パワーアシストスーツ市場規模が1.4倍に!でも本当に使えるの?

パワーアシストスーツ市場規模が1.4倍に!でも本当に使えるの?

スーツのように装着して、歩行を支援したり業務負担を軽減したりしてくれる「パワーアシストスーツ」。すでに業務で使用している介護施設も少なくなく、介護ロボットのなかでもとくに注目をあつめています。

そんなパワーアシストスーツの国内の市場規模が26億7600万円となったことが、矢野経済研究所の調査によりわかりました。

前年に比べて1.4倍の成長を遂げた背景には、介護ロボ導入補助金制度による介護ロボット特需の存在があります。

  • 「パワーアシストスーツって何?」
  • 「いくらで買えるの?」
  • 「本当に介護現場で使えるの?」
  • 「今後の市場規模はどうなるの?」

すでに市販されているパワーアシストスーツを紹介しながら、あなたの疑問に答えていきます。

パワーアシストスーツとは?

パワーアシストスーツとは、スーツのように身体に装着することで、動きをアシストしてくれる機器のことです。

動きをアシストすることで、歩行支援やリハビリに効果を発揮したり、重作業時にかかる身体的負担を軽減したりします。

パワーアシストスーツ装着

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マッスルスーツのリンク

矢野経済研究所は、パワーアシストスーツを3つに分類しています。

歩行支援型

歩行支援を目的とするタイプ

作業支援型

重作業等において身体的負担の軽減を目的とするタイプ

どちらでもない

それぞれ、動力源をもつものともたないものがあります。

介護の現場では、装着型の移乗支援ロボットとしてパワーアシストスーツが取り上げられることが多いです。

市場規模1.4倍!背景に「介護ロボ支援事業」あり

矢野経済研究所の調査によれば、2016年度のパワーアシストスーツの市場規模は26億7600万円でした。これは、2015年度とくらべて約46%も拡大していることになります。

その理由としてあげられるのが「介護ロボット等導入支援特別事業」の存在です。

介護ロボット等導入支援特別事業とは?

介護ロボット等導入支援特別事業とは、介護ロボットを導入する費用を助成してくれる事業です。  平成27年度の補正予算として成立し、平成28年以降に実施されました。

介護ロボット等導入支援特別事業

介護ロボットの導入を特別に支援するため、1施設・事業所につき300万円を上限に導入費用を補助するとしていたが、応募が殺到したため上限が92万7,000円に引き下げられた。52億円という異例の予算がついたことでも話題に。

これによって介護事業所は費用ゼロで介護ロボットが導入できるため、全国の事業所から応募が殺到しました。

この助成金制度が、パワーアシストスーツをはじめとする介護ロボット特需を生んだのです。

使えない、持ち腐れ…パワーアシストスーツ導入の実態

介護ロボット特需により多くの事業所がパワーアシストスーツを導入しました。しかし、すべての事業所で問題なく活用されているとはいえない現状があります。

Twitterでは、パワーアシストスーツを始めとする介護ロボットの“使い勝手の悪さ”を指摘する声もあがっています。

 

 

 

「装着が面倒」「機器が重すぎる」といった実用性の不十分さが指摘されている一方で、使う側である介護事業所の理解不足も問題となっています。

介護事業所のなかには、「補助金がでるから」と安易に導入を決めてしまった結果、上手く活用できず、せっかくの機器を「持ち腐れ状態」にしてしまっているところも少なくありません。

介護ロボブーム終了で市場減少…でもこれからが本番!

良くも悪くも世間を騒がせた「介護ロボット等導入支援特別事業」も終了し、介護ロボット特需はいったん下火になりました。それにともなって、2017年のパワーアシストスーツの市場規模は縮小するだろうと考えられています。

2020年度までに市場規模は40億5000万まで成長

しかし、このまま縮小を続けるわけではありません。矢野経済研究所によれば、パワーアシストスーツの市場規模は2020年度までに40億5000万円まで成長するだろうと予測されています。

パワーアシストスーツ市場規模

※画像をクリックすると拡大します。

画像引用: 矢野経済研究所「パワーアシストスーツ市場に関する調査を実施(2017年)

作業支援型、歩行支援型ともに需要は拡大し、前者は新たな業務用ツールとして、後者は個人向けの健康維持ツールとしてますます注目を集めると考えられています。

すでに市販されているパワーアシストスーツ

ここでは、すでに市販されているパワーアシストスーツを、作業支援型・歩行支援型にわけてご紹介します。

作業支援型

企業名

商品名

価格

株式会社イノフィス

マッスルスーツ

標準モデル(タンクタイプ・外部供給タイプ):600,000円(税別)

CYBERDINE株式会社

HAL®介護支援用(腰タイプ)

1台購入プラン:2,000,000円(別途初期導入費用:108,000円)

 

歩行支援型

企業名

商品名

価格

株式会社今仙技術研究所

ACSIVE(アクシブ)

片脚用:180,000円(税別)

株式会社今仙技術研究所

aLQ by ACSIVE

46,000円(税別)

CYBERDINE株式会社

HAL®自立支援用(単関節タイプ)

法人向け5年レンタル:初期導入費用400,000円(432,000円)+130,000円(140,400円)/月×5年

求められるのは「低価格化」「使いやすさ」「効果の実感」

まだまだ高額なイメージの“パワーアシストスーツ”。普及の鍵となるのは、「低価格化」「使いやすさ」「効果の実感」の3つです。

とくに個人向けの歩行支援型スーツは、気軽にレンタル・購入できる価格であることが強く求められるでしょう。2016年6月に販売を開始した今仙電機製作所の無動力歩行アシスト「aLQ by ACSIVE」は、歩行効率が約20%向上させるという実績がありながら、税込で5万円をきる価格を実現しています。

補助金制度ととも介護ロボットブームが去った今こそ、パワーアシストスーツの真価が問われていくでしょう。

<<参考資料>>

矢野経済研究所(2017年12月)「パワーアシストスーツ市場に関する調査を実施(2017年)

介護ロボットポータルサイト「ロボット一覧 (開発対象ロボット介護機器)」(2018年1月18日取得)

日本経済新聞 電子版(2017年2月12日)「介護ロボ特需、現場とズレ 補助金先行、持ち腐れも」