リアルタイム通知と活動履歴で”先読みの介護”を|リコーみまもりベッドセンサーシステム

リアルタイム通知と活動履歴で”先読みの介護”を|リコーみまもりベッドセンサーシステム

社会課題の解決に貢献する新しい価値提供領域として、リコーが見守りシステムを携えて介護業界に参入しました。

「リコー みまもりベッドセンサーシステム」は、その名の通り、センサーでベッド上にいる利用者を見守ってくれるシステムです。

リコーグループは、社会課題の解決と事業の両立を企業の絶対的命題と捉え、国際社会で合意された「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成にむけて、新しい提供価値を生み出し、様々な取り組みをおこなっているグループです。

そんな会社が作った「リコー みまもりベッドセンサーシステム」とは、いったいどんなシステムなのでしょうか?

開発担当の宮澤様、マーケティング担当の澤永様に直接インタビューしました。

リコージャパン株式会社開発担当の宮澤様とマーケティング担当の澤永様

開発担当の宮澤様(左)マーケティング担当の澤永様(右)に話を伺う

リコー みまもりベッドセンサーシステムとは?

みまもりベッドセンサーシステムは、ベッド上の利用者様の状態を通知したり、状態履歴を解析して生活リズムを把握したりできる、センサーを活用した見守りシステムです。

主な機能は2つあります。

離床センサーとして

1つめは離床センサーとしての機能です。

当製品では荷重センサーを採用しており、4つのセンサーをベッドのキャスター下に設置することで、ベッド上の利用者様の重心を検知し、それをもとに、離床はもちろん、動き出し、起き上がり、端座位など、離床前の状態まで通知することが可能です。

生活リズムの把握や健康支援ツールとして

2つめは、生活リズムの把握や健康支援ツールとしての機能です。

荷重センサーが取得したデータを解析することで、おおよその日々の就寝時間や睡眠時間、離床回数や離床タイミングを把握することができ、ケアの改善や排泄介助のタイミング調整などに活用することができます。

また、荷重センサーが利用者様の参考体重を算出するので、参考体重の推移をもとに利用者様の健康状態をサポートすることも可能です。

この2つの機能を通して、利用者様へのきめ細かいサポートはもちろん、介護スタッフの方への負担軽減を提供しています。

「社会課題を解決したい」という思い

ーーー「リコー みまもりベッドセンサーシステム」開発のきっかけは何だったのでしょうか?

弊社は社会課題の解決にむけて常に新しいことに取り組んでいますが、その中でも大きな課題である少子高齢化に対して、弊社として提供できる商品やサービスはないだろうかと考えたのがそもそものきっかけと言えます。

特に、医療・介護現場のオペレーション改善という観点から、さまざまな事業を検討しました。その過程で、当製品に採用しているミネベアミツミ社の荷重センサーを知ったのです。

ミネベアミツミ社の実績やセンサーとしての精度の高さと、弊社がもつシステム化の技術や保守サポートのノウハウを融合させることで、今までにない、より付加価値の高いセンサーシステムができるのではないかと考えました。その結果、今回の「みまもりベッドセンサーシステム」につながったのです。

4つの特徴

ーーー「みまもりベッドセンサーシステム」の特徴を教えてください。

ここでは4つに絞ってご説明します。

状態表示・通知方法の豊富さ

1つめは、きめ細かい状態把握ができる点です。

当製品では、利用者様の状態を8種類に分けて表示しています。

8種類とは、「安静」「左端 安静」「右端 安静」「活動あり」「右端 活動あり」「左端 活動あり」「端座位」「起き上がり」です。

こうした細かい状態表示に加えて、それぞれの状態になった際、どのように表示・通知するかを、「通常」「注意」「警告」の3つの段階から選ぶことができます。

みまもりベッドセンサーシステムの管理画面

例えば、「Aさんは動き出してから端座位や起き上がりすることが多く、転倒リスクも高いから、『活動あり』の状態でも通知してほしい」という場合は、「活動あり」では注意表示、端座位や起き上がりでは警告表示されるように設定できます。

また、「Bさんのベッドの右側は壁なので、左側に寄ったときだけ通知してほしい」という場合は、「右端 活動あり」では通常表示、「左端 活動あり」で注意表示にする、といったことも可能です。

検出スピードの速さ

2つめは検出スピードの速さです。

せっかくですので、どのくらい通知が速いのか、実際に見ていただきましょう。

みまもりベッドセンサーシステムの詳細管理画面

こちらが管理画面です。左上のアイコンが、利用者様の状態を表しています。状態が変わると、こちらに表示されるアイコンが変わり、設定に応じてアラームが鳴ります。

では、安静の状態からスタートしましょう。左端に寄ってみます。

ーーー左端に移動した数秒後にアイコンが変わりましたね。

はい。通知は通信環境にも左右されますが、通信環境が整っていれば、ほぼリアルタイムで通知されるというのが分かっていただけたと思います。

端座位も試してみましょう。

ーーー端座位になった瞬間、アラームが鳴りましたね。

はい。これは、事前の設定で、端座位は「警告表示」かつ「アラーム音:オン」に設定しているからです。「昼間はアラーム音なし、夜間だけアラーム音を出してほしい」という場合は、「アラームオフ時刻」を設定することで、アラームでお知らせしてほしい時間帯だけアラーム音を出す事もできます。

離床はもちろん参考体重もわかる

3つめは、参考体重が分かるという点です。すでに申し上げたとおり、当製品では荷重センサーを使用しているため、ベッド上の利用者様のおおよその体重を知ることができるのです。

みまもりベッドセンサーシステムの管理画面で参考体重が分かる

 

管理画面上に参考体重が表示される(赤枠内)

 

参考体重の記録は毎日蓄積されていきますので、その推移や変化から、利用者様の健康状態などを推測して、ケアに役立てることもできます。

みまもりベッドセンサーシステムの参考体重レポート

リコーならではの手厚いサポート体制

4つめは、製品の特徴というよりは、リコージャパンならではの特徴になるのですが、日本中にサービスステーションを持つため、全国のお客様に対して細かいサポートができるという点です。

介護ロボットや見守りシステムは、「導入したら終わり」という製品ではありません。導入してからちゃんと活用できるかどうかが鍵となります。ですので、運用中にトラブルがあったり、ご不明点があったりしたときに、すぐ解決できるというのは、長く活用いただく上で非常に重要です。

その点、リコージャパンは、日本全国420ヶ所以上のサービスステーションを保有しているので、そのサポート力を期待して「リコー みまもりベッドセンサーシステム」を導入された事業所様もいらっしゃいます。

活用事例と反響

インタビューを受けるリコージャパン株式会社の宮澤様と澤永様

ーーー導入先からの反響や活用事例を教えてください。

これまで、床に敷くタイプのマットセンサーを使っていた施設からは、「マットセンサーでは、アラームが鳴ったときにはすでに離床されていたり、時には転倒されていることもあり、タイミングとしては満足できないものだった。しかし『みまもりベッドセンサーシステム』は、離床の前段階でアラームを鳴らすことができるので、離床後の転倒・転落といったヒヤリハットを減らすことができた」とおっしゃっていただきました。

また、バイタルも測定できる、ベッドマット下に敷くタイプのセンサーを使用している施設では、より速い離床通知のために、弊社の製品も併用いただいているのですが、「通知が速くなった分、心に余裕が持てるようになった」と言っていただきました。

ーーーすでに別の離床センサーやマットを使っている施設からの要望が多いですか?

そうですね。他社のものを使ってみて感じた不満や不足を何とかしたいという期待をもって、弊社の製品を導入される事業所が多い印象です。

ーーーなるほど。「生活リズムの把握」ツールとして活用している例はありますか?

みまもりベッドセンサーシステムでは、「安静」「端座位」などアイコン表示される状態のほかに、「睡眠」「覚醒」「離床」など、24時間の活動状態も記録しています。

みまもりベッドセンサーシステムの活動履歴レポート

これを見ることで、就寝・起床時間や、夜間の排泄のための離床時間・回数などを読み取ることができます。

そうすると、例えば、「Aさんはいつもだいたい12時くらいに起きているから、この時間に排泄介助をしたほうが良さそうだな」といった”先読みの介護”ができるようになるのです。

これは、スタッフにとっては効率の良い介護に役立ちますし、利用者様にとっても、寝ている時間に「トイレだから」と無理やり起こされることがないというメリットにもなります。

ある事業所では、ポータブルトイレを使用していた利用者様に対して、活動履歴レポートからタイミングを割り出してトイレ誘導を行ったところ、ポータブルトイレの使用をやめることができたそうです。

導入や運用にあたって気をつける事

ーーーありがとうございます。逆に、導入する際の注意点はありますか?

1つは、ベッドのキャスターに荷重センサーを取り付けるタイプなので、ベッドによっては、ご利用いただけないことがある点ですね。ただし、基本的にはキャスター付きのベッドを推奨していますが、キャスターがなくても、サイズが合えば取付可能です。

荷重センサーが後づけできるという点が、同じく荷重センサーを採用している見守りシステムとの違いでもあり、メリットでもあります。

もう1つは、無線LANおよびインターネット接続環境が必要な点です。現状、ネット環境がない事業所様は、導入の際に環境整備もおこなっていただく必要があります。

当製品にかぎらず、近年、ネット環境を要する介護機器が増えてきていますので、これを機にネット環境の整備に力を入れたいという事業所様は、ぜひ一度弊社にご相談いただければと思っています。

対象施設や対象者

ーーーどのような事業所、または利用者様に向いているのでしょうか?

離床センサーとしての機能で言えば、要介護度2~4程度の方におすすめと言えます。また、事故リスクの高い事業所様や、在宅復帰を目指す事業所様にもぜひお使いいただきたいです。その他、ショートステイや小規模多機能、特養などでもお使いいただけます。

離床通知機能はもちろん、生活リズムのパターンや参考体重の推移などを、サービスの一環として提供したいという事業所様にもおすすめです。その意味では、有料老人ホームなども対象になると考えています。

  • 事故リスクの高い事業所
  • 在宅復帰を目指す事業所
  • ショートステイ
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 有料老人ホーム
  • 特別養護老人ホーム など

ーーー対象が広いですね。

はい、そこが当製品の強みでもあります。センサーの精度が非常に高いので、離床や参考体重という粒度から、内臓、体動全体を含めた高い粒度での活動状況も検知するので、例えば看取りの参考としても使いたいという施設様にもおすすめできます。

現場の声を機能に反映していきたい

ーーー最後にメッセージをお願いします。

我々はリコーグループとして、地域でお世話になっている方々に、事業を通して社会課題を解決していこうという目標に向かって、様々な活動をしています。

とくに「みまもりベッドセンサーシステム」では、高齢者やご家族に対しての安心安全のご提供と、介護スタッフの人員確保・業務負担などの働き方改善を目標に製品開発を進めています。

我々自身も、こうした課題や業界に対しては、まだまだ学ばせていただく点も多いと感じているので、介護にかかわるすべての人が安心して暮らせる社会に、少しでも貢献をしていければと思っています。

より具体的には、「みまもりベッドセンサーシステム」はクラウドと連携しているシステムなので、お客様の声を随時吸い上げ、それをすぐフィードバックできる仕組みがあります。今後も、実際に活用いただいている現場の声を聞いて、それを機能に落とし込んでいく予定です。