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すべての記録をケアコラボに移行!杜の家やしおの新しい介護記録の形とは?

すべての記録をケアコラボに移行!杜の家やしおの新しい介護記録の形とは?

杜の家やしお(社会福祉法人 福祉楽団)では、介護記録のために「ケアコラボ」を利用しています。ケアコラボとは、スマホやPCから簡単に介護記録が入力でき、Facebookのようにタイムライン(時系列)で見られる、まったく新しい介護記録システムです。前回は、杜の家やしおに入所している母親を持つIさんに、家族の視点から見たケアコラボの魅力について伺いました。「何もしてあげられていない」から、「いっしょに介護しているみたい」へ|ケアコラボ体験談・家族編今回は、実際に介護記録をつけるために日常的にケアコラボを使っているスタッフの視点から、ケアコラボの魅力に迫ります。インタビューしたのは、杜の家やしおに勤めて7年になる栗原さん。栗原さんは、紙ベースの記録もケアコラボでの記録も経験しているベテランスタッフです。長い間、紙で介護記録をつけてきたスタッフにとって、突然「ケアコラボ」のような介護記録ソフトで記録することになったとき、戸惑いは感じなかったのでしょうか。ケアコラボの使い勝手や導入前後の変化を、現場目線から聞いてみました。画像引用: 杜の家やしお(社会福祉法人 福祉楽団)HP<取材協力>杜の家やしお 栗原さんケアコラボ株式会社非効率的だった紙での記録ーーー栗原さんは、紙での記録とケアコラボの記録、両方をご経験されていますね。ケアコラボに比べて、紙での記録はいかがでしたか?紙での記録で困ったのは、一度に一人しか記録ができないという点です。介護の現場では、介護職員をはじめ、看護師や相談員などさまざまな人が働いており、それぞれが利用者様の様子やケア内容を記録しています。しかし、紙の場合は、介護職員が「今すぐ記録をつけたい」と思っても、相談員が先に記録をつけていれば、それが終わるまで待たなくてはいけませんでした。記録する場所が一箇所しかないので当然のことではありますが、非効率的だったと思います。また、紙では、過去の記録を追うのも大変でした。過去の記録は倉庫に保管しているので、わざわざ倉庫に行って、探して、持ってきて…という手間がかかります。さらに、手書きで記録するため、書く人や読む人によっては読みづらいと感じることもありましたね。杜の家やしおでのケアコラボ活用法ーーー現在は、ほぼすべての記録をケアコラボで行っていると伺っています。杜の家やしおでのケアコラボの使い方を教えてください。杜の家やしおでは、1ユニット10名構成のユニットケアを行っており、2ユニットで1チームとして動いています。パソコンは1チーム(2ユニット)につき1台、スマホは1チーム(2ユニット)につき3台用意しており、勤務者で使いまわしています。スマホは、早番・遅番で1台、夜勤者で1台持つイメージです。すべての介護記録をケアコラボで行っているので、スマホは常に肌身離さずの状態ですね。PC、スマホどちらからでのアクセスできるので、例えば相談員が事務所でPCを使ってケアプランを確認している間に、ユニットにいるスタッフがその場でスマホから最新情報を記録していくということも日常茶飯事です。またスマホがあれば、利用者様の病院に付き添っている場合も、待ち時間を利用して記録することもできます。PCのほうが記録しやすいというスタッフは多いですが、現場を離れずに記録できるスマホの手軽さはとても魅力的です。ケアコラボ導入後の変化ーーー実際にケアコラボを使ってみて、変化したことはありますか?一番の変化は、介護記録をタイムリーに共有できるという点です。情報共有のための時間が短縮されるので、申し送りや多部署を交えたケア方針の話し合いもスムーズになりました。2つ目の変化は、簡単に検索できるようになったことです。ケアコラボではフリーワード検索ができるので、「あとでケアに役立てたいな」と思ったら、関連するキーワードを一緒に入力しています。例えば、転倒される利用者様の転倒対策を考えるために、転倒に関する記録には「転倒」というキーワードをいれるようにしておけば、あとで検索するときも必要な情報をすぐ集めることができるんです。3つ目の変化は、スタッフのモチベーションがあがったことです。とくに新入職員は、自分が投稿した記録に上司から「いいね」を押してもらうと、「ちゃんと見てくれてるんだな」と感じるようですね。もちろん、私を含むその他のスタッフも、同僚やご家族様から「いいね」やコメントをもらうと、やはり嬉しくなります。家族との共有で関係性が深まるーーーありがとうございます。杜の家やしおでは、2018年4月から、利用者の家族にケア記録が公開される「家族共有機能」の利用を開始しています。家族に情報を共有することで、なにか変化はありましたか?「何もしてあげられていない」から、「いっしょに介護しているみたい」へ|ケアコラボ体験談・家族編ケアコラボを通してコミュニケーションをとることで、これまでよりもご家族様との関係性が作りやすくなりました。なかなか面会に来られないご家族様とも、施設内での利用者様の様子や職員との会話を共有できるだけでなく、それに対してコメントのやりとりができるので、関わりが深くなりましたね。また、写真や動画も好評です。我々としては「目に見える記録」ができますし、ご家族様にとっては「生活そのものを残せる」というメリットがあります。紙ベースだと写真をとる機会が少ないので、例えば亡くなったあと、あまり写真が残っていないということもありましたが、ケアコラボにしてからは、スタッフも積極的に写真や動画をとるようになりました。一方で、そうした写真をご家族様が親族の方などに共有するケースが発生しています。好ましく見ていただいているからこそではありますが、写真には他のご利用者様が写っている場合もあるため、どのように管理するかが課題にもなっています。重要事項はホワイトボードでも共有ーーー確かに、個人情報にもなる介護記録の取り扱いは難しい問題ですね。その他に、使ってみて感じた問題点はありますか?ケアコラボはタイムライン表示なので、事故報告などの重要な情報も、新しい情報に流されてしまうという点です。紙ベースで事故報告を行っていたときは、事故報告書をユニットに貼って、すぐ目につくようにしていました。しかし、今はすぐ情報が流れていってしまうので、スタッフルームにホワイトボードを置き、そこに記入することにしています。進化し続けるケアコラボーーーありがとうございます。最後にメッセージをお願いします。紙の記録はひたすら文字を書くだけでしたが、ケアコラボにしてから、動画や画像の投稿やコメントでのやりとりができるようになり、介護記録を楽しむ幅が増えました。もちろん課題もありますが、問題が発生したらそのつどケアコラボ社に共有し、必要に応じて改善していただいています。月に1度の頻度で開催されるユーザー会の様子杜の家やしおでケアコラボを使い始めて4年目になりましたが、常に進化し続けているなと感じています。これからも、ケアコラボと一緒に新しい介護記録の形を模索していければと思っています。 <施設情報>特別養護老人ホーム 杜の家やしお(社会福祉法人 福祉楽団)定員:100名住所:〒340-0802 埼玉県八潮市鶴ケ曽根567番1Tel : 048-999-7667Fax : 048-999-7668

介護支援専門員(ケアマネジャー)とは?ケアマネのなり方、仕事内容、働く場所

介護支援専門員(ケアマネジャー)とは?ケアマネのなり方、仕事内容、働く場所

介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護サービスや介護保険のスペシャリストです。ここでは、介護支援専門員のなり方や仕事内容、給料事情などについてまとめました。 ケアマネになりたい! どうやって介護支援専門員になるの? ケアマネの給料が知りたい ケアマネが働く場所は? ケアマネになってからも必要な研修があるらしい こんな疑問や気になることにお答えしていきます。※2018/06/29追記介護支援専門員とは?介護支援専門員とは、要介護(支援)者が適切な介護サービスを受けられるようサポートする介護の専門職のこと。ケアマネジャー(ケアマネージャー)とも呼ばれます。介護支援専門員(ケアマネジャー)になるには、5年以上の実務経験を積んだのち、「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格することが必要です。受験手数料は都道府県によって異なりますが、だいたい7,000円~9,000円かかります。2018年から、介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格が変更されました。まずは介護支援専門員になるまでの流れから見ていきましょう。介護支援専門員になるには介護支援専門員は、各都道府県が認定する公的資格です。介護支援専門員になるまでの流れは大きく4段階に分けられます。まず、有資格者として5年以上の実地業務、もしくは生活相談員や支援相談員として5年以上の相談援助業務をします。その後、各都道府県が実施している「介護支援専門員実務研修受講試験」を受験し、合格します。合格したら、今度は「介護支援専門員実務研修」を修了します。すべて修了したら、最期に各都道府県の介護支援専門員名簿に登録を行います。そこで介護支援専門員証の交付を受ければ、介護支援専門員(ケアマネジャー)として働くことができます。ちなみに、介護支援専門員証の交付は5年ごとに更新が必要です。介護支援専門員実務研修受講試験「介護支援専門員実務研修受講試験」とは、介護保険制度や要介護認定、居宅介護サービス計画に必要な専門知識があるかどうかを確認するための試験です。試験は都道府県が実施しており、受験費用も都道府県によって異なります。受験費用は、およそ7,000円~9,000円程度です。受験資格介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格はいくつかありますが、2018年以降の試験から、この受験資格が変更になりました。ポイントを整理すると、 いままで対象だった介護等の業務やケース・ワーカーが対象外 介護職員に関しては、介護職員初任者研修、ホームヘルパー2級、実務者研修などの資格を持っている人の受験資格制度が対象外になり、介護福祉士として5年以上の実務経験が必要となります。合格ライン 介護支援専門員実務研修受講試験は、介護支援分野・保健医療福祉サービス分野の2つの分野にわかれています。2017年に実施された第20回目の試験では、介護支援分野で25問、保健医療福祉サービス分野で35問が出題され、それぞれ1問1点で採点されました。合格には、それぞれの分野で、70%以上を得点する必要があります。つまり、介護支援分野では15点、保健医療福祉サービス分野では23点をとる必要があるということです。合格率平成29年度の介護支援専門員実務研修受講試験の合格率は21.5%でした。例年は13~19%あたりを推移しており、試験の難易度はそれなりに高いといえます。 試験日 合格率 第15回平成24年度(2012年10月28日) 19.0% 第16回平成25年度(2013年10月13日) 15.5% 第17回平成26年度(2014年10月26日) 19.2% 第18回平成27年度(2015年10月11日) 15.6% 第19回平成28年度(2016年10月2日) 13.1% 第20回平成29年度(2017年10月8日) 21.5% 試験内容・過去問試験内容は多岐に渡り、介護支援分野、保険医療サービス分野、福祉サービス分野に大分されます。 介護支援分野 保健医療サービス分野 福祉サービス分野 介護支援専門員の大きな役割であるケアプランの作成には、介護サービス全般を知っている必要があるだけでなく、介護保険にも精通している必要があります。さらに、利用者や介護サービス事業者、医療機関との話し合いも発生するため、幅広い知識が求められるのです。過去には以下のような問題が出題されています。 第19回介護支援専門員実務研修受講試験問題過去問 ( 介護支援分野 ) 問:介護保険法第1条又は第2条に規定されている文言はどれか。3つ選べ。(1)自立した日常生活(2)要介護状態等の軽減(3)医療との連携(4)利用者主体(5)介護の社会化 答え:正解は1・2・3(1)第1条に規定されている。(2)第2条第2項に規定されている。(3)第2条第2項に規定されている。(4)第1条に尊厳の保持等の規定があるが、利用者主体とは規定されていない。(5)第1条に国民の共同連帯の規定があるが、介護の社会化とは規定されていない。 引用: 株式会社シルバー産業新聞社「ケアマネージャー試験過去問題集」HP より 介護支援専門員実務研修介護支援専門員実務研修受講試験に合格したら、次は実務研修を受講しましょう。「介護支援専門員実務研修」とは、「介護支援専門員として必要な知識、技能を有する介護支援専門員の養成を図ること」を目的とした研修です。研修日数・期間介護支援専門員実務研修の研修期間は「6日間で合計44時間以上」と国によって定められていますが、実際の研修期間は各都道府県によって異なります。たとえば、東京都では15日間(87時間)の講義・演習と3日間の実習で構成されています。研修内容実務研修では、介護サービス計画(ケアプラン)の作成やモニタリングの実施など、ケアマネジメントの専門知識や技術を学習します。講義などの座学だけでなく、グループワークやミニワーク、個人/グループ発表、介護サービス計画作成演習なども行います。介護支援専門員になってから無事に介護支援専門員の交付証を得たら、いよいよ仕事開始です。ここでは、介護支援専門員の主な仕事内容や役割、給料や求人・働く場所、介護支援専門員になってから必要な更新研修についてまとめました。介護支援専門員の役割・仕事内容介護支援専門員の役割は主に二つあります。ケアプランの作成1つ目の役割は、ケアプラン(介護サービス計画)の作成です。ケアプランの作成には、本人や家族との面談によるインテーク、利用者の情報や面談から課題を把握・分析するアセスメントなどが必要です。ケアプランは、これによって「どのような介護サービスが、どのように受けられるのか」が決まるので、利用者本人や家族にとっては非常に重要です。介護支援専門員は、利用者の意向を把握するのはもちろん、「隠された意向」にも気づき、スポットライトをあてなければいけません。また、「できないことのカバーする」“補完的介護”ではなく、「できることを伸ばす」“良くする介護”のためのケアプランにする必要があります。事業者・関係機関とのサービス調整役2つ目の役割は、サービス事業者・施設等の連絡調整です。ケアプランが完成したら、介護サービスの提供事業者を探して手配します。事業者の選択も利用者の意向に沿うことが原則ですが、利用者側に知識や情報が乏しい場合は、介護支援専門員が代わりに選択することもあります。時には介護保険によるサービスだけでは対応できないこともあります。そうしたケースに備え、介護保険外のサービスについても通じておく必要があるでしょう。候補となった事業所に連絡を入れ、定員等の空きがあるかどうか確認し、サービスを調整します。事業者が決定したら、サービス担当者会議を開催します。介護支援専門員は、自らが進行役となり会議を進めていきます。ケアマネジャーの給与・給料・手取り厚生労働省の 平成28年度介護従事者処遇状況等調査結果 によれば、ケアマネジャーの平均給与(月給)は常勤で342,440円でした。非常勤の場合は276,380円です。一般的に、額面のおよそ75~80%が手取りとなるので、常勤のケアマネジャーの平均の手取りは、274,000円前後だといえるでしょう。同年の他職種との比較から、ケアマネジャーは介護職員よりも給与が高く、理学療法士や作業療法士と同程度の水準だといえそうです。詳しくは ケアマネジャーの給料ってどれくらい?平均と比較まとめ で知ることができます。働く場所・求人ケアマネジャーには、居宅介護支援事業所などで働く「居宅ケアマネ」と、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)などで働く「施設ケアマネ」の2種類に分けられます。居宅ケアマネ多くのケアマネジャーは、居宅介護支援事業所に所属することになります。居宅ケアマネは利用者の自宅を訪問し、利用者の代わりに居宅で受けられる介護サービスを紹介したり、ケアプランを作成したり、給付費を計算・請求したりします。施設ケアマネたいして、施設ケアマネが所属するのは特定の施設です。そのため、施設ケアマネはその施設を利用している利用者のケアプランを作成します。施設ケアマネの多くは、介護スタッフとともに介護業務を行ったり、他の業務も兼務したりするのが一般的です。介護支援専門員更新研修介護支援専門員証は、5年ごとの更新が必要です。更新するためには、「介護支援専門員更新研修」を受講しなくてはいけません。介護支援専門員更新研修は、定期的な研修の機会を確保して、介護支援専門員としての知識や能力を維持することを目的としています。介護支援専門員更新研修を受講すべきか否か、受講するとしたらどのような研修を受講すべきかなどは、更新回数などによって変わります。下記のフローチャートから確認しましょう。更新を忘れると登録が取り消しに!更新期限を過ぎたのに更新研修を受けていない場合、また更新研修を受けたのに介護支援専門員証の交付申請を忘れてしまった場合、これまでは、ただちに登録が取消処分となっていました。しかし、「更新の手続きを忘れてしまっただけの人にとって処分が重すぎる」という声が多々あったため、2018年6月より、更新期限を過ぎてしまった場合でも、速やかに交付申請をしたり、介護支援専門員再研修を速やかに受講したりすればよいというルールができました。ただし、申請や再受講通知が来たのにそれを無視してケアマネ業務を続けた場合は、登録取消になる恐れもあるので注意しましょう。 AIがケアプラン作成?ケアマネジャーの将来性介護支援専門員の役割の一つである「ケアプラン作成」。実は最近、AI(人工知能)を使ってケアプランを作成しようという試みがなされています。AI によるケアプランの開発、提供を事業内容に掲げる株式会社シーディーアイは、日本初となる人工知能によるケアプラン作成の実証プロジェクトを本格的に開始しました(※)。※愛知県豊橋市でケアプラン作成を支援する人工知能の利用を開始 介護保険データを学習させた人工知能にケアプランを作成させ、ケアマネジャーが調整した上で利用者に提供し、利用者の身体状況の改善度やケアマネジャー業務の変化等を調査するとのことです。AIの登場でケアマネは不要になるのか?人工知能が作成したケアプランによって改善や業務負担軽減効果が見られれば、介護支援専門員(ケアマネジャー)の需要は減るのでしょうか?現実には、それほど単純ではないと言えるでしょう。なぜなら、ケアプランは介護保険データだけでなく、本人の意向や家族の状況、地域の事情、気候の変化(気温が下がってきたから痛みが増した等)など、さまざまな条件を総合的に考慮してはじめて、最適なものとなるからです。こうした微妙な調整をAIができるようになるには、まだまだ時間がかかると考えられます。まとめ介護支援専門員は、高度な知識やスキルが求められる介護の専門職です。介護の要となるケアプランは、長年の実務経験と深い見識にもとづいて作成されます。そのため介護職員にくらべて高い給与が支払われますが、能力や知識を維持するため、更新のたびに研修をする必要があります。また働く場所によっては、介護職員と一緒に介護業務を行う場合もあります。AIによるケアプラン作成という新しい試みが実施されてはいるものの、今後もケアマネジャーは居宅系・施設系サービスのどちらからも必要とされるでしょう。ケアマネジャー(介護支援専門員)の求人/募集/転職情報に興味がある方は、姉妹サイト【介護のお仕事】をご覧くださいね!

知らないと損をするかも!ネットでできる介護の情報収集方法

知らないと損をするかも!ネットでできる介護の情報収集方法

みなさん、こんにちは。介護システムエンジニアの福村浩治です。介護エンジニアという職業柄、なんとかITの力を使って介護を便利にできないかと、これまでさまざまな方法を模索してきました。私は、ふだんからインターネットを使って介護の情報を調べることが多いです。ネット上には有益な情報がたくさんありますが、介護に向き合いはじめたばかりの「何がわからないかわからない」状態の人にとって、あふれる情報から必要な情報を見つけ出すのは至難のワザでしょう。介護の情報収集が十分にできていないと、「本来なら介護保険を使って自己負担1割でできたのに、それを知らなかったがために、全額自己負担してしまった」なんてこともありえます。実は、これに似たことを、私自身も経験したことがあるのです。介護保険の創設以前である約30年前、私の父が全額自己負担で自宅の階段に手すりをつけました。当時は、私も父も介護や障害福祉の知識がなかったのですが、申請しておけば、全額自己負担しなくてすんだかもしれません。もっとも、介護保険制度がある現在は、リフォーム会社から介護保険の利用を提案されるはずので、我が家のようなことは起こりにくいとは思います。しかし、自分や自分の家族がよりより介護をうけるためには、介護サービスの基礎知識や最新情報を知っておくに越したことはありません。 そこで今回は、今までと趣向を変えて、介護初心者の方に向けて、ネットを中心とした効率の良い介護情報収集方法を教えます。 基礎中の基礎!市役所の介護保険課「そろそろ介護が必要かも…」そう思ったら、まずは市役所の介護保険課 へ行きましょう。 介護保険課は、お住まいの市区町村により、名称が若干違う場合もあります(例:長寿介護課・介護福祉課など)。介護保険課とは、介護保険サービスを利用するための要介護認定の手続きや、介護に関する相談、介護保険の給付、介護に関する助成事業を行っているところです。「まずは対面で話を聞きたい」という人は、相談窓口で色々と教えてもらいましょう!「窓口に行く時間がない」という方は、市区町村のホームページから情報を閲覧することもできます。ホームページは、「お住まいの市区町村名 介護保険課」で検索すると見つかります。和歌山市の福祉保健課のページ( 和歌山市HP)ただし、各市区町村により情報量や内容の差がかなりあるので注意が必要です。 何件か確認してみましたが、 初心者向けに介護保険の説明が書かれている市区町村もあれば、サービス事業所向けの情報がほとんどのような市区町村もありました。後者の場合は、窓口に行くしかないでしょう。私は仕事柄、各市区町村のホームページを確認したり問い合わせをすることがよくあります。しかし、市区町村によりホームページの構成が違うため、どこにどの情報があるかがわかりづらかったり、ある市区町村では掲載されている情報が、べつの市区町村では掲載されていないということが多々あります。個人的には、掲載する情報や掲載方法を統一してもう少しわかりやすくしてほしいと思いますが、必要な情報が見当たらないときは、電話などで問い合わせしてみるのもありでしょう。相談は地域包括支援センターでも可能相談は、地域包括支援センターでも可能です。介護保険課のページ内にリンクがある場合もあります。なければ、「お住まいの市区町村名 地域包括支援センター」で検索してみてください。大阪市の地域包括支援センターのページ(大阪市HP)近所にどんなサービスがあるかを調べよう!「いざ、介護サービスを使おう!」と思っても、どんなサービスがあるのか、どこで受けられるのか、わからない人も多いのではないでしょうか。そんなときにおすすめなのが「介護サービス情報公表システム」です。介護サービス事業所の調べ方介護サービス情報公表システム とは、全国の介護サービス事業所・施設の情報が掲載されているホームページです。介護サービス情報公表システムのホームページ(厚生労働省HP)今回は、 自宅まで訪問して介護してほしい 自宅近く(大阪市内)の事務所がよい と考えている人と仮定して、サービス事業所を調べてみます。まず、都道府県で大阪をクリックします。その後、調べたいものを選択します。今回は、「自宅まで介護しにきてほしい」というニーズがあるため、介護サービスを提供している介護事業所を検索します。「介護事業所を検索する」をクリックしましょう。絞り込むための条件が表示されました。今回は、「自宅近くの事業所が知りたい」というニーズがあるため、「地図から探す」をクリックします。次に該当の市区町村を選択し、「サービスを選択」をクリックします。そうすると、自宅でサービスをうける訪問系サービス、施設でサービスをうける施設系サービスなど、さまざまなサービスが表示されます。該当のサービスにチェックをいれ、検索をクリックします。今回は、「自宅で介護してほしい」、つまり訪問系サービスを探しているので、「訪問介護」にチェックを入れます。すると、検索結果の事業所が無事表示されました。以上のように、「介護サービス情報公表システム」を使えば、求めているサービスを提供してくれる事業所や、自宅近くの事業所が簡単に調べられます。サービス内容も調べられるそもそもどのようなサービスが必要かは、状況によりさまざまですので、市区町村の窓口や、地域包括センター、居宅介護支援事業所などで決めていくことになります。2018年6月現在、介護サービスは53種類あります。これは制度の改正のたびに増えていっており、今後も増えていくことが予想されます。私自身、介護について調べた際、あまりにたくさんのサービスがあるため、混乱したのを覚えています。 介護サービス情報公表システムには、各サービスの説明や概要も掲載されているので、ご一読されることをお勧めします。福祉用具について知ろう!介護サービスのひとつに、「福祉用具貸与」があります。これは、車いすやリフトなどの福祉用具を利用することで日常生活上の便宜を図り、家族の介護の負担軽減などを目的としたサービスです。腰掛便座など の貸与になじまないものは、「特定福祉用具」として購入することもできます。どちらも、自己負担の1割~2割(今年8月からは3割も)で利用できるサービスです。福祉用具の検索方法テクノエイド協会のホームページから福祉用具が検索できる( テクノエイド協会HP )ここでは、福祉用具の検索方法をご紹介します。どのような福祉用具があるかは、公益財団法人テクノエイド協会のホームページで確認することが可能です。今回は、車いすを調べてみましょう。TOPページから、「福祉用具情報システム」をクリックします。 「福祉用具の検索」→ 「介護保険 福祉用具を探す」をクリックします。 その後、「サービス種類」と「サービス項目」を選択し、「検索」をクリックすると、検索結果が表示されます。以上のように、「福祉用具情報システム」を使えば、どのような製品があるかを調べることができます。「車いすがほしいけど、どんなものがあるのかわからない」「今使っているものより、もっと自分に合うものはないだろうか?」そんなときは、ぜひ一度ここで検索してみましょう。介護で忙しい日々を送る人へ今回は、介護サービスやサービス事業所の調べ方、福祉用具の検索方法をご紹介しました。相談窓口やレンタル・販売店に行かなくても、ある程度の情報であればインターネットを使って調べることが可能です。介護保険は、制度を持続するために年々複雑化しています。そのため、日々の介護で疲弊されている方の中には、最新情報をキャッチするのが難しかったり、いざというときに「そんなこと知らない!」と感じたりすることも多いと思います。日々の生活や介護に追われつつ、限られた時間のなかで情報を収集するなら、インターネットがとてもおすすめです。ホームページをチェックする程度なら、少し手が空いた時にもできるのではないでしょうか。次回も引き続き、介護の情報収集方法についてご説明したいと思います。

「何もしてあげられていない」から、「いっしょに介護しているみたい」へ|ケアコラボ体験談・家族編

「何もしてあげられていない」から、「いっしょに介護しているみたい」へ|ケアコラボ体験談・家族編

杜の家やしお(社会福祉法人 福祉楽団)では、介護記録のために「ケアコラボ」を利用しています。ケアコラボとは、スマホやPCから簡単に介護記録が入力でき、Facebookのようにタイムライン(時系列)で見られる、まったく新しい介護記録システムです。「ケアコラボ」で介護はもっとクリエイティブに!”利用者”中心の記録システム|ケアコラボ株式会社ケアコラボでは、スタッフが投稿した介護記録や日々の入所者の様子に対して、入所者の家族がコメントをつけられる「家族共有機能」があります。杜の家やしおでも、2018年4月から、介護記録や日々の投稿を家族に向けて公開することにしました。これにより、介護スタッフと家族が、投稿を通してコミュニケーションが取れるようになったのです。今回は、杜の家やしおに入所している家族をもつIさんに、ケアコラボを使ってみて感じたことをインタビューしてみます。画像引用: 杜の家やしお(社会福祉法人 福祉楽団)HP <取材協力>特別養護老人ホーム 杜の家やしお(社会福祉法人 福祉楽団)ケアコラボ株式会社「気持ちの面でもすこし距離を感じていた」|ケアコラボを使う前都内に住むIさんは、埼玉県にある杜の家やしおに、月に2~3回程度訪ねています。まずは、ケアコラボの投稿が家族に公開される前のお話から伺いました。杜の家やしおに入所している母親をもつIさん(写真手前)と、社会福祉法人福祉楽団のソーシャルワークチーム ジョブマネージャーである中村麻里さん(写真奥)ーーーケアコラボを使う前はどうでしたか?自宅からここまで1時間以上かかりますし、来るときは兄に送迎を頼んでいるので、母を訪ねることができるのは月に2~3回程度です。頻繁に来られるわけではないので、スタッフの方となかなかじっくりお話する機会もなく、どのような方が母のお世話をしてくださっているのか、あまりよく知らなかったんです。また、身内にこうした施設の利用経験者がいなかったので、ふだん母がどのようなケアをしてもらっているのかも、よく分からない状態でした。ですから、物理的な距離もありましたが、気持ちの面でもすこし距離を感じていましたね。いっしょに介護をしているような気持ちーーーケアコラボが公開されてからどのように変わりましたか?母の体調や日々の様子を頻繁に投稿してくださるのを見ていると、スタッフさんといっしょに母を見守っているような気持ちになりますね。投稿された写真や動画を見て、「元気そうだな」「楽しそうだな」と感じて嬉しくなることもよくあります。ケアコラボなら、スタッフが投稿した画像や動画を、 離れて暮らす家族が見ることも可能だ(画像提供: ケアコラボ株式会社)また、どのスタッフさんが投稿してくださったのかも見られるので、なかなか会えないスタッフさんに対しても、親しい気持ちになりますね。最近では、スタッフの皆さんといっしょに介護をしているような気持ちになることもあります。ケアコラボを使う前に比べて、スタッフさんにも母にも、より近づけたと思います。母が自宅で一人暮らしをしているときよりも、しょっちゅう会っているような感じがするほどです。「何もしてあげられていない」罪悪感があったーーーご自宅にいたときは、どのくらい会っていたんですか?実は、今よりも回数としては少なかったんです。というのも、一人暮らししている母を見ると、「何もしてあげられていないなあ」という罪悪感を抱いてしまって、足が遠のいてしまっていたからです。母自身は「一人暮らしが気楽でいいのよ」と言っていましたし、そのとおりのところもあったとは思いますが、ついかわいそうに思えてしまって、自責の念に駆られることも少なくありませんでした。私が住んでいる場所に母を呼び寄せたこともありますが、母が環境の変化に慣れず、認知症の症状が悪化したこともあり、同居には至らず一人暮らしに戻ったんです。そうこうしているうちに、年齢とともに一人暮らしが難しくなってきたので、一旦入院したあと、ここに入所したという経緯があります。一人暮らしをしていたときや入院していたときに比べて、今の母は本当に幸せそうです。もともとよく笑う人でしたが、ここに入所してからは、以前にも増して笑顔が増えたと感じます。母が幸せそうにしている様子を、ケアコラボを通して私も見ることができるので、私自身も幸せになりますね。これまで、「母の最期のときを幸せにしてあげられない」という自責の念や罪悪感を感じていましたが、今では「ここに入所できて、母の最期が幸せに彩られて本当によかった」と思っています。母はもちろん、私や私たち家族まで救われた気分です。ケアコラボの投稿を見ていても、スタッフの皆さんが仕事のレベルを超えて素晴らしいケアをしてくださるのが伝わるので、心から感謝しています。日常のケアが感謝の対象にーーーそう感じた印象的なエピソードがあれば教えてください。ケアコラボの投稿を見ながら、「最近はこんなことがありましたよね」と話すお二人以前、あるスタッフさんが投稿してくださったことをご紹介します。母がパンを食べようとしたとき、「ジャムはいらない」とスタッフさんに言ったそうなんです。それに対してスタッフさんが、「ジャムをつけるとおいしいですよ」と言ってくださり、それを聞いて母もジャムをつけてパンを食べたのだそうです。ふつうであれば、「ジャムはいらない」といわれたら、「そうですか」とそのまま流してしまうと思うんですが、母のためを思ってジャムを勧めてくださるところに、本当に心を込めて母に接してくださっているんだなと感動しました。そんなささいな日常のエピソードを知ることができるのも、ケアコラボならではだと思います。ーーー逆に、ケアコラボを使っていてトラブルがあったことはありますか?トラブルというわけではありませんが、使い始めたばかりのころに、すこし戸惑ったことがありましたね。ある日、いつものようにケアコラボを見ていると、体調の記録が赤色で強調されていたことがありました。「なんだろう?」と思って見てみると、いつもより血圧が低いと記載してあったんです。それを見てびっくりしてしまって、その日は万が一のことを考えて外出は控え、ずっと自宅にいてケアコラボを見ていましたね。今でこそ、母くらいの年齢だと血圧が下がることはよくあると知っているのですが、当時はそういった知識もなかったために、つい慌ててしまいました。PCはもちろんスマホでも見守りーーー普段のケアコラボの利用方法を教えてください。私は普段から朝と夜にパソコンを見る習慣がありましたが、ケアコラボが始まってからは、それ以外の時間でも「今、お母さん何しているのかな」とケアコラボをのぞくことがありますね。楽しそうな写真や動画が載っていると嬉しくなりますし、逆に体調が悪かったと書いてあるとちょっと落ち込んだり心配したりもします。そういう記録を見て「やっぱり年なんだな」と実感しますね。 血圧や体温など日々の記録も見ることができる (画像提供: ケアコラボ株式会社 ) 最近では、スマホにもアプリを入れて、気になったときに見ています。ーーー他のご家族の反応はいかがですか?ケアコラボに参加しているのは、私の他に兄がいます。兄は私のように積極的にコメントを残したりはしませんが、投稿されたものはすべて見ていますよ。さっきも車のなかで、母の血圧について話していました。コメントはしなくとも、ケアコラボの投稿にはいつも支えられています。ーーーありがとうございます。最後にメッセージをお願いします。こちらに入所してから、母も幸せになりましたが、家族である私たちも幸せになりました。これまで、老齢の母に対して「もっとちゃんとやってあげなきゃ、でもなかなかできない」という気持ちが常にあり、心が晴れることはありませんでした。しかし、こちらに入所して々母の幸せそうな様子や心のこもったケアを日々見せていただき、本当に安心できるようになりました。親の介護に対して、自責の念や罪悪感を抱いている人は多いはずです。介護される人はもちろん、その周りにいる家族まで幸せになれる介護やツールが、もっと広まっていけばいいと思います。ーーーありがとうございました。編集部まとめ杜の家やしおに入所するまでは、常に母親に対して罪悪感を抱いていたというIさん。しかし、ケアコラボを通して幸せそうな姿や配慮あるケアの様子が日々見られるようになったことで、いつしかそんな罪悪感が払拭され、「母の最期が幸せであって本当によかった」と心から思えるようになったそうです。それは、杜の家やしおでのケアの素晴らしさはもちろんのこと、それを家族に伝える「ケアコラボ」があってこそでしょう。「ケアコラボ」は、単なる業務効率化のためのツールではなく、利用者の家族とスタッフの信頼関係を築くための、重要なコミュニケーションツールであることがわかりました。次回は、ケア記録ソフト「ケアコラボ」をつかうスタッフの方のインタビュー<施設情報>特別養護老人ホーム 杜の家やしお(社会福祉法人 福祉楽団)定員:100名住所:〒340-0802 埼玉県八潮市鶴ケ曽根567番1Tel  : 048-999-7667Fax : 048-999-7668ケアコラボの取材記事はこちらから「ケアコラボ」で介護はもっとクリエイティブに!”利用者”中心の記録システム|ケアコラボ株式会社

「看取り介護」とは?具体的な内容や看取り介護の問題点

「看取り介護」とは?具体的な内容や看取り介護の問題点

平成18年に看取り介護加算が実施されてから、「病院以外での看取り」が注目され始めました。ある調査では、7割の特養がすでに看取り介護を実施していることがわかっています。介護をする人にとって、「看取り介護」は避けては通れない業務になってきているのです。 看取りとは?看取り介護とは? ターミナルケアとは何が違うの? 具体的にどんなことをするの? 看取り介護加算について知りたい!看取り介護の問題点は? ここでは、看取り介護をする人に向けて「看取り介護」の基礎知識をまとめます。※2018/02/19修正・追記しました。看取りとは?近年、「どんな状態であっても長く生きる」という考え方から、「残された時間を有意義なものにする」「自分らしい最期を過ごす」という考え方にシフトしつつあります。そこで注目をあびたのが「看取り」および「看取り介護」です。そもそも「看取り」とは何を指しているのでしょうか?看取りの定義全国老人福祉施設協議会の「看取り介護実践フォーラム」(平成25年度)では、看取りを下記のように定義しています。 看取り 近い将来、死が避けられないとされた人に対し、身体的苦痛や精神的苦痛を緩和・軽減するとともに、 人生の最期まで尊厳ある生活を支援することつまり看取り介護とは、要介護状態を改善したり維持したりするための介護ではなく、本人ができるだけストレスなく、自分らしい最期を迎えるための介護だといえるでしょう。ターミナルケアとは何がちがうの?看取り介護とならんで使われる言葉に、ターミナルケアがあります。ターミナルケアは「終末医療」と訳されることからもわかる通り、主に終末期の医療および看護のことを指します。対して看取り介護は、医療行為ではなくおもに終末期における介護・介助のことを指します。つまり大きな違いは、医療行為なのか否かにあるといえるでしょう。具体的な看取り介護の内容は?では、実際の看取り介護はいったいどのようなことをするのでしょうか?介護報酬の「看取り介護加算」は、以下の5つの条件を満たした場合に算定できるとされています。 1 当該施設の看護職員、病院または診療所、指定訪問看護ステーションのいずれかの看護職員との連携で24時間連絡できる体制をとること 2 看取りに関する指針を定め、施設入所の際に、入所者とご家族に看取りに関する定めた指針について内容の説明を行い、同意を得ること 3 医師、看護職員、ケアマネージャー、介護職員などが当該施設においての看取りについての協議を行い、指針について適宜見直すこと 4 看取りに関しての職員研修を行うこと 5 看取りケアは個室または静養室などを利用し、本人、ご家族、周囲の入所者に配慮すること ここでは、看取り介護加算の算定基準を参考に、看取り介護の内容についてまとめます。24時間体制での介護、連携看取り介護は、24時間体制で行われます。夜中であっても医療機関に連絡できるように、あらかじめ体制を整えておく必要があります。本人・家族への説明と同意看取り介護は、本人や家族の同意がなければ行なえません。施設での看取り介護はどのようなものかをじゅうぶんに説明し、納得してもらう必要があります。たとえば、病院との違いや施設において対応可能な医療行為の選択肢、意思確認の方法等についての話し合いを行います。多職種協働のケアカンファレンス、看取り介護計画見直し看取りに向けたケアカンファレンスは、医師、看護職員、ケアマネジャー、介護職員などの多職種が協働して開催し、本人が最期をより豊かに過ごせるよう、各職種でできること・すべきことを話し合います。また看取り介護計画は、週に1回程度の見直しが求められます。看取りに関する研修を行うこと看取り介護を行うには、事前に研修をする必要があります。研修は、下記のような内容が想定されます。  生きることの意味 死に逝くことについて 施設における看取り介護の考え方 本人、家族とのコミュニケーション  身体機能低下プロセスと変化への対応  夜間、緊急時の対応 など 引用元: 特別養護老人ホームにおける看取り介護ガイドライン 個室または静養室を利用すること看取り介護を行うときは、家族が気兼ねなく付き添いできるよう、個室または静養室を利用します。またその際、できるだけストレスなく過ごせるよう、室温や採光、換気などの環境整備にも気を配る必要があります。看取り介護加算の単位数や対象事業者看取り介護加算は、特別養護老人ホーム、グループホーム、特定施設入居者生活介護の3つの事業者が算定できます。 対象事業者 特別養護老人ホーム、グループホーム、特定施設入居者生活介護 単位数は3段階に分かれており、実際に看取りまで行うと、1580単位を取得することができます。平成30年度の介護報酬改定では、取得できる単位数が一部増加しました。 死亡日以前4日以上30日以下 1日につき144単位 死亡の前日および前々日 1日につき780単位 死亡日 1日につき1580単位 【徹底解説!】平成30年度介護報酬改定 総まとめ看取り介護の背景と問題点「看取り介護加算」の創設や強化によって、看取り介護を実施する介護施設が増えてきています。平成30年度の介護報酬改定でも、看取りやターミナルケアに関係する加算が強化されることになりました。その背景には、「多死社会」と「看取り難民」問題があります。41万人が”看取り難民”化する「多死社会」多死社会とは、高齢者の増加により死亡者数が非常に多くなり、人口が少なくなっていく社会形態のこと。具体的には、団塊の世代が平均寿命に到達する2040年、年間死亡数が現在の1.5倍である167万人にのぼると推計されています。多死社会が到来すると、医療保険の財源の膨張するなどさまざまな問題が発生すると予測されています。なかでも深刻な問題として、病院の入院ベッドが不足することによる死亡場所の不足があげられます。厚生労働省によると、2040年には約41万人の看取り場所が足りなくなると推計されています。つまり、このままでは「最期の時を迎えても死ぬ場所がない」”看取り難民”が発生してしまうのです。そうならないためにも、今「看取りの場」の選択肢として、介護事業所による看取り介護が強化されているのです。8割の介護職員が精神的負担「大きい」看取り介護を実施する介護施設が増えてきた一方で、看取り介護の問題点も明らかになってきました。問題点のひとつに、介護職員の負担増があげられます。ある調査では、精神的負担が「大きい」と回答した介護職員が全体の83%にのぼったと報告されており(※)、看取りに不慣れな介護職員や、夜間に不安を感じる介護職員への対応が求められています。具体的には、夜間帯における看護・介護職員の配置を増強させたり、看取り研修を充実させたりすることが考えられます。※出典:平成21年度老人保健健康増進等事業「特別養護老人ホームにおける看取り対応に関する調査研究事業報告書」(三菱総合研究所) 看取り介護をサポートするロボット看取り介護を実施する介護職員のサポートとして、介護ロボットがあります。とくに要介護者の見守りを支援する「見守り支援ロボット」は、夜間帯の介護職員の負担を軽減すると期待されています。ここでは、介護ロボットONLINE編集部が選んだ、看取り介護にも活躍しそうな介護ロボットを紹介します。ネオスケア(Neos+Care)|ノーリツプレシジョン株式会社ネオスケアは、3Dセンサを用いて人の動きを検知し、それをシルエット画像で表示することで、早く正確に、しかもプライバシーに配慮しながら見守りができる予測型見守りシステムです。オプションの生体モニターでは人体のわずかな動きや生体反応がない状態も測定・検知できるため、看取り時の容体の急変にも速やかに対応することができます。業界初!予測型見守りシステム「Neos+Care(ネオスケア)」|ノーリツプレシジョン眠りSCAN|パラマウントベッド株式会社眠りSCANは、マットレスの下に敷くだけでベッド上に居る人の状態をリアルタイムでモニタリングできる、非接触型の見守りシステムです。センサーが呼吸・心拍などの情報も測定します。アラーム設定を看取りに活用することなどが考えられます。ケアプラン改善にも!次世代マット式見守りシステム「眠りSCAN」|パラマウントベッド株式会社EVER Relief|株式会社構造計画研究所 EVER Relief は、ベッド上の動きや状態を見守る離床リスク検知センサーです。バイタルセンサーによって就寝中の異常を検知することができるため、看取りにも活躍します。担当者によれば、「EVER Relief」のバイタルセンサーによって看取り検知ができた施設もあるとのことでした。二段構えセンサーで離床をキャッチ!|「EVER Relief」株式会社構造計画研究所 まとめ看取り介護とは、要介護者のストレスや苦痛を緩和することを目的とし、最期までその人らしくいられるための介護のこと。それを実現するためには、本人や家族の同意はもちろん、介護施設として24時間体制の介護・看護や、介護職員の知識・経験が求められます。そのために介護職員の負担が大きくなっているという問題はあるものの、”看取り難民”をなくすためには今後も介護施設での看取りが推進されていくでしょう。看取りを実施する介護事業所は、「看取り介護加算」等をうまく取り入れつつ、介護職員の負担や不安を軽減するための対策をたてていく必要があります。介護職員は、看取り介護はすでに避けては通れない業務であると考え、研修に参加するなどのステップアップが必要だといえるでしょう。 <参考資料>株式会社三菱総合研究所(2007年3月) 平成21年度老人保健健康増進等事業 「特別養護老人ホームにおける看取り介護ガイドライン」および 「特別養護老人ホームにおける看取り対応に関する調査研究事業報告書」 2018年の介護報酬改定を解説!介護ロボット導入で加算も介護ロボが夜勤職員の代わりに!見守りロボット導入で報酬加算、厚生労働省が発表現役介護職員160名にアンケート調査を実施!97%が「人材不足を感じる」一方で対策は「特にしていない」が4割

【どうなる?平成30年】介護保険法の改正ポイントをわかりやすく解説【まとめ】

【どうなる?平成30年】介護保険法の改正ポイントをわかりやすく解説【まとめ】

3年ごとに改正される介護保険法。平成29年に公布され、翌平成30年4月に施行された今回の改正では、「自己負担額が3割に増加」と大きくニュースに取り上げられました。しかし、注目すべきなのは自己負担額の見直しだけではありません。じっくり読み解いていくと、私たちの生活に大きな影響を与える改正ポイントが多数あるのです。今回は、介護保険法の改正ポイントをまとめて、わかりやすく解説します。介護保険法の改正とは2000年に施行されて以来、3年ごとに改正されてきた介護保険法。介護保険とは、40歳以上のすべての人が介護保険の被保険者となり、要介護認定をうけた人の介護サービスを1~2割負担で利用できるようにする制度です。介護保険法は、そんな介護保険制度について定めた法律のこと。これまでに4回改正されており、利用者の自己負担額などが改正されてきました。今回の改正では、大きな改正ポイントが5点あります。それぞれわかりやすく解説していきます。5つの改正ポイント自己負担割合が最大3割負担に!1つめの改正は、サービス利用料の自己負担額の増加です。これまで、サービス利用料の自己負担額は、所得に応じて1割負担もしくは2割負担でした。しかし、今回の改正にともなって、最大で3割負担となる人が出ることになります。ただし、自己負担額の上限は、44,000円とされています。自己負担額が3割になるのは、現在2割負担している人のうち、特に高所得の人です。対象となる具体的な基準はまだ公表されていませんが、現時点では、「合計所得金額が 220万円以上」かつ「年金収入+その他合計所得金額340万円以上(単身世帯の場合。夫婦世帯の場合463万円以上)」と想定されています。厚生労働省の試算によると、3割負担となる対象者数はおよそ12万人。これは利用者全体の3%にあたります。収入に応じて保険料が変わる!2つめの改正は、介護納付金における総報酬割の導入です。これによって、40~64歳の被保険者による負担が、収入に応じて変わることになります。詳しい説明の前に、まずは介護納付金の流れについて説明しましょう。介護給付費(1年間の介護保険給付費の総額)の財源は、50%が税金、残りの50%が被保険者による保険料でまかなわれています。このうち、被保険者による保険料はさらに2つにわかれ、1つが65歳以上の被保険者(第1号被保険者)による保険料、もう1つが40~64歳の被保険者(第2号被保険者)による保険料によって成り立っています。今回、改正の対象となるのは、後者の第2号被保険者の保険料の仕組みです。第2号被保険者の保険料は、介護給付費の全体の28%と決められています。全体の28%にあたる介護給付費を、第2号被保険者の人数で割った数字が、第2号被保険者1人あたり保険料となります。第2号被保険者の保険料は、効率よく、かつ確実に徴収するために、被保険者が加入している医療保険から納付されます。これまで、各医療保険者が納付する金額(介護納付金)は、医療保険に加入している第2号被保険者の人数で決められていました。そのため、加入人数が多い医療保険者は、報酬額にかかわらず、多く介護納付金を収める必要がありました。上の図の場合、A医療保険の加入者のほうが、B医療保険の加入者より平均月収が少ないにもかかわらず、加入人数が多いという理由で、A医療保険者はより多くの介護納付金を収めることになるのです。それが、今回の改正で、人数ではなく、保険者の報酬額に応じて決められることになりました。上の図の場合、A医療保険とB医療保険の加入人数は異なりますが、全体の報酬額が同額であるため、A・Bの介護納付金は同じです。つまり、人数ではなく報酬額に応じて介護納付金が決まるということは、加入者の所得に応じて負担額が変わるということを意味しているのです。3割自己負担の導入にもいえることですが、今回の改正では、「高所得者がより多く負担する仕組み」がいっそう強化されたといえます。自立支援・重度化防止を見据えた「インセンティブ」3つめの改正は、自治体の機能を強化し、高齢者の自立支援・重度化防止のための取組を進めることです。中でも重要なのが、自立支援・重度化防止のための取組に対して付与される財政的インセンティブ(報奨金)です。インセンティブが付与される指標案には、「要介護状態の維持・改善の状況等」も含まれています。つまり自治体は、高齢者の要介護度を下げられれば、国からインセンティブがもらえることになります。医療・介護ニーズに応えた「介護医療院」4つめの改正は、新しい介護保険施設となる「介護医療院」の創設です。「介護医療院」とは、長期にわたって療養が必要な要介護者に対して、医療や看護・介護・生活上の世話を行うことを目的とする施設です。背景には、今後、増加が見込まれる慢性期の医療・介護ニーズがあります。地域共生社会の実現に向けた「共生型サービス」5つめの改正は、地域共生社会の実現に向けたさまざまな規定です。ここでは、そのうちの一つである、介護保険と障害福祉両方の制度に位置づけられた「共生型サービス」について説明します。「共生型サービス」とは、高齢者と障害者が同一の事業所でサービスを受けやすくするための新しいサービスの形です。これまで、障害者と高齢者は、別々の事業所でサービスを受けなければいけませんでしたが、今回の改正によって、障害福祉サービス事業所等でも、介護保険事業所としてサービスを提供することができるようになります。介護保険法、改正したらどう変わる?ここまで、今回の改正ポイントを5つにしぼって解説してきました。ここからは、改正にともなって訪れると考えられる変化について、考えていきましょう。介護離職者が増えてしまうまず考えられるのが、介護離職者の増加です。介護離職者とは、家族等の介護を理由に、今の仕事を辞める人のことを指します。介護離職者が増えると考えられる理由は、「自己負担額の増加」と「自立支援・重度化防止に対するインセンティブの付与」の2つです。利用者の負担が増えれば、介護サービスを利用するのでなく、自分で介護しようと考える人が増える可能性があります。中には、増加するサービス費を支払うことができず、やむを得ず会社を辞めて介護に専念する人も出てくるかもしれません。もう ひとつの懸念は、自治体に付与される要介護度の改善に対するインセンティブの存在です。要介護度が改善すること自体はよいことですが、家族にとっては、介護度が重い方がより多くの介護サービスを利用できることになるため、要介護度の判定には慎重になることがほとんどです。そこへきて、要介護度の改善にインセンティブが付与されるとなると、「できれば重めの介護度を」と考える家族の思いとは裏腹に、これまで以上に厳しく判定され、軽い介護度と認定される可能性があるのです。そうなると、受けられる介護サービスの量が減ってしまい、家族の負担が増えることにもなりかねません。中には、介護離職をして、自ら介護にあたらざるを得ないという人も出てくる可能性があります。今後ますます自己負担が増えていく?次に考えられるのが、自己負担額のさらなる増加です。今回の改正では「現役世代並みの所得のある者」を対象に利用者負担割合の見直しが行われましたが、対象者が全体の約3%にとどまるなど、大きなインパクトではありませんでした。しかし、膨張し続ける社会保障費や、止まらない少子化などを考慮すると、介護にかかる財源の確保には、今後も頭を悩ませ続けることになるでしょう。これまでの改正で、1割から2割、そして3割と、少しずつ大きくなってきた自己負担割合ですが、さらに拡大される可能性は十分にあると考えられます。まとめ3年ぶりなった、平成29年(2017年)介護保険法改正。大きな話題となった「利用者負担の増加」は、平成30年(2018年)8月から施行される予定です。自己負担割合の拡大をはじめとした今回の改正は、要介護者はもちろん、周囲の家族や介護スタッフにも影響を与えます。改正をうけて、これからの介護がどう変わっていくのか、介護ロボットONLINEでは引き続きウォッチしていきます。」<参考資料>厚生労働省『 「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」 の公布について(通知) 』厚生労働省「 地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律のポイント 」【徹底解説!】平成30年度介護報酬改定 総まとめ

介護ロボット一覧表【種類別 】計65機器※随時更新

介護ロボット一覧表【種類別 】計65機器※随時更新

さまざまなタイプが続々発売されている介護ロボット。介護ロボットの種類は、ロボットスーツのようなタイプやぬいぐるみのようなものまで多岐にわたります。ここでは介護ロボットの種類を紹介し、それぞれの介護ロボットを一覧にまとめました。※2018/05/28更新介護ロボット、約7割が「導入していない」――導入阻む原因1位は「価格」|ウェルクスが「介護ロボット」に関する調査を実施介護ロボットの価格が気になる!いくらで買えるのか調べてみた【HAL、PALRO、パロetc】介護ロボットの普及率はどのくらい?普及を阻む3つの要因介護ロボットの3つの領域介護ロボットの中には、一見ロボットには見えないようなものまであり、「介護ロボットって何だろう?」「どのような種類があるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。介護ロボットの種類は、現在大きく3つに分けられています(※)。 介護支援型のロボット 自立支援型のロボット コミュニケーション・セキュリティ型のロボット です。 ※公益社団法人かながわ 福祉サービス振興会 介護ロボット推進本部より 介護支援型ロボット介護支援型ロボットは、介護者の介護業務を支援するロボットです。移乗や入浴、排泄などの介護業務は、介護者の身体的・精神的負担となります。これらの負担を介護ロボットによって軽減することで、腰痛予防、介護スタッフの離職率低下、より質の高いケアの実現など、さまざまなメリットが期待できます。 介護支援型ロボット一覧 ロボット名 会社名 説明 HAL®介護支援用(腰タイプ) CYBERDYNE(サイバーダイン) 株式会社 皮膚にセンサーを貼り付け、生体信号を読み取り動作時のパワーををアシストするロボットスーツ。 スマートスーツ 株式会社スマートサポート 機械的な動力を用いず、弾性体(ゴム)の張力だけで軽労化効果を発生させるパワーアシストスーツ。 マッスルスーツ 株式会社イノフィス(イノフィスの取材記事を読む) 人工筋肉で腰にかかる負担を補助する装着型の腰補助用デバイス。 美浴 株式会社エア・ウォーター(エア・ウォーターの取材記事を読む) 半自動で、入浴介助の時間を約1/3まで短縮可能なドーム型のシャワー入浴装置。 リショーネPlus パナソニックエイジフリー株式会社 (パナソニックエイジフリーの取材記事を読む) ベッドと車いすを分離合体させることによって、ベッドと車いすの移乗介助を手助けするロボティックベッド。 愛移乗くん 株式会社アートプラン(アートプランの取材記事を読む) 下半身に障害がある人向け移乗補助装置。本体におんぶされるイメージで寄りかかり、リモコン操作で90°回転して移乗。 ドリーマー アドロールス株式会社(アドロールスの取材記事を読む) 専用カップからでる温水が出て陰部と肛門を洗浄。完全自動化した全自動排泄処理ロボット。 AYUMI EYE 株式会社早稲田エルダリーヘルス事業団(早稲田エルダリーヘルス事業団の取材記事を読む) 利用者の腰にベルトで装着して歩くだけで身体機能測定ができる歩行解析デバイス。 PiT Care リーフ株式会社(リーフの取材記事を読む) 高齢者の歩行能力を簡単に測定・記録できる歩行評価インソール。TUGテスト、歩行テスト、片脚立位テストなどにも対応。 ヘルパー育 キョウワアグメント株式会社(キョウワアグメントの取材記事を読む) 吊り下げ型リフト式移乗機の問題解決を目指した床走行式リフト。スリングシートを装着し、アームに引っ掛けて移乗する。 Keipu 株式会社アイザック(アイザックの取材記事を読む) ベッドや車椅子から直接のり移れる新しいスタイルの移乗・移動ロボット。その場で360度旋回できるのが特長。 ごっくんチェッカー 株式会社ハッピーリス(ハッピーリスの取材記事を読む) 嚥下音を”聞ける化”・”見える化”して、正しく飲み込めているかを確認できる介護ロボット。誤嚥していないか、喉頭残留がないかなどが判断できる。 ケアコラボ ケアコラボ株式会社(ケアコラボの取材記事を読む) クリエイティブなケアをするための新しい介護記録ソフト。利用者ごとにタイムラインが存在し、そこにスタッフやご家族が「記録」を投稿していくというスタイルが特徴。 ROBEAR 住友理株式会社 介護支援ロボットの研究用プラットフォーム。熊型で、寝たきりの要介護者にも対応できる移乗支援ロボットとして動くデモ動画が話題に。 自動寝返り支援ベッド  フランスベッド株式会社(フランスベッドの取材記事を読む) 体位変換にかかる負担を減らすために、自動で寝返りをサポートしてくれる介護ベッド。般的な3モーターの介護ベッドに自動寝返り機能が備わっており、ゆっくりとベッドを傾けることで体位変換を行うことができる。 ロボヘルパーSASUKE マッスル株式会社 ベッド⇔車いす間の移乗介助をアシストする移乗アシストロボット。 自立支援型ロボット自立支援型ロボットは、要介護者の自立を支援するロボットです。移動や食事、排泄といった日常生活動作の支援だけでなく、リハビリをサポートして将来的な自立を支援するタイプもここに含まれます。 自立支援型ロボット一覧 ロボット名 会社名 説明 Honda歩行アシスト 本田技研工業株式会社 「倒立振子モデル」に基づく効率的な歩行をサポートする歩行訓練機器。 ACSIVE(アクシブ) 株式会社今仙技術研究所 (今仙技術研究所の取材記事を読む) 「受動歩行」理論に基いて作られた無動力の歩行支援機。 ReWalk 株式会社安川電機 脊髄損傷者用歩行アシスト装置。 Tree リーフ株式会社 (リーフの取材記事を読む) 足圧測定を装着し、音と映像に合わせて的確なリハビリができる歩行リハビリ支援ツール。 愛移乗くん アートプラン株式会社(アートプランの取材記事を読む) 下半身に障害がある人向け移乗補助装置。本体におんぶされるイメージで寄りかかり、リモコン操作で90°回転して移乗。 RT.1、RT.2 RT.ワークス 株式会社(RT.ワークスの取材記事を読む ) ハンドルに手を添えて歩くだけで最適なアシストをしてくれる、ロボットアシストウォーカー。 キューレット アロン化成株式会社(アロン化成の取材記事を読む) 新幹線のトイレと同じ真空式を採用した水洗ポータブルトイレ。 流せるポータくん 株式会社アム(アムの取材記事を読む) 水があふれでないタイマー機能を搭載した水洗ポータブルトイレ。3種類の施工方法から選べる。 リトルキーパス 株式会社幸和製作所(幸和製作所の取材記事を読む) 上り坂・下り坂や転倒につながる急加速、横傾斜を検知し、状況に合わせて全自動でアシストをしてくれるオートサポート歩行車。 ラップポン 日本セイフティー株式会社(日本セイフティーの取材記事を読む) 排泄物を自動で袋に包んで密封してくれる、水を使わないポータブルトイレ。 マイスプーン 株式会社セコム(セコムの取材記事を読む) 手の不自由な方が体の一部を動かすだけで、自分で食事ができるようにするロボット食事支援ロボット。 服薬支援ロボ ケアボット株式会社(ケアボットの取材記事を読む) 設定した時間に自動的に薬を排出することで、薬の飲み過ぎや飲み忘れ、飲み間違いを予防してくれる服薬支援ロボット。 Flatia 株式会社カワムラサイクル(カワムラサイクルの取材記事を読む) ボットセンサが歩道の傾斜や歩行状態を検知し、それに合わせて自動でアシスト・ブレーキを行う電動機能アシスト付き歩行車。 ベッドサイド水洗トイレ TOTO株式会社(TOTOの取材記事を読む) 水洗トイレでありながら、従来のポータブルトイレと同様にベッドのそばに後付けで設置することができる、動かせる水洗トイレ。 モフトレ 株式会社Moff(Moffの取材記事を読む) IoTを使った介護事業所向けの自立支援サービス。「Moffバンド」が動きを計測し、結果や分析内容がタブレット上に表示される。 DFree トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社(トリプル・ダブリュー・ジャパンの取材記事を読む) 下腹部に装着することで体内の動きを検知・分析し、排尿のタイミングを予知・通知してくれる排泄予知ロボット。 RODEM 株式会社テムザック(テムザックの新商品発表会レポートを読む) 一般的な車いすが「前から“座る”」形式であるのに対し、RODEMは「後ろから“乗る”」形式をとっているのが特徴。 パワーアシストハンド 有限責任事業組合LLPアトムプロジェクト 空気の膨張・収縮をによって、手指関節のリハビリテーションを行うリハビリ補助ロボット。 Hug 富士機械製造株式会社 ベッドから車椅子、車椅子からトイレといった座位間の移乗動作や、脱衣所での立位保持をサポートする移乗サポートロボ。 コミュニケーション・セキュリティ型ロボット コミュニケーション型ロボットは、利用者とコミュニケーションをとったり、ロボットがアウトプットするコミュニケーションを手段として用いることで、利用者の活動を向上させるロボットです。言語を使ったコミュニケーションをとるものだけでなく、非言語的なコミュニケーションをとるものも含まれます。 コミュニケーション型ロボット一覧 ロボット名 会社名 説明 PALRO(パルロ) 富士ソフト株式会社 AIによる自律的な会話、歩行、遠隔操作ができるコミュニケーションロボット。 ユニボ ユニロボット株式会社 個人の趣味・嗜好・生活習慣を学習し、交流を促進するソーシャルロボット。 いっしょに笑おう!うなずきかぼちゃん ピップRT株式会社(ピップRTの取材記事を読む) 5種類のセンサやスイッチを内蔵し、接し方によって反応を返す家庭向けのコミュニケーションロボット。 Tapia(タピア) 株式会社MJI タッチパネルモニタを搭載し、ビデオ通話や天気予報案内をするライフパートナーロボット。手のひらサイズの「Tapia mini(タピアミニ)」も。 BOCCO ユカイ工学株式会社(ユカイ工学の取材記事を読む) 専用アプリを通じて、音声またはテキストメッセージをやりとりできる、「家族をつなぐ」コミュニケーションロボット。 テレノイド 株式会社テレノイドケア(テレノイドケアの取材記事を読む) 石黒浩教授によって開発された遠隔操作型アンドロイド。想像力を掻き立てる造形でコミュニケーションを引き出す。 OriHime(オリヒメ) 株式会社オリィ研究所(オリィ研究所の取材記事を読む) 「孤独の解消」を目指して開発された走査型の分身ロボット。遠隔で通話ができる。 ロボコネクト(Sota) NTT東日本株式会社(NTT東日本の取材記事を読む) クラウド型ロボットプラットフォームサービス「ロボコネクト」とコミュニケーションロボットのSotaがファシリテーターとなり、レクリエーションの司会進行するサービス「Sotaレク」。 りつこ式レクササイズ フューブライト・コミュニケーションズ株式会社(フューブライト・コミュニケーションズの取材記事を読む) Pepperを使った高齢者用レクリエーションアプリ。比較的介護度の低い人がターゲット。 健康王国 for Pepper 株式会社エクシング(エクシングの取材記事を読む) Pepperを使った音楽療養コンテンツ。体操やクイズなどのレクリエーションができる。 なでなでねこちゃん トレンドマスター株式会社(トレンドマスターの取材記事を読む) 4つのセンサーが動きを感知し、撫でられた場所にあった鳴き声をあげる、猫型のコミュニケーションロボット。 泣き笑い たあたん フランスベッド株式会社(フランスベッドの取材記事を読む) 手足に触れると赤ちゃんを模したセラピー人形が泣き声や笑い声をあげたりする、赤ちゃん型コミュニケーションロボット。 まいにちロボレク 株式会社ロゴス(ロゴスの取材記事を読む) Pepperを使った介護施設向けのロボアプリ。人レクリエーションと全体レクリエーションの2コース搭載している他、顔認証機能、問題出し分け機能、データ蓄積機能を搭載。 パロ 知能システム株式会社 アザラシ型のコミュニケーションロボット。アメリカでは、認知症の方への医療機器として登録。体中にセンサーが搭載されており、撫でると動物同様に反応。 ここくま 株式会社NTTドコモ・BCC株式会社 他(BCC株式会社の取材記事を読む 離れて暮らす家族をつなぐための、新しいコミュニケーションツール。テディベア型のコミュニケーションロボットにボイスメッセージ機能やおはなし機能などを搭載。 こんにちは赤ちゃん トレンドマスター株式会社(トレンドマスターの取材記事を読む 「赤ちゃんと暮らす幸せ」を基本コンセプトに据え、1歳児をモチーフに開発したコミュニケーションロボット。 Qoobo ユカイ工学株式会社(ユカイ工学の取材記事を読む 犬や猫などのペットの代わりとしていやしを感じてさせるクッション型のセラピーロボット。 スマイビ 株式会社東郷製作所(東郷製作所の取材記事を読む 目・口・首の動きや声、ランプで喜怒哀楽を表現する赤ちゃん型コミュニケーションロボット。 Kibiro 株式会社FRONTEOコミュニケーションズ(FRONTEOコミュニケーションズの取材記事を読む 離れた場所にいても専用アプリから生活の様子を確認したり、コミュニケーションをとることが可能。 セキュリティ型ロボットは、利用者の動きなどに応じて介護者へ状況を通知し、離れた場所からでも見守りを可能にするロボットです。見守り支援型ロボットとも呼ばれます。 セキュリティー型ロボット一覧 ロボット名 会社名 説明 おへやプラス ニフティ株式会社(ニフティの取材記事を読む) 部屋の温度・湿度の見守りと、遠隔のエアコン操作による室温調整が可能な見守りサービス。 おでかけキャッチ フランスベッド株式会社(フランスベッドの取材記事を読む) 見守る側の家族や介護者が認証キーを持つシステムをとる認知症の外出通報システム。レンタル利用者を対象とした個人賠償責任保険付帯サービスも。 Mi-Ru(ミール) ワイエイシイエレックス株式会社(ワイエイシイエレックスの取材記事を読む) カメラを使った介護施設向け見守りシステム。専用携帯端末からの声がけが可能。 眠りスキャン パラマウントベッド株式会社(パラマウントベッドの取材記事を読む) マットレスの下に敷くだけでベッド上に居る人の状態をリアルタイムでモニタリングできる、非接触型の見守りシステム 。 Neos+Care(ネオスケア) ノーリツプレシジョン株式会社(ノーリツプレシジョンの取材記事を読む) 3Dセンサを用いて人の動きを検知しシルエット画像で表示する見守りができる予測型見守りシステム。 まもる~の ASD株式会社(ASDの取材記事を読む) 入床・入眠・離床がひと目で分かる睡眠見守りセンサー。 アースアイズ アースアイズ株式会社(アースアイズの取材記事を読む) AIを搭載し、人の姿や動作を分析して通知するカメラを使った見守りシステム。 いまイルモ 株式会社ソルクシーズ(ソルクシーズの取材記事を読む) 照度センサーや温度センサー、湿度センサーなど部屋の環境を検知する見守りシステム。「PaPeRo i」というコミュニケーションロボットを活用したサービス「いまイルモ PaPeRo i」も。 シルエット見守りセンサ キング通信工業株式会社(キング通信工業の取材記事を読む) ベッド上の空間を検知する赤外線センサを使った見守りシステム。 OWLSIGHT福祉用(施設向け) 株式会社イデアクエスト (イデアクエストの取材記事を読む) 慶應義塾大学理工学部 中島真人教授が開発した技術に基づく、個人の識別せずに危険を検知する見守りシステム。 見守りケアシステムM-2 フランスベッド株式会社(フランスベッドの取材記事を読む) ベッド上の利用者のの離床動作を検知して通知するベッド内蔵型の見守りロボット。体重測定機能もあり。 Dream Care 株式会社DREAM TOKYO(DREAM TOKYOの取材記事を読む) バイタルセンサーを活用した非接触型の見守りシステム。入居者を見守るだけでなく、プライバシーを守りながら施設のリスクマネジメントにも貢献する機能が特徴。 ベッド見守り支援ソリューション NECネッツエスアイ株式会社・トーテックアメニティ株式会社(NECネッツエスアイ・トーテックアメニティの取材記事を読む) 「見守りライフ」を活用した見守りソリューション。主な機能は、離床検知機能、健康見守り機能、同時見守り機能、メール配信機能の4つ。 ライフリズムナビ+Dr. エコナビスタ株式会社(エコナビスタの取材記事を読む) 「リアルタイムの見守りにプラスして、日々の健康状態を見える化し、変化の予兆をいち早く捉えることに力を入れた次世代見守りロボット。 今のところ、多くの市販されている介護ロボットは、この3つのどれかに分類できます。もっとも、ひとつの介護ロボットに、二つ以上の機能を備えるものも少なくありません。例えば、「愛移乗くん」(株式会社アートプラン)は、移乗介助を支援してくれる「介護支援型」という側面に加え、人によっては誰の手も借りずに自ら移乗できるようになるという点で、「自立支援型」のロボットでもあります。 厚生労働省・経済産業省による分類 介護ロボットの支援事業を主導する厚生労働省と経済産業省は、とくに重点的に開発をすすめる分野として、下記の6分野13項目を策定しました。 移乗介護(装着型/非装着型) 移動支援(屋外用/屋内用/装着型の歩行支援) 排泄支援 (ポータブルトイレ/排泄予測/トイレ内でのサポート) 見守り・コミュニケーション(介護施設用/在宅介護用/コミュニケーションロボット) 入浴支援 介護業務支援 この分類は、あくまで政府が優先的に開発・普及を進めたいと考えるロボットを元にしているので、この分類に収まらない介護ロボットも当然存在します。例えば、利用者の服薬を支援するロボットや食事を支援するロボットなどがすでに商品化されています。 その他の介護ロボット一覧 ロボット名 会社名 説明 マイスプーン 株式会社セコム(セコムの取材記事を読む) 食事支援 ケアボット 服薬支援ロボ(ケアボットの取材記事を読む) 服薬支援 ごっくんチェッカー ハッピーリス (ハッピーリスの取材記事を読む) 嚥下支援 まとめ 介護ロボットは、目的によって大きく3種類に分けられるのが一般的となっています。厚生労働省や経済産業省は、さらに細かく5分野8項目を設け、その分野から重点的に開発や導入支援を行っています。介護ロボットの進歩は、ロボット技術・介護技術の進歩とともにあります。今後、技術の進歩によって現在の3領域から徐々に細分化していく可能性は十分に考えられます。CYBERDYNE社のHAL®のように、介護ロボットから医療機器へクラスチェンジするものも出てくるでしょう。※商品の追加希望がございましたら、お気軽に 問い合わせフォーム よりご連絡下さい。

【介護×ICT】未来をつくるkaigoカフェと介護ロボットONLINE共催イベントレポート!

【介護×ICT】未来をつくるkaigoカフェと介護ロボットONLINE共催イベントレポート!

2018年5月30日、未来をつくるkaigoカフェと介護ロボットONLINE共催のイベントを開催しました。イベントでは、下記の3社をお呼びし、それぞれ自社商品の紹介や活用事例などについて講演してもらいました。 株式会社オトングラス:OTON GLASS(オトングラス) トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社:D Free(ディーフリー) ケアコラボ株式会社:carecollabo(ケアコラボ) 当日は、「これからのケアの現場に役立つ最新テクノロジーを体験できる!」と銘打って、計7社による展示ブースも用意。今回は、当日の様子や講演内容について、介護ロボットONLINEがレポートします!テーマは「介護×ICT」今回のイベントテーマは、「介護×ICT」。「介護ロボットに興味があるけど、本当に使えるの?」「触る機会がない介護ロボットを見てみたい!」そんな思いを持つ人の、新しい機器や考え方の出会いの場になってほしいという思いから開催が決定しました。当日は、今話題の介護ロボットを開発・販売する注目企業3社を招き、「介護×ICT」の可能性について語ってもらいました。株式会社オトングラス|OTON GLASS(オトングラス)株式会社オトングラス 高橋昌希氏 OTON GLASS(オトングラス)は、文字を読むことが困難な人のために開発された、スマートグラスです。OTON GLASSをかけて、読みたい文字のほうを向き、めがねについているボタンを押すだけで、書かれた文字が音声として読み上げられます。開発のきっかけは、開発者の父親が、脳梗塞による失読症になったこと。しゃべることは問題なくできますが、文字を読むことができなくなったのだといいます。そのような人々に、文字を音声に変換して、内容を理解してもらうのが、オトングラスの役割です。実際に高橋氏がオトングラスをかけて資料を目の前に掲げると、資料に書かれている文章がめがねから流れてきました。 読みあげる音声は、iPhoneのSiriやスマートスピーカーのアシスタントのよう オトングラスは現在、一般販売用のモデルを開発中。2018年中の販売を目指しているとのことです。トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社|DFree(ディーフリー)トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社 中西敦士氏DFreeは、世界初の排泄予測デバイスです。幅6cm程度のセンサーを使って膀胱の膨らみを検知し、排尿のタイミングを予測することで、適切な時間にトイレ誘導が行えたり、排泄に不安がある人も安心して外出できたりします。世界が注目!排泄予知ロボット「DFree」|トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社中西氏によれば、DFreeを導入することで適切なタイミングでのトイレ誘導が可能となり、結果的に高齢者の不安をやわらげ、おむつやパッドの消費量を減らすことも可能なのだとか。独自の調査では、約50%の削減に成功したところもあるそうです。さらに、自立排泄サポートや空振り回数の減少により、排泄介助にかかる時間が約30%削減したという事例も報告されました。平成30年度の介護報酬改定でも、新たに「排せつ支援加算」が創設されるなど、排泄支援が注目を集めています。同社では、2018年6月1日、一般向け排尿予測センサー「DFree Personal」の販売を開始しました。「DFree Personal」は日常生活での個人利用を想定したサービスで、DFree本体とスマホなどの端末をBluetooth通信にて連携するため、外出先でも利用が可能となっています。ケアコラボ株式会社:carecollabo(ケアコラボ)ケアコラボ株式会社 上田幸哉氏  carecollabo(ケアコラボ)は、さまざまなサービスの記録を、タイムラインで統合して表示する新しい介護記録システムです。「ケアコラボ」で介護はもっとクリエイティブに!”利用者”中心の記録システム|ケアコラボ株式会社紙での記録に比べ、情報の分析や活用がしやすいというメリットと、既存のシステムに比べ、「利用者を軸とした記録になっているため、一括して管理できる」というメリットをあわせもつのが大きな特徴です。ケアコラボを使えば、スマホで撮った写真や動画をタイムラインにそのまま投稿できたり、それを家族とも共有したりできます。講演では、ケアコラボを使いながら看取りまで行ったある家族の事例を紹介しつつ、「看取りまでの期間だけでなく、看取ったあとも家族を支えるのに役立っている」とアピールしていました。ケアコラボは、職員1名につき、月額使用料が800円という価格帯も、大きな魅力のひとつです。これまでの介護記録システムとはちがった視点で開発されたケアコラボに、会場にいる多くの人が興味を惹かれている様子が伺えます。休憩時間には展示ブースで体験も 盛況を博した展示ブースでの介護ロボット・ICT体験 講演が終わったあとは、休憩時間を利用した展示ブースでの体験がはじまりました。今回展示されたのは、講演の3社の商品を加えた計7商品。どれも最先端技術を応用した、新しい介護機器です。展示商品 カイテク株式会社:ウェアラブルIoTを活用した高齢者の自立支援サービス「モフトレ(株式会社Moff)PLIMES株式会社:人工知能が嚥下を測る嚥下計「GOKURI」株式会社ロジック:訪問介護事業支援クラウドサービス 「Care-wing 介護の翼」株式会社ライブリッジ:介護求人メディア「pitaru」 「Care-wing 介護の翼」は、ICタグを使用して開始時刻と終了時刻を記録し、自動的に情報がシステムに送信される訪問介護事業支援クラウドサービスだ PLIMES株式会社の「GOKURI」は、首に装着するだけで嚥下を測ってくれる嚥下計。人工知能が正しい嚥下の検出を手助けする カイテク株式会社が展示するのは、ウェアラブルIoTを活用した高齢者の自立支援サービス「モフトレ(株式会社Moff)。デイサービス関係者などが話を聞き入っていた 株式会社ライブリッジが紹介するのは、介護求人メディア「pitaru」。テキスト・写真・動画など様々な素材を組み合わせて記事化していくことで、想いの詰まった専用ページを簡単につくることができる ディスカッションではさまざまな意見が休憩時間をおえ、最後に少人数に分かれたディスカッションが行われました。今回のイベントに参加していたのは、介護の現場で働く人、介護事業所を経営する人、介護ロボットやICTに興味のある一般の人など、さまざまな職種の人々です。それぞれの立場から、「介護×ICT」の今とこれからについて話し合います。発表された意見はその場でまとめて共有された(協力:ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社) その後の発表では、「上司が積極的な施設もあるけど、部下との認識を合わせることが大切」という現場目線の意見や、「いろんなディバイスが出てきて記録ができるようになってきたが、分散してしまっているのでそれぞれの管理が必要」という現状の課題などがあがりました。無事終了! ご参加くださった皆様、ありがとうございました! 大盛況に終わった「介護×ICT」イベント。介護ロボットONLINEが行ったアンケートでは、「介護ロボットを導入したい」という声が多数寄せられました。ここでは、寄せられた声を抜粋して紹介します。コメント抜粋 ・農業の進化を見れば、医療・介護もテクノロジーの活用が必須だと思います。・介護ロボットを導入すれば、人が本来やるべきことに専念できる。・「人」でなくてもいい仕事は、いっぱいあります。 未来をつくるkaigoカフェ代表の高瀬氏は、最後の挨拶でこう話していました。「けっきょく、介護ロボットも使う人次第。自分がじっさいに活用して、どういう未来を描きたいのかを明確にした上で、うまく付き合っていけたらいと思います」。介護ロボットONLINEでは、これからも介護ロボットに関する新しい情報を発信し、みなさんとよりよい介護の未来を模索していきます!<会場提供> ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社 (https://www.ctp.co.jp/) <講演協力> ケアコラボ株式会社 上田幸哉氏(http://page.carecollabo.jp/)トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社 中西敦士氏(https://dfree.biz/index.html)株式会社オトングラス 高橋昌希氏(https://otonglass.jp/) ■未来をつくるkaigoカフェURL:http://www.kaigocafe.comNPO法人未来をつくるkaigoカフェ(代表:高瀬 比左子)は、介護に関する身近なテーマをもとに肩書や役職を気にせず自由に思いを語ることで、自分自身の見落としていた可能性や自分自身の中に眠るものを呼び覚まし、一歩踏み出すきっかけを作れる場を提供する活動をおこなっています。

「まもる~の」で定期巡視が不要に!扉の向こうがわかる見守りへ(株式会社礎・わらい)

「まもる~の」で定期巡視が不要に!扉の向こうがわかる見守りへ(株式会社礎・わらい)

サービス付き高齢者向け住宅でありながら、要介護度の高い入居者を積極的に受け入れている「わらい〜和楽居〜」(株式会社礎)。「医療・介護特化型」のコンセプトのもと、看取りまで行うのが特長です。「わらい」では、開設当初からさまざまなICT機器を取り入れ、24時間活用しています。「わらい」に導入されているスマホ対応のナースコールと2種類のセンサーは、すべて1台のスマートフォンで確認・操作が可能です。今回注目したのは、2種類のセンサーのうちのひとつである、睡眠見守りセンサー「まもる~の」(ASD株式会社)。「まもる~の」は、入床・入眠・離床がひと目で分かる睡眠見守りセンサーです。モニター本体と、マットレスの下に敷くエアバッグセンサーを組み合わせて、睡眠のモニタリングを行うことができます。「わらい」では、「まもる~の」とナースコールをうまく使い分けて、見守りはもちろん業務改善に有効活用しているとのこと。「わらい」の運営会社である株式会社礎(いしずえ)の執行役員・理学療法士 糸魚川 恒氏に、介護ロボットを導入する際の注意点や、複数の介護ロボットを使い分けるコツ、取得したデータを無駄にしない秘訣などを取材してきました。<インタビュー協力>株式会社礎(いしずえ)執行役員・理学療法士 糸魚川 恒氏睡眠見守りセンサー「まもる~の」で介護と睡眠を見える化|ASD株式会社導入前|1台のスマホでナースコールもセンサーも使いたい当施設では現在、睡眠見守りセンサー「まもる~の」、無線式コールシステム「ココヘルパ Vcam」(ジーコム株式会社)、マット型センサー「aams」(株式会社バイオシルバー)の3つのICT機器を導入しています。マット型センサー「aams」は重篤な方向けのオプションですが、それ以外の2つは全入居者様を対象に活用しています。当施設は2016年11月に開設しましたが、開設する前から、ICT機器を積極的に取り入れようという方針を持っていました。開設当初、ナースコール導入の助成金が存在したため、それを活用して、まずはナースコールを導入しようと決めていたんです。調べていくうちに、スマホに対応した新しいナースコールシステムと既存のシステムは、新規導入ならそれほど費用が変わらないことを知りました。そこで、「じゃあスマホ対応のシステムを導入しよう」となり、「せっかくスマホを使うなら、他のセンサーもスマホで見れるようになるといいよね」ということで、センサーも探しはじめたという経緯があります。当施設は、「医療・介護特化型」のコンセプトのもと、医療依存度・介護依存度の高い入居者を積極的に受け入れており、看取りの機会も多いです。そのため、夜勤スタッフにとって、安否確認はかなりセンシティブなものとなります。そんな精神的負担の多い看取りを、見守りでサポートしていこうという思いもありました。決め手は要望を柔軟に叶えてくれたから スマホ1台で完結するので、複数の端末を持ち歩く必要がない ーーーセンサーにもいろいろありますが、今回「まもる~の」に決めたのはなぜですか?機器の選定は、かなり難しかったですね。まず、展示会で機器を見に行って、そのあと気になったいくつかのメーカーに来社してもらい、直接説明を受けました。それでも、価格や特性が異なる機器を正確に理解した上で選定し、さらにそれを上席が納得するよう説明するのは、とても大変でした。ただ、先ほど説明したとおり、「スマホ1台でナースコールもセンサーも見たい」という希望があったので、それを満たすかどうかでふるいにかけましたね。実は、「まもる~の」はもともとアンドロイド用のアプリは用意されていなかったのですが、こちらの要望を伝えたら、すぐ試作品を作ってくれたんです。そうした姿勢にも感銘をうけ、最終的に「まもる~の」の導入を決めました。「まもる~の」でもそうでしたが、解決したい課題や実現したいことをそのまま相談してみると、協力を惜しまないメーカーはたくさんいらっしゃいます。「悪くないのに、ここだけが不満だ、惜しいな」と思ったら、それをそのまま伝えてみるのも、妥協のない機器選定には重要です。 「まもる~の」導入の初期費用は約680万円導入|「かくれんぼごっこ」で操作を実践ーーー導入の際に工夫したことはありますか?当施設のスタッフの多くは、60代前後の女性です。人によっては、スマホの扱いに慣れない人もいました。とはいえ、ナースコールも「まもる~の」も、スマホアプリは直感的に操作できるよう作られています。いちいち説明書を読んだり口で説明してもらったりするよりは、使ってみるほうが早く覚えてもらえるだろうと思いました。 スマホアプリは直感的な操作に優れている そこで、施設オープン前にスタッフを集めて、それぞれにスマホを渡し、かくれんぼのようなスタイルで実際にアプリを使ってもらいました。スマホを持たないスタッフが居室に散らばってセンサーやナースコールを鳴らし、スマホを持ったスタッフがどこで鳴っているかを探したり、スマホを通して対応したりするというデモをやったんです。そうすると、1時間もしないうちに、全員が操作できるようになったのです。それ以来、ICTやスマホに苦手意識をもつスタッフはいなくなりましたね。運用|ナースコールと使い分け2段構えの見守りを実施ーーー「まもる~の」の具体的な活用方法を教えてください。 『「まもる~の」のセンサーは他製品よりもかなり小さい』という糸魚川氏 当施設では、全居室に「まもる~の」を導入しています。当施設は3階建てなので、2台のモニターを使用して、3つのブロックに分けて表示しています。 赤枠内が「まもる~の」用のモニター モニターで確認できるのは、脈拍や呼吸、体動、部屋の温度や気圧、明るさ、そして入居者様の様子です。脈拍などの数値に異常がある場合はアラームが鳴りますが、アラーム機能をメインに活用しているわけではありません。当施設では、主に3つの使い方をしています。スタッフルームにいながら安否確認 各入居者の様子がひと目でわかる 1つめは、スタッフルームにいながらの安否確認です。「まもる~の」が取得する各種データから、部屋の様子や入居者様の様子を把握し、室内に入らずとも見守ることができます。離床センサーとして 個別に時間設定ができる離床タイマー 2つめは、離床センサーとしての使い方です。「まもる~の」の離床センサーは、入居者様ごとに詳細な設定が可能です。たとえば、「Bさんはふだんから活動量が少ないので、ベッドから1分離れた時点で通知するようにしよう」とか、「Aさんは夜間によくトイレに行くから、夜12時から朝5時の間に、ベッドから30分以上離れた時点で通知しよう」といった設定です。自動で離床タイマーを起動しトラブルを通知してくれるので、発見の遅れを防ぐことができます。早期発見や業務改善にむけたデータの活用3つめは、早期発見や業務改善にむけたデータの活用です。たとえば、「ちょっといつもと様子がちがうな」と感じた入居者様のデータを確認して、ふだんと変化がないかを見るという使い方をしています。睡眠や脈拍に変化があれば、早めに医師に相談するなど、いつもより注意して介助を行うなどの対応をします。 緑色の部分が目が覚めている状態をあらわす。「ある入居者様の亡くなる前のグラフです。あまり眠れていない日が続いたかと思うと、ずっと寝ている日があることもわかります」と話す糸魚川氏 ほかにも、全入居者様のデータを分析して、多くの人が起床する時間帯に合わせてスタッフの数を増やすといった業務改善を行うこともあります。ーーー「まもる~の」を見て駆けつける、ということはあまりないんですね。そうですね。当施設では、ナースコールがその役割を担っています。「まもる~の」は、実際にトラブルのアラームが鳴った場合は別ですが、ふだんはデータが必要なときに、こちらがそのつど見にいくという活用方法がメインです。ナースコールと「まもる~の」を動と静で使い分け、2段構えで見守りを行っているという感じですね。効果|扉の向こうがわかる意義ーーー「まもる~の」導入によって得られた効果やメリットを教えてください。大きな効果として、定期巡視が必要ないという点があげられます。当施設と入居者様の介護度が近い特別養護老人ホームでは、2時間ごとに定期巡視するのが一般的ですが、当施設では「まもる~の」を通して居室内を見守っているので、必要に応じた訪室が可能です。これは、常に全室に気を張っていなければならない職員にとって、肉体的・精神的負担の軽減になります。また、見守り度合にメリハリをつけることで、限られた人員で安定したサービスを提供するための土台にもなります。また、定期巡視のせいで寝ていた入居者様を起こしてしまい、入居者様の生活リズムをかえって崩してしまったり、入居者様を起こしてしまったことでスタッフの対応が増えるといったデメリットがなくなりました。もう1つが、ベテランスタッフしか知り得なかった「感覚知」が、データとして出せるようになったことです。たとえば、入居者様個々人の特性やそれに合わせた最適な介助タイミングなどは、熟練スタッフや勤続が長いスタッフが「なんとなく」把握していました。しかし「まもる~の」を導入することで、「デイサービスに行った日はよく眠れているな」といった目に見えない感覚が可視化できるようになります。こうしたデータを活用することで、より質の高いケアを提案できたり、入社したばかりのスタッフでも熟練スタッフと同レベルのケアができるようになったりします。課題・問題点ーーー逆に、問題や課題はありますか?1つめが、マットレスによっては誤作動を起こすことがある点ですね。最近のマットレスは、自動除圧機能などが登場し、年々高性能になってきています。「まもる~の」のセンサーはマットレスの下に敷くタイプですが、マットレスの性能によっては、センサーが正しい情報を表示できないケースもあるんです。この点に関しては、メーカーの方にすでにご相談しています。2つめが、「知らされた情報に対して、我々はどこまで介入すべきなのか?」という問題です。これまでは「気づかなかった」で済まされてきたことが、ICT機器の導入によって済まされなくなってきました。ICTを使えば、人の目では気づけない小さな変化も知ることができますが、そのすべてに対応するわけにはいきませんよね。しかし、「知っていた以上は責任が生じる」という考え方があるのも事実です。「まもる~の」にかぎらず、すべてのICT機器にいえることですが、知らされた情報に対して介入すべき否かの線引は、今後も慎重に議論していく必要があるでしょう。まとめ「まもる~の」は、離床センサー機能も充実していますが、主たる見守りセンサーの機能自体は、ナースコールのように向こうからお知らせしてくれるという機器ではなく、むしろ自分たちが能動的にデータを取りに行くことで真価を発揮する機器だと思います。その点を理解し、導入前から「こういうふうにデータを有効活用しよう」と想定しておくことで、より大きな成果が得られると思います。<取材協力>医療・介護特化型サービス付き高齢者向け住宅 わらい〜和楽居〜所在地:埼玉県越谷市 大里173-1問い合わせ:048-971-5322

21名のスタッフで2台をフル活用!マッスルスーツの導入成功事例(友愛十字会・砧ホーム)

21名のスタッフで2台をフル活用!マッスルスーツの導入成功事例(友愛十字会・砧ホーム)

「医療の世界では新しい道具がどんどん試される。介護も専門職として、新しい技術や方法を取り組むべきだと思っている」。そう話すのは、特別養護老人ホームの砧(きぬた)ホーム(社会福祉法人友愛十字会)施設長であり、看護師でもある鈴木健太氏です。砧ホームは、ロボスーツや見守りロボットなど、さまざまな最先端機器を導入している先進的な特別養護老人ホームのひとつ。平成28年度には、東京都のロボット介護機器・福祉用具活用支援モデル事業のモデル施設にも選ばれています。モデル施設として、さまざまな介護ロボットを積極的に模索してきましたが、今回導入を決めたのは、ロボットスーツとして有名なイノフィスの「マッスルスーツ」です。ロボットスーツは、介助者の負担を軽減するといわれる反面、装着の手間や扱いづらさから、導入しても持ち腐れになりがちと言われることも。砧ホームでは、そんなマッスルスーツを上手く活用し、腰の負担軽減やスタッフの一体感アップにつなげることに成功してます。今回は、マッスルスーツを選んだ理由、スタッフに機器を定着させるために工夫したこと、具体的な運用方法など、持続的に介護ロボットを活用するための秘訣を聞いてきました。インタビュー協力: 主任介護職員・山口公司氏(左)、 サブリーダー・三浦好顕氏(中央)、施設長・鈴木健太氏(右)人工筋肉で介護の腰痛問題を解決!マッスルスーツ| 株式会社イノフィス導入前|独自で勉強会を実施、都のモデル施設へ鈴木氏:当施設では「3つの愛」という方針のもと、「学び愛」「讃え愛」「成長し愛」を大切にしています。そのなかでも、「学び愛(=学び合い)」として、”新しいものに挑戦する”ということを意識的に行ってきました。スタッフルームには、施設の方針やミッションを記した掲示物が貼り出されている そのひとつに、介護ロボットがあります。当施設は平成28年度の東京都のモデル施設になっていますが、その前から、介護ロボットメーカーを招いた勉強会や体験会などを実施していました。今回、モデル施設となり、本格的に導入をはじめたという流れです。選定の軸は「使いやすさ」ーーーでは、具体的な課題があって、介護ロボットの導入を決めたというわけではないんですね。介護ロボットにはさまざまな種類がありますが、そのなかでもなぜ、マッスルスーツを選んだのでしょうか?鈴木氏:マッスルスーツの導入を決める前に、さまざまなタイプのロボットを試しました。マッスルスーツ以外のロボットスーツも試しましたね。そうして他製品と比べたとき、イノフィスさんのマッスルスーツは着脱がとても簡単で、取り扱いにも気をつかう必要がないという強みを実感したんです。今回導入したのは、スタンドアローンという機種で、腰を補助する動力である空気を、使用前に補給(充填)するタイプのものです。マッスルスーツでも、ポンプ式ではなくタンク式の場合はコンプレッサーが必要で、タンクが空になったら空気を補充しなくてはならず、手間が増えてしまいます。また、タンクがある分、重くなるので、ポンプ式が使いやすいですね。 導入したのは、装着者が自分で空気を補充するスタンドアローンタイプだ 現場スタッフにとって使いやすい機器でないと、せっかく導入してもなかなか使われないというのは、介護リフトを導入したときに学習したことでした。だからこそ、使いやすさは何よりも重視しています。持続的な活用に不可欠な「メーカーとの信頼関係」ーーーマッスルスーツ導入の決め手は、使いやすさだったんですね。その他に、導入を決める際に注意することはありますか?鈴木氏:メーカーの担当者と信頼関係が築けるかどうかは、個人的にとても重要だと考えています。介護ロボットは、導入して終わりではありません。導入してから、さまざまな問題点や疑問点、課題が浮かび上がってきます。だからこそ、それらに向かっていっしょに対応してくれる担当者との出会いは、持続的な活用にとても重要なんです。導入|3つの工夫で活用を促進ーーー現場スタッフの方に実際に使ってもらうにあたって、工夫したことや苦労したことはありますか?細かいものまで数えると無数にありますが、ここでは主に3つにしぼってお話します。全員で一気に体験山口氏:1つめは、スタッフ全員が一気に体験できる機会を設けたことです。導入してすぐは、メーカーからの助言もあり、まずはリーダー層から4人ずつ、順番にマッスルスーツを体験してもらうことにしていました。しかし、そのやり方では、なかなか普及が進まなかったのです。その理由として、まだ装着したことのない人が、装着している人の動きや気持ちが理解しづらいからではないかと考えました。そこで、スタッフ全員が一気に体験できる機会を設けて、ひとまず全員に装着してもらうことにしたんです。その結果、全員が装着時の動きを実感できるようになったため、装着している人をどうフォローすればよいかも分かるようになりました。たとえば、「マッスルスーツを装着しているときは、あまり早く歩けないんだな。じゃあ装着していないスタッフで、先回りして利用者さんを移動させておこう」といったサポートが、自ずとできるようになってきたのです。管理表を使った「見える化」山口氏:2つめが、いつ、誰が使えるかを決め、それを見える化したことです。 2台のマッスルスーツを廊下の両端にそれぞれ配置。吊るしているポールは点滴スタンドだ 山口氏:当施設では、現在21名のスタッフが働いていますが、導入したマッスルスーツは2台です。マッスルスーツは常に装着するというタイプの機器ではありませんので、使わないときは定位置である廊下に置いてあります。 管理表の他に、運用ルールをまとめた独自マニュアルも作成 山口氏:2台あるマッスルスーツをフル活用できるように、誰がいつ使えるかをあらかじめ決めておき、管理表で誰でも確認できるようにしました。また使用回数なども記録し、使用の活性化を狙いました。着脱の手間を最小限に抑える運用山口氏:3つ目が、着脱の手間を最小限に抑える運用方法から試したことです。モデル事業ということもあり、使用シーンが限定されたのですが、当施設では夜勤帯の排泄介助で使用することに決めました。夜勤帯の排泄介助であれば、マッスルスーツを装着した人と装着していない人が協力し合うことで、マッスルスーツを装着したまま、複数人の排泄介助を行うシーンが作れると考えたからです。こうした工夫を重ねたことによって、施設内での普及が爆発的に進みました。運用|21名で2台をフル活用ーーー現在の具体的な運用方法を教えてください。鈴木氏:先ほども申し上げたとおり、モデル事業中は夜勤帯の排泄介助にのみ使用していました。現在はモデル事業が終了したので、それ以外のシーンにも活用しています。具体的には、2台のマッスルスーツを、定位置である廊下に常時置いておき、それを自由に使っていいという運用にしています。ここからは、実際に現場でマッスルスーツを活用しているスタッフにバトンタッチしましょう。排泄介助が主な使用シーンーーー三浦さんは、前回の取材でも「マッスル三浦」として登場していただきました。ふだんはどのようにマッスルスーツを活用していますか?先進的な取り組みで魅力的な現場作りを!東京都ロボット介護機器・福祉用具活用支援モデル事業に選出|社会福祉法人友愛十字会砧ホーム三浦氏:日中・夜勤帯ともに、時間で区切って使う人を決め、その時間帯で使える場面があればどんどん使っていこうとスタッフ間で決めています。使用シーンがいちばん多いのは、やはり排泄介助ですね。移乗介助でも使いますが、移乗はリフトや移乗ボードなども活用するので、意外と持ち上げることが少ないんです。ほかには、シーツ交換の際に使うこともあります。 移乗の様子を見せてもらう。スーツを装着していてもスムーズな動きだ メーカーからのレクチャーで効果を実感ーーー管理表を拝見しても、三浦さんの使用頻度がずば抜けて高いですね。なぜマッスルスーツをこれほど使いこなすようになったのでしょうか? 赤枠内が三浦さんの利用回数。4月は100回を超えている。0回のスタッフがいるのは、「サイズが合わなくて使いたくても使えないから」だそう三浦氏:効果を身にしみて実感したからですね。私はもともと(腰椎椎間板)ヘルニア持ちですが、マッスルスーツを使うと明らかに身体が楽なんです。とはいえ、はじめからマッスルスーツを大歓迎していたというわけではありません。自分がマッスルスーツを体験するまで、他の人が装着しているのを見ながら、「大変そうだなあ、ちょっと面倒くさいな」と思っていました(笑)。しかし、実際にメーカーの方にレクチャーしてもらったら、「これはすごいぞ」と。そこから少しずつ使い始めて、いつの間にか”マッスル三浦”に仕立て上げられたという感じですね(笑)。「小さな使いにくさ」を放置しないーーー実際に現場で使用していて、困ったことやトラブルが発生したことはありますか?三浦氏:使い勝手という面では、小さな問題がいくつかありましたね。たとえば、我々はふだんナースコールやスマホをズボンのポケットにいれているのですが、マッスルスーツを装着するとそれが取り出せなくなってしまうんです。ですから、100均でポーチを買ってきて、マッスルスーツに外付けしてポケットとして使うことにしました。 布製のペットボトルホルダーをくくりつけ、ナースコールなどをいれるポケットとして使う 三浦氏:ほかにも、空気を送るポンプがずれ落ちやすかったので、ポンプに輪ゴムをまいて摩擦をおこすことでズレ落ちを防止しましたね。 ずれ落ちやすいポンプには輪ゴムが巻かれている 三浦氏:ひとつひとつは小さなことなのですが、実際に使ってみると積み重なって大きなストレスになります。少しでも「使いにくい」と感じたら、スタッフ全員ですぐ解決策を考えるようにしてきました。そのために月に2回、「ロボット推進会議」という会議を行っています。使いにくさをほったらかしにしないよう、そのつど改善をくりかえしているのが当施設ならではでしょう。効果|成功体験が次への強みにーーー導入前後で、どのような変化がありましたか?腰の負担軽減を実感三浦氏:一番大きい変化は、身体が楽になったことですね。とくに腰痛持ちのスタッフにとっては、無くてはならないものになってきています。役割分担が明確化し業務効率がアップ三浦氏:もう1つは、現場スタッフの動きが自然と変わってきたことです。私がマッスルスーツを装着していると、周りのスタッフが先回りして利用者さんをベッドに誘導してくれたり、横にしてくれたりして、私がベッド上での排泄介助に専念できる環境を整えてくれるようになりました。これは、業務効率化にもつながっていると感じています。スタッフのモチベーションが向上山口氏:その他の変化としては、スタッフのモチベーションがあがり、組織が活性化したことが挙げられます。「マッスル三浦」を筆頭に看板スタッフが誕生したり、そのスタッフに影響を受けてみんなでマッスルスーツをうまく活用していこうという雰囲気ができてきたのは、今後も大きな強みになると思っています。課題・問題点ーーーありがとうございます。逆に、デメリットはありますか?鈴木氏:サイズ感は課題ですね。当施設ではフリーサイズを2台購入したのですが、小柄なスタッフにはフィットせず、使いたいのに使えないスタッフが数名出てしまいました。1台の機器でさまざまな体型の方が使えるようなカスタマイズができれば、より有効活用できるのになと思いますね。Sサイズを展開しているようなので、次回購入するならそちらを購入するでしょう。まとめ鈴木氏:当施設の介護職員は、非常勤のスタッフも含めて、全員が介護福祉士です。国家資格をもつ専門職として、介護に新しいものを取り入れようという姿勢が根付いています。また、当施設の方針として「協働原理」を掲げており、介護職を中心として、みんなで協力していこうという文化もあります。だからこそ、マッスルスーツのような介護ロボットを導入しても、みんなでうまく活用していくことができているのだと自負しています。<取材協力>特別養護老人ホーム 砧ホーム( 社会福祉法人 友愛十字会)所在地:東京都世田谷区砧3丁目9番11号お問い合わせ:03-5429-6239(直通)、 03-3416-3164(代表)

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