導入までの流れ

これまで使ったことのない新しい製品を導入するのは、事業経営者にとっても現場スタッフにとってもたいへんなチャレンジです。ここでは、介護ロボットの導入ができるだけスムーズになるよう、導入までの手順とポイントをご紹介します。ぜひお役立てください!

導入前に目的と課題を明確化しよう

介護ロボット導入成功の第一歩は、施設の課題と導入の目的を明確化することです。介護ロボットを使って何がしたいのか、何を解決したいのかをはっきりさせることで、最適な介護ロボットを選ぶことができるようになります。

  • 移乗や入浴介助にかかるスタッフの腰の負担を軽減したい
  • 転倒の危険がある夜間の徘徊を何とかしたい
  • 少しでも歩行ができるようサポートしたい

目的を明確にするには、施設経営者はもちろん、管理者、現場スタッフも交えた話し合いが必要です。どのような業務のとき、どのような用途で、どのような効果を期待するのか、現場業務・管理運営の両面から検討しましょう。導入成功には、チームが一体となって共通認識を作ることが不可欠です。

介護ロボットを比較検討しよう

目的が明確になったら、情報収集をはじめましょう。

介護ロボットONLINEでは、製品の仕様はもちろん、開発企業のインタビューや導入事例を見ることができます。必要に応じて、メーカーへ連絡し説明をうけるのもいいでしょう。

選定のポイントは目的や課題によって異なりますが、共通して見るべき点として、以下を挙げておきます。

操作のしやすさ

使用時の小さなストレスは、積み重なれば大きなストレスとなり、「使われなくなってしまう」一因となります。実際に使用するスタッフが決まっていれば、デモやレンタルの際に、そのスタッフに試しに使ってみてもらうとよいでしょう。

移動のしやすさ

居室に設置するタイプの製品の場合、利用者が退去したり移動したりするタイミングで、製品も移動させたいというケースが出てきます。そうした場合、移設や移動がしやすいかどうかは、有効活用の鍵になります。

使用上必要な設備インフラ

介護ロボットによっては、施設全体のネット環境が完備されていないと使用できないものもあります。また、多くの製品が電源を必要とするため、その点も注意が必要です。

これまでの導入実績や事例

実際の介護施設でどのように運用されているかを知るのは、自施設での具体的な運用を考える上でとても役に立ちます。何台を何人で回しているのか、どのような利用者に対してどのように使用しているのかを具体的に知ることで、自施設でも使えそうかどうか、より正しく判断できるようになります。

逆に言えば、「補助金が出るらしいから、とりあえず良さそうな製品を導入してみよう」という考え方では、施設に合った製品が導入できず、結果的に使われなくなってしまう恐れがあります。

導入の前には、必ず導入の目的を明確化し、対象者や使用シーンを具体的に想定した上で、最適な機器を探しましょう。

費用対効果を検討しよう

介護ロボットに限らず、設備や機器を導入するときに必ず考えるのが費用対効果です。本体はもちろん、付属品の導入コスト、ランニングコストを含め、費用対効果を検討しましょう。

コスト比較をする際に注意すべきなのは、介護ロボットがもたらす直接的なメリットだけでなく、間接的なメリットにも目を向けるという点です。

介護ロボットの導入で、業務に必要な人員数や所要時間が減るとしたら、それは素晴らしいことでしょう。しかし、「見守りロボットを導入したことで、これまで気づかなかった危険行動に気づくようになった」という場合、導入前に比べてアラート数が増え、それに伴い介護業務も増える、というケースもあります。

このケースのように、業務や手間が増えるからと言って、「この介護ロボットは費用対効果が良くない」とはいい切れません。手間が増えた分、介護の質が向上していることもあるからです。

費用対効果を検討する際は、直接的なメリットだけでなく、「職員の人材育成」「業務プロセスの改善」「高齢者の自立支援の後押し」「顧客満足度のアップ」「職員の定着率・採用率の向上」など、間接的な影響をも視野に入れて考える必要があると言えるでしょう。

受け入れ体制を整えよう

導入する介護ロボットが決まったら、それを受け入れる体制を整えましょう。具体的には、下記の準備をする必要があります。

担当者の決定

メーカーとの窓口となったり、操作方法を現場スタッフに教えたりする、運用の中心人物となる担当者を立てましょう。

対象となる利用者の選定

誰を対象に使用するのかを決めましょう。

効果測定方法の決定

どのような評価基準(評価の視点)でロボットの使用評価を行うのかを決めましょう。また、評価基準に沿った効果測定方法を決め、導入後の成果を見える化する準備を行いましょう。

本人や家族からの同意

録画機能を持つ見守りロボットなど、利用者のプライバシーにも関わる介護ロボットを導入する場合には、事前に利用者本人やそのご家族にも同意を得たほうが良いでしょう。

まとめ

介護ロボットの導入前にするべき最も大事なことは、「なぜ介護ロボットを導入するのか」「導入することでどのような課題を解決したいのか」をはっきりさせることです。

そのためには、施設経営者、管理者はもちろん、介護現場で働くスタッフも含めて意見を共有し、十分に検討することが不可欠です。