【平成29年度】最新!経済産業省のロボット介護機器支援事業まとめ

【平成29年度】最新!経済産業省のロボット介護機器支援事業まとめ

超高齢社会や介護負担増加の解決策として注目を浴びる介護ロボット。同時に、新産業育成という観点からも関心を集めています。

ロボット産業を日本の新産業とすべく開発補助事業に乗り出したのが経済産業省です。今回は、経済産業省が行う介護ロボット支援事業についてまとめました。

ロボット介護機器支援事業とは?

経済産業省が行う介護ロボット支援事業は、ロボット介護機器開発・導入促進事業です。介護ロボット開発にかかる費用を補助する開発補助事業、介護ロボットの評価などを行う基準策定・評価事業の2種類の事業が行われています。

事業名 ロボット介護機器開発・導入促進事業
主な内容 (1) 開発補助事業
(2) 基準策定・評価事業
補助金額など 500万円~1億円/年
補助率2分の1(大企業)または3分の2(中小企業)

平成29年度(2017年)は「ロボット介護機器開発・導入促進事業」に20億円の予算が充てられています。ただし、現時点ではまだ公募は始まっていません(2017年8月3日時点)。→※2017年8月25日に、開発補助事業に関して公募予告が公表されましたので追記します。

平成29年度(2017年)のロボット介護機器開発・導入促進事業

平成29年度の開発補助事業は、ロボット介護機器の効果測定事業です。

具体的には、開発が終了したロボット介護機器を対象に、実際の介護現場で導入した効果を中長期的に検証します。

実証試験の対象となるロボット介護機器は、下記の3分野かつ、市販されている商品に限ります。

  • 移動支援分野(屋外移動分野、屋内移動分野)
  • 排泄分野(所謂、自動排泄処理装置は除く)
  • 入浴支援分野 ※これまでにロボット介護機器開発・導入促進事業に採択されていない機器も応募可能です。
研究期間 (最長) 1年
研究開発費 1千万~5千万円未満
公募期間 平成29年9月上旬~平成29年10月上旬(予定)
説明会 【終了】➀大阪会場 平成29年9月11日(月)14時~
【終了】➁東京会場 平成29年9月14日(木)10時~

参考:【公募予告】平成29年度 「ロボット介護機器開発・導入促進事業(開発補助事業)ロボット介護機器の効果測定事業」に係る公募について

ロボット介護機器開発・導入促進事業のこれまで

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「ロボット介護機器開発・導入促進事業」は平成25年度(2013年)から開始されました。平成27年度(2015年)からは国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、AMED)が事業を引き継いでいます。

平成25年度(2013年)のロボット介護機器開発・導入促進事業

平成25年度の開発補助事業では、計39社の研究開発計画が採択されました。基準策定・評価事業では、ロボット介護機器評価ツールなどの研究開発が行われました。

成果発表会では、開発補助事業にて開発したロボット介護機器であるCYBERDYNE社のロボットスーツHALパナソニック社の離床アシストベッドなどが展示されました。

平成26年度(2014年)のロボット介護機器開発・導入促進事業

平成26年度の開発補助事業では主に屋外移動分野及び介護施設見守り分野の介護ロボット開発が補助されました。

基準策定・評価事業では、NKワークス株式会社(現・ノーリツプレシジョン株式会社)キング通信工業株式会社、RT.ワークス株式会社などの開発企業による成果報告が行われています。

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平成27年度(2015年)のロボット介護機器開発・導入促進事業

平成27年度の開発補助事業では、主に非装着型分野排泄支援分野及び在宅介護見守り分野の介護ロボット開発が補助されました。排泄支援分野では、日本セイフティー株式会社などが採択されています。

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平成28年度(2016年)のロボット介護機器開発・導入促進事業

平成28年度の開発補助事業では屋内移動分野および入浴支援分野の開発補助を予定していましたが、実際に採択されたのはエア・ウォーター株式会社オージー技研株式会社といった「入浴支援分野」の介護ロボット開発企業のみとなりました。

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基準策定・評価事業では、 1000台規模のコミュニケーションロボットを介護現場に導入する大規模実証調査が行われました。結果として「866 名中296 名(34.2%)について改善効果が認められた」と報告しており、コミュニケーションロボットの可能性を感じさせる調査となりました。

こちらの調査報告書に関しては、別記事にて詳しくお伝えします。

経済産業省が介護ロボットの普及を支援する背景

日本は世界No.1のロボット大国だった

1980年代以降、日本のロボットは製造現場を中心に急速に普及していきました。工場などで使われる産業用ロボットの出荷額、稼働台数は世界1位を誇り、2012年時点では世界シェアの23%を占めるなど、ロボット大国としての存在感をいかんなく発揮していたのです。

しかし近年に入り、欧米諸国や中国を始めとした国々においてもロボット産業が盛り上がりを見せ始めました。アメリカでは、Googleがロボット関連ベンチャー企業を相次いで買収するなどの動きがあり、急速に進展するデジタル化、IoT社会の現実化において主導権を得ようとしています。

中国においては、人件費の高騰や品質確保という観点から産業用ロボットの普及を進めており、2013年には年間ロボット導入台数で日本を追い越し、世界一となりました。

これに危機感を抱いた政府は、「ロボットによる新たな産業革命」の実現に向けたアクションプランロボット新戦略を打ち立てるなど、対策を取り始めます。

「ロボット新戦略」以降の動き

ロボット新戦略にて、5つの分野においてロボットの開発、普及を支援していくことが決まりました。そのひとつに、「介護・医療分野」があります。

そこでは、2020年までに介護ロボットの国内市場規模を500億円にまで拡大させることが目標に掲げられています。目標達成に向けて、経済産業省は「ロボット介護機器開発・導入促進事業」以外にも下記のような取り組みを行ってきました。

  • ロボット介護機器開発パートナーシップの立ち上げ
  • 介護用ロボットの広報機能として「介護ロボットポータルサイト」を開設
  • ロボット介護機器導入実証事業の一環として、「ロボット介護推進プロジェクト」を実施

平成26年に実施されたロボット介護推進プロジェクトでは、量産化への道筋を見つけるための大規模な効果検証が行われています。このことから、すでに開発段階から普及段階へと軸足がうつってきたことが伺えます。

まとめ

新産業振興という観点から介護ロボットの開発支援を行う経済産業省。開発補助を行った企業から新しい介護ロボットが次々発売されており、支援事業の成果は着実に出ていると言えるでしょう。

基準策定・評価事業においても、ロボットの有益性を証明する調査報告がされ始めています。平成28年度に行われた大規模なコミュニケーションロボットの実証実験結果では、3割の人に改善効果がでたという報告がされており、介護ロボットへの苦手意識や懐疑を払拭する第一歩となりそうです。

「ロボット介護機器開発・導入促進事業」の29年度の公募情報は公表されていませんが、介護ロボットONLINEでは今後も経済産業省の動向を追っていきます。

<参考資料>
ロボット介護機器開発・導入促進事業
平成25年度「ロボット介護機器開発・導入促進事業(基準策定・評価事業)」 平成25年度「ロボット介護機器開発・導入促進事業(開発補助事業)」の第1次採択事業者の決定について
平成25年度「ロボット介護機器開発・導入促進事業(基準策定・評価事業)」
平成26年度「ロボット介護機器開発・導入促進事業(開発補助事業)」
平成26年度「ロボット介護機器開発・導入促進事業(基準策定・評価事業)」
1000台規模のコミュニケーションロボットを介護現場に導入する大規模実証調査