導入時の注意点

いざ、介護ロボットを導入!となったとしても、導入した当日から何の問題もなく誰もがすぐ使えるようになる、ということはまずありません。

操作方法を覚えなければいけないし、いつ・誰が・どんなときに使うのか、全員で共通認識を持っておかなくてはいけません。また、万が一故障や誤作動が起きた場合にどうするか、その対応もあらかじめ決めておく必要があるでしょう。

ここでは、実際に導入・運用するにあたって、注意すべき点をまとめます。

運用ルールの策定と見直し

まずは、運用におけるルールを策定しましょう。

運用ルールは、導入した介護ロボットに関わる関係者全員が、同じ認識をもって対応するための指標になります。運用ルールがないと、担当者によって対応がばらばらになってしまったり、トラブル発生時に混乱してしまったりする恐れがあります。

運用ルールには、以下のような内容を盛り込みましょう。

機器導入の目的

なぜ導入したのか、何のための機器なのかを明文化し、共通認識を持つ。

導入機器を用いた介助手順

使用の際の基本的な流れを明確にした上で、誰が、どのような場合に、どう対応するのかを明文化する。

故障や誤作動等が発生した場合のフロー

故障が発生した際の連絡先(販売店やメーカーへの連絡先など)を共有する。また、使用不能になった際の代替方法をあらかじめ定めておく。

禁止事項や留意事項

運用上の禁止事項や留意事項を明文化する。

運用ルールは、関係者が十分検討した上で策定される必要があります。

可能であれば、本格導入する前にプロジェクトチームを作り、テスト運用しながらルール決めを行うと、より実践的なルールを作ることができるでしょう。

説明会・研修会の開催

次は、実際に機器を使用するスタッフ、および彼らをフォローするスタッフ全員に対して、説明会・研修会を行います。

スタッフの勤務状況によっては、一斉に開催できない場合もあるでしょう。そのようなときは、何度かに分けて、全員に周知されるまで行いましょう。

説明会では、以下の内容を盛り込みましょう。

機器の導入目的

導入の背景を交えて、どのような課題を解決するための機器なのかを周知する。

機器の機能・特徴

何ができて何ができないのかを明確にする。

操作方法

実際の環境でデモンストレーションをしながら、具体的に説明する。

マニュアルの作成、配布

運用ルールと並行して、機器の取り扱いについてまとめたマニュアルも作成しましょう。運用ルールやマニュアルは、いつでも参照できるよう、スタッフルームや機器のそばに置いておきます。

マニュアルを作る際は、標準的な使い方をメインにし、まれにしか使わない操作や処理は別立てでページを用意しておくと、見やすくて分かりやすくなります。

また、実際の運用のなかで変更や追加があった場合は、そのつど更新し、更新したことを周知しましょう。

PDCAをまわす

運用を始めたら、ルールやマニュアルにそって運用されているか、その運用方法に過不足がないかどうかを定期的にチェックする必要があります。

計画の立案、実施、チェック、改善を繰り返し、成功事例と失敗事例を蓄積しながら、よりよい運用を探りましょう。チェックの際は、トラブルなく運用できているかはもちろん、利用者にどのような効果・影響を与えているかも確認します。可能であれば、実際に利用者やスタッフにヒアリングしたり、アンケートをとったりするなどして、現場の声を吸い上げ、運用ルールに反映させましょう。

運用・定着には時間がかかることを覚悟して

介護ロボットに限らず、「導入したらそれで終わり」ということはまずありません。実際に運用を始めてみなければ分からないことは必ず出てきます。大事なのは、その際に誰がどう対応すべきか、あらかじめ決めておき、混乱を最小限に抑えることです。

また、運用ルールやマニュアルを作り、全スタッフを対象に説明会を行ったとしても、実際にそれが定着するのには時間がかかることも覚悟しておく必要があります。

導入する機器や施設によっては、一斉にやるより、段階的に導入をすすめていくほうが効果的な場合もあります。

運用していくなかで、臨機応変に対応することが求められます。