対象付属品等の価格)に3分の1を乗じた額か、200万円のいずれか低い方の額を補助 まとめ 介護ロボットをはじめとする生活支援ロボットの実用化・普及を全国に先駆けて行う「さがみロボット産業地区」。実は開発メーカーだけでなく、介護施設や介護ロボットの購入(レンタル)を考えている施設等にとってもたくさんのメリットがある取り組みなのです。介護ロボットの導入で介護報酬が加算される可能性が高まってきた今、こうした支援制度を活用することで介護ロボットの活用がより身近なものに感じられるでしょう。 介護ロボットONLINEでは、独自の取り組みを行う自治体を今後も特集していきます。 <参考資料>さがみロボット産業特区特設HP

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