5分で分かる!ロボットスーツHAL®(ハル)の役割や効果

5分で分かる!ロボットスーツHAL®(ハル)の役割や効果

ロボットスーツが介護の分野に参入し始めています。現在もっとも有名なロボットスーツといえば、サイバーダインのHAL®(ハル)でしょう。HAL®を代表とするロボット技術を応用したアシストスーツは、複数の企業から開発、販売されています。

ここでは、HAL®(ハル)をはじめとするロボットスーツの仕組みや価格、体験できる場所などをまとめました。

ロボットスーツHAL®とは?

現在、ロボットスーツの代名詞的存在となっているのが、CYBERDYNE株式会社のHAL®(ハル)です。CYBERDYNE株式会社は、筑波大学大学院システム情報工学研究科・サイバニクス研究センターセンター長である山海嘉之教授の研究成果を商品化するため、2004年6月に設立された会社です。

CYBERDYNE株式会社によれば、「HAL®(Hybrid Assistive Limb®)は、身体機能を改善・補助・拡張・再生することができる、世界初※のサイボーグ型ロボット」とのこと。ここでは、HAL®(ハル)の仕組みや価格、体験できる場所をまとめました。

※ WIPO(世界知的所有権機関)にて、本国際特許はNotable Inventionに認定。

ロボットスーツ HAL®の種類

HAL®は、MEDICAL TYPEとNON-MEDICAL TYPEの大きく2つに分かれています。

MEDICAL TYPE

MEDICAL TYPEであるHAL®医療用下肢タイプ (JPモデル)は、身体に装着することによって装着者の身体運動を支援する機器です。装着者の下肢関節動作をアシストし、リハビリ歩行訓練に使われます。

NON-MEDICAL TYPE

NON-MEDICAL TYPEには、装着者のトレーニングを促すタイプと、装着者の動作負荷を軽減するタイプがあります。

HAL®福祉用(下肢タイプ)

装着者自身の脚での歩行や立ち座りのトレーニングをアシスト

HAL®自立支援用(単関節タイプ)

腕や脚の関節に対応できる集中的なトレーニングに特化

HAL®介護支援用(腰タイプ)

移乗介助のような介助動作において腰部にかかる負荷を低減

HAL®作業支援用(腰タイプ)

重量物を持ったときに腰部にかかる負荷を低減

ロボットスーツ HAL®の仕組み

HAL®は、装着者の「こう動きたい」という意思を脳が送り出す信号から読み取り、それに合わせてパワーユニットをコントロールすることで、動作を補助する装着型ロボットです。

生体電位信号を読み取る

例えば私たちが「歩きたい」と考えたとき、脳は歩くための筋肉に司令を出します。その際に、脳から筋肉へ信号が送り出されます。これが生体電位信号です。HAL®はこの生体電位信号を読み取り、装着者の「歩きたい」という意思を認識します。

動作に合わせてパワーユニットをコントロール

装着者の「歩きたい」という意思に合わせてHAL®のパワーユニットが働き、各関節に装備されたモーターや制御機器が作動して装着者の動きを補助します。そうすることで、ふだんより大きな力を出すことができたり、スムーズに動くことができたりするのです。

ロボットスーツ HAL®の価格

現在、NON-MEDICAL TYPEのHAL®の個人向けレンタルは行われておらず、医療・介護福祉等の施設のみレンタル/リース可能です。

HAL福祉用(下肢タイプ)

CYBERDINE株式会社HPより

 

初期導入費用

6ヶ月

1年

3年

5年

両脚

550,000円

188,000円

178,000円

168,000円

158,000円

片脚

400,000円

139,000円

132,000円

125,000円

118,000円

HAL®自立支援用(単関節タイプ)

大和ハウス工業株式会社HPより

保証期間など

法人向け5年レンタル

税別価格(税込価格)

初期導入費用

400,000円(432,000円)

+

130,000円(140,400円)/月×5年

備考

・個人のお客様にはご案内できません。

・両回転セットの価格です。

・5年総額 8,200,000円(税込8,856,000円)

HAL®介護支援用(腰タイプ)

大和ハウス工業株式会社HPより

保証期間など

法人向け3年レンタル

税別価格(税込価格)

初期導入費用

100,000円(108,000円)

+

78,000円(84,240円)/月×3年

備考

・個人のお客様にはご案内できません。

・3年総額 2,908,000円(税込31,40,640円)

HAL®介護支援用(腰タイプ)

また、HAL®介護支援用(腰タイプ)はCYBERDYNE株式会社公式HPにて購入プランが用意されています。

1台購入プラン(税込)

HAL®介護支援用(腰タイプ)

2,000,000円  

初期導入費用

108,000円

合計

2,108,000円

保守費用(税抜)

月額/台

20,000円

備考

・ご利用期間中については、機体ごとに定額保守サービスが必要

・利用期間中は自動更新

・最長期間は5年

ロボットスーツHAL®を体験できる場所

CYBERDYNE STUDIO

サイバーダイン スタジオは、CYBERDYNE(サイバーダイン)のロボットスーツHAL®を中心に、先端福祉機器やロボット技術・サイバニクス技術をテーマに展示・運用している施設です。ここでは、団体ツアーやHAL®を使ったトレーニング「HAL FIT®」を行うことができます。

  • 場所:イーアスつくば
  • 施設入場料:無料

ロボケアセンター

ロボケアとは、HAL®を用いたロボットフィットネス 「HAL FIT®」を主としたトレーニングを提供するサービスです。ロボケアセンターは全国に3個所あり、「HAL FIT®」のほかに、訪問看護事業、リハビリ特化型デイサービス事業を展開しています。

鈴鹿ロボケアセンター

〒513-0816 三重県鈴鹿市南玉垣町3500−3

湘南ロボケアセンター

〒251-0041 神奈川県藤沢市辻堂神台2−2

大分ロボケアセンター

〒874-0011 大分県別府市内竈(大字)

ロボットスーツHAL®の体験費用

HAL®デモンストレーション

詳細

約90分~120分で、ロボットスーツHAL®の装着体験するコース

種類

記載なし

料金

装着者1名につき 15,000円(税込)

※備品レンタル費を含む

体験できる場所

CYBERDYNE STUDIO・鈴鹿ロボケアセンター・大分ロボケアセンター

HAL®デモンストレーション 腰タイプ体験コース

詳細

約60分かけてHAL®作業支援用(腰タイプ)・HAL®介護支援用(腰タイプ)の装着体験するコース

種類

HAL®作業支援用(腰タイプ)

HAL®介護支援用(腰タイプ)

料金

2名まで10,000円(税込)

※備品レンタル代を含む

体験できる場所

CYBERDYNE STUDIO、鈴鹿ロボケアセンター、湘南ロボケアセンター、大分ロボケアセンター

HAL®福祉用下肢タイプ装着体験

詳細

湘南ロボケアセンターへ問い合わせ

種類

HAL®福祉用下肢タイプ

料金

18,000円

体験できる場所

湘南ロボケアセンター

また神奈川県では、ロボット体験施設として、介護ロボットの活用現場を公開しています。横浜市の成仁会 長田病院では、原則として毎週水曜日、ロボットスーツHAL福祉用(下肢タイプ)をはじめとしたさまざまな介護ロボットを公開しています。

詳細

介護ロボットの活用現場を公開

種類

HAL®福祉用(下肢タイプ)

公開場所

医療法人社団成仁会 長田病院(横浜市)

問い合わせ先

介護ロボット普及推進センター事務局(県高齢福祉課企画グループ)

その他の代表的なロボットスーツまとめ

HAL®はアクチュエーターにモーターを搭載していますが、ロボットスーツには人工筋肉やバネを使用しているものもあります。ここでは、HAL®以外のロボットスーツを紹介します。

マッスルスーツ|株式会社イノフィス

東京理科大学発ベンチャーである株式会社イノフィスは、マッスルスーツという装着型ロボットを開発・販売しています。

マッスルスーツは、腰にかかる負担を補助する腰補助用ロボットスーツです。空気圧を供給すると非常に大きな力で収縮する、McKibben型と呼ばれる人工筋肉を使用し、荷物の上げ下ろしなどの動作の際にかかる腰の負担を約6割も軽減するとされています。

マッスルスーツ

製品名 製品番号 メーカー希望小売価格 備考
マッスルスーツ【タイトフィットタイプ】 MS04-SM-T1-0000-A(S-Mサイズ)
MS04-ML-T1-0000-A(M-Lサイズ)
¥700,000 標準防水仕様
マッスルスーツ【ソフトフィットタイプ】 MS04-SM-S1-0000-A(S-Mサイズ)
MS04-ML-S1-0001-A(M-Lサイズ)
¥800,000 標準防水仕様
マッスルスーツ Edge MS06-SM-T0-0000-A(S-Mサイズ)
MS04-ML-T0-0002-A(M-Lサイズ)
¥498,000 マッスルスーツのエントリーモデル
※オプションで防水装備が可能

Honda歩行アシスト|本田技研工業株式会社

ホンダでは、ロボティクス技術とそれらを応用した製品の総称を「Honda Robotics」と定め、ヒューマノイドロボット「ASIMO」などの開発を行っています。その一環として開発された「Honda歩行アシスト」は装着者の歩行をサポートする歩行訓練機器で、すでに法人向けにリース販売が開始しています。

腰と両脚にフレームを装着し、歩行時の股関節の動きを左右のモーターに内蔵された角度センサーで検知します。検知結果に基づいて、背中部分の制御コンピューターがモーターを駆動させ、下肢の振り出しや蹴り出しをサポートする仕組みです。

法人向けリース販売

月額

45,000円/台、3年間のリース契約

(定期保守点検1回/年と実機講習会費用(2名)を含む

アクシブ(ACSIVE)|株式会社今仙技術研究所

名古屋工業大学と株式会社今仙技術研究所が共同開発した「アクシブ(ACSIVE)」もロボットスーツのひとつです。脳卒中などで片側が麻痺している、または足が上がりにくい方向けの歩行支援機として開発されました。モーターではなくバネと振り子の作用を応用し、装着した脚の振り出しをサポートします。

片脚用

180,000円(税別)

両脚用

350,000円(税別)

ロボットスーツのメリット・デメリット

ロボットスーツには、(1)介助者の動きを助けるタイプと、(2)装着者のトレーニングをサポートするタイプに別れます。それぞれのメリットとデメリットにはどのようなものがあるでしょうか。

介助者の動きをサポートするタイプ

メリット

  • 腰痛予防になる
  • 介助負担が軽減される
  • 要介助者にとっても安心感のある介助ができる

デメリット

  • 装着に手間がかかる
  • 使い方を覚えるなど、現場の負担を増やすことがある
  • 保険加算が存在せず、施設に高額な費用負担が強いられる

装着者のトレーニングをサポートするタイプ

メリット

  • 効率のいい動き方、身体の使い方をロボットが教えてくれる
  • 動きをモニタなどで確認することで、修正しやすくなる
  • トレーニング意欲を高める

デメリット

  • 装着に手間がかかる
  • ロボット本体の重量が負担となる

特に(1)介助者の動きをサポートするタイプのロボットスーツの課題として、「導入したはいいものの定着しない」という声がよくあがります。介護の現場でロボットスーツが持続的に使用されるには、装着の手間を減らすだけでなく、運用方法や費用対効果に関する教育が不可欠と言えそうです。

まとめ

ロボットスーツは、もはや未来のデバイスではありません。実際に多くの介護福祉施設、病院で導入されており、今後も利用者は増加していくと考えられます。ただし、普及にはまだ課題が残っており、使う側の意識や知識が求められています。

装着型のロボットは、実際に体験してみないとその良さが分からないという面が確かにあります。まずは体験施設などで、自らメリット・デメリットを実感してみると良いでしょう。