平成29年度に受けられる介護ロボットの補助金は?厚生労働省の事業まとめ

平成29年度に受けられる介護ロボットの補助金は?厚生労働省の事業まとめ

厚生労働省が実施した「介護ロボット等導入支援特別事業」は予算52億円が充てられるなど、大規模な助成事業に注目が集まりました。その他にも、厚生労働省を中心にさまざまな支援事業が実施されています。

厚生労働省による介護ロボットの開発・導入支援事業は2015年(平成23年)頃から本格的に始まりましたが、「煩雑でいまいちよく分からない」という方も多いでしょう。ここでは、2017年(平成29年)時点で受けられる介護ロボット関連の助成事業をまとめました

また、これまでの厚生労働省による介護ロボット事業の流れも一覧でまとめています!

【平成29年度】受けられる助成制度まとめ

介護ロボット導入の助成事業といえば、52億円の予算が充てられた2016年(平成28年)の介護ロボット等導入支援特別事業が記憶に新しいですが、こちらの事業は平成28年度のみの事業となっており、ほとんどの自治体ですでに募集が終了しています

2017年(平成29年)7月の時点では、「介護ロボット等導入支援特別事業」に相当する大規模な助成事業は計画されていません。

平成29年度の厚生労働省予算によれば、介護ロボットに関しては主に下記の事業が実施されていきます。

  • 介護ロボット開発等加速化事業
  • 地域医療介護総合確保基金(介護分)の実施

介護ロボット開発等加速化事業

平成29年度予算で3億の予算が充てられている介護ロボット開発等加速化事業に、福祉用具・介護ロボット実用化支援事業があります。そのうちの一つである介護ロボット等モニター調査事業では、モニター協力施設等に対して、1施設あたり15万円が支払われます。

地域医療介護総合確保基金(介護分)の実施

地域医療介護総合確保基金とは、介護の推進、医療・介護従事者の確保・勤務環境の改善等を目的として設置された基金です。その中の介護ロボット導入支援事業では、1機器につき導入経費の2分の1(補助限度額10万円)が補助されます。

地域医療介護総合確保基金による介護ロボット導入支援事業は自治体レベルで実施しているため、各自治体へ確認が必要です。

職場定着支援助成金 介護福祉機器助成コース

これらに加えて、労働環境の向上を図るための事業である職場定着支援助成金制度でも介護ロボットの導入費用の助成が受けられます。

「職場定着支援助成金」の介護福祉機器助成コースでは、介護福祉機器の導入・運用費用の25/100に相当する額が助成されます。上限金額は150万です。

厚生労働省が介護ロボットの普及を支援する背景

介護ロボットに注目が集まっている背景に、2025年問題があります。超高齢社会状態による社会保障費の急増と、介護福祉分野の大幅な人手不足が懸念されているのです。

2009年(平成21年)、政府は「医療・介護ロボット等の研究開発・実用化を促進する」ことを閣議決定しました。これを受け厚生労働省は、2010年(平成22年)の「厚生労働分野における新成長戦略について」にて「介護機器(福祉用具)振興、生活支援ロボットの実用化」を表明します。

そして翌年2011年(平成23年)より、本格的に介護ロボットの開発・普及支援が始動したのです。

経産省との役割分担

介護ロボットの開発・普及支援事業を行っているのは、厚生労働省だけではありません。経済産業省もさまざまな支援事業を行っています厚生労働省が介護福祉の観点で支援事業を行っているのと比較して、経済産業省はロボット産業を将来的に日本の基幹産業の一つに成長させるという観点から、ロボット介護機器開発・導入促進事業を行っています。

厚生労働省による支援事業一覧

ここでは、2011年(平成23年)以降の厚生労働省の介護ロボットに関する支援事業の流れをまとめていきます。
厚生労働省による支援事業一覧

2011年~

2011年から実施された「福祉用具・介護ロボット実用化支援事業」は、介護現場のニーズに適した介護ロボット開発を促進するための現場と開発企業のマッチング支援事業です。

それと並行する形で、「在宅における介護普及の課題と福祉用具専門相談員の役割に関する調査研究事業」などのさまざまな調査事業が行われました。

2015年

2015年に、平成27年度補正予算にて52億の予算が充てられた「介護ロボット等導入支援特別事業」の公募が開始されました。平成28年度には、そこで採択された介護ロボットの大量導入が始まります。

2016年~

2016年(平成28年)に入ると、「護ロボット開発加速化事業」にて「介護ロボットを活用した介護技術開発支援モデル事業」を開始するなど、より実際的で効果的な活用方法を構築するための事業が実施されていきました。

2017年

地域医療看護総合確保基金による介護ロボット導入支援事業に関しては、すでに多くの自治体が平成29年度の応募を開始しています。申請を締め切っている自治体もあるため、各窓口まで確認しましょう。

自治体の介護ロボット導入支援事業(一例)

介護ロボット事業の今後の動きを予測

介護ロボットを活用した介護技術開発支援モデル事業介護分野の ICT の活用等による生産性の向上から分かることは、平成29年度からは、単に介護ロボットを導入・普及するフェーズがすぎ、「いかに利活用していくか」という定着・運用へのフェーズに突入しつつあるということです。

介護ロボットと共生していくための新しい介護技術や、抜本的なオペレーション変更を伴う運用手法の開発が進められていくと考えられます。よって、導入にかかる経費を補助するというよりは、モニターや実証実験にかかる費用を補助する支援事業が増えていくと推測できそうです。

<参考資料>

厚生労働省(2010年6月)「新成長戦略~元気な日本復活のシナリオ~」

厚生労働省(2010年6月)「厚生労働分野における新成長戦略について

厚生労働省「介護・福祉ロボット開発・普及支援プロジェクト検討会」

テクノエイド協会「福祉用具・介護ロボット実用化支援事業」

厚生労働省・経済産業省(2012年11月)「ロボット技術の介護利用における重点分野」

厚生労働省・経済産業省(2014年6月)ロボット技術の介護利用における重点分野」改訂

厚生労働省(2014年)「在宅における介護ロボット普及の課題と福祉用具専門相談員の役割に関する調査研究事業」

テクノエイド協会(2015年)「介護ロボットの有効活用に必要な方策等の検討に関する調査研究事業」

厚生労働省「平成27年度厚生労働省補正予算」

厚生労働省「平成28年度厚生労働省予算」

厚生労働省「平成28年度厚生労働省補正第二次予算」

厚生労働省「平成29年度厚生労働省予算」