介護ロボットの開発重点分野が追加!排泄予測や装着型外出支援機器も

介護ロボットの開発重点分野が追加!排泄予測や装着型外出支援機器も

介護ロボットの「ロボット技術の介護利用における重点分野」が新たに1分野5項目追加されることが、経済産業省より発表されました。

「ロボット技術の介護利用における重点分野」とは、経産省や厚生省がすすめる介護ロボット支援において、優先的に開発・導入が推進される分野です。

何が追加されたのか?今後の展開は?気になる点をまとめました。

移動支援・排泄支援・コミュニケーションロボットの項目が追加

「ロボット技術の介護利用における重点分野」が新たに1分野5項目追加

これまでの重点分野は、下記の5分野8項目で策定されていました。経済産業省の「ロボット介護機器開発・導入促進事業」などは、この重点分野にしたがって実施されています。

  • 移乗介護(装着型/非装着型)
  • 移動支援(屋外用/屋内用)
  • 排泄支援
  • 見守り(介護施設用/在宅介護用)
  • 入浴支援

この重点分野に、新たに1分野5項目が追加されました。合計で6分野13項目になったのです。

追加されたのは、移動支援×1項目、排泄支援×2項目、見守り・コミュニケーション×1項目、そして新分野である介護業務支援です。

移動支援の新項目

移動支援の新項目のイラスト

「移動支援」分野は、これまで2項目ありました。

  • 高齢者等の外出をサポートし、荷物等を安全に運搬できるロボット技術を用いた歩行支援機器
  • 高齢者等の屋内移動や立ち座りをサポートし、特にトイレへの往復やトイレ内での姿勢保持を支援するロボット技術を用いた歩行支援機器

今回、新たな項目として、(3)外出用の装着型移動支援機器が追加されました。

  • 高齢者等の外出等をサポートし、転倒予防や歩行等を補助するロボット技術を用いた装着型の移動支援機器

「外出用の装着型移動支援機器」は、すでに様々な企業から販売されている、今介護ロボット業界でもっとも注目されている機器のひとつです。

排泄支援の新項目

排泄支援の新項目のイラスト

これまで、「排泄支援」分野に該当する機器は、

  • 排泄物の処理にロボット技術を用いた設置位置の調整可能なトイレ

に限られていました。しかし、今回新たに下記の2項目が追加されました。

  • ロボット技術を用いて排泄を予測し、的確なタイミングでトイレへ誘導する機器
  • ロボット技術を用いてトイレ内での下衣の着脱等の排泄の一連の動作を支援する機器

(2) 排泄予測・誘導機器には、排泄予知ウェアラブルデバイス「D Free」などが当てはまると考えられます。

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見守り・コミュニケーション

見守り・コミュニケーションの新項目のイラスト

「見守り支援機器」の分野は、下記の2項目でした。

  • 介護施設において使用する、センサーや外部通信機能を備えたロボット技術を用いた機器のプラットフォーム
  • 在宅介護において使用する、転倒検知センサーや外部通信機能を備えたロボット技術を用いた機器のプラットフォーム


今回新たに、下記の1項目が追加されました。

  • 高齢者等とのコミュニケーションにロボット技術を用いた生活支援機器

これにより、いわゆる「コミュニケーションロボット」も開発支援の対象になったといえます。2016年に行われた介護分野におけるコミュニケーションロボットの活用に関する大規模実証試験 をうけ、コミュニケーションロボットの効果や可能性が明らかになったからでしょう。

実証試験に関しては、介護コミュニケーションロボット「34%が改善」l 実証試験総まとめとして詳しく記事にしています。

新分野「介護業務支援」が追加

新しい分野として、介護業務支援分野が追加されました。

介護業務支援 ロボット技術を用いて、見守り、移動支援、排泄支援をはじめとする介護業務に伴う情報を収集・蓄積し、それを基に、高齢者等の必要な支援に活用することを可能とする機器

“介護業務に伴う情報を収集・蓄積”とあるように、いわゆるICT、IoT機器が該当すると考えられます。

経済産業省は、 介護ロボットによる業務効率化を図りたい考えなのでしょう。

今後は介護そのものだけでなく、介護の周辺業務・事務業務全般をサポートする機器にも開発補助が出されていくことになりそうです。

今後の展開

経済産業省は、「ロボット介護機器開発・導入促進事業」という事業名で、重点分野にある介護ロボットの開発を支援しています。具体的には、開発補助金として最大1億円を企業に助成しています。

この事業は、今年度で終了する予定です。経済産業省の発表によれば、新たに追加された1分野5項目の開発支援の公募を本年度中に開始する予定とのです。

「ロボット介護機器開発・導入事業」が今年度で終了したあとは、ロボット介護機器開発・標準化事業という事業名に変えて開発支援を継続する意向です。

介護ロボットのさらなる充実に期待

今回の改定で重点分野に該当することとなった販売開始済の介護ロボットも多く、今後の開発事業ならびに導入事業に期待が集まります。

また、介護の事務業務全般をサポートする機器も新たに重点分野となったことで、これまで業務を圧迫していた報告書やレポート作成、介護記録などの負担が軽減される可能性があります。

もっとも、単にそうしたICT機器、IoT機器を導入するのではなく、職員が使いこなせるようにサポートする体制も整える必要があるでしょう。