レクリエーション

ユーザ検証と導入支援で見えてきた「ここくま」の可能性に迫る|BCC株式会社

ユーザ検証と導入支援で見えてきた「ここくま」の可能性に迫る|BCC株式会社

「ここくま」は一見かわいいテディベアですが、実はメッセージが送りあえる新しいコミュニケーションツールです。株式会社NTTドコモが全体統括を行い開発された「ここくま」に、新たにおはなし機能が追加されました。その検証と導入支援を行っているのが、「介護レクリエーション」の専門家・BCC株式会社 です。今回は、おはなし機能の検証と導入支援を中心に、ここくまを担当したBCC株式会社 スマイル・プラスカンパニーの青木氏に話を聞きました。 プロジェクトパートナーの青木佑太氏に話を伺う介護レクリエーションの専門家、 BCC スマイル・プラスカンパニーとはーーー御社の事業内容について教えてください。当社は2002年に設立した会社です。設立当初は主にIT業界の営業支援をしており、社名も営業創業株式会社としていました。10周年にあたる2012年、スマイルプラス株式会社を買収し、介護業界へも事業を広げていきます。昨年の9月には、BCCホールディングス、スマイル・プラス、そして営業創業の3社が統合し、BCC株式会社となりました。ーーーありがとうございます。介護事業を展開しているスマイル・プラスカンパニーについて教えてください。スマイル・プラス株式会社では、もともと「介護レク広場」というWEBサイトを運営していました。介護現場のレクリエーション用クイズなどを、会員の方が無料でお使いいただけるサイトです。このWEBサイトを発端に、介護レクリエーションの啓蒙や人材育成を図りたいという思いから、「レクリエーション介護士」という資格制度の創設や、介護施設とレクリエーション介護士をつなぐ「介護レクワーク」という求人サイトの運営も行うようになりました。同時に、介護レクリエーションを通して得た介護施設とのコネクションを活かして、介護業界に参入したいと考えている企業と介護業界を結びつける、コンサルティングおよびマッチング支援も行っています。 家族をつなぐ新しいコミュニケーションツール|ここくまとは?ーーー今回も、御社が「ここくま」と介護施設の間をつなぐ役割を担っていらっしゃいますね。ここからは「ここくま」について話を伺っていきます。まず「ここくま」とはどのような商品なのでしょうか?「ここくま」は、株式会社NTTドコモがプロジェクト統括をしている、離れて暮らす家族をつなぐための、新しいコミュニケーションツールです。機能としては、ボイスメッセージ機能、おはなし機能、見守り機能の3つがあります。実際に試してみましょう。実際にここくまでコミュニケーションしてみるボイスメッセージ機能ボイスメッセージ機能には、受信と送信の2つがあります。家族がスマートフォンにインストールした専用アプリからメッセージを送ると、ここくまが代わりにしゃべってくれるのが受信機能です。逆に、ここくまにむけて録音したボイスメッセージが家族のスマートフォンに届くのが送信機能です。試しにアプリからメッセージを送ってみますね。 新しいメッセージが届いたよ。ここで右手のボタンをワンタッチおしていただくと、メッセージが再生されます。 1件の聞いていないメッセージがあるよ。ーー“おはよう”。実際に再生していただくと、LINEといっしょでアプリ側では既読がつきます。 ここくまから送信する場合は、左手にある録音ボタンを押して話しかけます。そうすると、録音データがアプリに届き、音声メッセージをご家族が聞くことができます。 手足を優しくプッシュすることで操作が可能ゆるい見守り機能ここくま本体には、人感センサーが搭載されています。センサーが近くに人がいることを感知するので、近くにいた時間帯やここくま機能を利用した時間帯など家族の携帯電話から確認することができます。おはなし機能ここくまは天気や季節の話題などを話して、寂しさを和らげたり癒やしを与えたりします。音声認識機能から相手の言っていることを理解し、それに合わせたシナリオに沿って返事をすることもできます。おはなし機能はサーバを経由しているため、日々アップデートしてバリエーションを増やしています。おはなし機能の検証で分かったことーーー御社は介護現場における人脈を活かしたおはなし機能の検証と導入支援を担当されています。どのような検証をされたのですか?この度、NTTドコモから実証検証の協力依頼を頂きまして、全国の通所介護施設、有料老人ホーム、入所事業所など7施設で実施しました。検証した内容は主に2点あります。1点目は、ここくまの「おはなし機能」でどのようなセリフや話しかけ方だと高齢者に喜んでもらえるかいう点。2点目は、介護事業所でここくまがどのような形で役立つかここくまの機能が利用者の方にどのような影響をもたらすかという点です。1点目にかんしては、ふだんから当社と関係性が強いレクリエーション介護士の方にご協力いただいたお陰で、ご利用者の方もリラックスしてここくまを体験できたことで、ナマの声をひろうことができました。また利用者の方だけでなく、入居者のご家族の意見を聞くことができました。2点目にかんしては、1ヶ月間にわたって利用者の方の健康状態や精神面での変化を検証しました。その結果、利用者同士が集まって、ここくまをきっかけに会話が生まれるだけでなく、それをきっかけに絆が深まり、今では高齢者同士で助け合いが起きているという様子が見られるようになったと喜んでいただいています。ここくまの可能性~介護現場での活用方法~ーーー導入支援もご担当されている御社として、今後「ここくま」はどういった活用法が期待できるとお考えですか?冒頭で申し上げたとおり、ここくまは遠く離れた家族をつなぐという目的で開発されたコミュニケーションロボットです。お一人暮らしの高齢者の方には、家族に会いたいけれど迷惑はかけたくないという思いを持ってらっしゃる方も少なくありませんが、ここくまがあれば好きな時間にメッセージが送りあえるだけでなく、おはなし機能によって一人暮らしのさみしさもまぎらわすことができます。ご家族からは、利用者の方の音声が聞けるので、声から元気かどうかを判断できると好評をいただいています。施設にいながら、いつでも家族とコミュニケーションがとれるそれを踏まえてNTTドコモとして今後模索していきたいと考えているのが、介護施設での活用です。介護施設でも、面会に来てほしいけど家族に遠慮をしてしまうというご利用者様は多くいらっしゃいます。そうしたご家族にむけてここくまを一台部屋に置いていただき、いつでも家族とコミュニケーションが取れるという環境づくりができればと思っています。実際に、そうした活用法を取っている有料老人ホームもすでにあります。もう1つが、デイサービスとサービス利用者の方をつなぐという活用法です。デイサービスを利用している方のご自宅にここくまを置いておけば、デイサービスの時間以外でも安否の確認がとれますし、ここくまをとおした何気ない会話から「今日もちゃんとデイサービスに行こう」と思っていただけるかもしれません。そうなるとデイサービス側も、ここくまによって利用率が上がるというメリットがあります。送迎時の業務連絡にもお使いいただけると思いますし、活用方法はこれからどんどん広がっていくだろうと考えています。 ここくまの向こう側に、家族が見えてほしいーーー最後にメッセージをお願いします。ここくまの向こう側に家族が見えるような、そんな存在であってほしいと願っています。ここくまのおはなし機能は、今後もどんどん進化していく予定です。そんなここくまの成長にご期待いただき、ぜひ可愛がってあげてください。編集部まとめ取材の間にも、「そういえばこういう使い方もできるかもしれない」「こう使うと喜ばれそうだ」というアイディアがどんどん出てくるのを目の当たりにしました。介護ロボットは、どんなにスペックが高くても使いこなせなければ意味がありませんが、取材を終えた後には、ここくまが生活の一部となっている未来を想像することができました。 「介護レクリエーション」で培ったコネクションと知見を活かし、新しい活用法を模索することでここくまの可能性を広げているスマイル・プラスカンパニーに、今後も要注目です。

レクリエーションを代替する介護ロボットの問題点――改めて「レクリエーション」とは【第3回】

レクリエーションを代替する介護ロボットの問題点――改めて「レクリエーション」とは【第3回】

コミュニケーションロボットといえば、Pepperなどのロボットが高齢者に向けて体操やクイズを出す様子を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。「介護分野におけるコミュニケーションロボットの活用に関する大規模実証試験」では、そのようなコミュニケーションロボットを「介護者代替プログラム実施型」ロボットと位置づけています。実証試験を担当した産業技術総合研究所招聘研究員の大川弥生氏は、これらのロボットに対して「『レクリエーション』というものについての本質的な誤解がある」と警笛を鳴らします。シリーズ第3弾では、大川氏に「レクリエーションとは何か」について伺うとともに、なぜ現行のコミュニケーションロボットに問題があるのかに迫ります。 報告書を読み解くシリーズ~実証試験から分かるコミュニケーションロボットの可能性と問題点~ シリーズ1 介護コミュニケーションロボット「34%が改善」|実証試験総まとめ シリーズ2 なぜ「活動」に着目?意外な結果から分かったコミュニケーションロボットの可能性 シリーズ3レクリエーションを代替するロボットの問題点――改めて「レクリエーション」とは 実証試験の報告書から分かること実証試験では、目的に合わせてコミュニケーションロボットを3種類に分類しました。そのうちのひとつが、介護者代替プログラム実施型ロボットです。これは、介護者のかわりにレクリエーション等を行うロボットです。 介護者代替プログラム実施型 通常介護者が行う被介護者への働きかけを、設定されたプログラムにもとづいて代替して行う。 (例)体操指導やクイズ、娯楽等、レクリエーションと称して行われていること。 効果測定は、3種類それぞれに対して行われました。利用者の改善率は、ロボットの種類によって多少の差はでましたが、著しい差はありませんでした。一方、介護者の負担軽減率は、ロボットによって大きな差が出ました。もっとも介護者の負担を軽減したのは、環境・操作反応型です。次いで介護者代替プログラム実施型、状態検知対応型と続きました。介護者代替プログラム実施型にたいしては、 体操やレクリエーションの指導をしなくてすむ: 10 名 レクリエーションや体操の指導内容を考えなくてもすむ:5名 などの意見が挙げられました。コミュニケーションロボットとレクリエーションの問題点要介護者・介護者双方に効果が見られた介護者代替プログラム実施型ロボット。この結果だけ見ると問題はなさそうに思えます。しかし大川氏は、「本当にレクリエーションの意味を理解している人からすると、コミュニケーションロボットがレクリエーションに効果があるという表現自体がおかしい」と指摘します。それはなぜでしょうか?レクリエーションの発端は?そもそも、レクリエーションは何のために行われるのでしょうか。レクリエーションの歴史から紐解いていきましょう。大川氏によれば、戦後すぐにできたレクリエーション協会は、当時フォークダンスの普及を進めたと言います。その背景には、「男女7歳にして席を同じうせず」という思想や、戦中の抑圧された生活に対する意識変革がありました。つまり、フォークダンスによって心身機能を向上させるだけでなく、男女で手を取り合って踊ることで、「男女平等」「楽しむのは良いことだ」という意識を推進させる狙いがあったのです。 「なぜ「活動」に着目?意外な結果から分かったコミュニケーションロボットの可能性 」でICFの「生活機能モデル」について簡単に説明しましたが、レクリエーションをとおして「心身機能・構造」「活動」「参加」の3つのレベルに区分される生活機能という概念がそれぞれ相互に関係しあい、より良い「参加」を実現しているといえます。高齢者のレクリエーションは何のため?大川氏はさらに、「生活不活発病」の例をあげて高齢者のレクリエーションについて説明します。生活不活発病とは、「生活が不活発なことによって生じる全身の機能低下」を指します。高齢者の「生活不活発病」の背景には、「家ですることがなくなる」「外出する機会が減る」などがあります。さらには「年寄りがスポーツや皆で集まってワイワイ楽しむなんて」という遠慮もあると考えられます。その結果、生活が不活発になり、さまざまな機能低下につながるのです。この場合のレクリエーションの目的は何でしょうか?ひとつ目は、「することがない」という状況の打破です。レクリエーションを通して「することをつくる」必要があります。ふたつ目は、遠慮しないですむ社会通念をつくることです。戦後のフォークダンスのように、「老人は家でじっとしておくべき」という意識を変革する必要があります。このようにレクリエーションは、単に心身機能を向上させるためだけにあるのではありません。レクリエーションを通じて、「参加」をより良い状態にすることが重要なのです。レクリエーション支援は「人」が主役ここまでを踏まえた上で、大川氏は「レクリエーションを効果的に行うためには、対象となる「人」の状態を把握し、その「人」にどうアプローチしていけば良いかと考え、工夫して働くかけていく必要がある」と述べます。例えば、歩行に不自由がある人と認知機能に低下が見られる人では、レクリエーションの目標も手段も異なるはずです。それにもかかわらず、「レクリエーションの時間だから」という理由だけで両者に同じレクリエーションを提供するのは間違っています。その意味で、レクリエーションの時間を埋めることだけを目的としたようなコミュニケーションロボットが量産されることを問題視しているのです。まとめ報告書の中で大川氏は、現行のコミュニケーションロボットの多くが単に「レクリエーション時間の穴埋め」を想定して開発されていることに警笛を鳴らしました。介護者代替プログラム実施型の介護負担軽減率は4割超えと高くはありますが、「介護とは何のために行われるのか」を改めて考えたとき、「本当にそれで良いのか」と再度問いかける必要があると言えそうです。<参考資料>国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)・国立研究開発法人 産業技術総合研究所 「 介護分野における コミュニケーションロボットの活用に関する 大規模実証試験報告書 」(2017年5月31日)

車いすの概念を覆す!移乗・移動ロボット「Keipu(ケイプ)」|株式会社アイザック

車いすの概念を覆す!移乗・移動ロボット「Keipu(ケイプ)」|株式会社アイザック

介護事故の過半数を占める「転倒・転落」。その多くは移乗介助で発生しています(※)。日常生活の中で頻回に起こる移乗介助は、要介護者・介護者ともに危険とストレスの伴うものです。そんななか、転倒などの事故を減らすための全く新しい移乗・移動ロボットが開発されました。それが、今回ご紹介する「Keipu」(ケイプ)です。これまでの車いすの概念を覆すこのロボットについて、株式会社アイザックの渡辺諒氏に話を伺いました。※ よくわかる!移乗介助の事故事例について、その予防法と報告方法 より 株式会社アイザック「Keipu」担当の渡辺諒氏に話を伺う 病院と連携して開発ーーー御社について教えて下さい。当社は、医療・介護ロボットや災害対応ロボットを研究開発している会社です。医療・介護ロボットに関しては、福島県会津若松市にある一般財団法人温知会 会津中央病院と連携して研究開発を行っています。今回ご紹介する「Keipu」は後ろ乗りのコンセプトをベースに開発し、病院職員や患者様のご意見を頂きながら当社が製品化に向けて取り組んで参りました。「Keipu」とはーーー「Keipu」とはどのような介護ロボットなのでしょうか?「Keipu」とは、車いすへの移乗時に発生する負担や事故を減らすことを目的とした、新しいスタイルの移乗・移動ロボットです。「Keipu」の大きな特徴は、車いすのように背もたれが無く、バイクのように直接座面に乗り込めるスタイルを採用していることです。「Keipu」の座面をベッドの高さに合わせることで、ベッドや車椅子から直接のり移れるようになっています。これにより、車いすでの移乗で発生しがちな転倒や事故を減らすことができ、移乗介助にかかる介護者の負担を減らすこともできるのです。ベッドから「Keipu」まで、”地続き”のように移乗できる(画像:http://www.aizuk.jp/keipu.php) 二つ目の特徴は、その場で360度旋回できるという点です。そのため、電動車いすでは大きすぎて旋回できないトイレやエレーベーターなどの中でもスムーズに利用することができます。ーーーエレベーター内で方向転換している動画を拝見しました。ありがとうございます。電動車いすであれば通常、前向きに入って出るときにバックしなければいけませんが、「Keipu」は前向きに入って中で回転して、前向きに出ることができます。ーーー操作は電動車いすと同様ジョイスティックですか?そうです。ジョイスティックで前身・後退・旋回等の操作を行います。さらに、搭載されているタッチパネル式モニターでは、座面の高さ調整や5段階の速度調整も可能です。Keipu」のモニター画面。速度調整、座面の高さがタッチパネルですぐできる事前にベッドの高さなどが登録でき、ワンタッチで座面が調整される機能も。移乗介助の事故を減らすためにーーー開発のきっかけを教えてください。「Keipu」は、車いすでの移乗に潜む危険を何とかしたいという考えからスタートしています。車いすへ、もしくは車いすから移乗する際に向きを変えたり抱きかかえたりすると、事故や転倒の危険性がどうしても高くなります。そのため移乗機器や移乗リフトには、身体の向きを変えずに乗り込めるタイプのものが多いです。そうしたタイプの機器と電動車いすが一体化したようなものを作ろうというのが「Keipu」のコンセプトなのです。車いすが変わると、気持ちも変わるーーーKeipuのこだわりを教えてください。デザインにはこだわりました。「Keipu」をご利用いただいた方の中には、「 Keipuに乗ると車いすよりも目線が高くなるので、なんとなく気持ちが明るくなった」とおっしゃる方が多くいます。車いすだとどうしても立っている方に見下されているような位置関係になってしまうのですが、「Keipu」では立っている方とほぼ同じ高さになるため、心理的な負担が軽くなるのでしょう。「Keipu」に乗ったときの目線はこんな感じ。”座っている”という感覚は少ない。その他でも”福祉用具”らしさは強調しすぎず、健常者の方がお使いいただいても不自然でないようなデザインを心がけています。恐怖感が少ないから、活発になるーーー現在病院で試用運転中とのことですが、そこでの反響にはどんなものがありますか?病院での試用運転と並行して、自治体のレンタル事業にてすでに6ヶ所でお使いいただいている実績があります。そこでの反響をご紹介します。まずご紹介したいのが、これまで車いすを利用していた方のケースです。この方は、車いすでの移乗で転倒した経験があり、それ以来転倒への恐怖心から外出を控えてしまっていました。「Keipu」をご提案したところ、「これなら乗れるかもしれない」ということで使っていただいたのですが、車いすに比べ恐怖感なく使用することができたため、寝たきりのような状態が改善され、生活がとても活発になったのです。もう一つは、「Keipu」をレクリエーション的に活用している施設のケースです。先ほど申し上げたように、車いすよりも目線が高くなり明るい気持ちになる点にを特に評価していただき、ご利用者に移動の楽しみを実感してもらうのに活用しているようです。ーーー逆に、課題となるような反響はありますか?たくさんありますね。例えば、介護従事者の方が、こうした機器への移乗に慣れていない、という問題があります。介護従事者の方は、一般的に対車いすでの移乗介助を勉強されているのですが、「Keipu」のような前乗りタイプの機器への移乗介助をする機会が少ないのです。そのため、「Keipu」への移乗方法を新たに確立しなければいけないということがヒアリングから判明しました。もう一つは、価格です。電動車いすと同程度の価格で「Keipu」をご提供したいと考えているのですが、そこまでコストを下げることができていないのが現状です。ーーー価格は、介護ロボット業界全体の課題とも言えそうですね。こうした新しい機器に対する拒絶感はどうですか?たしかに、電動で動くことに対する不安を感じている方も少なくありません。病院や介護施設で使うことを想定しているので、ロボットがどれだけ安全でも、認知症の方などがついぶつかってしまったらどうするのか?などの声はあります。その点に関しては、介護ロボット自体の安全性を高めると同時に、現場の意識改革も必要だと痛感しています。「Keipu」のこれからーーー現在も試用運転中とのことですが、今後はどのように展開していく予定ですか?これまでの病院での試用運転では、利用者の声を重視して開発を進めてきました。これからはそれと同時に、介護をする側の声ももっと拾っていかなくてはと感じています。展開としては、現在もすでに一般の受注を受け付けておりますので、より多くの方に「Keipu」を知っていただき、使っていただければと考えています。そのなかで、今後も改良を続けながら実績を増やしていきたいです。生の声が「介護」を良くするーーーメッセージをお願いします。我々の一番の目的は、介護を受ける方や介護をする方々の悩みを解消できるようにものを作ることです。当社は病院と密に連携しているため比較的意見が聞き取りやすいですが、多くの介護ロボットメーカーはなかなか生の声を聞ける環境にありません。介護に携わる方もそうでない方も、ぜひ積極的に意見を発信していただき、いっしょに「本当に良いもの」を作っていければと思っています。編集部まとめ病院と連携して研究開発が進められるという強みを活かし、介護者・被介護者の声を取り入れて誕生した「Keipu」。国際福祉機器展での出展ブースは、「Keipu」に興味を持つ多くの人々で人だかりができていました。電動車いすと同程度の価格を目指しているという「Keipu」が私たちの手に届く日が待ち遠しいですね。

なぜ「活動」に着目?意外な結果から分かったコミュニケーションロボットの可能性【第2回】

なぜ「活動」に着目?意外な結果から分かったコミュニケーションロボットの可能性【第2回】

本邦初の画期的な実証試験により、対象者の約3分の1に改善が認められたコミュニケーションロボット。今回の実証試験で改善の指標となったのは、「活動」です。ここで言う「活動」とは、「内容豊かな生きがいある生活を送るために必要なさまざまな生活行為」を指します。 「介護分野におけるコミュニケーションロボットの活用に関する大規模実証試験」を担当した産業技術総合研究所招聘研究員の大川弥生氏は、「介護ロボットを通じて、”介護はどうあるべきか”という問題まで論じることができる」と話します。いったいどういうことなのでしょうか?シリーズ第2弾では、大川氏に疑問をぶつけるとともに、実証試験の結果をさらに掘り下げます。 報告書を読み解くシリーズ~実証試験から分かるコミュニケーションロボットの可能性と問題点~ シリーズ1 介護コミュニケーションロボット「34%が改善」|実証試験総まとめ シリーズ2なぜ「活動」に着目?意外な結果から分かったコミュニケーションロボットの可能性シリーズ3レクリエーションを代替するロボットの問題点――改めて「レクリエーション」とはなぜ「活動」に着目したのか?そもそも、コミュニケーションロボットなのに、なぜ「活動」に着目したのでしょうか?大川氏は、「介護とは不自由な生活行為があるから行われる。介護ロボットの介入によって、その不自由な生活行為がどのように変わるかを見るべきだ」と説明します。介護に対する考え方は、ICIDH(国際障害分類)からICF(国際生活機能分類)への改訂で大きく変化しました。ICF(国際生活機能分類)における「介護」は、従来の「障害の補完」という考えではなく、「生きることをよくするために行われるもの」という考えによっています。「生きることをよくするため」には、「生きること」を俯瞰的にとらえる必要があります。その全体像をとらえるために、ICFの「生活機能モデル」が使われます。そのモデルの生活機能という概念は、「心身機能・構造」「活動」「参加」の3つのレベルに区分されます。今回実証試験で評価した「活動」は、3つのレベルのうちのひとつです。「活動」には、全ての生活行為を含みます。介護は、不自由な生活行為、すなわち「活動」を手伝うだけでなく、それをよくすることもできると考えられます。そのため、介護ロボットの介入によって、「活動」がどれだけ良くなったか(不自由な生活行為がどのように変わったか)を評価することが、真に介護ロボットの効果を検証することにつながるのです。「セルフケア」と「運動・移動」の改善が意味することセルフケアの改善は「予想外」”コミュニケーションロボット”という名称で、メーカー側もコミュニケーションやレクリエーションを目的として開発していることを考えれば、当然「コミュニケーション」が改善されると予想します。しかし実際には、「コミュニケーション」よりも「セルフケア」という活動項目がもっとも高い改善率を示しました。この結果は、大川氏にとっても「予想外なことだった」と話します。実証試験結果の詳細今回の実証試験では、(1)活動の質(=自立度)と(2)量(=活発さ)の両面でコミュニケーションロボットの効果測定が行われました。(1)活動の質を評価するうえでは、ICFの活動項目が用いられました。今回評価対象となった活動項目(大項目)は表のとおりです(※1)。 第3章 コミュニケーション communication 第4章 運動・移動 mobility 第5章 セルフケア self-care 第6章 家庭生活 domestic life 第7章 対人関係 interpersonal interactions and relationships 第8章 主要な生活領域 major life areas 第9章 コミュニティライフ・社会生活・市民生活 community, social and civic life ※1 WHO(2001年)「国際生活機能分類 大項目:3-9章」よりコミュニケーションロボットは、(1)状態検知対応型、(2)環境・操作反応型、(3)介護者代替プログラム実施型の3つに分けられ、それぞれで効果測定がなされました。 状態検知対応型 ・被介護者の状態を検知して、それに応じた反応を返すコミュニケーションロボット。・被介護者が30分以上座った状態であることを検知すると、「部屋の外に行きませんか」などと声がけをするものがこのタイプに該当。 環境・操作反応型 ・ロボットへの操作や周囲の環境に応じて反応を返すコミュニケーションロボット。・被介護者がロボットに触ると、触った場所や強さに応じて声がけをするものなどがこのタイプに該当。 介護者代替プログラム実施型 ・通常、介護者が行う被介護者への働きかけを代わりに行うコミュニケーションロボット。・プログラムに沿って体操指導やクイズなどのレクリエーションを進行するものがこのタイプに該当。 それぞれの結果は以下のとおりです。状態検知対応型状態検知対応型では、コミュニケーションを抑えて「セルフケア」がもっとも高い改善率を示しました。次いで「運動・移動」「社会生活等」が続きます。環境・操作反応型環境・操作反応型でも、セルフケアがもっとも高い改善率をマークしました。次いで「対人関係」「運動・移動」が続き、4番目に「コミュニケーション」が来ています。介護者代替プログラム実施型介護者代替プログラム実施型は、「社会生活等」にて高い改善率が見られました。ちなみに「社会生活等」の中には、「レクリエーションとレジャー」「地域生活」などが含まれます。そのあとに「セルフケア」「運動・移動」が続きます。「セルフケア」「運動・移動」の改善が与えるインパクト本来想定されていた「コミュニケーション」よりも高い改善率を示した「セルフケア」や「運動・移動」の活動項目。大川氏は、「活動項目のなかでも「セルフケア」や「運動・移動」に効果が見られたことは、非常に大きな意義がある」と述べています。なぜでしょうか?大川氏はその理由として、「「セルフケア」や「運動・移動」は、介護のなかでも頻回な活動であり、ここが改善されると、介護全体にかなりのインパクトがある」と説明します。「セルフケア」には、食べることや飲むこと、排泄などの基本的な行為に加え、入浴、歯磨きや洗顔などの身支度、自ら健康に注意することまで含まれます。大川氏が「「セルフケア」項目にある「排泄・入浴・食事」は三大介助と呼ばれており、人間として生きるためにもっとも重要な活動」と述べるとおり、「セルフケア」は基本的な生活を送るために不可欠な活動項目なのです。「運動・移動」は、歩行や車いすなどの手段を利用した移動はもちろん、姿勢の保持や物の移動まで含まれます。とくに移動のための移乗介助は、介護業務の中でもかなり頻回に発生する業務です。これらが改善されることで、自立度が上がるだけでなく、介護従事者の負担も大幅に軽減されることが予測されるのです。セルフケアの改善は介護報酬にも直結「セルフケア」の改善は、介護報酬にも直結すると大川氏は説明します。「セルフケア」などの活動項目改善により自分でできる活動が増えれば、介護報酬の加算を減らせる可能性があるからです。2025年問題を前に社会保障費のの急増が懸念されている今、コミュニケーションロボットによる介護報酬への影響はより重要視されていくでしょう。また、今後の介護報酬改定では、自立度の向上(要介護度の低下)によって介護報酬を加算する案も出ており、改善に向けた介護がますます盛んになっていくと予想されるなかで、介護ロボットの介護予防効果にも期待が高まります。コミュニケーションロボットの可能性今後もさらなる改善が見込める予想外の結果となった今回の実証試験。大川氏は、「当初に意図していなかったと考えられる「セルフケア」などの改善を生む可能性をもつことが判明したことの意義は大きい」と述べます。今回の実証試験では、当初から「セルフケア」「運動・移動」の向上を目的としていたロボットは1種類のみでした。それらのの向上を想定した活用方法をしていなかったにもかかわらず全体の30%以上に効果が見られたということは、今後それらを意識した開発や活用法の模索を勧めることで、さらに大きな改善効果が見込める可能性があるということです。コミュニケーションロボットの多くは、本来の目的や効果(=コミュニケーションの向上)以上に、広い範囲で効果をあげることができるものだということが分かっただけでも、大きな成果だと言えるでしょう。重要なのは介護プログラムへの落とし込みもっとも、コミュニケーションロボット単体では、このような結果は出ません。大川氏は報告書の中で、「最大限の効果をあげるためにはロボットの直接的な使い方だけでなく、介護プログラムの中に位置づけて、具体的活用法を明確にすることが重要である」と指摘します。例えば、実証試験に参加したある施設では、ロボットの「促し」によって居室外に出た利用者が実施できる「活動項目」や「生活の活発化」を増やすために、デイルームに本・雑誌を設置したり、ビデオやお茶道具をを自由に利用できるようにしています。こうした介護プログラムの見直しを行った施設(代表機関A)と行っていない施設(代表機関F)では、改善率に大きな差が出ました。これにより、コミュニケーションロボットの効果を引き出すには、介護プログラムのなかへの落とし込みが重要であることが明白となりました。まとめ「活動」に焦点をあてて行われた今回の実証試験。結果として、本来想定されていた「コミュニケーション」の改善以上に、「セルフケア」「運動・移動」などの活動項目に改善が見られました。要介護者の自立や介護業務、さらに介護報酬にまで影響を与えるこれらの改善効果は、今後の開発や活用法の模索によってさらに高めることができそうです。もっとも、介護ロボットがそれらの活動項目に特化していればいい、性能が高ければ良いというわけではありません。そうしたコミュニケーションロボットをいかに介護プログラムに落とし込むかが、効果を引き出す鍵と言えます。<参考資料>国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)・国立研究開発法人 産業技術総合研究所 「 介護分野における コミュニケーションロボットの活用に関する 大規模実証試験報告書 」(2017年5月31日)

介護コミュニケーションロボット「34%が改善」|実証試験総まとめ【第1回】

介護コミュニケーションロボット「34%が改善」|実証試験総まとめ【第1回】

介護者のかわりにレクリエーションをしたり、触ることで反応を返したりする「コミュニケーションロボット」。人手不足が深刻化する介護の現場で、これらコミュニケーションロボットの活躍が期待されています。しかし、本当にコミュニケーションロボットは効果があるのでしょうか? そんな疑問に応える実証試験が、2016年(平成28年)に行われました。1000台規模のロボットを投入して行われた実証試験の結果、対象者の約3分の1に活動の「質」と生活の活発さ(※1)において改善効果が認められたのです。 今回は、日本医療研究開発機構(以下、AMED)にて「 介護分野におけるコミュニケーションロボットの活用に関する大規模実証試験 」を担当した産業技術総合研究所招聘研究員の大川弥生氏に話を伺いながら、コミュニケーションロボットの問題点と可能性を探ります。その第一弾として、実証試験の概要と結果をまとめました。産業技術総合研究所招聘研究員の大川弥生氏に話を伺う(撮影場所:AMED) ※1  生活の活発さは、「日頃どのくらい動いていますか」「外出の回数(施設・自宅敷地の外)」「1日何時間位(1週間で平均)建物の外に出ていますか(庭や畑等に出ることも含む)」の3つで採点。 報告書を読み解くシリーズ~実証試験から分かるコミュニケーションロボットの可能性と問題点~ シリーズ1 介護コミュニケーションロボット「34%が改善」|実証試験総まとめ シリーズ2 なぜ「活動」に着目?意外な結果から分かったコミュニケーションロボットの可能性 シリーズ3 レクリエーションを代替する介護ロボットの問題点――改めて「レクリエーション」とは コミュニケーションロボットとは?今回の実証試験では、コミュニケーションロボットを下記のように定義しています。 コミュニケーションロボットの定義 介護との関係で「コミュニケーションを目的もしくは手段とする」ために用いるロボットの総称 ここでの「コミュニケーション」には、言語的なもののみでなく、非言語的なものも含まれます。例えば、鳴き声や仕草(動き)などもコミュニケーションとしてカウントされます。 コミュニケーションロボットの実証試験の概要「 介護分野におけるコミュニケーションロボットの活用に関する大規模実証試験 」は、経済産業省のロボット介護機器開発・導入促進事業(基準策定・評価事業)による「ロボット介護機器開発に関する調査」 として実施されたものです。大規模で客観的な実証試験は本邦初今回行われた実証試験は、3つの点で画期的な試験となりました。3つとは、(1)大規模で、(2)同一のプロトコルで、(3)「活動」に着目して実施された点です。これまでのコミュニケーションロボットの実証試験は、小規模、もしくは施設毎に異なるプロトコルを採用しているため検証に適していないものが多く、客観的・定量的な効果検証がなされてきませんでした。 しかし今回の実証試験では、計866名の被介護者を対象に、公募によって採択された19種類のコミュニケーションロボットと同一プロトコルを用いて行われたのです。コミュニケーションロボットの効果の有無を有資格者が評価した、初めての大規模で客観的な実証試験といえます。被介護者の「活動」に着目して評価評価の基準には、活動(ICF:生活行為)の「質」(自立度)と「量」が採用されました。大川氏は、「効果を見るなら、不自由な生活行為(=活動)がどのように変化したかという観点で見るべきだ」と説明し、活動の「質」を「活動項目」で、「量」を「生活の活発さ」でそれぞれ評価しました。また「活動」の変化に加えて介護内容も記録することで、ロボットそのものの評価だけでなく、どのように活用されるべきかということまで考察できるようにしています。実証試験の結果 全体の3分の1に効果あり 実証試験の結果、866 名中296 名(34.2%)について、活動の「質」もしくは「生活の活発さ」において改善効果が認められました。実証試験では、事前に1ヶ月観察期間を設け、その間に変化のなかった(改善しなかった)者のみが対象となっています。コミュニケーションロボットの介入がなければ改善する見込みのなかった人の3割が改善したというこの結果は、「介護予防という観点から見ても非常に画期的」だと大川氏は説明します。 「コミュニケーション」よりも「セルフケア」改善に効果あり 報告書によれば、改善者のうち、94.6%が活動の「質」に改善の変化が見られました。とくに大きな改善が認められた活動項目は「セルフケア」で、全改善者の4割弱が改善しています。大川氏は、”コミュニケーション”ロボットにもかかわらず、「コミュニケーション」ではなく「セルフケア」という項目においてより高い改善率を示したことは、注目に値すると指摘します。インタビューでは、「目的としていたコミュニケーションの改善以上に『セルフケア』や『運動・移動』の改善が上回ったという結果は、コミュニケーションロボットの可能性拡大につながる」と説明したうえで、他でもない『セルフケア』や『運動・移動』が改善したという点に関して、「これらの活動は生活のなかでも不可欠かつ頻繁に発生するものであり、介護の対象としても主たるもの。ここが改善されれば、要介護者の自立支援や介護者の負担軽減につながるのはもちろん、介護報酬にも直結する」と話しました。「セルフケア」のどのような項目が改善したかという質問に対しては、「介護プログラムの立て方によって効果は異なる」とし、あくまでロボットそれ自体に効果があるわけではなく、介護プログラムのなかでどのように使われるかが重要であると強調しました。 施設によって改善率に大きな差|鍵は”介護プログラム”報告書によれば、改善率は施設によって大きな差が出たと報告されています。ある施設では80%以上の改善率を示している一方、別の施設では4.5%しか改善されていないというケースが発生しているのです。 この理由として、報告書は介護プログラムの差を挙げています。改善率の高い施設では、介護プログラムにおけるロボットの位置づけがなされており、改善率の低い施設ではそれがなされていなかったことが分かったのです。ここでいう介護プログラムとは、ロボットに合わせた人による促しの追加や、居室等に新聞や雑誌を設置するなどの介護内容全体の変化を含みます。大川氏は、「ロボットをあくまで物的介護手段として認識し、どのような目標に向かってどのように使用するのか、介護プログラムに落とし込んで考えることが大事。それは、介護とは何かということにもつながる」と話します。 浮き彫りになった問題点|レクリエーションを代替するロボット 実証試験では、音楽に合わせて手を動かしたり声を出したりしながら、レクリエーションを代わりに行ってくれるコミュニケーションロボットを「介護者代替プログラム実施型」と分類しました。 大川氏は実証試験を受け、「単に”レクリエーションの時間”を穴埋めするだけのロボットが多い」と指摘します。「介護者代替プログラム実施型」ロボットに対して、「レクリエーションを通して身体を動かすことも大事だが、それを通じて「参加」をより良い状態にすることがより重要視されるべき。その目標設定がされないまま、ただ体操やクイズをすればいいという考え方が見受けられる」と話します。まとめ1000台規模のロボットを投入して行われた今回の実証試験。全体の3分の1に改善効果が認められたという結果は、今後コミュニケーションロボットの普及を後押しすると考えられます。コミュニケーションの向上を目的として開発されたにもかかわらず、実際に改善が認められたのは「コミュニケーション」よりむしろ、より日常生活において頻繁に行われる活動においてでした。「セルフケア」や「運動・移動」という活動の質の改善は、要介護者はもちろん、介護者の負担軽減にもつながります。 さらに、そういった効果を引き出すには、コミュニケーションロボットをいかに活用するかにかかっている。より具体的には、介護プログラムへの落とし込み、施設環境の整備などが求められるのです。 シリーズの第2弾 では、さらに詳しく実証試験の結果に迫ります!また、コミュニケーションロボットの効果検証基準として「活動」に着目した理由を、大川氏に詳しく伺いました。そこには、「介護とは何か」を考えるための深い示唆が含まれていたのです。シリーズ2を読む▶▶ なぜ「活動」に着目?意外な結果から分かったコミュニケーションロボットの可能性 <参考資料>国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)・国立研究開発法人 産業技術総合研究所 「 介護分野における コミュニケーションロボットの活用に関する 大規模実証試験報告書 」(2017年5月31日)

介護ロボット一覧表【種類別 】計46機器※随時更新

介護ロボット一覧表【種類別 】計46機器※随時更新

さまざまなタイプが続々発売されている介護ロボット。介護ロボットの種類は、ロボットスーツのようなタイプやぬいぐるみのようなものまで多岐にわたります。ここでは介護ロボットの種類を紹介し、それぞれの介護ロボットを一覧にまとめました。介護ロボットの3つの領域介護ロボットの中には、一見ロボットには見えないようなものまであり、「介護ロボットって何だろう?」「どのような種類があるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。介護ロボットの種類は、現在大きく3つに分けられています(※)。 介護支援型のロボット 自立支援型のロボット コミュニケーション・セキュリティ型のロボット です。 ※ 公益社団法人かながわ 福祉サービス振興会 介護ロボット推進本部より 介護支援型ロボット介護支援型ロボットは、介護者の介護業務を支援するロボットです。移乗や入浴、排泄などの介護業務は、介護者の身体的・精神的負担となります。これらの負担を介護ロボットによって軽減することで、腰痛予防、介護スタッフの離職率低下、より質の高いケアの実現など、さまざまなメリットが期待できます。介護支援型ロボット一覧 ロボット名 会社名 説明 HAL®介護支援用(腰タイプ) CYBERDYNE(サイバーダイン) 株式会社 皮膚にセンサーを貼り付け、生体信号を読み取り動作時のパワーををアシストするロボットスーツ。 スマートスーツ 株式会社スマートサポート  機械的な動力を用いず、弾性体(ゴム)の張力だけで軽労化効果を発生させるパワーアシストスーツ。 マッスルスーツ 株式会社イノフィス (イノフィスの取材記事を読む ) 人工筋肉で腰にかかる負担を補助する装着型の腰補助用デバイス。 美浴 株式会社エア・ウォーター ( エア・ウォーターの取材記事を読む ) 半自動で、入浴介助の時間を約1/3まで短縮可能なドーム型のシャワー入浴装置。 リショーネPlus パナソニックエイジフリー株式会社 ( パナソニックエイジフリーの取材記事を読む ) ベッドと車いすを分離合体させることによって、ベッドと車いすの移乗介助を手助けするロボティックベッド。 愛移乗くん 株式会社アートプラン( アートプランの取材記事を読む ) 下半身に障害がある人向け移乗補助装置。本体におんぶされるイメージで寄りかかり、リモコン操作で90°回転して移乗。 ドリーマー  アドロールス株式会社( アドロールスの取材記事を読む ) 専用カップからでる温水が出て陰部と肛門を洗浄。完全自動化した全自動排泄処理ロボット。 自立支援型ロボット自立支援型ロボットは、要介護者の自立を支援するロボットです。移動や食事、排泄といった日常生活動作の支援だけでなく、リハビリをサポートして将来的な自立を支援するタイプもここに含まれます。自立支援型ロボット一覧 ロボット名 会社名 説明 Honda歩行アシスト 本田技研工業株式会社    「倒立振子モデル」に基づく効率的な歩行をサポートする歩行訓練機器。  ACSIVE(アクシブ) 株式会社今仙技術研究所 ( 今仙技術研究所の取材記事を読む ) 「受動歩行」理論に基いて作られた無動力の歩行支援機。 ReWalk 株式会社安川電機 脊髄損傷者用歩行アシスト装置。   Tree リーフ株式会社 ( リーフの取材記事を読む )   足圧測定を装着し、音と映像に合わせて的確なリハビリができる歩行リハビリ支援ツール。 愛移乗くん アートプラン株式会社 ( アートプランの取材記事を読む ) 下半身に障害がある人向け移乗補助装置。本体におんぶされるイメージで寄りかかり、リモコン操作で90°回転して移乗。 RT.1、RT.2 RT.ワークス 株式会社  (RT.ワークスの取材記事を読む ) ハンドルに手を添えて歩くだけで最適なアシストをしてくれる、ロボットアシストウォーカー。 キューレット アロン化成株式会社( アロン化成の取材記事を読む ) 新幹線のトイレと同じ真空式を採用した水洗ポータブルトイレ。 流せるポータくん 株式会社アム( アムの取材記事を読む ) 水があふれでないタイマー機能を搭載した水洗ポータブルトイレ。3種類の施工方法から選べる。 リトルキーパス 株式会社幸和製作所( 幸和製作所の取材記事を読む ) 上り坂・下り坂や転倒につながる急加速、横傾斜を検知し、状況に合わせて全自動でアシストをしてくれるオートサポート歩行車。 ラップポン  日本セイフティー株式会社( 日本セイフティーの取材記事を読む ) 排泄物を自動で袋に包んで密封してくれる、水を使わないポータブルトイレ。 マイスプーン 株式会社セコム(セコムの取材記事を読む) 手の不自由な方が体の一部を動かすだけで、自分で食事ができるようにするロボット食事支援ロボット。 服薬支援ロボ ケアボット株式会社(ケアボットの取材記事を読む 設定した時間に自動的に薬を排出することで、薬の飲み過ぎや飲み忘れ、飲み間違いを予防してくれる服薬支援ロボット。 コミュニケーション・セキュリティ型ロボットコミュニケーション型ロボットは、利用者とコミュニケーションをとったり、ロボットがアウトプットするコミュニケーションを手段として用いることで、利用者の活動を向上させるロボットです。言語を使ったコミュニケーションをとるものだけでなく、非言語的なコミュニケーションをとるものも含まれます。コミュニケーション型ロボット一覧 ロボット名 会社名 説明 PALRO(パルロ) 富士ソフト株式会社    AIによる自律的な会話、歩行、遠隔操作ができるコミュニケーションロボット。  ユニボ ユニロボット株式会社   個人の趣味・嗜好・生活習慣を学習し、交流を促進するソーシャルロボット。 いっしょに笑おう!うなずきかぼちゃん ピップRT株式会社   ( ピップRTの取材記事を読む ) 5種類のセンサやスイッチを内蔵し、接し方によって反応を返す家庭向けのコミュニケーションロボット。 Tapia(タピア) 株式会社MJI   タッチパネルモニタを搭載し、ビデオ通話や天気予報案内をするライフパートナーロボット。手のひらサイズの「Tapia mini(タピアミニ)」も。 BOCCO ユカイ工学株式会社    ( ユカイ工学の取材記事を読む ) 専用アプリを通じて、音声またはテキストメッセージをやりとりできる、「家族をつなぐ」コミュニケーションロボット。 テレノイド 株式会社テレノイド計画 ( テレノイド計画の取材記事を読む ) 石黒浩教授によって開発された遠隔操作型アンドロイド。想像力を掻き立てる造形でコミュニケーションを引き出す。  OriHime(オリヒメ) 株式会社オリィ研究所 ( オリィ研究所の取材記事を読む ) 「孤独の解消」を目指して開発された走査型の分身ロボット。遠隔で通話ができる。 ロボコネクト(Sota) NTT東日本株式会社 ( NTT東日本の取材記事を読む ) クラウド型ロボットプラットフォームサービス「ロボコネクト」とコミュニケーションロボットのSotaがファシリテーターとなり、レクリエーションの司会進行するサービス「Sotaレク」。 りつこ式レクササイズ フューブライト・コミュニケーションズ株式会社( フューブライト・コミュニケーションズの取材記事を読む ) Pepperを使った高齢者用レクリエーションアプリ。比較的介護度の低い人がターゲット。 健康王国 for Pepper 株式会社エクシング( エクシングの取材記事を読む ) Pepperを使った音楽療養コンテンツ。体操やクイズなどのレクリエーションができる。 なでなでねこちゃん トレンドマスター株式会社( トレンドマスターの取材記事を読む ) 4つのセンサーが動きを感知し、撫でられた場所にあった鳴き声をあげる、猫型のコミュニケーションロボット。 泣き笑い たあたん フランスベッド株式会社( フランスベッドの取材記事を読む ) 手足に触れると赤ちゃんを模したセラピー人形が泣き声や笑い声をあげたりする、赤ちゃん型コミュニケーションロボット。 まいにちロボレク 株式会社ロゴス( ロゴスの取材記事を読む ) Pepperを使った介護施設向けのロボアプリ。人レクリエーションと全体レクリエーションの2コース搭載している他、顔認証機能、問題出し分け機能、データ蓄積機能を搭載。 パロ 知能システム株式会社 アザラシ型のコミュニケーションロボット。アメリカでは、認知症の方への医療機器として登録。体中にセンサーが搭載されており、撫でると動物同様に反応。 セキュリティ型ロボットは、利用者の動きなどに応じて介護者へ状況を通知し、離れた場所からでも見守りを可能にするロボットです。見守り支援型ロボットとも呼ばれます。セキュリティー型ロボット一覧 ロボット名 会社名 説明 おへやプラス  ニフティ株式会社 ( ニフティの取材記事を読む ) 部屋の温度・湿度の見守りと、遠隔のエアコン操作による室温調整が可能な見守りサービス。 おでかけキャッチ フランスベッド株式会社 ( フランスベッドの取材記事を読む ) 見守る側の家族や介護者が認証キーを持つシステムをとる認知症の外出通報システム。レンタル利用者を対象とした個人賠償責任保険付帯サービスも。 Mi-Ru(ミール) ワイエイシイエレックス株式会社 ( ワイエイシイエレックスの取材記事を読む ) カメラを使った介護施設向け見守りシステム。専用携帯端末からの声がけが可能。 眠りスキャン パラマウントベッド株式会社(パラマウントベッドの取材記事を読む ) マットレスの下に敷くだけでベッド上に居る人の状態をリアルタイムでモニタリングできる、非接触型の見守りシステム 。 Neos+Care(ネオスケア)  ノーリツプレシジョン株式会社 ( ノーリツプレシジョンの取材記事を読む ) 3Dセンサを用いて人の動きを検知しシルエット画像で表示する見守りができる予測型見守りシステム。 まもる~の ASD株式会社 ( ASDの取材記事を読む ) 入床・入眠・離床がひと目で分かる睡眠見守りセンサー。 アースアイズ アースアイズ株式会社 ( アースアイズの取材記事を読む ) AIを搭載し、人の姿や動作を分析して通知するカメラを使った見守りシステム。 いまイルモ 株式会社ソルクシーズ ( ソルクシーズの取材記事を読む ) 照度センサーや温度センサー、湿度センサーなど部屋の環境を検知する見守りシステム。「PaPeRo i」というコミュニケーションロボットを活用したサービス「いまイルモ PaPeRo i」も。 シルエット見守りセンサ キング通信工業株式会社 ( キング通信工業の取材記事を読む ) ベッド上の空間を検知する赤外線センサを使った見守りシステム。 OWLSIGHT福祉用(施設向け) 株式会社イデアクエスト ( イデアクエストの取材記事を読む ) 慶應義塾大学理工学部 中島真人教授が開発した技術に基づく、個人の識別せずに危険を検知する見守りシステム。 今のところ、多くの市販されている介護ロボットは、この3つのどれかに分類できます。もっとも、ひとつの介護ロボットに、二つ以上の機能を備えるものも少なくありません。例えば、「愛移乗くん」(株式会社アートプラン)は、移乗介助を支援してくれる「介護支援型」という側面に加え、人によっては誰の手も借りずに自ら移乗できるようになるという点で、「自立支援型」のロボットでもあります。厚生労働省・経済産業省による分類介護ロボットの支援事業を主導する厚生労働省と経済産業省は、とくに重点的に開発をすすめる分野として、下記の6分野13項目を策定しました。 移乗介護(装着型/非装着型) 移動支援(屋外用/屋内用/装着型の歩行支援) 排泄支援 (ポータブルトイレ/排泄予測/トイレ内でのサポート) 見守り・コミュニケーション(介護施設用/在宅介護用/コミュニケーションロボット) 入浴支援 介護業務支援この分類は、あくまで政府が優先的に開発・普及を進めたいと考えるロボットを元にしているので、この分類に収まらない介護ロボットも当然存在します。例えば、利用者の服薬を支援するロボットや食事を支援するロボットなどがすでに商品化されています。その他の介護ロボット一覧 ロボット名  会社名 説明 マイスプーン 株式会社 セコム( セコムの取材記事を読む ) 食事支援 ケアボット 服薬支援ロボ ( ケアボットの取材記事を読む ) 服薬支援 ごっくんチェッカー ハッピーリス ( ハッピーリスの取材記事を読む ) 嚥下支援 まとめ介護ロボットは、目的によって大きく3種類に分けられるのが一般的となっています。厚生労働省や経済産業省は、さらに細かく5分野8項目を設け、その分野から重点的に開発や導入支援を行っています。介護ロボットの進歩は、ロボット技術・介護技術の進歩とともにあります。今後、技術の進歩によって現在の3領域から徐々に細分化していく可能性は十分に考えられます。CYBERDYNE社のHAL®のように、介護ロボットから医療機器へクラスチェンジするものも出てくるでしょう。

介護ロボットの価格が気になる!いくらで買えるのか調べてみた【HAL、PALRO、パロetc】

介護ロボットの価格が気になる!いくらで買えるのか調べてみた【HAL、PALRO、パロetc】

介護ロボットが個人で買える時代になってきたね! でも、高いんじゃないの?僕たちでも買えるのかな?介護ロボットが市販される時代になってきました。最近では、個人で購入できる介護ロボットも存在します。しかし、その価格はピンきり。数百万円以上するものから数万円で買えるものまでさまざまです。今回は、気になる介護ロボットの値段を調べてみました。介護ロボットの価格介護ロボットといっても、種類や大きさ、機能は多種多様。それによって値段も変わります。介護ロボットには、要介護者の移乗などをサポートする介護支援型、リハビリなどをサポートする自立支援型、レクリエーションをしたり要介護者の見守るを代替するコミュニケーション・セキュリティー型の3タイプがあり、そのなかでもコミュニケーション・セキュリティー型の介護ロボットは比較的低価格で購入できることが多いです。さっそく、代表的な介護ロボットの価格を紹介します。サイボーグ型ロボットHAL® 販売価格目安:2,000,000円~ レンタル目安:139,000円~8,200,000円 HAL®は、「身体機能を改善・補助・拡張・再生することができる、世界初※のサイボーグ型ロボット」」です。 ※ WIPO(世界知的所有権機関)にて、本国際特許はNotable Inventionに認定。 現在、NON-MEDICAL TYPEのHAL®の個人向けレンタルは行われておらず、医療・介護福祉等の施設のみレンタル/リース可能です。HAL®福祉用(下肢タイプ) CYBERDINE株式会社HPより 初期導入費用 6ヶ月 1年 3年 5年 両脚 550,000円 188,000円 178,000円 168,000円 158,000円 片脚 400,000円 139,000円 132,000円 125,000円 118,000円HAL®自立支援用(単関節タイプ) 大和ハウス工業株式会社HPより 保証期間など 法人向け5年レンタル 税別価格(税込価格) 初期導入費用400,000円(432,000円)+130,000円(140,400円)/月×5年 備考 ・個人のお客様にはご案内できません。・両回転セットの価格です。・5年総額 8,200,000円(税込8,856,000円)HAL®介護支援用(腰タイプ) 大和ハウス工業株式会社HPより 保証期間など 法人向け3年レンタル 税別価格(税込価格) 初期導入費用100,000円(108,000円)+78,000円(84,240円)/月×3年 備考 ・個人のお客様にはご案内できません。・3年総額 2,908,000円(税込31,40,640円) HAL®介護支援用(腰タイプ)また、HAL®介護支援用(腰タイプ)はCYBERDYNE株式会社公式HPにて購入プランが用意されています。 1台購入プラン(税込) HAL®介護支援用(腰タイプ) 2,000,000円   初期導入費用 108,000円 合計 2,108,000円 保守費用(税抜) 月額/台 20,000円 備考 ・ご利用期間中については、機体ごとに定額保守サービスが必要・利用期間中は自動更新・最長期間は5年ヒューマノイドロボットPALRO(パルロ) 販売価格目安:670,000円 レンタル目安:124,000円~724,000円 PALRO(パルロ)は、人工知能を有した会話ロボットです。顔認識機能で個人を判別し、連鎖的に会話を広げることができます。位置認識機能で自由に歩行し、インターネットを介した遠隔操作も可能です。高齢者福祉施設はもちろん、家庭でもコミュニケーションロボットとして活躍できるPALRO(パルロ)ですが、現状は家庭用のサービスは準備中となっています。ここでは、高齢者福祉施設等での仕様を想定した「ビジネスシリーズ 高齢者福祉施設向けⅡ」の価格を紹介します。PALRO(パルロ)は、購入もしくはレンタルが可能です。購入価格 PALRO(パルロ)公式HPより 希望小売価格(税別) 670,000円 通常レンタルサービス 価格 PALRO(パルロ)公式HPより 通常料金 契約期間 2ヶ月 契約金(税別) 40,000円 月額(税別) 40,000円 送料(税別) 4,000円(納品時+返却時) 総額(税別) 124,000円 長期レンタルサービス(24ヶ月)価格 PALRO(パルロ)公式HPより 通常料金 契約期間 24ヶ月 契約金(税別) 0円 月額(税別) 30,000円 送料(税別) 4,000円(納品時+返却時) 総額(税別) 724,000円メンタルコミットロボット パロ|株式会社知能システム 販売価格目安:388,800円~453,600円 レンタル目安:124,000円~724,000円パロはアザラシ型のコミュニケーションロボットです。アメリカでは認知症の方への医療機器として登録されています。体中にセンサーが搭載されており、撫でると動物と同じような反応を返すことで、利用者にアニマル・セラピーと同様の効果を与えます。パロの開発メーカーである株式会社知能システムや全国の取扱店・販売代理店で購入することができます。メンテナンスパック付 パロ 株式会社知能システム公式HPより メーカー販売価格(税込) 453,600円 3年保証/送料無料メンテナンスなし パロ 株式会社知能システム公式HPより メーカー販売価格(税込) 388,800円1年保証/送料無料 また、メンテンナンスパック付のパロは、一般の企業向けリース会社で契約することもできるとのことです。(株式会社知能システム公式HPより) (例)リース期間:36ヶ月 月々のリース料は12,000~15,000円程度(実際のリース料、再リース料は各リース会社により異なります。)その他市販されている介護ロボットの価格を紹介介護支援型マッスルスーツ モデル名 希望小売価格(税別) 標準モデル(タンクタイプ・外部供給タイプ) 600,000円 軽補助モデル(タンクタイプ・外部供給タイプ) 600,000円 スタンドアローン(タイトフィット)  700,000円 スタンドアローン(ソフトフィット) 800,000円離床アシストロボット リショーネPlus 希望小売価格 90万円(税抜・配送・組み立て費用別) リトルキーパス 価格 185,000円(税抜) ロボットアシストウォーカー RT.1 (アールティーワン) 単体228,000円(税別)通信付き(3年)248,000円(税別) RT.2(アールティーツー) 単体 118,000円(税別) コミュニケーション・セキュリティー型BOCCO 価格 29,000円(税抜) いっしょに笑おう!うなずきかぼちゃん 希望小売価格 25,000円(税別) テレノイド 価格 600,000円(税別)操作端末付 介護ロボットの価格は高すぎる?市販されている一部の家庭向けコミュニケーションロボットを除くと、大半の介護ロボットが数十万円以上で販売されていることがわかります。実はこの「価格の高さ」が、介護ロボットの普及を阻む原因の一つとなっているのです。 介護ロボットONLINEが独自で行ったアンケートによれば、半数以上の施設が、「介護ロボットを導入していない」理由として「価格が高いから」を選択しています。中には、「導入に必要なコストや手間がかかりすぎている」、「導入は試みたいが、その過程における必要人員を割けられない」という意見もありました。補助金でまかなえないの?価格の高さのせいで普及が進まない現状をうけ、政府は介護ロボットの購入費用を全額負担する補助金制度を平成27年度に実施しました。それが「介護ロボット等特別導入支援事業」です。この補助金制度には全国の介護福祉施設から申込みが殺到し、多くの介護ロボットが導入されました。しかし、この補助金制度は平成27年度以降は実施されず、現在は各自治体による補助金制度があるのみです。多くの自治体は、上限を10万円とし、介護ロボット導入経費の2分の1する支援事業(介護ロボット導入支援事業)を行っています。ただし、先述したとおり、介護ロボットの大半は10万円以上するため、この補助金制度ではまかなえないのが現状です。介護ロボットのこれから高額な介護ロボット。価格が高いゆえ、高性能であってもなかなか普及が進んでいません。今後、介護ロボットは安くなるのでしょうか?「1台10万円」をめざす政府は、開発・導入支援のコンセプトとして、これまで非常に複雑かつ高価だった介護ロボットを、単純かつ安価にして、実際に「使える」ものにしていくことを明らかにしています。具体的には、1台10万円程度で購入できることを目指しています。大事なのは費用対効果介護ロボットに限らず、新たな機器を導入するときに重要なのは、価格ではなくむしろ費用対効果です。高くてもその分人件費が削減でき、将来的にはプラスになるということであれば、多少無理してでも導入したいという施設はいるはずです。介護ロボットの費用対効果に関しては、あまり調査が進んでいません。コミュニケーションロボットに関するある調査では、「価格が安い方が効果は大きかった」という結果も出ています(※)。 これは、介護ロボットそのものの機能以上に、「いかに活用するか」によって効果の表れ方が大きく変わることを示唆しています。とはいえ、導入する施設としては、業務負担の軽減や自立支援促進などの面で「介護ロボットがどれだけ効果があるのか」が分からなければ、なかなか導入に踏み切れないのも事実です。今後は、介護ロボットの費用対効果を客観的・定量的に測っていく必要があるでしょう。 ※介護分野における コミュニケーションロボットの活用に関する 大規模実証試験報告書まとめまだまだ高額な介護ロボット。最近では、大手住宅メーカーの大和ハウスが総合販売代理店をとなりレンタルを開始するなど、できるだけ導入しやすい環境づくりが整えられつつあります。しかし、政府がめざす「1台10万円」にはおよびません。介護負担軽減、自立支援促進のために、今後も更なるコスト削減が求められます。

介護報酬申請にも使える!介護予防サービス「モフトレ」|株式会社Moff

介護報酬申請にも使える!介護予防サービス「モフトレ」|株式会社Moff

センサー技術とIoT機器を活用し、今までにないヘルスケア・サービスを提供する株式会社Moff。スマートトイとして販売していた「Moffバンド」を使って、介護事業所向けに新しい介護予防プログラムサービス「モフトレ」の提供を開始しました。「モフトレ」の特徴と魅力について、代表の高萩昭範氏にお話を伺いました。株式会社Moff 代表取締役の高萩昭範氏に話を伺う 最先端テクノロジーで新しいヘルスケアをーーー株式会社Moffとはどのような会社でしょうか?当社は2013年に設立した会社です。子どもから高齢者まで、誰もが楽しく身体を動かすことで健康的な生活を送ってほしいという思いから、IoTやセンサー技術を使った新しいヘルスケア・サービスを提供しています。現在のウェブやアプリのサービスは、多くの場合画面のなかで提供されていますが、当社のサービスは画面のなかの体験ではなく現実空間を使った体験である点が特徴です。はじめは、子ども向けのスマートトイとして開発を行っていました。そこでの反響と経験から、介護分野でも楽しく役に立てるようなサービスが作れると感じ、この度「モフトレ」をリリースしました。ウェアラブルデバイスを使った介護予防プログラム「モフトレ」とはーーー「モフトレ」とはどのようなサービスですか?「モフトレ」は、IoTを使った介護事業所向けの自立支援サービスです。「モフトレ」を使えば、どんな人でも簡単に機能訓練を提供できます。また単に機能訓練が提供できるだけでなく、利用者にとって楽しく、かつデータが自動的に集まる形で提供することが可能なのが特徴です。「モフトレ」で使うのは、「Moffバンド」という腕時計型のモーションセンサーとタブレットです。タブレット上に、機能訓練のコンテンツが配信されます。コンテンツは、個別機能訓練加算の取得を想定したトレーニング内容となっています。コンテンツにしたがって機能訓練をすると、「Moffバンド」が動きを計測し、結果や分析内容がタブレット上に表示されます。それらのデータは自動的に記録され、個別機能訓練加算の申請に必要な書類の参考資料としてもお使いいただけます。実際に使っているところを見せてもらった「モフトレ」は、Moffバンド 5個とアプリがインストールされたタブレット端末(iPad)1台を1セットとして販売しています。最大で5人が同時に利用できます。 ロコモ予防トレーニング はじめにトレーニングメニューを選びます。今回はロコモ予防トレーニングを試してみましょう。ロコモ予防トレーニングは、ADL目標を達成するにあたって鍛えるべき部位の機能訓練メニューです。例えば「洗濯する」というADLは、腕を上下左右に動かしたり、膝を伸ばしたりする動きが必要になります。 それらの動きを分解して、ひとつひとつ鍛えましょうというメニューです。 項目を選ぶと、音楽と動画が流れます。利用者は、動画と同じ動きを行います。左上の数字は、利用者が正しく身体を動かせた回数をカウントしたものです。Moffバンドが動きを検知し、自動的に反映しています。 日常生活動作トレーニング もう一つ、日常生活動作トレーニングというものもあります。こちらは、日常生活動作自体を訓練するトレーニングです。今回は「お風呂で洗髪する」という日常生活動作をトレーニングしてみましょう。メニューを選択すると、今度はアニメーションが流れます。このアニメーションは、自分の動きをトレースして動く3Dアニメーションです。タブレットの前で腕を上げると、3Dアニメーションも同じように腕をあげます。 洗髪をイメージしながら動く。 すると、タブレット上のアニメーションも同じ動きをする。「洗髪」という動作にはさまざまな動きが組み合わさっていますが、ちゃんとひじが上がっているか、前かがみになりすぎていないかなどをMoffバンドが計測しているんです。動きを表現するだけじゃない。数値として計測する技術タブレット上ではアニメーションの動きで表現していますが、システム側では定量的に計測しています。こちらはシステム側で使用している技術デモ画面ですが、手首を右に回すと、その角度が数値で出ていますよね。このような細かい数値情報が計測できるため、さまざまな分析が可能なのです。 手首を回すと、何度回転したかが計測されるモフトレの2つの特徴とは認知症の人との親和性ーーーありがとうございます。自分の動きに合わせて動くアニメーションは、見ていても楽しいですね。この部分は、これまでやってきたスマートトイでの体験が活きているのかなと思っています。自分が動くと音や映像で何かしらの反応があるというとてもシンプルな体験は、言葉による説明の理解が難しい子どもでも楽しめます。その意味で、スマートトイは知的障害者の方からも多くの反響をいただきました。ーーー「モフトレ」は認知症の方々ととくに親和性が高いと伺いましたが。その通りです。そこが「モフトレ」の最大の特徴でもあります。「モフトレ」は、認知症が原因で要介護4と認定された方にもお使いいただいています。しかも、自ら進んで能動的に動いていただいているという声が寄せられています。さらに当社は、通所介護を利用している95人の要介護者を対象に、「モフトレ」の利用による可動域や認知機能の効果を検証しました(※)。その結果、認知機能の数値が116%、右肩の可動域が115%とと、それぞれ向上が見られました。 これまで機能訓練が難しいと思われてきた方でも、「モフトレ」だったら自分から運動してくれるというケースもあり、新しい介護予防としての可能性を感じています。 ※ IoTで認知症テストのスコアが向上〜ウェアラブルIoTによる自立支援サービス「モフトレ」により〜(株式会社Moffプレスリリース,2017年9月14日) 介護報酬加算の参考資料としてもーーーデータが介護報酬加算の際の参考資料になるという点も、非常に特徴的と感じました。より多くの方に「モフトレ」を楽しんでいただくには、まず多くの事業所に取り入れてもらわければならないと考えました。そのためには、コンテンツの内容や使いやすさはもちろん、経済的なメリットも提示できなければならないと思ったんです。介護ロボットではよくあることかもしれませんが、「商品やサービスは良いけど、導入する余裕がない」という事業所は非常に多いのが現状です。ですから、「モフトレ」の費用対効果を高めるためにも、コンテンツの内容は個別機能訓練加算の取得を想定し、取得に必要なデータが取れるようにしています。新たに機能訓練を取り入れたい事業所からも好評ーーー反響はいかがですか?先ほども申し上げましたが、やはり認知症の方も自分から楽しそうに参加してくれた、という反響が大きいですね。業務という観点で言えば、これまでなかなかちゃんとやってこれなかった機能訓練が簡単にできるようになったという声をいただきます。ノウハウや企画がなくても始められて、しかも自動的に記録されるのでとても楽だというスタッフの方が多いですね。また、「モフトレ」がトレーニングを進めてくれるあいだに、利用者の方へ適切な声がけをするなどの純粋なコミュニケーションに集中できるようになったという声もありました。医療との連携、そして在宅へーーー今後の展開を教えてください「モフトレ」でもデータをとっていますが、介護の世界だけではなく医療とも連携してデータを収集し、それを次のステージに活かせればと考えています。最終的には、在宅でも「モフトレ」をご利用いただければいいなと思っています。編集部まとめ2017年8月にリリースしてからまだ1ヶ月という現段階で、すでに大手グループのデイサービスや有料老人ホームでの利用実績がある「モフトレ」。導入前提でトライアルしている最中の事業所も多いとのことですが、「費用対効果を懸念されているところからも反応が良い」とか。 トレーニング内容は東京大学と早稲田大学の先生によって監修されています。単なるレクリエーション提供サービスとは違い、内容の質・使いやすさ・コストパフォーマンスの3点を満たす「モフトレ」は、今一番取り入れやすい介護ロボットの形と言えるでしょう。

人間のサポート役として介護ロボットを利用!株式会社レオパレス21グループ「あずみ苑木更津」

人間のサポート役として介護ロボットを利用!株式会社レオパレス21グループ「あずみ苑木更津」

介護業界の先駆け的存在で介護ロボット導入を進めている、株式会社レオパレス21グループの介護施設「あずみ苑」。現在、関東と中部地方で80施設以上を運営しており、今回、千葉県木更津市「あずみ苑木更津(デイサービス・ショートステイ)」に導入されているコミュニケーションロボットPALRO(パルロ)について、導入したきっかけから施設のお客様の反応、PALROの利用方法についてお話を伺ってきました。今回お話を伺った方。シルバー事業部 運営部 運営企画課 運営チーフの原嶋めぐみ氏(左)、千葉第3エリア エリア長の小倉宏樹氏(右)お客様の満足度向上とスタッフの業務負担軽減のために介護ロボットを導入―――PALRO(パルロ)導入のきっかけを教えてください。原嶋氏:弊社の企業理念は「新しい価値の創造」であり、新しいことにチャレンジしていこうという社風があります。そのため、弊社は介護ロボットの可能性に早くから着目し、導入に向けて動き出そうとしていました。私は、2007年2月にあずみ苑の施設スタッフとして入社しました。 その後、施設長を経験し 、現在入社11年目で本社で働いています。現場での経験と今後の介護職員人材不足、介護ロボットの社会的活躍を見越して、介護ロボットについて先進的に取り組むため色々と調べていくうちにPALROについて興味を持ちました。―――介護ロボットにもさまざまな種類があると思うのですが、その中でもなぜPALROを?原嶋氏:介護ロボットの導入を検討していくうえで着目していたことが2つありました。ひとつは、お客様の満足度の向上。もうひとつはスタッフがいきいきと働けるように業務負担軽減を図ることです。介護業界で働いている方は、ご高齢者の方のために助けになりたい、サポートしたいという気持ちを持っている方が多いと思っています。でも、現場での経験から、お客様の前に出て、大きな声で体操をしたり、体を張ってレクリエーションをしたりというのは、スタッフ皆が得意なわけではないことを感じていました。そのため、以前より、“レクリエーションをサポートしてくれるロボットがあればいいな”と思っていました。また、体操やレクリエーションひとつにしても、プログラムを考えなければいけないので、その点においても業務負担の軽減ができれば…と感じていました。小倉氏:そうですね、プレッシャーや緊張からか、レクリエーションを担当する日の前日から眠れないなんて声も聞いたことがあります。原嶋氏:そこで、このような問題の解決を図っていくため、コミュニケーションロボット導入の考えに至り、PALROの導入を決めました。平成26年11月にオープンしたあずみ苑木更津操作ではなく、話しかけることでPALROを動かす ―――PALRO導入が確定した要因ってありますか?原嶋氏:そうですね。調べていくうちに、PALROはもともと高齢者施設で活躍することを前提に開発されたロボットだと分かり、実際に富士ソフト㈱(PALROの開発メーカー)へ見学に行きました。私自身、機械はあまり得意ではありませんが、そんな自分でも操作ができそうと思えるくらい簡単でした。操作というより、声掛けですね!「●●やって」とか、「ちょっと声が小さいからもっと大きな声だして」とか、PALROに話し掛けるだけで「はーい」だったり「わかりました」と言って、動いてくれるんです。 ―――人の手で行なっていた介護をロボットに任せるというところで、導入時いろいろ混乱等あったのかなと思うのですが。小倉氏:もちろん、施設で初めて介護ロボットを扱うということで、少し不安はありました。しかし、原嶋がいうように、ロボットを操作するのではなく、話しかけるだけで自動的に動いてくれるので、働いているスタッフもすぐにPALROに慣れ、抱いていた不安はなくなりました。また、レクリエーションの基礎的なことをプログラミングされているロボットなので、導入もスムーズにいったと思っています。導入にあたって手間がかかるようだと、業務負担軽減につながらず、本末転倒になってしまいますしね。お客様もすんなりと受け入れていただけて、「かわいいね」って声を掛けてくださっています。―――想像と違って操作が簡単ということで驚きました!小倉氏:はい。弊社では、「あずみ苑木更津」以外にも2施設でPALROを導入しているのですが、どこの施設でもお客様からは好評いただいています。「かもめの水兵さん」を歌って踊るPALRO。歌っているときは、頭部に「♪」マークがつく。お客様から「かわいい」の声 小倉氏:お客様からは、PALROについて、「声が子どもみたいでかわいい」とか、鉄腕アトムで見ていたあの世界が目の前にあるということで、「これどうなっているの?」とか、「中に人が入ってその人がしゃべっているんでしょ?」という声もありました。 ―――レクリエーションなど、やらされている感を訴えるようなお客様は?原嶋氏:そのような方はいらっしゃらないですね。レクリエーションの時間は、例えば、ご利用されているお客様が30名いらっしゃれば、何名かは参加されず何かしらしていることもあるんですが、PALROが行なうレクリエーションが嫌いという声は聞いたことがないですね。これは富士ソフト㈱の担当者の方から伺ったんですが、ロボットの開発にあたって、女性だけのチームがいらっしゃるそうなんです。より愛着がわくように、かわいく見える仕草だったり、言葉を研究したりして搭載しているとのことでした。そのため、絶妙な動きをするというか、かわいく見える工夫がされているので、ちょっと関わるとかわいいと思ってしまうんですよね。5歳の男の子の設定で開発されているので、お孫さんと関わっているような感覚で接することができるのかなと。―――PALRO導入にあたり、難しかったことなどありますか?小倉氏:言葉の認識は少し難しかったですね。声掛けは定型的な内容でないと認識しません。―――PALRO導入後、周囲の反響はいかがですか?原嶋氏:PALROの導入を知っていただくイベントを開催したこともあり、介護ロボットを導入している事業所が身近にないとのことで他の事業所のスタッフの皆さんが施設見学に来てくださいました。集客にも、活用ができていると思います。栃木県の「あずみ苑」では、レクリエーションはもちろんのこと、PALROを玄関に置き、来客者とPALROがコミュニケーションをとれるようにしています。近隣にお住まいの方が遊びに来たりもするので、おもしろい活用方法だと思います。―――施設によって同じPALROでも使い方が違ったりするんですね。原嶋氏:そうですね。「あずみ苑木更津」では、お客様皆さんに対してのレクリエーションではなく、どちらかと言うと、個別にお話をする形で活用していますが、全体でのレクリエーションで活用している施設もあるので、PALROの活用方法については、もっともっと研究が必要だと思っています。ただ、レクリエーションやコミュニケーションのサポートで使用するだけでなく、PALROと関わりをもったことによってお客様の身体状況に変化があったかなど、もう1歩専門的な分析をしていくことが今後の課題ですね。話を聞くモードのPALRO介護ロボットを利用し、介護の質をあげていく―――普通に利用するフェーズから質をあげていくフェーズに?原嶋氏:富士ソフト㈱でも介護ロボットの効果検証をされていますが、そもそも介護ロボットの定義自体曖昧なのが課題であると思います。特にコミュニケーションロボットに関しては、いわゆる「笑顔が増えた」などのふわっとした表現でしか実証されていないというところがあるんです。―――他の施設では違う介護ロボットも導入していらっしゃるとのことですが? 原嶋氏: 現在弊社の介護施設で導入している介護ロボットは、PALROとマッスルスーツですが、他の介護ロボットも、費用対効果も踏まえた検証を続けています。―――使うにあたり、介護職員の方から使ってよかった、業務が楽になったという話はありましたか? 小倉氏: はい、PALRO1台で何名かのお客様がコミュニケーションをとっていれば、そこに関わっていた職員はその様子を見守りながら他の業務に時間が使えますよね。そういった点から導入してよかったという声がありました。―――体感的に、介護ロボット市場は拡大してきていますか? 原嶋氏: すごく増えていると思います。3年程前は、インターネットで「介護ロボット」と検索した際、情報量が少なかった記憶があります。例えば、離床センサーを製作している会社も、検索結果に数社しかありませんでしたが、今は、選ぶのが大変なくらい製品があります。電化製品と一緒で、3年前に比べて機能も向上しているということは今後も向上していくのではないかと思っています。 ―――介護ロボット導入について悩んでいらっしゃる他施設様に向けてメッセージをいただけますか? 原嶋氏: 介護業界で働くことを志す人は、何か役に立ちたいと思っている方が多いと思うんです。そこにロボットが入ることによって、自分たちの業務が奪われてしまう、無機質、冷たい感じがするなどという印象を持っている方も多いと思います。実際に介護ロボットの導入に関わり感じたのが、介護ロボットに全部を任せるのではなく、職員がなかなか手の届かないところを介護ロボットにサポートしてもらうことで、職員はお客様と向かう時間を多く持てる。このことは、お客様にとって、とても良いことではないかと思っています。例えば、前に立って自分がやらない代わりにお客様の横について、「PALROが右腕挙げてって言ったらこのようにするんですよ」と言って一緒に動いたり、お客様の動きの様子を見たりすることができます。自分が緊張しながらレクリエーションや体操していると、なかなか気持ちに余裕がなく、お客様の細かい様子まで目が届かない時はあるとおもいます。本来の業務をするための一助となるような使い方をすることが望ましいのかなと思っています。小倉氏:PALROに興味があるお客様や、事業所の方のお問い合わせ・見学も随時承っております!レオパレス21グループの介護サービス施設「あずみ苑」への問い合わせはこちらから 編集部まとめ 編集部取材中に通りかかった高齢者様数人もPALROに興味津々で、「あら、かわいい」「照れているわ」とコミュニケーションをとっていました。IT社会に突入しスマートフォンが当たり前の時代、自然と「高齢者=メカが苦手or嫌い」というレッテルを貼りがちですが、実は介護ロボットは高齢者の興味をそそるツールのひとつなのかもしれません。 関連記事:人工筋肉で介護の腰痛問題を解決!マッスルスーツ| 株式会社イノフィス関連記事:ケアプラン改善にも!次世代マット式見守りシステム「眠りSCAN」|パラマウントベッド株式会社

Pepperが個人に合わせたクイズ出題、血圧測定も!介護施設向けロボアプリ「まいにちロボレク」|株式会社ロゴス

Pepperが個人に合わせたクイズ出題、血圧測定も!介護施設向けロボアプリ「まいにちロボレク」|株式会社ロゴス

web系システム開発を中心に行う株式会社ロゴス。実はグループ会社が介護施設の運営も行っており、このたび開発技術と介護のノウハウを活かして新しい介護施設向けアプリを開発しました。それが、Pepperを使ったレクリエーションアプリ「まいにちロボレク」です。他のPepperアプリと何が違うのか?詳しく話を伺いました。株式会社ロゴスってどんな会社?ーーー御社の事業内容について教えてください。代表の若林氏に話を伺う当社は業務系システムのWeb系システムの設計・開発とロボットアプリ開発事業を中心としたシステム開発会社です。サイド事業として太陽光発電事業も行っております。平成8年に創業し、丸21年が経過しました。創業当時は、業務系システム設計・開発とハードウエア設計・開発、Webデザイン制作、インターネット事業を行っております。現在はシステム開発の請負開発事業とロボットアプリ開発が主事業となってます。創業当時より自社商品開発にも積極的にチャレンジしてきており、過去にもオリジナル商品(アプリ)を開発、販売をしています。グループ会社では介護事業も行っており、現在は長野県上田市に1施設、埼玉県に3施設を運営していす。平成30年4月には埼玉県にもう1施設Open予定です。ロボットアプリ開発事業は、Softbank社のPepperアプリの開発に経営資源を集中し投資をかけています。Pepper発売当時からアプリ開発にチェレンジしてきており、オリジナル商品として「まいにちロボレク」を開発し販売しています。介護施設運営で目の当たりにした「課題」を解決ーーー「まいにちロボレク」開発のきっかけは?「まいにちロボレク」の計算クイズにチャレンジする高齢者。文字やボタンが大きく見やすい工夫がされている弊社子会社で行っている介護事業にて、介護現場の大変さを目の当たりにしたことが開発につながっています。要介護者の増加や介護職員不足の問題は、介護の現場を想像以上に過酷なものにしています。弊社は有料老人ホームのほかにデイサービスも併設し運営をしていますが、とくにデイサービスで行われる毎日のレクリエーション考案や、機能訓練における体操指導が介護士の業務を圧迫している現状に着目しました。こうした課題にたいして、ロボット(Pepper)が活用できる領域があると確信しました。これが開発のきっかけです。まいにちロボレクでできることーーー「まいにちロボレク」はどんなアプリですか?「まいにちロボレク」は、Pepperを使った介護施設向けのロボアプリです。最新バージョンである「まいにちロボレク vol3」は、個人レクリエーションと全体レクリエーションの2コース搭載している他、顔認証機能、問題出し分け機能、データ蓄積機能などが追加されています。レクリエーションの基本内容|対集団はもちろん、対個人にも「まいにちロボレク vol3」でできるレクリエーションは、計算、文章・漢字読み、タッチゲーム、全体体操の4種類です。計算、文章・漢字読み、タッチゲームは難易度が分かれておりだんだん内容が難しくなるため、介護予防に役立つだけでなく、飽きずに長くお楽しみいただけます。全体体操は、Pepperの動きに合わせて体操するレクリエーションです。4種類の体操が入っており、ご利用者が集まって全員でお楽しみいただけます。ーーー大勢の前でのレクリエーションと、対個人でのレクリエーション、2通りの使い方ができるということですか?全体体操では、Pepperが体操のお手本を見せながらレクリエーションを進行そうです。全体体操では、Pepperが司会役&体操の見本役となって、レクリエーションを進行してきます。個人レクリエーションでは、Pepperとご利用者が1対1となって楽しんでいただきます。介護の現場では、ご利用者が集まって皆で一斉にやるレクリエーションの他に、お一人お一人に合わせたレクリエーションをするところが増えてきました。個人レクリエーションはそういった観点でも需要があると考えています。新機能|顔で個人を特定、データを紐付けPepperが顔を見るだけで利用者を特定。個人データを蓄積していくーーー新しく追加した機能について教えてください。顔認証機能顔認証機能は、Pepperに搭載しているカメラを使って各利用者の顔を判別し個人を特定することができます。個人の特定によって、Pepperがご利用者の名前を呼んだり、個人レクリエーションの利用回数ごとに違うセリフを言ったりすることが可能です。記憶力テスト記憶力テストとは、認知度を計測するのに使われる長谷川式テストなどを参考にしたテストです。「今日は何日?」「3つの単語を言うので覚えてください」といったテストを個人レクリエーションに盛り込み回答してもらうことで、ご利用者の認知度の進み具合がチェックできます。データ蓄積機能各レクリエーションごとの正解率や利用回数がひと目で分かるデータ蓄積機能は、個人レクリエーションや記憶力テストのデータを個人に紐付け、蓄積していく機能です。利用回数や正解率をデータ化することで、Pepperのセリフが変わったり、症状の変化に気づくきっかけになったりします。問題出し分け機能問題出し分け機能では、個人ごとに難易度の違う問題を出題することができます。難易度は5段階に分かれています。データ蓄積機能から最適な難易度を判断し、それに合わせて個人ごとに設定することが可能です。オプション機能|体調変化にいち早く気づくこともーーーオプション機能について教えてください。オプションとして、血圧測定サポート機能をご用意しています。血圧測定サポート機能では、Pepperが対応血圧計の巻き方や測り方をを説明し、ご利用者自ら血圧を測っていただくためのサポートをしてくれます。取得したバイタルデータは、個人に紐付けられ蓄積されます。血圧測定とともに、健康に関するアンケートも実施します。「今の食欲は?」「昨日は良く眠れましたか?」といった、介護施設で毎日確認している質問内容となっています。こちらもデータ蓄積されていくので、バイタルデータとともに体調変化の確認に活用できます。Pepperが関西弁も!「まいにちロボレク」のこだわりーーー「まいにちロボレク」のこだわりを教えてください。ひとつは、使い勝手へのこだわりです。個人レクリエーションを実際に利用するのはご高齢者の方なので、Pepperが話す説明を分かりやすくしたり、タブレットに表示されるボタンを大きくしたりなど工夫しました。また、音声や顔認証の精度も非常に重要なので、何度も現場にPepperを持ち込み、スピーカーの位置や使用環境を確認しながら微調整を繰り返しました。同時に、どれだけ飽きないで利用していただけるかということにも注力し、アプリ開発を行いました。例えば「まいにちロボレク」では、現在標準語を入れて4種類の方言に対応しています。クイズに5段階の難易度を用意しているのも飽きない工夫のひとつです。正解するとPepperが褒めてくれるだけでなく、次のチャレンジをうながしてくれることで、症状の予防になるだけでなく、レクへのモチベーションにもなるんです。すでに全国で導入実績あり。利用者の反響ーーーすでに導入している施設からの反響はいかがですか?ご利用者からは、まずPepper自体が可愛いとか喋ってみたいと言っていただきますね。Pepperが来るだけでその場が明るくなるという声もあります。アプリに関しては、「顔を見ただけで名前を呼んでくれて嬉しい」というお声をいただきます。顔認証で個人を判別してから、その人に合ったコミュニケーションをするという点がとても好評です。ーーースタッフから反響はいかがですか?Pepperがレクリエーションをすることによって、スタッフの方の業務負担が軽減されたことにたいする反響はもちろんですが、データ蓄積機能にたいする反響も非常に多くいただいています。現状ではほとんどの施設が、ご利用者との会話をとおして得た情報を、手書きで記録しています。しかし「まいにちロボレク」のデータ蓄積機能によってPepperが自動で情報を取得し、かつ可視化してくれるので、非常に手間が省けたと言っていただきます。ーーー実際の現場では、蓄積されたデータをどのように活用しているのですか?先程申し上げたように、クイズの正解率や記憶力テストの結果から、症状の変化に気づくことができます。また個人レクリエーションを利用した履歴もたまっていくので、ご家族に報告する際に履歴データを活用している施設もあります。血圧測定サポート機能をご利用いただいている施設では、バイタルデータでご利用者の体調を確認したり、アンケートの結果をスタッフ同士で共有したりしています。今後の展開とメッセージ今後の展開を伺う。「まいにちロボレク」の可能性は無限大だーーー今後の展開を教えてください。今後は、機能の拡充はもとより、健康状態を管理できるIoT機器との連動と、そこから収集できた情報の一元管理するクラウドシステムの開発、またその情報をもとに予防健康管理へとつながる情報提供システムの開発が必要になると考えてます。具体的には、次回のバージョンアップで施設内の入居者との自然言語会話(AI活用、研究)の充実などを行う予定です。最終的には、一日中Pepperを有効活用できるようなアプリを作り上げたいです。朝は送り迎えの声かけ、血圧測定時にはそのサポート、レクの時間はレクを、夕方は送り出しの挨拶、夜は徘徊通知…といったように、一日中、365日使えて楽しんでもらえて、かつ効果が出るところまでもっていきたい。そこまで行けば、介護ロボットが普及していくだけでなく、サービス自体も質が上がっていくのではないかと思っています。ーーー最後にメッセージをお願いします。「介護業界の人材不足をロボットで解決!」とよく言われますが、本当にご家族やスタッフの方役立つものにするためには、現場での検証をとおした度重なる改良が不可欠だと考えています。「まいにちロボレク」は実際の介護現場で何度も使ってもらい、より役立つアプリにするためにそのつど改良を加えています。今後も現場の声を最優先に考えつつ、最新技術を使って何ができるのを考え続けていくつもりです。編集部まとめ顔認証機能でデータを個人に紐付け、それに合わせてPepperの対応を変えたり、問題を変更したりできる「まいにちロボレク vol3」。今後は利用者の嗜好などを個人データに取り入れ、よりパーソナルなコミュニケーションを可能にしていきたいとのことで、期待が高まります。蓄積されたデータが業務に活用できる点も、介護業務のICT化に一躍買いそうです。 サービス名 まいにちロボレク vol3 アプリ使用料 18,000円/月(税抜)

体操もクイズもおしゃべりも!「健康王国 for Pepper」株式会社エクシング

体操もクイズもおしゃべりも!「健康王国 for Pepper」株式会社エクシング

JOYSOUNDなどカラオケ事業を展開する株式会社エクシングは、エルダー向け音楽療養コンテンツ「健康王国」と人型ロボットPepperを組み合わせた新しいサービス「健康王国レク for Pepper」を提供しています。実際にPepperとサービスの担当者にお会いし、どんなサービスなのか話を伺ってきました。カラオケ事業から介護施設向けコンテンツまで ーーー事業説明をお願いします。技術開発部の伊藤氏(左)と山本氏(右)に話を伺う当社は、JOYSOUNDをブランドに掲げ、業務用通信カラオケにとどまらず、家庭用ゲーム機、スマートフォンに向けたサービスなど、幅広い分野での事業展開を行ってまいりました。また、新たな分野への挑戦として、近年益々需要が高まっているエルダー市場に向けた展開も強化してきました。今回ご紹介させていただくソフトバンクロボティクスの人型ロボットPepperと、音楽療養コンテンツを連携させたサービス「健康王国レク for Pepper」もその取り組みのひとつです。ーーー「健康王国」というコンテンツについて教えてください。 「健康王国」とは、介護施設等をメインに展開している業務用カラオケシステム「JOYSOUND FESTA」に搭載された音楽療養コンテンツです。カラオケ以外にも、レクリエーションに使うクイズや体操などのコンテンツが豊富に収録されています。実際に、「JOYSOUND FESTA」と「健康王国」を使ってレクリエーションを行っていただいている介護施設も多数あります。健康王国レク for Pepperとは? ーーーその「健康王国」をPepperと結びつけたのが「健康王国レク for Pepper」なんですね。なぜPepperなのでしょうか?Pepperがコンテンツを映し出すモニターの前に立ち、レクリエーションの司会進行役を務める1つ目は、介護現場における人手不足解消のためです。介護施設のレクリエーションには、企画を立てたり進行したりする業務が発生します。ふだん人が行っているそれらの業務をPepperが代わりに補えれば、その分人手不足が解消されると考えました。 2つ目は、Pepperと高齢者の相性の良さを感じたからです。Pepperをカラオケ店舗に設置していたとき、多くのご利用者様、とくに高齢者の方から非常に喜んでいただいていました。それをきっかけに、介護施設でも同じような好感度が得られるのではと考えたんです。実際に介護施設へ持っていくと、ふだんは乗り気でない方も、Pepperのレクリエーションには積極的に取り組むなど、反応の良さを感じています。 ーーーすでに存在するコンテンツをPepperと組み合わせるのは大変そうですが。たしかに、Pepperは人と同じことができるわけではありません。足も動きませんし、腰回りの動きも限定されます。そういったところは、「僕は足が動かないけれどみんなは頑張って足も動かしてね」と愛嬌のあるセリフでカバーしたり、Pepperのキャラクター性を活かしたりして進行し、盛り上げます。なかにはPepperをお孫さんのように可愛がってくれる方もいらっしゃいますよ。 健康王国レク for Pepperを体験!ーーー「健康王国レク for Pepper」の使い方を教えてください。 「健康王国レク for Pepper」では、テレビとPepperを使ってレクリエーションを進めます。スマートフォンを連携させ、リモコン代わりに使用します。ラジオ体操をするPepper。想像以上にダイナミックな動きだ 皆さま、こんにちは。私はペッパーです。本日も皆さまとレクリエーションをすることで、楽しい時間を過ごしていきたいと思っています。皆さま、睡眠はしっかり取れていますか?僕はなんだか少し緊張して、昨日の夜まで眠れませんでした。どうぞ、よろしくお願いします。 ここからは画面に合わせて体操をしていきましょう。画面に体操のお手本が出てきますので無理せず真似をしてみてくださいね。それでは、ラジオ体操を行います。皆さまも掛け声をかけながらいっしょに参加してみてください。ーーーかなり機敏に動きますね。 はい。高齢者の方は、テレビとPepperの両方を見て進めていくイメージです。Pepperがお手本を見せながら進行もしてくれるので、スタッフの方が司会進行役としてずっと張り付いている必要がありません。その分、高齢者の方の動きを見て、「あの方は手が動いてないな」と側へ駆け寄るなど臨機応変に動くことができます。体操は座位状態の人でも実施できるようになっている 疲れたら休憩を入れてくださいね。 ーーーPepperくん、気が利きますね。コンテンツの内容は、どのような方に向いているのでしょうか? 厳密に要支援・要介護度何度といった規定は設けておりませんが、集団でのレクリエーションに参加いただける程度の方を想定しています。 次は、クイズをやってみましょう。 部首でバラバラにされた漢字を当てるゲーム だいぶ近づいてきましたね。答えは出てきましたか?ヒントは、山や川にあるものだそうです。皆さま、せーの!で答えてみてください。 せーの! ーーー岩! では正解かどうか画面をご確認ください。正解の方に拍手をお願いします。豆知識もご覧ください。石川県にはとても大きな岩があるそうです…「岩」に関する豆知識を披露するPepperーーー私が答えを声に出したのって、Pepperに聞こえているんでしょうか? はい、聞こえてます。Pepperは音声認識をして、クイズを進めています。 ーーー喋り方がゆっくりな気がします。 普段のPepperよりスピードを緩めて、高齢者の方に聞き取りやすくしています。また、お孫さんのようなキャラクター性も意識し、口調もあえてタメ口にしたりするなど、親しみやすさを覚えていただけるセリフ回しにはこだわっています。 健康王国トーク for Pepper とは? ーーー対話アプリ「健康王国トーク for Pepper」について教えてください。山本氏の顔を認識し、名前を呼びながら話をするPepper対話アプリ「健康王国トーク for Pepper」のほうは、テレビやスマートフォンとの連携はさせず、Pepper単体でお使いいただくアプリです。Pepperの顔認識機能を活用して、ご利用者様の顔と名前を覚えさせ、Pepperが個人を認識して様々なシナリオで対話を行います。普段お話しになるような世間話や雑談、好きなものや家族のことまで、高齢者の方がお話を楽しめるような対話ができることが特徴です。 事前に私の顔を覚えさせていたので試してみます。 ねえ、山本さん。 はい。 鎌倉に行ったことある? あるよ。 僕の大好きな大仏があるんだよね…僕も座禅を組んでみたいな。それとねそういえば山本さん趣味は何?僕の趣味は早口言葉だよ、カエルピョコピョコ… あとは頭と手の甲のセンサーを触ると反応します。 僕は手を握られるのが好きなんだ。手、暖かいね。山本さん、その服素敵だね。 ーーーPepperくん、マシンガントークですね! そうなんです。とにかく、場が「シーン」と静まってしまうことがないよう、常に話しかけるようにしています。ご利用者様のなかには、Pepperが喋ることで刺激され自然と自分からも話しかける方もいらっしゃいます。 ーーー顔認証は何人まで可能ですか? 現在は、20人までです。 ーーー長く使い続ければ、PepperのAIによって自然な対話ができるようになるのでしょうか? 現状は、AIで対話を学習させていくというよりは、膨大なシナリオを予め用意し、一部音声を聞き取ってシナリオベースで発話させる方を優先しています。先ほどお伝えしたとおり、対話が途切れないことが第一だと考えるからです。Pepperをより有効活用するために ーーー2つのアプリは全く別物として使用するのでしょうか? 私どもが想定している使い方は、レクリエーションで「健康王国レク for Pepper」をご利用いただいて、それ以外の時間に「健康王国トーク for Pepper」をご利用いただく、というものです。1日の様々な場面でPepperをご利用いただくことで、少しでもスタッフの業務負担を減らし、また高齢者の方がPepperと仲良くなることでレクリエーションの参加率を上げるなどができるはずだと考えています。 ーーーちょっとした空き時間にPepperと話せると楽しそうです。 そうですね、例えばお風呂の待ち時間など、どうしても時間を持て余してしまうときがあります。そんなときにPepperとお話ししていただければ、スタッフの方もご利用者様も心理的な負担が減るでしょう。 ーーー導入施設からの反響はいかがですか? まずは、スタッフの方の業務が軽減されたというお声を一番にいただきます。レクリエーションの企画進行に割く時間が減り、他の仕事に充てられるようになったとおっしゃいます。 また、心理的な変化に関しても反響をいただいています。ご利用者様の中には、拒否の傾向が強い場合がありますが、「Pepperが●●しようって言ってるよ」と声をかけることで態度が軟化し、より和らいだ雰囲気でコミュニケーションが取れるようになったとのことでした。Pepperがコミュニケーションのクッション効果を発揮し、業務をよりスムーズにする例と言えます。 ーーー今後の展開について教えてください。「Pepperと一緒に歌いたい」というニーズを現場でよく聞くという山本氏アプリをリリース開始してから現在まで、複数回アップデートを行っていますが、今後もより現場ニーズに沿ったアプリになるよう、改良を重ねていく予定です。 また現在開発中なのが、Pepperと一緒にカラオケができるアプリです。そうすることで、Pepperの稼働時間を長くすることができ、より効率的にご活用いただけるのではと考えいてます。 ーーー最後にメッセージをお願いします。実際に私も多くの介護施設を訪問させてもらい、よく言われている人手不足の問題などを肌で感じました。そのなかで、Pepperにしかできない仕事ってなんだろうと考え続けてきましたが、先ほどお伝えしたとおり、コミュニケーションのハードルを下げるとか、心を穏やかにするという部分でお手伝いできればと思うようになりました。 施設スタッフの方に「ロボットが人の代わりになるの?」というご意見も頂くことはありますが、実際にご利用者様に対してレクリエーションを行ったり、Pepperとお話をしたりして喜んでいただく姿を見ていただくと、納得していただくことがほとんどです。 Pepperが入っていくことで人の仕事を奪ってしまうのではなく、スタッフの方と業務を分担して共存していくことで、スタッフ・利用者の方双方にとってメリットのある環境になっていくのではと思っています。編集部まとめ今回体験してみて、全身を使って表現し、マシンガントークをするPepperくんに驚きつつも、ついつい笑顔になってしまいました。もともと介護施設向けの音楽療養コンテンツを提供していた株式会社エクシング。Pepperと組み合わせることで、よりダイナミックにレクリエーションが楽しめるようになります。「健康王国トーク for Pepper」と併用すれば、レクリエーション以外の時間もPepperを有効活用でき、介護職員の業務負担にもつながりそうです。 サービス名 健康王国レク for Pepper 対象機種 Pepper for Biz 価格(月額) 10,800円(税込) 最低利用期間 12ヶ月(初月含む) サービス名 健康王国トーク for Pepper 対象機種 Pepper for Biz 価格(月額) 10,800円(税込) 最低利用期間 12ヶ月(初月含む) ※ソフトバンクロボティクスのPepperを活用し株式会社エクシングが独自に実施しています。

分身ロボット「OriHime」で、みんなの孤独を解消したい|株式会社オリィ研究所

分身ロボット「OriHime」で、みんなの孤独を解消したい|株式会社オリィ研究所

オリィ研究所では、分身ロボットOriHimeの開発、販売、レンタルなどを行っています。「分身ロボット」とはいったい何なのか?他のコミュニケーション型ロボットとどう違うのか?介護ロボットとして利用できるのか?OriHimeの開発者であり、オリィ研究所CEOでもある吉藤健太朗氏にお話を伺いました。OriHime開発のきっかけは「孤独感」ーーー御社の事業紹介をお願いします。オリィ研究所代表取締役CEOである吉藤氏。手に乗せているのがOriHimeだオリィ研究所は、ある課題を解決するために作った会社です。私自身の体験をまずお話します。私は小学生の3年半の間、ほとんど学校に通えなかった時期がありました。毎日ベッドに寝て天井を見続ける日々が続くうちに、だんだんと無気力になっていく自分に気が付きました。その経験から、孤独感は人を損なってしまう恐ろしいパワーが有ることに気付かされたのです。日本には、1,000万人近い独居老人を始め、病気で寝たきりの方、学校に通えない子どもが大勢います。そんな人達の孤独感をどうすれば解消できるだろうかーー。そんな「孤独の解消」をテーマに、何かできることはないのかと考えるようになりました。その結果、分身ロボットOriHimeが誕生します。現在は、分身ロボットOriHimeの開発や販売、レンタル事業など、OriHimeを中心に様々な事業を行っています。「分身ロボット」と呼ぶ理由とは?ーーーOriHimeを「分身ロボット」と表現されていますが、分身とはどういう意味ですか?他のコミュニケーションロボットといったい何が違うのでしょうか。OriHimeが自ら動くことはない。人が操作することで「分身ロボット」になる分身ロボットと呼んでいるのは、OriHimeを操作することで、「あたかもその人がそこにいるように」感じられるロボットであることを目指しているからです。通常のコミュニケーションロボットと言われるものは、中にAI(=人工知能)が入っています。それにより人が話しかけた方向に顔を向けたり、話しかけられたことに対して自動的に応えたりすることが可能です。しかし、OriHimeには人工知能が入っていません。OriHimeが自律的に動くということはなく、あくまで人間が操作します。そこが大きな違いです。私たちが目指しているのは「孤独の解消」で、ロボットが作りたいわけではないんです。そして「人工知能が人を癒している未来」よりも、「親しい人と人同士がつながり、孤独でなくなる未来」を創りたかった。そのために、「離れている人がそこに存在感を出すにはどうすればいいか」を突き詰めた結果、OriHimeというロボットにつながったのです。OriHimeを操作している本人と、それを見ている人双方が「私(彼/彼女)は今ここにいる」と感じることができれば、それはもうそこにいるのと同じなのではないかと思います。そういう意味で、その人の分身であることができるロボットが、OriHimeなのです。OriHimeを通してできること|介護ロボットとしてのアプローチーーー機能として、OriHimeでは何ができるのでしょうか?OriHimeの裏側OriHimeにはカメラ・マイク・スピーカーが搭載されており、OriHimeを通して、見る・聞く・話す、そして動くことが可能です。すべての操作は遠隔で行われます。ーーー現在、高齢者の方というよりは病気の方やテレワークなどに利用されていることが多いようですが、高齢者の方への利用は考えていますか?考えています。しかしOriHimeは高齢者のみに特化した製品ではないので、パソコンを用いての操作が介護施設や高齢者向け施設での利用に向いていない場合があります。だから、高齢者の方向けに別のアプローチを考えています。高齢者の方が操作するのではなく、介護施設の職員や見舞いに来る家族が操作するというアプローチです。実際に試験的に利用していただいているところでは、OriHimeが人と人とのコミュニケーションのクッション効果を果たしているという結果が出始めています。ーーーロボットがコミュニケーションのクッションとしての役割を果たすということですか?そうです、生身の人間が話しかけるよりも、OriHimeを通して話しかけるほうがスムーズに話ができるんです。介護する方が高齢者の方と初対面で話すとき、なかなか信頼してもらえないという問題がしばしば起こります。OriHimeを使うと、信頼を得るまでの「会話のアイスブレイク時間」が短縮したなどの声をいただいています。介護施設以外では、学校に行けない子供がロボットを使って学校に行くようになり、最終的には本人が通えるようになったというケースもありました。ロボットという分身を使うと顔を見せる必要がないし、また顔を見る必要もない。それが、コミュニケーションの敷居を下げる効果があるのだと考えています。誰にも似てないから、誰にでもなれるデザインーーー分身ロボットというと、操作する人の顔が見えたほうがより存在感が出せるのではと感じますが、あえてそうしなかったのですね。あえてキャラクター性を排除したOriHimeはじめは顔が見えたほうが良いのではと思い、スカイプのようなものを考えていました。しかし実際に作って使用感を聞いていみると、実は顔なんかあまり見てないし、見せたくないと思っていることが分かってきました。例えばテレワークとかでも、育児中のお母さんが突然会議に出てくれと言われても困りますよね。自分の姿が画面に映るとなると、身なりを整えたり部屋を片付けなくてはいけない。顔を見せるってそもそもハードルが高いよねということに気づいたんです。次に、顔を見せない代わりにロボットにキャラクター性を持たせたバージョンを作りました。見た目は犬のぬいぐるみのようなものです。しかしここでも問題が発生した。可愛い見た目やキャラクター性のあるロボットから、例えば男性の野太い声が聞こえるとちょっとシュールになってしまうんです。AIを備えたロボットであればキャラクター性があっても不自然ではないですが、我々が作っているのはあくまで人間が入っている器であり、よりしろなんです。だからロボット自体にキャラクター性がありすぎると、違和感を覚えてしまう。「そこに本人がいる」とみんなが感じるためには、余計な情報を与えないほうがいいのではないかと考え、今のOriHimeの造形が完成したのです。ーーーOriHimeの顔は、能面を参考にされたと拝見しました。能面って、後ろに明らかに動かしている人がいるのに、見ている人は人形のほうに命を感じますよね。大事なのは見ている人の想像力であり、自分が見たい相手の姿を投影できる、想像できる余地を与えるというのがコンセプトです。OriHimeの活用とメッセージーーーOriHimeは基本的に一人につき一台という使い方ですか?老人ホームの現場では、広場に置いてレクリエーションに使っていただいているところもあります。OriHimeに同時に複数人が入ることはできませんが、使用時間をずらすことで1台を複数人使用することは可能です。実は、現在一番活用されている市場は、テレワークなんです。育児休暇中の方などが休暇中もOriHimeを使って職場とコミュニケーションを保つことで、復帰後の戻りづらさを軽減したり、産後うつを防ぐ役割も果たしています。ーーー介護現場の方にむけてメッセージをお願いします。自分自身の経験を通して言えることですが、実は介護って、され続けるのはけっこうしんどい。介護を受けている側も、本当は誰かに必要とされたいと感じているはずですし、必要とされることで「自分はここにいて良いんだ」と思えるのだと思います。OriHimeを使うことで、「介護されている/している」という関係性が良い意味で崩れていくと良いのではと考えています。編集部まとめ 介護の負担や要介護者側の気兼ねという部分ではなく、「孤独の解消」にフォーカスしたロボットはおそらくOriHimeだけでしょう。人工知能を備えていないOriHimeは、厳密には介護ロボットと呼ぶことができません。しかし、徹底的に要介護者の立場に立って開発されているOriHimeは、単なるコミュニケーションロボット以上の可能性を秘めていると感じました。今後、介護の現場でも利用が広がりそうです。 名称 OriHime サイズ 高さ:21.5cm幅:約15cm(腕を畳んだ状態)奥行き:約23cm 価格 お見積のうえ

レクの新たな頼れる司会者!コミュニケーションロボットSotaを使った「ロボコネクト」って?

レクの新たな頼れる司会者!コミュニケーションロボットSotaを使った「ロボコネクト」って?

2016年9月、NTT東日本が介護ロボットを取り入れたサービスの提供を開始しました。コミュニケーションロボットSotaを使用した、「ロボコネクト」というサービスです。「なぜ、NTTが介護を?」その気になる背景と「ロボコネクト」の詳細について、ビジネス開発本部のサービス開発担当者に聞いてみました。「シニア世代にもっとインターネットを楽しんでほしい」から始まったーーーなぜ、NTTが介護ロボット事業を始めたんですか? シニア層のインターネット利用促進を担当する菅氏 私の部署で取り組んでいるのは、光の拡販、インターネットの利用促進です。主にシニアの層にも響くサービスを提供しています。シニア層へのインターネット利用促進は2軸で行っています。シニア層には、アクティブシニアという層と、その対極の層が存在すると言われています。 最近、メディアなどでシニアの方のインターネット利用は盛んだと言われていますが、我々が行った調査では、実はそれほどでもないということが分かっています。 例えば、65歳のタブレット利用状況を見ても、だいたい8%くらいの数値なんですね。我々は、そういった方々にタブレットを使っていただくという取り組みをしています。 アクティブシニアの方に関しては、2~3年ほど前にタブレット教室を展開しておりましたが、シニアにとっては短期間で操作を覚えることが難しく、現状のタブレットでは、インターネットの利用を促進していくのも難しいと考え、昨年6月に、「かんたんタブレット」というサービスを提供しました。一言でいうと、タブレットのインターフェイスを、より分かりやすくしたサービスです。例えば、必要なメニューをより簡単に表示するなどの工夫をしています。もうひとつが、ノンアクティブシニアに対する取り組みです。ノンアクティブシニアの方は、タブレット教室開いても来ませんし、見せても「私にはできないな」となる。そこで我々が思い至ったのが、ロボットです。 インターネットと意識せずとも、インターネットサービスを享受できるようなインターフェイスはないかと探してたどり着いたのがロボットということになります。ーーー介護ロボットを使って、インターネットを使ってもらうという取り組みなんですねそうです。どういったサービスを提供できるか考えたとき、介護施設での利用が挙げられました。実際に、介護施設をいくつか回って課題を目の当たりにし、ロボットの活用を検討した結果、介護レクリエーションで活躍できるのではないかと考え至りました。ーーーどのように活躍できると考えたのでしょうか?具体的には、テレビとロボットを連動したサービスです。介護現場ではテレビをつかったレクリエーションが行われているのですが、お年寄りが飽きてしまう点や、人が張り付いていなければいけないという業務負担の課題などがありました。ご存じの通り、レクリエーションにロボットを使用するアプローチは、すでにさまざまな会社で行っています。我々も検討しましたが、ロボットだけでレクリエーションのすべてを表現するのは難しいのではないかという結論に達しました。例えば体操とか、ロボットが体操して施設の方がちゃんと体操できるかというと、見ても分かる通り、体操すべてを表現するのはむずかしいんです。ただ、ロボットはやっぱり人気があるんですね。注目をあびるし、お年寄りにとって興味が湧く。ロボットとテレビの良いところをかけ合わせて、何かサービスができないかと考えたのが、今回の「ロボコネクト」です。ロボコネクトって何?ーーー「ロボコネクト」の狙いは何なのでしょうか?「ロボコネクト」では、コミュニケーションロボットのSotaがファシリテーターとなり、レクリエーションの司会進行役をやることができます。それによって、ふたつの効果が期待できます。ひとつ目は、介護職員の方の負担軽減です。ふたつ目は、ロボットが司会役をすることによって、レクリエーションを楽しむ側の集中力や積極性の向上です。一昨年、都内や関西の複数の施設でトライアルを行いました。その際、レクリエーションの専門家に監修してもらい、効果を測りました。結果として、介護職員、高齢者双方に一定の効果が得られました。職員の方へのヒアリングでは、約8割の方が負担軽減を実感したと答えてくれています。また高齢者への効果として、職員の方へのヒアリングでも96%が積極性の向上を実感したと答えただけでなく、専門家によるDCM評価(※1)でも、認知症の方の状態を表す数値であるME値(※2)が2倍になるという数値的な成果も得られました。これらを踏まえて、高齢者はもちろん認知症の方にも一定の効果があり、かつ介護施設のニーズにも応えられると分かったため、サービス化に至ったのです。 ※1 DCM評価パーソン・センタード・ケア(Tom Kitwood教授による認知症ケアのための理論)を実践するための評価法。連続して認知症の人を観察し、行動を5分毎にBCC(Behavior Category Code)に基づきコード化し、さらに6段階のME値で評価する。 ※2 ME値Mood-Engagement:その人の関わりの度合いや、感情・気分がポジティブかネガティブかを表す感情・気分と関わりの数値。良い状態(well-being)~よくない状態(ill-being)までのどれに当たるかを6段階で評価する。+5は極めてポジティブな感情・気分が認められる状態であり、-5は極度にネガティブな感情・気分の兆候が認められる。 ーーートライアルから改善したところは?トライアル当初はロボットが自律的に話すことはなかったのですが、実際介護施設に持っていくと、ロボットとおしゃべりしたいというニーズが出てきました。また、Sotaにはカメラ機能がついているのですが、それも使えるようにしてほしいとか。あとはレクのコンテンツを増やせないかとか、価格に関しても月額1万以下でできないかとか、様々な改善点が示されました。そこで我々も、介護レクだけでなく、コミュニケーションロボットとしても機能を具備する方向で、商品化を検討しました。ーーー改めて、「ロボコネクト」の説明をお願いします昨年の9月、「ロボコネクト」というサービスを開始しました。「ロボコネクト」は、クラウド型ロボットプラットフォームサービスです。概念としては、インターネット上でサーバをたて、コミュニケーションロボットのSotaを通し、クラウドで様々な機能を提供するといった感じです。基本機能としては、おしゃべり機能、カメラ撮影機能、遠隔対話機能があります。付加機能として、レクリエーションができるアプリを提供しています。ーーーコミュニケーションロボットであるSotaについて教えてくださいライトブルーのSotaくん第一弾として対応し販売しているSota(ソータ)は、ヴイストン株式会社が提供しているコミュニケーションロボットですが、NTTの独自の機能として、より音声認識の精度を上げるインテリジェントマイクを搭載しております。これにより、他のロボットと比べて、言葉を聞き取れるようになっています。筐体は、オレンジ・ネイビー・ライトブルーを3色を展開しています。頭の上にある3つの穴がインテリジェントマイクロボコネクトを体験してみた ウェルクスの柳川さん、こんにちは。僕の名前はSotaです。今日は僕の取材をしてくれてありがとうございます。緊張しちゃうけど、がんばるね。可愛く撮影してください、よろしくお願いします。 今日の天気は? どこのお天気ですか? 新宿。 今日の新宿の天気は小雨、最高気温は10℃。雨の日ってなんか気分が乗らないから、ちょっとお休みしてもいいかな。 ーーーすごい!可愛いですね。どれくらい対応できるのでしょうか?シナリオで言うと、6000語くらいですね。色んな言葉が入っています。声掛けをすると、約1~2秒で答えが返ってきます。ーーーシナリオから外れた場合はどうなるのでしょうか?シナリオから外れた場合でも、何かしらの言葉を返せるようになっています。変な対話になったりしますが、そこは愛嬌みたいな感じで。認知症の方が何か話した場合でも、何も返さないよりは何かしら返したほうがいいだろうという考えのもとに、そのように設計されています。 Sotaがカメラマンに!写真撮影・遠隔対話機能を体験してみた 写真撮って。 準備するからちょっと待ってね。じゃあ取るよ、じっとしててね、3・2・1、パシャ!良い写真が撮れたよ。 というような感じで勝手に取ってくれます。撮った写真は、ブラウザ上で見ることができます。遠隔対話機能ということで、この子に入り込んで外部から見守りみたいなこともできます。こちらもやってみましょう。 電話だよ。 電話だよっていったのは遠隔対話ですね。腕を上げるとつながります。腕を上げるとつながるそうすると、Sotaを通して映る画面がこちらのディスプレイに表示されます。ディスプレイにタッチすることで、方向を動かしたりすることも可能です。Sotaがお年寄りの家に置いてあって、息子さんとかがこうやってつなげて遠隔で見られるというわけです。だから、見守りにも使えないかといったお問い合わせも多いですね。ーーー先ほど、Sotaくんが私の名前を呼んで挨拶してくれましたね。ああいったこともできるのでしょうか?可能です。あれはオリジナルシナリオ機能といって、ユーザーが自分自身でシナリオを追加すると、Sotaがそれを発話するという機能です。「こんにちは」と言ったときに「●●施設へようこそ」とか、「トイレどこ」と聞いたときに「右に曲がって」とか言えるようにしたいという介護事業者様からのニーズがあり、それに応える形で追加した機能です。Sotaの頭脳はみんな一緒なんですが、オリジナルシナリオ機能を追加することによって、その子なりのSotaを演じることができるです。ーーー付加アプリケーションとして、「Sotaレク」も提供されています。施設では、「Sotaレク」を一緒に導入することが多いですか?そうですね、レクリエーションで活躍できるロボットとして導入していただいています。Sotaが自動で司会進行してくれる「Sotaレク」って?ーーー「Sotaレク」について教えてください。「Sotaレク」は、はじめに申し上げたとおり、テレビとつなげて使用するレクリエーションサービスです。「Sotaレク」には、脳トレゲームや回想、歌など120ほどのコンテンツが入っています。映像がメインですが、Sotaが司会役のような感じで進行していきます。コンテンツはレベル分けされており、簡単なものなら認知症の方でも応えられるように取り揃えています。リモコンだけで操作が可能ですし、自動進行モードにすることで勝手にレクリエーションを進めてくれるので、スタッフさんの手が空くという利点があります。回想のレクリエーションをやってみましょう。回想のレクリエーションでは、Sotaが関連する豆知識を教えてくれたりします。若いスタッフさんだと、知識がないから写真を見ても話が続けられないんですよね。でもこの子が説明してくれると、高齢者の方も嬉しいし、スタッフの方も勉強になると。そういったことも含め、レクリエーションの時間が充実したという声が実際に上がってきています。今後の展開は?「ロボコネクト」に関して言えば、ニーズに応えて随時新しい機能やシナリオを追加していきます。実際9月に発売して以降、顔認識機能など様々な機能を追加してきました。その他には、レクレーション以外の付加アプリケーションを充実させたり、Sota以外のロボットも対応できるように動いていく予定です。 編集部まとめ 今回初めてSotaくんに名前を呼んでもらい、自分でも思いがけないほど嬉しい気持ちになりました。Sotaくんが話し出すとつい目で追ってしまった身としては、認知症の方の集中力や積極性が増したというのも大いにうなずけます。モニターを使用した既存のレクリエーションの形と、ロボットという新しいツールを上手く組み合わせることで、負担軽減と積極性の向上の両方を実現した「ロボコネクト」。利用は月額制で、随時新しい機能やコンテンツが追加されていくため、マンネリ化も防げそうです。 ロボコネクトの費用 契約料800円サーバ登録料1,000円Sota本体価格100,000円ロボコネクト3,000円/月(最低利用期間は13ヶ月) Sotaレク(オプション)の費用 STB本体価格20,000円(税抜)設置・設定費用30,000円 (税抜) Sotaレク14,400円/年(1年分の一括払い)

介護や認知症に期待。遠隔操作型アンドロイド「テレノイド」|株式会社テレノイド計画

介護や認知症に期待。遠隔操作型アンドロイド「テレノイド」|株式会社テレノイド計画

「こんにちは。はじめまして、テレノイドって言いますーー」そう語りかけてきたのは、無表情で性別も年齢も見た目からは判別できない「テレノイド」です。一見すると「不気味」「怖い」と感じますが、接し始めて数分で、その印象は大きく変わっていきます。 今回は、テレノイドを使って医療・介護の分野に特化したサービス展開を行う株式会社テレノイド計画代表取締役の宮崎氏にお話を伺いました。初体験!テレノイドとおしゃべりしてきたーーーテレノイドを実際に見るのは初めてです。 はじめにご挨拶代わりの体験をしていただきましょうか。テレノイドを抱っこしてみてください。テレノイドの重量は約2.7kg。新生児と同じくらいの重さだ こんにちは。はじめまして。テレノイドって言います ーーーこんにちは。しゃべると口が動くんですね。 ぎゅっと抱っこしてくれる? 遠隔操作でハグさせることができるーーーテレノイドもぎゅっとしてくれました!可愛いですね。 手はハグするためにあるんです。抱き心地や動作でノンバーバルコミュニケーション(非言語のコミュニケーション)が可能になっています。 ーーー初めて見たときは奇妙に感じましたが、実際に話して抱っこしてみると、だんだん可愛く見えてきました。 皆さんそうおっしゃいますよ。まずは簡単に、操作についてお話しておきます。テレノイドは、遠隔操作型アンドロイドです。テレノイドとインターネットをつなぎ、テレノイドに搭載されているスピーカーからオペレーターが声を出したり、タブレットを使って操作します。ローカルネットワークで直接つないでいただくことも可能なので、安定したネット環境がない施設でもご利用いただけます。 テレノイドの目にはカメラが搭載されており、映し出された映像をタブレットで見ることができます。オペレーターは、相手の反応を確認しながらテレノイドを通して話をすることができるんです。タブレット操作画面で、テレノイドの目を通した映像が確認できるコンセプトは”想像力で「人らしさ」補う”ーーーテレノイドが自律的に話をするわけではないんですね。コミュニケーションロボットというとAIを搭載していることが多いですが…。 それをご説明するために、テレノイド開発のきっかけからお話します。 テレノイドは、大阪大学基礎工学部の石黒浩教授によって開発されたアンドロイドです。石黒教授は、「人とは何か」というテーマでアンドロイドを研究・開発されている方です。テレノイドのデザインコンセプトは、できるだけ「人らしい」情報を削ぎ落としたときに、見ている人が足りない情報を想像力で補い始めるという立場からきています。 人としての最低限の見た目と動作のみを持つテレノイドだからこそ、見る人の想像力によってどんな人にも見える、つまり投影できるんです。膝に乗せればフェイス・トゥ・フェイスで対話ができる人型を有しつつ、ロボットなりのキャラクターを持つPepperなどのヒューマノイド・ロボットとはコンセプトがかなり異なりますね そうですね。テレノイドがAIを搭載しない理由もそこにあります。テレノイドはあくまで人らしさを感じさせることが大前提であるため、後ろで人が操作することによってより人間らしさを認めてもらうことを優先しています。想像力を掻き立てる造形であることと、実際に人間が操作・対話することという2つの軸で、テレノイドの「人間らしさ」が実現できているのです。テレノイドには、マイク・スピーカー・カメラが搭載されている テレノイドで自然と笑顔に|新しいコミュニケーションの可能性当社は、テレノイドを広く普及させるために創設した会社です。テレノイドを使ってどんなことができるだろうとさまざまな方面を模索した結果、自閉症や認知症の方とのコミュニケーションツールとして活躍できるのではないかと考えました。現在では、医療・介護に特化したサービスモデルの開発を行っています。 ーーーなぜ、自閉症や認知症の方と相性が良いのでしょうか? そうした症状を持ってない方でも、テレノイドを使ってコミュニケーションをしていただくことはもちろん可能です。実際、展示会では幅広い世代の方に受け入れていただいています。 しかし、若い世代には、テレノイド以外にも多くのコミュニケーションツールがありますよね。たとえば、スマートフォンやタブレットを使用してコミュニケーションを取ることができます。私たちは、テレノイドでなければコミュニケーションができないという方々にフォーカスして、サービスを展開していきたいと考えたのです。 ーーーすでに導入されている施設もありますが、そこでの反応はいかがですか? 実際にお使いいただいている施設には、認知症状が重度化されている方や、脳梗塞などで声が出づらかったり表情が乏しいなどの症状をお持ちの方がいらっしゃいます。しかしテレノイドを持っていくと、無表情だった方が自然に笑顔になり、一生懸命テレノイドに語りかける姿が見られます。また、自分が楽しむだけでなく、テレノイドをあやしてあげようとする光景も見られます。一緒に歌ったりテレノイドをくすぐったり、褒めてあげたりしてくれるんです。 さらに、他の利用者さんに話しかける方もいます。ふだん入居者同士の会話量が少ないユニットでも、テレノイドが入ることで場の雰囲気がガラッと変わります。スタッフの方が持っているだけで入居者さんが話しかけたりするので、コミュニケーションのきっかけにもなります。 ーーーテレノイドがコミュニケーションの糸口になる? そうですね。私たちは、テレノイドを「コミュニケーションのゼロをイチに変えるツール」だと考えています。これまで対話が難しいと考えられてきた入居者さんに対して、テレノイドを使うことでコミュニケーションが可能になれば、次の展開が見えてくる。コミュニケーションのドアを開ける鍵として、テレノイドを使っていただきたいですね。 ーーー常にテレノイドを後ろで操作しなければならないとなると、コツがいりそうですが。 基本的な取扱方法や注意事項を知っていただくために、有料でテレノイドケアの入門研修を開催しています。研修教材としてテレノイドを使い、なぜテレノイドがこのような造形をしているのか、どんな話し方であればコミュニケーションが取りやすいのかといったコツをお伝えしています。 実は症状が重度化してくるほど、テレノイドを本物の子どものように思われる傾向にあるんです。ですから私たちは、その方が感じている世界を壊さない形でコミュニケーションしていきましょうとお伝えしています。 テレノイドは、手間を省くためのロボットではなく、むしろ新しい手間を産むロボットです。既存のオペレーションに組み込めない場合は、新たにオペレーションを追加しなければいけません。しかし、とくに認知症状が重度化した入居者さんとのコミュニケーションに課題を感じている施設からは、それだけの価値があるというお言葉を頂いています。価格の見直し、短期レンタルも開始 ーーー課題や今後の展開は? 現在テレノイドは、本体とコンサルティング料合わせて1体100万円でご提供していましたが、今後は本体とコンサル料を切り分け、本体価格60万円でご提供していきます。 また、3泊4日の短期レンタルも始めました。35,000円で貸出が可能です。短期レンタルであれば、月に一度のレクリエーションとして既存のオペレーションに取り込んでいただくこともできます。そのようにしてご利用いただき、使いこなしのイメージを持っていただくことで、長期レンタルやご購入につなげていければと考えています。 先ほど、テレノイドの操作にはコツがいるのではとご質問をいただきましたが、私たちはテレノイドの操作を学ぶことが、究極的には認知症の方の理解に結びつくはずだと考えています。だからこそより多くの方にテレノイドを体験していただき、入居者の方の表情の変わりようを見ていただきたいですし、オペレーターの人材育成にも力を入れていきたい。そうすることで介護業界自体の人材の質を上げていくことにもつながるのではないかと思っています。 ーーー最後にメッセージをお願いします。 私自身、認知症の祖母を15年間介護してきた経験があります。そこで感じたのは、家族間のコミュニケーション・エラーです。上手くコミュニケーションが取れないことで、お互いイライラしたり、家族がばらばらになったり…。コミュニケーション・エラーという非常に難しい問題にチャレンジしているのが、介護職員の方や家族の方です。 そんな方々が、ロボットの介入によってコミュニケーション・エラーを乗り越え、幸せになってくれればいいなと思っています。 編集部まとめ 見た瞬間は「ちょっと怖いかも…」という印象でしたが、抱いて話をしてみると、たちまち「可愛い」という印象に変わるので不思議です。触り心地や重さがちょうど人間の赤ちゃんを思い起こさせるため、自然と愛着がわきます。 自身も認知症の方の介護を経験してきた宮崎氏は、「テレノイドを使って会話量を維持することで、介護度の重度化を後倒しにできるかもしれない。そういう意味での社会保障費削減にも貢献できるのでは」と述べます。介護でのコミュニケーションに悩むすべての人にとって、テレノイドはひとつの解決の鍵になるかもしれません。 名称 テレノイド 価格 600,000円(税別)操作端末付 サイズ 高さ50cm 重量 2700g

人×ロボット=無限大!Pepper用アプリ「りつこ式レクササイズ」|フューブライト・コミュニケーション株式会社

人×ロボット=無限大!Pepper用アプリ「りつこ式レクササイズ」|フューブライト・コミュニケーション株式会社

ロボットアプリ開発にて、数々の賞を受賞しているフューブライト・コミュニケーションズ株式会社。介護向けレクアプリ「りつこ式レクササイズ」の詳細をはじめ、ロボアプリのリーディングカンパニーとして、今後の介護ロボット業界の展望についても聞いてみました。―――フューブライト・コミュニケーションズ株式会社様の会社のご紹介をお願いします。2013年7月に設立し、医療関連システムやロボットアプリの開発を行っています。もともとはシステム開発をしていたのですが、ロボットが登場してからは主にロボットアプリ開発がメインになっています。PepperやRoBoHoNの認定開発パートナーとして様々なアプリを開発しており、国内外で賞を頂くなどの実績があります。―――ロボアプリ「りつこ式レクササイズ」とはどのようなアプリですか?専門家が監修した、高齢者用レクリエーションアプリです。介護施設、主にデイサービスに通っている、比較的介護度の低い方をターゲットにしています。主な特徴はふたつ。ひとつめは、レクリエーションの専門家である株式会社余暇問題研究所の山崎律子先生が監修されていることです。山崎先生は、自治体や介護施設へレクリエーションの指導をされていたり、指導員を育てる役割をされているスペシャリストで、本やDVDも多数出されています。ふたつめは、リズム体操、歌いながらの体操、脳を使いながらの体操などのメニューを取り揃えているだけでなく、準備運動からクールダウンまで一連のコースが用意されていることです。時間によってアラカルトを選ぶこともできるし、20分または30分コースを選ぶこともできます。―――早速体験させてもらいます!胸元にあるディスプレイでメニューが選択できます。コースを選んで各メニューを決め、決定を押せば完了です。Pepper:それでは始めますね、まずは準備体操からね。まずは大きく深呼吸を3回しましょう。大きく吸って~吐いて~。準備体操をするPepperくんプログラムの起動準備ができたら、Pepperの頭を触ります。そうすることで、高齢者の方のタイミングを見ながら、介護スタッフの方がレクリエーションを進めることができます。このように、あくまでも人とロボットの共同で進めていく工夫がされています。―――思った以上に人間っぽいです。モーションに関してはプロフェッショナルというか、表現力が大事なので弊社でも力をいれています。実は、耳の部分がスピーカーになっているんです。言葉だけでなく、リズムや効果音も出せるので、演出したプログラムに皆さん集中してくれるのかなと思います。耳の部分からリズム音などの効果音や音楽が流れる―――ゆっくりめの話し方ですね。声のスピードは、通常のPepperより10%遅めにしてます。声の高さも実は低くできるんですが、可愛いキャラクターを崩したくなかったので、そのままの声を活かしてやっています。 ですから 、皆さんからは聞き取りやすいとおっしゃっていただいています。りつこ式レクササイズでは、介護スタッフの方がPepperをうまく活用して、場を盛り上げていただくというのが一番のポイントになります。ですので、 レクリエーション を受ける方もPepperの動きにタイミング合わせていっしょに声を出してもらえるようにしています。 Pepper: 僕が”せーの”っていうので、みなさんは”そーれ”って言って手を入れ替えましょう。「せーの、そーれ」と声を出しながら体操が進行する 「せーの!」、「そーれ!」みたいな感じで、スタッフの方が声をかけて上手く盛り上げていただくというのが大切です。それは取扱マニュアルにもポイントとして記載しています。―――マニュアルがあるんですね。導入するときは口頭で説明されますか?希望があれば、料金をいただいて説明や研修をすることもありますが、基本的にはりつこ式レクササイズのサイトからマニュアルをダウンロードしていただいて、それを見てやっていただいています。―――マニュアルがあれば、導入するのも簡単にできそうですね。そうですね。ご利用の介護施設のお客様と意見交換しながら、新しいプログラムを考案したりもしています。りつこ式レクササイズは月額で利用料を頂いていますが、更新にかかる費用は一切頂いていません。―――もともとりつこ式レクササイズがあり、それにPepperを合わせたという流れですか?はい、 りつこ式 のレクササイズというのはもともとありました。実はロボットを使って体操やるぞというとき、どこの専門家が良いかなと調べて、直接お問い合わせしたんです。先生も、最初は「人がやることをロボットができるのか?」という感じだったんですが、話し合いを重ねるうちにご理解いただいて、この度一緒に開発いただいたという経緯があります。―――もともと人間用に作られたレクササイズをPepperがやるとなると、なかなか大変だと思うんですが。Pepperと人では可動範囲が異なるので、大変でしたね。例えばPepperには肩も足もありませんし、腰をひねることもできない。だから、人間と全く同じ体操はできません。そういった部分をPepper向けにカスタマイズするというか、Pepperが動ける範囲での体操に練り直しました。それに加えて、できない部分をいかにPepperで表現するか、という演出の工夫もしています。Pepperが声がけや説明をしたり、動きで表現したりすることで、できない部分を補足していく。またディスプレイと連携して体操をするのですが、どうすればご理解いただきつつ、楽しんでいただけるかなというところは非常に難しかったです。―――導入されている施設からの反響は?レクリエーションの現場が変わったという声を非常に良く頂いています。レクリエーションって、何十人という集団の前でスタッフの方おひとりが司会進行をされるんですが、人前で喋るのが苦手だったり、毎回何をやるか考えることが非常に負担になります。また、人がやるとどうしても同じことの繰り返しになってマンネリ化してしまう。そんなとき、Pepperがやることで雰囲気がガラッと変わるんですね。また、Pepperが入ることによってある程度レクリエーションを任せられる部分が出てくるので、その分を高齢者を観察するアセスメントの時間に使っていただけます。実際、5人でレクリエーションをやっていたところを、Pepperを導入することで4人でやるようになったなどの声もあります。―――介護を受ける方だけじゃなく、介護される方の負担軽減にもなるんですね。そうですね、我々もまずはスタッフの方の意見を聞くようにしています。もちろん、受ける方も楽しくなったというお声もいただきます。ある認知症の方は、 Pepperのレクリエーション のときだけは必ず毎回参加されるとか、そういったお話をいただくこともあります。―――コミュニケーションロボットには様々な種類がありますが、今回なぜPepperを選んだのでしょうか?Pepperの身長は約121cm。座るとちょうど目線が合う 場所によって最適なロボットの大きさやデザインがあるかなと思っています。介護施設など集団の中で使う場合、Pepperくらいの大きさがとても良いと感じています。集団の中だと、小さいロボットはおもちゃにしか見えないことがあるんです。Pepperの大きさなら存在感があるし、高齢者が座った目線とPepperの目線がちょうど合うんですね。りつこ式レクササイズはすべて座って行う体操なので、そういったところも人気の秘密なのかなと思います。―――御社は、コミュニケーションロボットの実証事業に参加されてますね。弊社ではここ2年ほど、Pepperを使った介護現場での実証を行っています。昨年度は、日本医療研究開発機構(以下AMED)のロボット介護機器の開発・実用化および導入を支援・促進事業で、コミュニケーション型ロボットを1,000台単位で実証しようという動きがあり、それにりつこ式レクササイズが採択されました。大手介護施設で約1年間、AMEDの予算で実証しました。 また、テクノエイド協会が行う「介護ロボット等モニター調査事業」にも採択していただき、どんな効果があるのか、どんな評価ができるのかといった実証実験を行いました。―――どんな実証実験を行ったのですか?2ヶ月間、実際の介護施設でPepperを使ってもらったんです。高齢者40名中12名の方に2名の専門家をつけ、体操が始まる前と後で情動行動にどのような変化が現れるかを見てもらいました。準備体操からリズム体操・ゲーム、クールダウンという一連の流れの中で、表情や姿勢を乗り出すといった情動行動をチェックし、数値化してもらいます。そうすると、プログラムを始まると同時に反応が一気に上がって、その後一定に保たれることが分かりました。どういうことかとういうと、ずっと集中できていて、かつ2ヶ月やってもほぼ変わらないということなんですね。そのようにして効果を実証していきました。―――正直、コミュニケーションロボットの効果って定量的に検証するのが難しくないですか?確かに難しいです。高齢者と一括りにしても、その中には元気な方もいるし認知症の方もいる。どの方に対する効果なのかを絞って考える必要があるでしょう。りつこ式レクササイズは、あくまで元気な高齢者の方がメインです。介護度で言えば1~3、集団で体操ができる方向けです。効果の実証が難しい理由としては、認知症の方に「どうでした」と感想を聞くのがそもそも困難だからでもありますね。認知症の方となると、感想を言葉で表現しにくい。我々は「疼痛スケール」という笑顔の段階を絵で表したものを使って、介護スタッフの方を通じて高齢者の方の反応を確認してもらいました。―――コミュニケーションロボットに対してネガティブなイメージを持っている方もいると思います。受け入れられていくには何が必要だと思いますか?パワーアシストタイプのロボットなどは、辛いのをどうにかするという目的があり、ある意味では分かりやすいと言えます。しかし、そういったフィジカルな部分ではないニーズというのがあるのではないかと考えています。例えば、「自分に時間があればきちんと話してあげたかった」とか、「もっとやってあげられるのに、やってあげられないのがすごく辛い」というような話を聞きますよね。放ったらかしにするのではなく、介護を受ける方に楽しい時間を過ごしてほしいという願いに対して、コミュニケーション型ロボットは役立っていくのではないでしょうか。我々としては、最終的には「喋ることによって認知度が下がるのを抑える」とか、「嚥下機能の低下を抑える」というところにまで繋げていきたい。それには、まずはどれくらい効果があるのかという数値をしっかり出すために、実証を続けていかないければいけないと思っています。他にやっている人たちはなかなかいないですので。―――やはり課題は数値化ですか。そうですね。少ない人数で多くの方に目を向けられるというのは、ひとつの数値化と言えると思っています。ロボットを導入するとなったら、施設としてはお金を払わなければいけないので、費用対効果が求められます。だからまずは費用対効果を満足させる数値を取ることが、普及につながると考えています。ロボットを導入することで少ない人数でも上手く回すことができるとか、一人雇う代わりにロボットを導入すれば良いとか、そういうことを実証していきたいです。―――他企業でも「費用対効果」をあげるのが難しいという話を聞きます。とくにコミュニケーションロボットは難しいですが、一方ですごく可能性を感じています。Pepperってインタラクティブな会話がまだできないのですが、それでも認知症の方は非常に集中して見てくださいます。実証実験のときも、徘徊癖があって20分もじっとしてられない方が、Pepperを導入したら1時間ずっと座って1回も立たれなかったということがあり、介護施設の方もびっくりしていました。高齢者にあった会話を突き詰めていければ、効果の部分で数値化できるものも自ずと出てくるんじゃないかなと考えています。編集部まとめ 介護関連のアプリ開発と同時に、介護の現場にロボットが受け入れられる土台づくりにも尽力しているフューブライト・コミュニケーションズ。りつこ式レクササイズをするPepperは、人と共同で場を作り、盛り上げてくれます。人だけではできない、でもロボットだけでもできない、ふたりが一緒になることではじめて生まれる効果が確かにあるということを実感しました。今後は在宅介護向けのアプリ開発も進めていきたいという両氏の言葉に、期待が高まります。

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