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21名のスタッフで2台をフル活用!マッスルスーツの導入成功事例(友愛十字会・砧ホーム)

21名のスタッフで2台をフル活用!マッスルスーツの導入成功事例(友愛十字会・砧ホーム)

「医療の世界では新しい道具がどんどん試される。介護も専門職として、新しい技術や方法を取り組むべきだと思っている」。そう話すのは、特別養護老人ホームの砧(きぬた)ホーム(社会福祉法人友愛十字会)施設長であり、看護師でもある鈴木健太氏です。砧ホームは、ロボスーツや見守りロボットなど、さまざまな最先端機器を導入している先進的な特別養護老人ホームのひとつ。平成28年度には、東京都のロボット介護機器・福祉用具活用支援モデル事業のモデル施設にも選ばれています。モデル施設として、さまざまな介護ロボットを積極的に模索してきましたが、今回導入を決めたのは、ロボットスーツとして有名なイノフィスの「マッスルスーツ」です。ロボットスーツは、介助者の負担を軽減するといわれる反面、装着の手間や扱いづらさから、導入しても持ち腐れになりがちと言われることも。砧ホームでは、そんなマッスルスーツを上手く活用し、腰の負担軽減やスタッフの一体感アップにつなげることに成功してます。今回は、マッスルスーツを選んだ理由、スタッフに機器を定着させるために工夫したこと、具体的な運用方法など、持続的に介護ロボットを活用するための秘訣を聞いてきました。インタビュー協力: 主任介護職員・山口公司氏(左)、 サブリーダー・三浦好顕氏(中央)、施設長・鈴木健太氏(右)人工筋肉で介護の腰痛問題を解決!マッスルスーツ| 株式会社イノフィス導入前|独自で勉強会を実施、都のモデル施設へ鈴木氏:当施設では「3つの愛」という方針のもと、「学び愛」「讃え愛」「成長し愛」を大切にしています。そのなかでも、「学び愛(=学び合い)」として、”新しいものに挑戦する”ということを意識的に行ってきました。スタッフルームには、施設の方針やミッションを記した掲示物が貼り出されている そのひとつに、介護ロボットがあります。当施設は平成28年度の東京都のモデル施設になっていますが、その前から、介護ロボットメーカーを招いた勉強会や体験会などを実施していました。今回、モデル施設となり、本格的に導入をはじめたという流れです。選定の軸は「使いやすさ」ーーーでは、具体的な課題があって、介護ロボットの導入を決めたというわけではないんですね。介護ロボットにはさまざまな種類がありますが、そのなかでもなぜ、マッスルスーツを選んだのでしょうか?鈴木氏:マッスルスーツの導入を決める前に、さまざまなタイプのロボットを試しました。マッスルスーツ以外のロボットスーツも試しましたね。そうして他製品と比べたとき、イノフィスさんのマッスルスーツは着脱がとても簡単で、取り扱いにも気をつかう必要がないという強みを実感したんです。今回導入したのは、スタンドアローンという機種で、腰を補助する動力である空気を、使用前に補給(充填)するタイプのものです。マッスルスーツでも、ポンプ式ではなくタンク式の場合はコンプレッサーが必要で、タンクが空になったら空気を補充しなくてはならず、手間が増えてしまいます。また、タンクがある分、重くなるので、ポンプ式が使いやすいですね。 導入したのは、装着者が自分で空気を補充するスタンドアローンタイプだ 現場スタッフにとって使いやすい機器でないと、せっかく導入してもなかなか使われないというのは、介護リフトを導入したときに学習したことでした。だからこそ、使いやすさは何よりも重視しています。持続的な活用に不可欠な「メーカーとの信頼関係」ーーーマッスルスーツ導入の決め手は、使いやすさだったんですね。その他に、導入を決める際に注意することはありますか?鈴木氏:メーカーの担当者と信頼関係が築けるかどうかは、個人的にとても重要だと考えています。介護ロボットは、導入して終わりではありません。導入してから、さまざまな問題点や疑問点、課題が浮かび上がってきます。だからこそ、それらに向かっていっしょに対応してくれる担当者との出会いは、持続的な活用にとても重要なんです。導入|3つの工夫で活用を促進ーーー現場スタッフの方に実際に使ってもらうにあたって、工夫したことや苦労したことはありますか?細かいものまで数えると無数にありますが、ここでは主に3つにしぼってお話します。全員で一気に体験山口氏:1つめは、スタッフ全員が一気に体験できる機会を設けたことです。導入してすぐは、メーカーからの助言もあり、まずはリーダー層から4人ずつ、順番にマッスルスーツを体験してもらうことにしていました。しかし、そのやり方では、なかなか普及が進まなかったのです。その理由として、まだ装着したことのない人が、装着している人の動きや気持ちが理解しづらいからではないかと考えました。そこで、スタッフ全員が一気に体験できる機会を設けて、ひとまず全員に装着してもらうことにしたんです。その結果、全員が装着時の動きを実感できるようになったため、装着している人をどうフォローすればよいかも分かるようになりました。たとえば、「マッスルスーツを装着しているときは、あまり早く歩けないんだな。じゃあ装着していないスタッフで、先回りして利用者さんを移動させておこう」といったサポートが、自ずとできるようになってきたのです。管理表を使った「見える化」山口氏:2つめが、いつ、誰が使えるかを決め、それを見える化したことです。 2台のマッスルスーツを廊下の両端にそれぞれ配置。吊るしているポールは点滴スタンドだ 山口氏:当施設では、現在21名のスタッフが働いていますが、導入したマッスルスーツは2台です。マッスルスーツは常に装着するというタイプの機器ではありませんので、使わないときは定位置である廊下に置いてあります。 管理表の他に、運用ルールをまとめた独自マニュアルも作成 山口氏:2台あるマッスルスーツをフル活用できるように、誰がいつ使えるかをあらかじめ決めておき、管理表で誰でも確認できるようにしました。また使用回数なども記録し、使用の活性化を狙いました。着脱の手間を最小限に抑える運用山口氏:3つ目が、着脱の手間を最小限に抑える運用方法から試したことです。モデル事業ということもあり、使用シーンが限定されたのですが、当施設では夜勤帯の排泄介助で使用することに決めました。夜勤帯の排泄介助であれば、マッスルスーツを装着した人と装着していない人が協力し合うことで、マッスルスーツを装着したまま、複数人の排泄介助を行うシーンが作れると考えたからです。こうした工夫を重ねたことによって、施設内での普及が爆発的に進みました。運用|21名で2台をフル活用ーーー現在の具体的な運用方法を教えてください。鈴木氏:先ほども申し上げたとおり、モデル事業中は夜勤帯の排泄介助にのみ使用していました。現在はモデル事業が終了したので、それ以外のシーンにも活用しています。具体的には、2台のマッスルスーツを、定位置である廊下に常時置いておき、それを自由に使っていいという運用にしています。ここからは、実際に現場でマッスルスーツを活用しているスタッフにバトンタッチしましょう。排泄介助が主な使用シーンーーー三浦さんは、前回の取材でも「マッスル三浦」として登場していただきました。ふだんはどのようにマッスルスーツを活用していますか?先進的な取り組みで魅力的な現場作りを!東京都ロボット介護機器・福祉用具活用支援モデル事業に選出|社会福祉法人友愛十字会砧ホーム三浦氏:日中・夜勤帯ともに、時間で区切って使う人を決め、その時間帯で使える場面があればどんどん使っていこうとスタッフ間で決めています。使用シーンがいちばん多いのは、やはり排泄介助ですね。移乗介助でも使いますが、移乗はリフトや移乗ボードなども活用するので、意外と持ち上げることが少ないんです。ほかには、シーツ交換の際に使うこともあります。 移乗の様子を見せてもらう。スーツを装着していてもスムーズな動きだ メーカーからのレクチャーで効果を実感ーーー管理表を拝見しても、三浦さんの使用頻度がずば抜けて高いですね。なぜマッスルスーツをこれほど使いこなすようになったのでしょうか? 赤枠内が三浦さんの利用回数。4月は100回を超えている。0回のスタッフがいるのは、「サイズが合わなくて使いたくても使えないから」だそう三浦氏:効果を身にしみて実感したからですね。私はもともと(腰椎椎間板)ヘルニア持ちですが、マッスルスーツを使うと明らかに身体が楽なんです。とはいえ、はじめからマッスルスーツを大歓迎していたというわけではありません。自分がマッスルスーツを体験するまで、他の人が装着しているのを見ながら、「大変そうだなあ、ちょっと面倒くさいな」と思っていました(笑)。しかし、実際にメーカーの方にレクチャーしてもらったら、「これはすごいぞ」と。そこから少しずつ使い始めて、いつの間にか”マッスル三浦”に仕立て上げられたという感じですね(笑)。「小さな使いにくさ」を放置しないーーー実際に現場で使用していて、困ったことやトラブルが発生したことはありますか?三浦氏:使い勝手という面では、小さな問題がいくつかありましたね。たとえば、我々はふだんナースコールやスマホをズボンのポケットにいれているのですが、マッスルスーツを装着するとそれが取り出せなくなってしまうんです。ですから、100均でポーチを買ってきて、マッスルスーツに外付けしてポケットとして使うことにしました。 布製のペットボトルホルダーをくくりつけ、ナースコールなどをいれるポケットとして使う 三浦氏:ほかにも、空気を送るポンプがずれ落ちやすかったので、ポンプに輪ゴムをまいて摩擦をおこすことでズレ落ちを防止しましたね。 ずれ落ちやすいポンプには輪ゴムが巻かれている 三浦氏:ひとつひとつは小さなことなのですが、実際に使ってみると積み重なって大きなストレスになります。少しでも「使いにくい」と感じたら、スタッフ全員ですぐ解決策を考えるようにしてきました。そのために月に2回、「ロボット推進会議」という会議を行っています。使いにくさをほったらかしにしないよう、そのつど改善をくりかえしているのが当施設ならではでしょう。効果|成功体験が次への強みにーーー導入前後で、どのような変化がありましたか?腰の負担軽減を実感三浦氏:一番大きい変化は、身体が楽になったことですね。とくに腰痛持ちのスタッフにとっては、無くてはならないものになってきています。役割分担が明確化し業務効率がアップ三浦氏:もう1つは、現場スタッフの動きが自然と変わってきたことです。私がマッスルスーツを装着していると、周りのスタッフが先回りして利用者さんをベッドに誘導してくれたり、横にしてくれたりして、私がベッド上での排泄介助に専念できる環境を整えてくれるようになりました。これは、業務効率化にもつながっていると感じています。スタッフのモチベーションが向上山口氏:その他の変化としては、スタッフのモチベーションがあがり、組織が活性化したことが挙げられます。「マッスル三浦」を筆頭に看板スタッフが誕生したり、そのスタッフに影響を受けてみんなでマッスルスーツをうまく活用していこうという雰囲気ができてきたのは、今後も大きな強みになると思っています。課題・問題点ーーーありがとうございます。逆に、デメリットはありますか?鈴木氏:サイズ感は課題ですね。当施設ではフリーサイズを2台購入したのですが、小柄なスタッフにはフィットせず、使いたいのに使えないスタッフが数名出てしまいました。1台の機器でさまざまな体型の方が使えるようなカスタマイズができれば、より有効活用できるのになと思いますね。Sサイズを展開しているようなので、次回購入するならそちらを購入するでしょう。まとめ鈴木氏:当施設の介護職員は、非常勤のスタッフも含めて、全員が介護福祉士です。国家資格をもつ専門職として、介護に新しいものを取り入れようという姿勢が根付いています。また、当施設の方針として「協働原理」を掲げており、介護職を中心として、みんなで協力していこうという文化もあります。だからこそ、マッスルスーツのような介護ロボットを導入しても、みんなでうまく活用していくことができているのだと自負しています。<取材協力>特別養護老人ホーム 砧ホーム( 社会福祉法人 友愛十字会)所在地:東京都世田谷区砧3丁目9番11号お問い合わせ:03-5429-6239(直通)、 03-3416-3164(代表)

【使ってみた】スマートロック活用で考える在宅介護

【使ってみた】スマートロック活用で考える在宅介護

みなさん、こんにちは。介護システムエンジニアの福村浩治です。介護エンジニアという職業柄、なんとかITの力を使って介護を便利にできないかと、これまでさまざまな方法を模索してきました。前回は、ネットワークカメラの在宅介護活用術をご紹介しました。在宅介護でも活躍!ネットワークカメラの活用法と購入時の5つのポイント今回は、在宅介護で悩みがちな「鍵」の取り扱い方について考えてみます。「自宅の鍵をサービス事業所に預けざるを得ない問題を、ICTの力で解決できないか?」そう考えたとき、スマートロックという方法が浮かび上がってきました。私が実際に使っている「Qrio Smart Lock」の例をまじえながら、新しい介護のカタチについていっしょに考えていきましょう!在宅介護で悩みがちな「鍵」の取り扱い在宅介護をしていて、「鍵」の取り扱い方に悩んだことはありませんか?夫婦共働きがあたりまえとなってきた現在において、さまざまな介護サービスを利用しても、どうしても介護が必要な家族を家にひとりにせざるを得ないことがあります。遠距離介護の場合は、要介護であっても基本的に一人で暮らしをしているというケースも多いでしょう。  その場合、介護サービスを提供するサービス事業所に鍵を預けることがあります。一人では鍵を開けられない家族のために、ヘルパーさん自らが鍵を開けて、家に入ってもらうためです。地域包括ケアシステムが進み、24時間対応の訪問サービスや夜間対応型訪問介護の普及するにつれて、「サービス事業所に鍵を預ける」という機会は増えていく可能性があります。【使ってみた】スマートスピーカーで在宅介護が変わる?今すぐできる3つの活用そこで問題になるのが、鍵の取り扱い方についてです。利用者側・サービス事業所側どちらも鍵の管理に悩みあり自宅の鍵というのは、デリケートなものです。そのため、鍵を預ける利用者側、鍵を預かるサービス事業所側で、さまざまな懸念があるでしょう。まずは、双方の懸念点を整理していきます。利用者側サービス事業所とどんなに信頼関係を築いていたとしても、当然ながら、鍵を他人に預けることは不安です。また、残念なことに、ヘルパーが窃盗を起こした事例も見られます。さらに、サービス事業所自体に悪意がなくても、管理が行き届かないばかりに紛失、知らない間に勝手に合鍵を作られるといったことも考えられます。中には、「キーボックス」という商品で鍵を共有している人もいます。キーボックスとは、鍵のための小さな金庫のようなもの。キーボックスの中に鍵を入れて、暗証番号を設定することで、鍵そのものを預けるのではなく、暗証番号を教えて、鍵を共有することができます。キーボックス自体は、ドアノブにひっかけておいたり、人目につかない庭やポストの内部に設置したりすることが多いようです。しかしこれも、暗証番号が第三者に漏れるリストもありますし、どんなに人目につかないようにしても、一度見つかれば鍵のありかを教えているようなものなので、完璧とはいえません。サービス事業所側次に、サービス事業所側の懸念点を整理して見ましょう。サービス事業所にとって、「鍵を預かる」ことは「管理コストが発生する」ことを意味します。事業所に鍵を置いておくなら、それをどのように管理するかを考えなければいけないですし、ヘルパー間で渡しあうなら、間違いなく渡したか、誰が持っているかなども把握する必要があります。万が一、利用者宅で窃盗が起これば、疑われるリスクがどうしても発生します。つまり、サービス事業所にとっても、鍵を預かるのはリスクなのです。スマートロックが問題解決の糸口に?預ける側も、預かる側もリスクを負うことになる「自宅の鍵」問題。そんな問題を解決しうる手段の一つとして、スマートロックがあるのをご存知でしょうか。スマートロックとは、スマートフォンなどを使って、ドアの鍵を施錠・解錠したりできるシステムのことです。まずは、スマートロックの特性や、スマートロックでできることを解説していきます。物理的な鍵が不要スマートロック最大の特徴は、物理的な鍵が不要であることです。私が使用している「Qrio Smart Lock」では、扉の鍵の上から専用の器具をかぶせることで、スマートフォンから施錠・解錠できるようにしています。画像引用: Qrio HP 他のスマートロックも同様で、物理的な鍵が不要なため、離れた場所から自分の好きなタイミングで鍵を開けることができます。鍵の共有(キーシェア)機能が便利!もう1つの特徴が、「キーシェア」という機能です。「キーシェア」機能とは、スマートロックで施錠・解錠できる権限を、他人に共有できる機能のことです。具体的には、スマートロックのアプリ上で有効期限付きのキーを発行し、そのキーを使えるメンバーを招待する、という流れです。招待された人は、アプリを自分のスマートフォンにインストールし、そこから発行されたキーを使って鍵を開けたり閉めたりできます。共有された人はアプリをインストールし、オーナーから承認された後、キーが使用可能になる「キーシェア」機能を利用すれば、訪問予定のヘルパーさんに、訪問の間だけ使えるキーを渡して、家を出入りしてもらうことができるのです。物理的な鍵を渡すわけではないので、紛失などの心配はありませんし、有効期限付きなので、鍵を複製して悪用する、といった心配もありません。スマートロックを使ってみて分かったメリット・デメリット私は「Qrio Smart Lock」を実際に使っています。それでわかったメリット・デメリットについてご説明します。メリット最大のメリットは、離れた場所から施錠・解錠できるから、ドアの前でも介助に専念できることでしょう。これまでは、ドアの前にきてから慌てて鍵を探したり、両手がふさがった状態で鍵を開け締めしなくてはならなったところ、スマートロックにより、事前に離れた場所から鍵をあけておくということができるようになりました。たとえば、いっしょに出かけた家族を車から家に移動介助する場合、車の中から鍵を開けておけば、鍵に気を取られず、家族の歩行介助に専念することができます。もう一つのメリットは、すでに述べたとおり、キーシェア機能を使った有効期限付きの鍵の共有です。これにより、利用者側・事業所側双方で、リスクを最小限におさえた鍵の共有が可能になります。デメリット私が感じたデメリットは、施錠・解錠の遅さです。私は「Qio Hub」によりインターネット経由で施錠・解錠を行っていますが、それぞれに約10秒程度かかっています。また、施錠のときはドアが正常に施錠されたかを確認するためにドアを開けようとしたいですが、さすがに10秒施錠されるまで待ってから確認をしようとは思いませんでした。また、マンションの集合玄関も鍵が必要な場合、自宅をいくらスマートロックにしても、鍵が必要となってしまうことにも注意が必要です。まとめスマートロックを介護に活用する方法を考えてみましたが、みなさんはどのように感じたでしょうか。最後に、私が感じた「こうすればもっと活用できそう」というポイントをご紹介します。シェアすることで負担が分担できる「キーシェア(鍵の共有)」機能についてはすでに説明しましたが、「スマホ上で有効期限付きの仮想キーを共有する」という考え方は、他のシーンも活用できるのではないかと思いました。たとえば、前回記事にしたネットワークカメラ。離れた場所から家族の様子が見られるネットワークカメラですが、「家族を一人にする時間ができるので、その間だけカメラ映像を見守っていてほしい」と思ったとき、期間限定でカメラ映像が見られる権限を友人などに渡すことができると、介護の負担が分散できそうです。在宅介護でも活躍!ネットワークカメラの活用法と購入時の5つのポイント現在では、こうした機能をもつネットワークカメラは存在しないようですが、ニーズがあれば、今後登場するかもしれませんね。まだまだ万能な製品は少ないが、今後に期待私は、「これさえ買えば介護の負担が軽減する!」という万能な製品は、現状ほぼないと考えています。しかし、作業量そのものは減らなくても、他者と共有する、または負担のタイミングを分散させることで、結果的に1人あたりの負担を減らせることはできるのではないでしょうか。昨今、宅配時に家に誰もいないことにより再配達のコストが問題となっていますし、または民泊の規制緩和などを鑑みても、スマートロックは普及していくと考えられます。介護にも活用していく方法を考えていきましょう。

介護ロボットを見れる・触れる場所まとめ

介護ロボットを見れる・触れる場所まとめ

介護ロボットに興味がある、使ってみたいと思っても、実際に見たり触ったりしてみないと、購入やレンタルの決心はつきませんよね。介護ロボットは高価なものが多いので、使用感を確かめてみないことには、施設に導入するのもためらわれます。そこで今回は、介護ロボットや介護ICT機器が見れる・触れる場所やイベントをまとめました。気になる介護ロボットがみつかったら、ぜひ足を運んでみてください。介護ロボット・ICT関連の展示会全国で随時開催されている介護関連の展示会。最近は、必ずといっていいほど介護ロボットも展示されるようになってきました。ここでは、開催時期順に紹介していきます。Care Show JapanCare Show Japanは、「介護・医療 × ヘルスケア × ビジネス」テーマに、予防医学や介護食など最新の医療・介護関連製品・サービスなどが集う専門展示会です。専門性の高い5つ展示会を同時開催しており、そのなかでも「介護産業展」と「ヘルスケアIT」では、介護ロボットや介護ICT機器が多く展示されます。 名称 Care Show Japan【同時開催】・メディケアフーズ展・介護産業展・保険外サービス展・統合医療点・ヘルスケアIT 次回開催日 2019年1月23日(水)~24日(木) 開催場所 東京ビッグサイト 問い合わせ https://www.care-show.com/index.php 介護ロボットフォーラム介護ロボットフォーラムとは、厚生労働省が実施する「福祉用具・介護ロボット実用化支援事業」の一環で開催される、介護ロボットに特化したフォーラムです。前回のフォーラムでは約24社が出展し、高齢者や障害者の自立や介助を支援する介護ロボットが展示されました。 名称 介護ロボットフォーラム 次回開催日 未定 *前回開催:2018年1月23日(火) 開催場所 TOC有明 問い合わせ http://www.techno-aids.or.jp/ 【介護ロボットフォーラム2017】最新介護ロボットを紹介!見守りロボ、排泄予測ロボも東京 Care Week(東京ケアウィーク)東京 Care Week(東京ケアウィーク)は、CareTEX(ケアテックス)を始めとした、介護や健康にまつわる設備やサービスを展示する4つの展示会を同時開催するイベントです。とくに、「CareTEX(ケアテックス)」と「次世代介護テクノロジー展」では、多くのICT機器や介護ロボットが展示されます。 名称 東京 Care Week(東京ケアウィーク)【同時開催】・CareTEX(ケアテックス)・国際健康長寿産業展・次世代介護テクノロジー展・超高齢社会のまちづくり展 次回開催日 2019年2月6日(水)~8日(金) 開催場所 東京ビッグサイト 問い合わせ http://careweek.jp/ 【3/14~3/16開催】CareTEX2018 (ケアテックス)@東京ビッグサイトCareTEX(ケアテックス)2018に行ってきた!気になる介護ロボットをレポート医療・介護 総合 EXPO 大阪(メディカルジャパン大阪)医療・介護 総合 EXPO 大阪は、医療IT/医療機器・設備/介護・看護製品/地域包括ケア/先端医療技術に関わるあらゆる製品・技術・サービスが一堂に出展する日本唯一の「医療の総合展」です。「メディカルジャパン大阪」とも呼ばれています。6つの展示会で構成されており、とくに「介護&看護EXPO(ナーシングケア大阪)」では多種多様な介護ロボットが展示されます。 たとえば、移乗介助機器や移動支援機器(リフト・パワードスーツなど)、自立支援機器、コミュニケ―ションロボット、排泄支援機器、見守り支援機器、入浴支援機器などがラインナップしています。 名称 医療・介護 総合 EXPO 大阪(メディカルジャパン大阪)【構成】・医療機器・設備EXPO・医療IT EXPO・地域包括ケアEXPO・病院運営支援EXPO・介護&看護EXPO(ナーシングケア大阪)・ヘルスケア・医療機器 開発展(MEDIX 関西) 次回開催日 2019年 2月20日(水)~22日(金) 開催場所 インテックス大阪 問い合わせ http://www.medical-jpn.jp/ ウェルフェアイノベーションフォーラムウェルフェアイノベーションフォーラムとは、介護ロボットなどの最新福祉機器の体験展示や、かわさき基準認証式などが行われる、神奈川県川崎市主催のフォーラムです。平成29年度の最新福祉機器の体験展示では、見守りロボットや排せつ支援ロボット、コミュニケーションロボットなどが展示されていました。 名称 ウェルフェアイノベーションフォーラム 次回開催日 未定 *前回開催:2018年3月20日(火) 開催場所 川崎フロンティアビル2階KCCIホール・ホワイエ 問い合わせ 川崎市経済労働局 次世代産業推進室 川崎市の福祉イベント「ウェルフェアイノベーションフォーラム2018」に行ってきた!国際福祉機器展(H.C.R)国際福祉機器展(H.C.R)は、ハンドメイドの自助具から最先端技術を活用した介護ロボットまで、世界の福祉機器を一堂に集めた、アジア最大規模の国際展示会です。2018年には約550社が出展し、来場者数は約12万人を超えました。国内外から有識者を招へいし、グローバルな観点から日本との比較をし、考察する「国際シンポジウム」や、利用者・家族向け、福祉施設役職員・企業関係者など向けに最新情報や知識を紹介する「H.C.R.セミナー」なども併催されます。 名称 国際福祉機器展(H.C.R) 次回開催日 2018年10月10日(水)~10月12日(金) 開催場所 東京ビッグサイト 問い合わせ https://www.hcr.or.jp/ 話題の介護ロボットも登場!国際福祉機器展とは?【9/27~9/29開催】【国際福祉機器展2017】最新機器多数!気になる介護ロボットを9つピックアップ【国際福祉機器展2017】ロボット介護機器開発・導入促進事業の成果報告会【まとめ】Japan Robot WeekJapan Robot Weekとは、サービスロボットとロボット製造技術の専門展示会です。ロボット関連の最新技術が一堂に会し、新たな「ロボットビジネス」創出機会を促進することを目的としています。介護・医療の分野では、移動支援や移乗介助、入浴支援、排泄支援、リハビリ支援、見守りなど、さまざまなシーンで活躍するロボット機器やサービス、技術などが展示されます。2017年には、経済産業省の「ロボット介護機器開発・導入促進事業」ブースも出展していました。 名称 Japan Robot Week 次回開催日 2018年10月17日(水)~19日(金) 開催場所 東京ビッグサイト 問い合わせ http://biz.nikkan.co.jp/eve/s-robot/ HOSPEX Japan(ホスペックス ジャパン)HOSPEX Japanは、「日本医療福祉設備学会」という学会の併設展示会です。学術振興を目的とした出展として、薬事未承認の機器、設備も出展できるのが特徴です。4つの展示会で構成されており、それぞれ「病院設備機器展」、「病院・福祉給食展」、「医療・福祉機器開発テクノロジー展」、「介護・福祉設備機器展」が開催されます。2017年の次世代医療・福祉コーナーでは、介護ロボットやVR技術、ウェアラブル機器などが多数展示されました。 名称 HOSPEX Japan(ホスペックス ジャパン) 次回開催日 2018年11月20日(火)~22日(木) 開催場所 東京ビッグサイト 問い合わせ https://www.jma.or.jp/hospex/ 国際ロボット展(iREX2017)国際ロボット展とは、国内外における産業用・サービス用ロボットや、その関連機器を一堂に集めた展示会です。産業用ロボットはもちろん、介護ロボットをはじめとしたサービスロボットも多数展示されます。隔年で開催されているため、2018年は開催されず、次回の開催は2019年12月となるの予定です。 名称 国際ロボット展(iREX2017) 次回開催日 2019年12月18日 開催場所 東京ビッグサイト 問い合わせ http://biz.nikkan.co.jp/eve/irex/ ショールーム・体験施設ここからは、介護ロボットをはじめとする最先端福祉機器が常設展示されている、ショールームや体験施設を紹介します。大和ハウス工業の展示場「D’sTETOTE」大和ハウス工業東京本社にある介護福祉機器展示場「D’s TETOTE」には、コミュニケーションロボットや見守りロボットなど、多様な介護ロボットが展示されています。展示されるロボットは日によって変わる場合があるので、目当ての介護ロボットがある人は事前に確認しておくと良いでしょう。前回、介護ロボットONLINE編集部が見学した際に展示されていたロボットは以下の通りです。 会社名 ロボット名 プールス株式会社 除菌タオルディスペンサー Purus(プールス) 株式会社知能システム メンタルコミットロボット PARO(パロ) CYBERDYNE株式会社 HAL®福祉用下肢タイプ(ハル) ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社 会話支援装置 comuoon®(コミューン) 大和ハウス工業株式会社 狭小空間点検ロボット moogle(モーグル) キング通信工業株式会社 見守り支援ロボット シルエット見守りセンサ 株式会社TESS ペダル付き車いす COGY(コギー) 株式会社モリトー 免荷式リフト POPO(ポポ) 名称 D’sTETOTE アクセス 東京都千代田区飯田橋3丁目13番地1号大和ハウス工業 東京本社 1階 入場料 無料 予約 不要 問い合わせ http://www.daiwahouse.co.jp/robot/contact.html 【体験レポ】大和ハウスの介護ロボット展示場「D’s TETOTE」に行ってみた!【前編】【インタビュー】なぜ大和ハウスが介護ロボットを?「D’s TETOTE」で聞いてみた【後編】ROBO TERRACE(ロボテラス)ROBO TERRACE(ロボテラス)とは、介護ロボットをはじめとした生活支援ロボットを常設展示している施設です。ロボットスーツHAL(ハル)のメーカーであるCYBERDYNE株式会社(サイバーダイン)の子会社・湘南ロボケアセンターが運営しています。HAL(ハル)はもちろん、コミュニケーション型のパルロや、モビリティ型のセグウェイなど、さまざまなロボットを見たり、体験したりすることが可能です。入場は無料ですが、団体見学は予約が必要です。 名称 株式会社湘南ロボケアセンター ロボテラス アクセス 神奈川県藤沢市辻堂神台2-2-1アイクロス湘南3階 入場料 無料 予約 団体見学の場合は要予約 問い合わせ http://www.robocare.jp/shonan/roboterrace/ショールーム*ロボクラスロボクラスは、(財)北海道介護ロボット推進協議会が設立した、介護ロボットに特化したショールームです。「見て、触って、試してみて、議論する」ショールームにしたいという思いから、少人数(1~4名程度)でじっくりとロボットを体験できる勉強会という形をとっています。勉強会には、事前の予約が必要です。展示されているロボットは、以下のとおりです(2018年4月27日時点)。 マッスルスーツ リトルキーパスL パロロボホンアウルサイトごっくんチェッカーハロー!ズーマーうなずきかぼちゃんレッツチャットChipバリスタiルンバ 名称 ショールーム*ロボクラス アクセス 北海道札幌市白石区東札幌3条5丁目3-24 KKS東札幌ビル 1階一般財団法人 北海道介護ロボット推進協議会 入場料 無料 予約 勉強会は要予約 問い合わせhttp://www.hokkaido-carerobo.com/ モデルハウスで体験する「ロボット体験施設」神奈川県では、高齢化に向けた生活支援ロボットの実用化・普及を進める「さがみロボット産業特区」を県内に設けています。そんなさがみロボット産業特区では、介護ロボットをふくむ生活支援ロボットの体験施設が多数存在します。とくに、住宅展示場内のモデルハウスなど、実際の暮らしに近い環境でロボットを体験できるロボットのショールームが2ヶ所設置されています。厚木会場厚木会場で展示されているロボットは、以下のとおりです。 パルロ マイスプーン パワーアシストハンド パロ うなずきかぼちゃん ウィンボット ハロー!ズーマー いまイルモ Kubi(クビ) 名称 ロボット体験施設 厚木会場 アクセス 神奈川県厚木市妻田西1-9-28 厚木住宅公園内(ミサワホーム) 小田急線 本厚木駅より北口1番線バスで10分、バス停「三家入口」下車 入場料 無料 予約 常設展示の見学は予約不要 説明・体験を希望する場合、、希望日の1週間前までに要予約 問い合わせ さがみロボット産業特区推進センター(046-236-1577) 茅ヶ崎会場茅ヶ崎会場で展示されているロボットは、以下のとおりです。 パルロ パワーアシストハンド りーだぶる いまイルモ ハロー!ズーマー 名称 ロボット体験施設 茅ヶ崎会場 アクセス 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎2-7-58 茅ヶ崎住宅公園内(積水ハウス)JR東海道線 茅ヶ崎駅より徒歩10分JR相模線 北茅ヶ崎駅より徒歩5分 入場料 無料 予約 不要 定休日 火曜日、水曜日 問い合わせ さがみロボット産業特区推進センター(046-236-1577) 介護ロボットONLINEでもイベント開催決定!全国各地で開催されている介護ロボット関連イベント。介護ロボットONLINEでも、2018年5月にイベントを開催することが決定いたしました!ゲストとして、ケアコラボ株式会社の上田幸哉氏、トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社の中西敦士氏、株式会社オトングラスの高橋昌希氏をお迎えしています。おかげさまですでに定員となりましたが、当日の様子は介護ロボットONLINE上でレポートする予定ですので、ぜひご覧ください!「ケアコラボ」で介護はもっとクリエイティブに!”利用者”中心の記録システム|ケアコラボ株式会社世界が注目!排泄予知ロボット「DFree」|トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社 開催日 5月30日(水)19:00~21:30(開場 18:30) 場所 ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社 東京都港区赤坂2-14 プラザビル4F 赤坂駅より徒歩1分 定員 80名(*定員となりましたので締め切らせていただきました) 参加費 3,000円(ドリンク・スイーツ付き)    

【介護職の夜勤の悩み別!】あなたの施設におすすめの見守りロボット

【介護職の夜勤の悩み別!】あなたの施設におすすめの見守りロボット

介護職につきものの「夜勤」。長時間労働やワンオペなどの問題が注目されがちですが、一方で「自分のペースで働ける」「夜勤手当がつく」などの理由から、夜勤専従(日勤はせず、夜勤だけを担当する働き方)で働く人もいます。介護職の夜勤は、日中よりも配置人数を減らしている施設がほとんどです。その分、日中よりも業務量は減りますが、それでも一人あたりの業務負担は重くなります。また、夜勤中は、万が一施設内でトラブルが発生しても頼れるのは自分のみ、ということもあるでしょう。自分のとっさの判断がすべてなので、夜勤スタッフにのしかかる責任は重大です。近年、そんな夜勤を助けるツールのひとつとして、「見守りロボット」が注目されているのを知っていますか?「見守りロボット」とは、複数の入居者を同時に見守ることができたり、入居者の離床やひとり歩きなどを検知し、必要に応じてスタッフまでお知らせしてくれたりする、新しい見守り支援機器です。平成30年度の介護報酬でも、見守り機器の導入が「 夜勤職員配置加算 」の緩和条件になることが決まっており、ますます期待が高まっています。今回は、夜勤にありがちなお悩み別に、おすすめの見守りロボットを紹介していきます。悩み別のおすすめ見守りロボット盛り上がりを見せつつある「介護ロボット」のなかでも、とくに期待が集まっている「見守りロボット」。期待度の高まりとともに、多種多様な見守りロボットが開発・販売されています。ここでは、悩み別にあなたの施設におすすめの見守りロボットを紹介します。お悩み1.夜勤の急変がこわい 初めての夜勤でまさかの急変!頼れるスタッフも少ないし、テンパりながらなんとか自分で対応。でも、そのときの恐怖がトラウマで、夜勤に入るたびに急変が起きないよう祈ってます…。 急変を予知してくれる「 ライフリズムナビ+Dr. 」がおすすめ! 夜間は急変が起こりやすい時間帯です。スタッフが少ない中で急変が起きたら、たとえ経験の浅い新米介護士であっても、自分の判断で動かなくてはなりません。慣れないうちは、「万が一最悪の事態になったら…」と考えると恐怖に足がすくむこともあるでしょう。急変の体験がトラウマとなり、「夜勤につくのがこわくなった」という人も少なくありません。そんな悩みにおすすめなのが、急変を予知する「 ライフリズムナビ+Dr. 」です。 ライフリズムナビ+Dr.は、「急変にはかならず予兆がある」という医師の気づきから開発された、予兆を見える化する健康見守りロボットです。3種類のセンサーで利用者の状態をモニタリングし、現在の状態と過去の状態を比較することで、微妙な変化を察知します。3種類のセンサーからは、それぞれ睡眠データ、温湿度データ、活動量データが取得され、ベッド上の動きや睡眠の深度、無呼吸途中覚醒などがモニター表示されます。お悩み2.居室数が多くて巡回がたいへん 夜間巡回で安否を確認するけど、全居室を回るのは大変だし、ちゃんと眠れているか、呼吸をしているか不安になるときがあります…。 居室内の状況が一覧で見られる「眠りSCAN」がおすすめ! 夜勤の主な業務のひとつに、夜間巡回があります。1~2時間に1回程度の頻度でフロアを見回り、利用者の呼吸状態や体調に異変がないかを確認します。しかし、消灯後の居室内で入居者ひとりひとりの状態を把握するのは一苦労です。見回りのタイミングややり方によっては、眠っている入居者を起こしてしまうことにもなりかねません。そんな悩みにおすすめなのが、睡眠測定器として睡眠研究にも使われている「眠りSCAN」です。眠りスキャンでは、最大80名までの居室での状況および就床時の呼吸数心拍数を1台のモニターで確認することができます。「ちゃんと眠っているか」「呼吸に問題はないか」などを見える化することで、状況に合わせて介護の優先順位をつけたり、目が覚めているときに介護するなどして入居者の睡眠を確保したりすることができます。何より、リアルタイムで入居者の状況が一覧で見られるので、訪室していないときでも安心感があります。お悩み3.万が一のときのエビデンスを残したい 介護の現場では、どんなに注意していても事故やトラブルが起きてしまうもの。万が一のときに介護スタッフを守れるように、エビデンスを残せないかしら。 本体に録画映像が残る「Dream Care(ドリームケア)」がおすすめ! 介護サービスを提供する上で避けては通れない、事故やトラブル。事故を起こさないためのリスクマネジメントはもちろん必要ですが、どんなに気をつけていても起きるときは起こってしまいます。事故やトラブルで心配なのが、入居者のケガやトラブルを介護スタッフや施設の設備のせいだと糾弾されることです。実際にスタッフや施設設備に非があるのなら謝罪と是正をすべきですが、そうでない場合はその説明をする必要があります。しかし、記録や証拠がなければ、どんなに言葉を尽くしても相手に伝わらないということもありえます。スタッフの身の潔白を証明したり、入居者や家族に納得してもらえるよう説明するために活用できるのが、「 Dream Care(ドリームケア)」です。「Dream Care」は、離床検知やバイタル異常時の通知ができる非接触型の見守りロボット。離床の初期の動作でアラートを作動させたり、入居者様の様子をアイコン・数値表示で常時お知らせたりすることが可能です。さらに、特徴のひとつとして、搭載されているカメラによる録画機能があります。入居者に激しい動きがあったときや離床検知したときーーつまり、事件事故が起きやすいときに限り、カメラが作動して記録を残してくれるのです。録画記録はPCなどに配信されず、本体のSDメモリに残されるのみなので、プライバシーにも配慮されているといえます。お悩み4.アラートが鳴りすぎて、つい電源を切ってしまう 今の離床通知センサは、離床したときだけでなく体位変換や排せつ介助のときもアラートが鳴るから、介助中は電源を切っています。でも、そのあとに電源をつけ忘れることが多く、離床センサの意味がありません…。 自動で見守りを再開していくれる「 見守りケアシステムM-2 」がおすすめ! これまでの離床マットや赤外線センサなどによる離床通知機器は、入居者・介護スタッフ関係なく、人間を検知したらアラートを出すものがほとんどでした。スタッフが介助に入るたびにアラートが鳴ってしまうため、介助中は機器の電源を落とすという施設も少なくありません。しかし、電源を落としたことを忘れてしまい、本当に必要なときに通知されないという事態を引き起こすこともよくあるといいます。そんなヒューマンエラーをなくすためにおすすめなのが、自動で見守りを再開してくれる機能付きの「 見守りケアシステムM-2 」です。「見守りケアシステムM-2」は、ベッド内蔵型の見守りロボット。ナースコールと連携させた離床通知はもちろん、利用者の日々の体重測定も自動でしてくれるすぐれものです。M-2のコントローラーには見守りを一時停止する機能が搭載されており、その機能を使えば、一時停止モードから10分後に自動的に電源をオンにしてくれます。また、一時停止中にベッドに人が乗った場合も自動でオンになるので、介助後の「電源を入れ忘れた!」がなくなります。改めて考えたい「見守りロボット」のメリット・デメリットこれまでの離床センサなどと比べて、最近開発された新しい見守りロボットには、下記のようないくつかの特徴があります(※)。 離床だけでなく、多様な状況を自動認識する 対象者に応じた通知設定ができる 報知とあわせて画像などの情報も提供できる 転倒につながる動作や予兆動作が検知できる 離れた場所からリアルタイムで安全確認ができる 失報誤報が予防できる※参考 厚生労働省(2015)『介護ロボット重点分野別講師養成テキスト』 ここからは、「見守りロボット」全般に共通するメリットやデメリットについてあらためて考えてみましょう。見守りロボットのメリット厚生労働省による調査によれば、見守りロボットを本格導入したある施設にて、以下のような効果が得られたと報告されています。導入効果からもわかるとおり、見守りロボットにはさまざまなメリットがあるといえます。もっとも大きなメリットは、転倒をはじめとする事故の減少でしょう。離床の通知自体が既存の機器にくらべて速くなったことにくわえ、離れた場所からでもタイムリーに入居者の動きを確認できるため、早期対応や緊急度の判断がしやすくなります。もうひとつのメリットは、利用者の自立やQOLの向上につながるという点です。厚生労働省の調査によれば、導入した施設の職員の半数以上が、「利用者の生活の質(QOL)が良くなった」と回答していることがわかっています。見守りロボットは、利用者の生活リズムや行動パターンを見える化することで、利用者に合わせたケアを可能にするのです。さらに、間接的なメリットとして、職員の意識向上や職場環境の改善による離職率の低下などがあげられます。見守りロボットが業務負担を減らしたり、質の高いケアの提供をサポートしたりすることで、介護人材の確保や育成につながる効果も期待できます。見守りロボットのデメリット見守りロボットのデメリットとして覚えておきたいのは、「見守りロボットはスタッフ(人間)の代わりにはなれない」ということです。見守りロボットができるのはあくまで見守りの支援であり、必要に応じて実際に対応したり介助したりするのは、介護スタッフである人間です。その点を理解していないと、「見守りロボットを導入しても業務効率化にならない」「ロボットなんか役に立たない」という誤った認識を抱くことになってしまいます。後ほど詳しく説明しますが、制度上も、見守りロボットが人間ひとり分の代わりになることはありえません。大事なのは、見守りロボットをいかに活用して、ケアの向上につなげるかという視点であることを覚えておきましょう。見守りロボットで「夜勤職員配置加算」の算定要件が緩和平成30年度の介護報酬で、見守りロボットの導入が「夜勤職員配置加算」の緩和条件になることが決まりました。夜勤職員配置加算とは、夜勤が発生する特別養護老人ホーム(以下、特養)などで決められている最低基準よりも多く人員を配置した場合に加算されるものです。これまでのルールでは、夜間に最低基準よりも1人以上多く職員を置いた場合に報酬が加算されるとしていました。それが今回の改定で、以下のように変更になりました。平成30年度の介護報酬改定 1.ベッド上の入所者の動向を検知できる見守りロボットを、入所者数の15%以上に設置している場合2.見守りロボットを安全かつ有効に活かすための委員会を設置し、必要な検討を行っている場合この両方を満たしている場合に、夜勤職員の数が最低基準を0.9人上回っていれば取得できるとする。 つまり、見守りロボットが夜勤職員の0.1人分に相当するということです。これによって夜勤職員の数を減らすことはできなくとも、職員の勤務時間を減らすことはできるので、休憩時間が多くとれるなどのメリットがあると考えられます。だからといって、安易に見守りロボットを導入するのはおすすめできません。自分の施設の課題や問題点、見守りロボットのデメリットなどを理解した上で、最適な機器を選ぶことが重要になってきます。悩みに応じて見守りロボットを選ぼう見守りロボットには、入居者の事故の軽減やQOLの向上など、多くのメリットがあります。長期的には、職員の意識向上や職場環境の改善効果、それにともなう離職率の低下まで期待できます。夜勤は、スタッフに身体的・精神的な負担が重くのしかかる重労働です。長時間労働やトラブルが重なることで、介護職を離れてしまうスタッフもいます。そんなスタッフの悩みを見守りロボットで解決するには、導入前にスタッフや施設の課題を洗い出す必要があります。見守りロボットにもさまざまな種類がありますが、悩みに応じて最適な機器を選ぶことで、見守りロボットの効果が最大限に生かされるでしょう。<参考資料>厚生労働省(2015)『介護ロボット重点分野別講師養成テキスト』

職員と現場を守る!これからの介護リスクマネジメント

職員と現場を守る!これからの介護リスクマネジメント

利用者の命に関わりかねない、介護現場の事故やトラブル。しかし、どんなに気をつけていても、起きるときは起きてしまいます。介護現場での事件・事故は、利用者に危険を及ぼすだけでなく、介護職員の精神的な外傷になったり、訴訟問題に発展したりすることも。最近では、利用者の暴言や暴力から介護職員を守ったり、”モンスター家族”から施設を守ったりするという観点からも、リスクマネジメントに注目が集まっています。そこで今回は、介護現場で働く職員や施設経営者の皆さんに向けて、介護のリスクマネジメントの重要性について解説していきます。また、職員や施設をリスクから守るのに使える最新機器も紹介します。介護の事故で損害賠償も!?|介護ロボット導入、5割が安全を重視介護のリスクマネジメントとはそもそも「リスクマネジメント」とはどのような意味でしょうか。介護現場におけるリスクマネジメントとは、介護事故やトラブルを未然に防いだり、被害を最小限に抑えたりするための「予測と準備」のことです。具体的には、よくある事故の原因を分析し、事故が発生する状況を予測したり、事故が起こらないように準備したりすることを指します。しかし、介護現場においては、事故が100%起きないように対応することはほぼ不可能です。そのため、事故を防ぐための予測・準備はもちろん、事故の発生に備えた準備も必要になってきます。リスクマネジメントが重要な3つの理由介護現場は、提供するサービスの特性上、他業界の現場よりも重大事故やトラブルが発生するリスクが高いといわれています。サービス利用者である高齢者は加齢とともに心身機能が低下しているため、事故やトラブルが起こりやすい状況にあるからです。ここでは、なぜ介護現場でリスクマネジメントが必要なのか、3つの観点から解説します。事故やトラブルが利用者の命を危険にさらす介護現場で起こる事故やトラブルは、利用者の生命や健康を危険にさらしかねません。たとえば、利用者が転倒して骨折した場合、命にかかわらなくても、骨折のせいで身動きできなくなったために、廃用症候群や認知症が進行してしまう恐れがあります。高齢者にとっては、小さなケガも大きな被害となりうるのです。増加傾向にある介護事故の高額訴訟介護サービスの普及にともなって、介護事故の訴訟件数も増加傾向にあるといわれています。その背景には、介護職員の人手不足によるサービスの低下や、介護を受けることに対する利用者や家族の意識の変化などがあると考えられています。それにともない、高額訴訟も増えてきました。あるケースでは、夜間に利用者がトイレで転倒し亡くなったことに対し、「施設の管理が悪い」として、事業所に3402万円の支払いが命じられています(※)。こうした高額な賠償金請求は、介護事業所を倒産に追い込む恐れもあります。介護事故の高額訴訟事例(※) 転倒による死亡 3402万円 誤嚥による死亡 1400万円 入浴介助中の水死事故 約2160万円 ※引用:介護リスクマネジメント研究会・小林彰宏監著, 2016, 『これならわかる〈スッキリ図解〉介護事故・トラブル』株式会社翔泳社また、一度訴訟問題が起きれば、その地域における介護事業所の信頼は失われるでしょう。リスクマネジメントは、利用者だけでなく事業所の存続のためにも不可欠になってきているのです。職員のモチベーションを左右する見過ごされがちですが、リスクマネジメントは介護職員の人材確保という観点からも重要です。 介護のお仕事研究所による調査 では、介護職員の9割以上が、利用者からの暴言・暴力を「受けたことがある」と回答していることがわかっています。こうした利用者から介護職員への暴言・暴力も、介護現場におけるリスクのひとつです。画像引用: 介護のお仕事研究所 また、最近では金銭目的で職員や施設に理不尽な要求をする”モンスター家族”も問題になっています。仮に、これらのリスクに対して介護事業所が何の対策も講じず放置しておけば、介護職員の不安や不満は高まり、モチベーションは下がる一方でしょう。いずれは施設全体の士気の低下につながり、離職率を上昇させることになりかねません。介護職員にとっての処遇・職場改善の一環としても、リスクマネジメントは重要性を増してきているのです。介護リスクマネジメントの2つのアプローチ介護現場では、利用者・職員・施設を守るために、リスクマネジメントが不可欠であることがわかります。ここからは、介護現場でのリスクマネジメントのアプローチ方法について解説してきます。介護におけるリスクマネジメントには、大きくわけて2つのアプローチがあります。利用者の尊厳や安全を守る 介護職員や組織を守る同じ事故に対しても、アプローチ方法に応じて取られる対策が異なります。ここでは、「利用者Aさんの転倒事故」を例に、1と2それぞれの観点から具体的な対策を考えてみましょう。1.利用者の尊厳や安全を守る利用者の尊厳や安全を守るという観点でまず考えられるのは、転倒事故を起こさないように、類似事故のヒヤリ・ハット事例を事業所内で共有することです。ヒヤリ・ハットが共有されていれば、転倒事故が起きやすい状況を未然に避けたり、転倒しにくい環境をつくったりすることができます。また、利用者Aさんの心身状態や転倒リスクを把握しておくことも大切です。心身状態に応じてオペレーションを変更したり、転倒リスクが高い時間帯に見回りを行ったりという対策が必要になってくるでしょう。その際、「転倒しないように身体拘束する」という考え方は、利用者の尊厳を損害していることになるためNGです。2.介護職員や組織を守る介護職員や組織を訴訟などから守るという観点では、事故発生時のエビデンス(証拠・根拠)となる記録を残すことがリスクマネジメントになります。万が一、Aさんが転倒してしまった場合に考えられるリスクとして、「転倒事故対策を怠っていたとして、利用者や家族が訴訟を起こす」「転倒時にできた傷やアザを、職員からの虐待でできたものではないかと疑われる」などがあげられますが、これらのリスクを最小限におさえるためには、エビデンスが何よりも重要だからです。記録といえば、事故発生時に書く「事故報告書」などの文書作成をイメージしがちですが、事故現場を写真で残したり、関係者の話を録音したりといった方法も、エビデンスとしては有効です。最近では、見守りロボットに撮影・録画機能がついているものもあり、職員や施設のリスクマネジメントとして活用されるケースも増えてきました。そんな見守りロボットをいくつか紹介します。Dream Care(ドリームケア)|株式会社DREAM TOKYODream Care(ドリームケア)は、「万が一のときにエビデンスを残せる見守りロボットを作ってほしい」という介護事業所の依頼を受けて開発された、非接触型の見守りシステムです。本体にはカメラが搭載されており、事件・事故が起きやすいときだけ作動して、記録を残します。2018年4月には新たにスナップショット機能が追加され、事故リスクが高いと判断した瞬間を写真にとり、その写真をPCに表示できるようになりました。夜間の見回り回数が1/3に!現場発信の見守りロボ「Dream Care(ドリームケア)」|株式会社DREAM TOKYOシルエット見守りセンサ|キング通信工業株式会社シルエット見守りセンサは、ベッド上の空間を検知する赤外線センサを使った見守りシステムです。ベッド上にいる利用者のシルエットのみを映し出した「シルエット画像」で、プライバシーに配慮しながらも状況確認できるのが特徴です。シルエット画像は、起き上がり通知がされた場合に前後合わせて15秒が録画で残るようになっているため、万が一のときのエビデンスとして活用できます。離床はもちろんはみ出しも!人の動きを検知する「シルエット見守りセンサ」|キング通信工業株式会社組織の自衛が利用者の身体拘束を招くこともリスクマネジメントを考えるうえでは、利用者を守るためのアプローチはもちろん、組織やそこで働く職員を守るためのアプローチも欠かせないことがわかりました。しかし、組織や職員の自衛および法的な責任の回避ばかりを意識してしまうと、利用者の尊厳が損なわれる危険性もあります。たとえば、転倒事故を避けるあまりにAさんをベッドに縛りつけた場合、それは身体拘束にあたります。一般的に、利用者の行動自由度が高ければ高いほど、転倒などのリスクも高くなります。しかしだからといって、事故を起こさないために利用者の自由を奪ってよいということにはなりません。介護のリスクマネジメントでは、利用者の尊厳と組織としての自衛のバランスを取りつつ、持続的な対策を取ることが求められるのです。10年で倍増!身体拘束の実態と介護ロボットの光と影介護のリスクマネジメントの効果は大きい介護現場において、リスクマネジメントは事件や事故を未然に防ぐだけでなく、職員が安心して働ける環境をつくるという意味でも重要視されてきています。適切なリスクマネジメントを行うことで、利用者や家族、地域から信頼を得たり、スタッフの離職率を引き下げたりといった効果が期待できます。しかし、職員や施設を守ることだけを重視しすぎると、利用者の尊厳を損なってしまう恐れもあります。利用者の尊厳と組織としての自己防衛のバランスをとりつつ、プライバシーに配慮した見守りロボット等を活用した新しいリスクマネジメントが今、求められています。【介護職の夜勤の悩み別!】あなたの施設におすすめの見守りロボット<参考資料>介護リスクマネジメント研究会・小林彰宏監著, 2016, 『これならわかる〈スッキリ図解〉介護事故・トラブル』株式会社翔泳社介護のお仕事研究所「9割超が「経験あり」、介護職が受ける暴言・暴力に関する実態結果を発表」(2018年4月17日, https://kaigo-shigoto.com/lab/archives/4082)

Pepperくんが施設内を一人で見回り!?実証実験を見に行ってきた

Pepperくんが施設内を一人で見回り!?実証実験を見に行ってきた

2018年3月28日、あのPepperに一人で介護施設内を見回りさせる実証実験が行われました。実証実験の舞台は、「本気で親を入れたい」最高の老人ホーム 2017関東ベスト100 第1位にも選ばれた有料老人ホーム「フェリエ・ドゥ 横浜鴨居」。Pepperを動かすアプリを開発したのは、ロボットの販売やアプリ開発を展開しているX-mov Japan株式会社です。今回は、自律走行しながら施設の見回りをするPepperを、介護ロボットONLINE編集部が実際に見てきました!代表の長安成暉氏のインタビューを交えながら、実証実験の様子をレポートします。実証実験の様子をレポートX-mov Japanが開発しているのは、SLAMという技術を使ってPepperを自律走行させ、夜間帯の巡回業務を自動で行うロボアプリです。自律走行のほかにも、Pepperに搭載されているカメラを通してリアルタイムで映像を配信したり、見回り中に出会った人を顔認識してスタッフに通知を行うと同時に、その人に声かけするなどの機能が備えられています。 実験場所 フィリエ・ドゥ 横浜鴨居(介護付有料老人ホーム)※「本気で親を入れたい」最高の老人ホーム 2017関東ベスト100 第1位https://kaigo.news-postseven.com/364 検証内容  1.SLAM (自律走行)を使った夜間の巡回業務2.リアルタイム映像配信 3.顔認識機能 さっそく、Pepperの自動巡回の様子を見てみましょう! 事前にフロアマップをインプット。 自律走行させる前に、Pepperにフロアの地図や目的地をインプットします。こうすることで、人による操作なしで自動的に施設内を巡回してくれます。スタートボタンを押すと自律走行が開始しました。巡回中は、胸元のタブレットに「散歩中」と表示されています。途中で人に出会うと、「こんばんは」と声をかけていました。この際に顔認識して相手を特定し、スタッフへ遭遇した時間と合わせてメール通知します。 自動で動くPepper。移動速度はゆっくりで、動いている間の音も気にならない。廊下をひとりでに進みます。つきあたりまで行ったら、くるりと回転して戻ってきました。移動中は、Pepperに搭載されているカメラからリアルタイムで映像が配信されます。 Pepperの目線をリアルタイムで配信。スタッフは座りながらフロア全体が見守れる。編集部はこう思った 今回Pepperが見回りしたのは施設内の廊下だけで、居室の中にまでは入っていきませんでした。そのため、居室内の様子を確認する巡回の代わりにはなりません。しかしPepperが自動で廊下を巡回することで、いち早くひとり歩きしている入居者を発見できたり、スタッフの安心感につながったりすることが期待できます。 代表の長安氏にインタビュー 現役大学生でもあるX-mov Japan株式会社代表取締役社長兼CEOの長安成暉氏とPepper。 Pepperの介護アプリといえば、いっしょに体操をやクイズをしたりと、レクリエーション目的のものが多い印象があります。そんななか「Pepperに夜間巡回させる」というユニークな発想でアプリを開発したのには、どのようなきっかけがあったのでしょうか?X-mov Japan株式会社の代表取締役社長兼CEOである長安成暉氏に話を聞いてみました。徹底した現場主義で真の課題解決をめざすーーーなぜ、Pepperを自律走行させて夜間の巡回をさせようと思いついたのでしょうか?弊社は、Pepperの自律走行型アプリケーションの開発や米物流運搬ロボットの販売等を行ってきましたが、「Pepperに夜間巡回させる」というアイディアがもともとあったわけではありません。自律走行に使われているSLAMという技術を用いて、介護業界の課題を真の意味で解決するためには、アイディアありきではなく現場を徹底的に知る必要があると感じていたんです。そのためにまず、約2週間かけて3つの介護施設で張り込み調査を行いました。そこで見えてきた課題や現場の方の生の声から、「Pepperが代わりに夜間巡回を行えるアプリを開発しよう」と決めたんです。Pepperに夜間巡回させる意味ーーー2週間の調査で、どのようなことがわかりましたか?現場を見て痛感したのは、ひとつひとつの業務にかかる時間は短くても、細かい業務が積み重なってスタッフの方を圧迫しているということです。体位変換に2分、移乗介助に3分、といったことを入居者の方全員に繰り返しているうちに、あっという間に時間がたってしまう。そんな現状を見ながら、スタッフの方の負担を大幅に減らすには、細々した特定の業務をロボットに代替させるだけではあまり意味がないのではないかと思うようになりました。また3施設それぞれで、ニーズやオペレーションが大きく異なることもわかりました。すべての施設に共通していて、かつロボットにサポートしてもらうと負担が大幅に減るのは何か、と考えたときに「夜間の見回り業務」に思い至ったのです。また、Pepperと夜間帯の相性が良いというのもポイントでした。Pepperは太陽光の反射などでうまく動かないことがあるので、夜間帯であればよりスムーズな制御が可能なのです。ーーー今回の実証実験で使われているのはまだプロトタイプということですが、今後はどのような改良を重ねていく予定ですか?具体的な改良点は実証実験の結果を見てから検討を重ねる予定ですが、操作性や利便性はリリースまでにレベルアップさせていきたいですね。スタッフの方はスタートボタンを押すだけでOKというところまでもっていければと思っています。また、現時点では入居者の方に遭遇した際の通知がメールで行われていますが、それをプッシュ通知にするなどよりわかりやすくお知らせする方法にしていく予定です。編集部まとめ 2018年夏頃のリリースを予定しているという、今回のPepperの自律走行による夜間巡回アプリ。このアプリがあれば、昼はレクリエーション、夜は見回りという風にPepperを24時間活用することもできそうです。

ICT活用で介護はどう変わる?メリットと今すぐICT化すべき業務

ICT活用で介護はどう変わる?メリットと今すぐICT化すべき業務

最近よく耳にするICT。介護の現場でも、ICTを活用した業務効率化が重要視されてきています。一方で、「なんか難しそう」「どうやって活用すればいいの?」「ICTを導入すると何が変わるの?」と思っている人も少なくないでしょう。手作業やアナログでの業務が多い介護業界では、ICT化がこれからの経営を左右するといっても過言ではありません。今回は、介護におけるICT化のメリットや課題、導入を成功させるコツなどを紹介します。ICTとは?ICTとは「Information and CommunicationTechnology」の略で、日本では「情報通信技術」と訳されます。日本ではIT(情報技術)に代わる言葉として、2000年代後半から注目されるようになりました。「Communication/コミュニケーション」という単語が含まれていることからもわかる通り、ICTには情報処理の技術だけでなく、情報をどのように伝達・共有するかという意味合いも含まれています。IT、IoTとの違いICTのほかに、IT、IoTという言葉もよく使われます。ここでそれぞれの違いについて理解しましょう。ITとはITとは「Information Technology」の略で、日本では「情報技術」と訳され、ICTとほぼ同じ意味で使われています。ITという言葉の誕生の背景には、急速に加速したPCやインターネットの普及があります。当時は主にオフィスでの業務効率化や高速化がすすめられました。その後、2000年以降にブロードバンド回線や携帯電話が浸透し始め、個人でもITにふれる機会が多くなっていきます。IoTとはIoTとは「nternet of Things」の略で、日本では「モノのインターネット」と訳されることが多いです。あらゆるモノがインターネットとつながる仕組みや、その技術のことを指します。インターネットに接続されたモノから情報を取得したり、取得した情報を分析して反応を返したりします。具体的には、インターネットに接続された体重計から取得した体重をスマートフォンに自動で記録したり、記録した体重を分析して運動アドバイスをしたりするサービスなどが挙げられます。介護のICT化の背景ICT、IT、IoTの違いもわかったところで、ここからは介護現場におけるICT化について考えていきましょう。今、介護の世界ではICT化の波がきていますが、その背景には「人材不足」があります。「3人に1人が高齢者」の未来すでに周知のとおり、日本は少子高齢化が進んでいます。2015年には4人に1人が高齢者となり、その割合はこれからも増大していくと考えられています。2035年には、なんと3人に1人が高齢者になると見込まれています。高齢化がすすめば、その分要介護者も増えるでしょう。「介護難民」を減らすためにも、介護人材の確保は急務なのです。介護業界のICT活用率は最低レベル介護人材の確保と同時に、介護の業務効率化も不可欠です。内閣府の調査によれば、このままでは2030年までに日本の労働力人口は約900万人減ってしまうことが予測されています。労働力人口が減っていくなか、増え続ける介護需要に応えるには、介護業務を効率化するしかありません。とくに介護の現場では、いまだに多くの事務作業が手作業で行われているといわれています。実際、総務省の調べによれば、保健・医療・福祉業界のICT活用率・効果ともに産業最低であることが分かっています。画像引用: http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc114640.html このように、介護のICT化による業務効率化が今、最大の課題となっているのです。ICT化のメリット・デメリットICT化の重要性が理解できたところで、ICT化によるメリット・デメリットを整理していきましょう。ICT化のメリットICT化のメリットには、直接的なメリットと間接的なメリットの2種類があります。まずは直接的なメリットとして、以下の4つを紹介します。 事務作業の軽減、ストレス軽減 科学的介護の実現 コミュニケーション活性化 生産性の向上一番のメリットは、記録業務のICT化による事務作業の軽減や、事務作業のストレス軽減です。ホームヘルパーが訪問先でスマートフォンから介護記録を入力したり、タブレットで次の訪問先の情報を得たりすることが考えられます。また介護記録などをICT機器で分析・フィードバックすることで、科学的根拠に裏付けられた介護(科学的介護)が実現するでしょう。さらに、スタッフがスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末をもつことで、スタッフ間の情報共有やコミュニケーションが活発化することも期待できます。また、ICTで売上や居室稼働率を予測したり、コスト管理を図ったりすることで施設運営全体の生産性を向上させることも可能です。間接的なメリットとしては、以下の4つを紹介します。 離職率の低下 若手人材の確保 ケアの質の向上 介護職の魅力の向上 まず挙げられるのが、業務負担やストレスの軽減による離職率の低下や、スマホ世代である若手人材の確保です。ICT化してすぐに効果が出るものではありませんが、長期的に見ればリクルート面でもメリットがあるのです。また、これまで事務作業にあてていた時間をケアの時間にあてることで、ケアの質の向上も期待できるでしょう。そうすればスタッフのやりがいや介護職という仕事自体の魅力アップにもつながります。介護業界においてICT活用に取り組むことは社会的にも話題性があります。事業所としてだけでなく、介護業界全体のイメージアップや採用にも貢献するでしょう。ICT化のデメリットICT化のデメリットは、主に以下の3つです。 導入コストが高い 情報漏えいリスクがある スタッフへの教育が必要 もっとも大きなデメリットは導入コストの高さです。ICT化を実現するには、施設内全体にインターネット環境を整備したり、パソコンやスマホなどのデバイスを購入したりする必要があります。個人情報を扱う場合は情報漏えいにも気をつけなければいけないので、セキュリティ対策にも費用がかかるでしょう。また、ICT機器を扱うスタッフへの教育も不可欠です。とくにパソコンなどのデバイスに慣れないスタッフにとっては、慣れるまでは今まで以上の手間やストレスがかかってくる場合もあります。ICT化が求められる介護業務とは?メリット・デメリットが理解できたところで気になるのが、「ICTって、具体的にどこでどういう風に使えるの?」というところですよね。ここからは、介護においてICTが活用されはじめている例を紹介していきます。介護記録をICT化ICT化が急速に進みつつあるのが「介護記録」です。現状、介護記録の多くは手作業で行われており、介護保険請求を行ったり行政などに提出したりするために使われています。しかし事務業務が多すぎて残業したり、本来のケアに注力できなかったりという本末転倒な事態に陥っている事業所も少なくありません。介護記録をICT化することで、ケアプランやアセスメントチャート作成の時間が軽減できたり、介護記録を持ち歩かずにすむことでヘルパーが直行直帰できたりするといったメリットがあります。また、紙ベースよりも楽に情報共有ができるという点も大きなメリットでしょう。タブレットデバイスの導入最近介護施設でよく見られるようになってきたのが、iPadなどのタブレットデバイスです。ある事業所では、タブレットでシフト要請やケアプラン呼び出しなどを行うことにより、2年間で約10%の労働時間削減に成功したという例もあります。タブレットデバイスはパソコンよりも直感的に操作できるため、スマホ世代の若い人材も抵抗感なく使えるのがポイントです。見守りロボットを始めとしたIoT機器の導入じわじわと浸透し始めているのは、見守り支援ロボットをはじめとしたIoT機器の導入です。バイタルデータなどを取得して離床や在室などを判断し、必要に応じて通知してくれるだけでなく、取得したデータを分析してケアプラン作成時の参考資料となるようにまとめてくれる機器まで登場しています。ICT化を阻む課題深刻な人材不足を前に、急務となっている介護現場のICT化。しかし、そんなICT化を阻む課題が残されています。使いこなせないこれまで多くの業務を手作業で行ってきたスタッフにとって、突然パソコンやタブレットを使いこなせといわれても難しいでしょう。介護福祉系の学校でもまだICTに関する教育過程がないことも、ICTの普及を阻んでいる一つの要因といえそうです。スタッフからの反発使う前からICT機器に抵抗感をもっている人も、実は少なくありません。Wi-Fi環境などに左右されてスムーズに使えなかったり、慣れないデバイスの操作方法を一から覚えなくてはならなかったりと、ICT機器を導入することで増える手間も確かにあるからです。導入コストの問題最後の課題は「導入コスト」です。デメリットでも挙げましたが、ICT化するにはネットワーク環境やデバイスの整備が不可欠となるため、初期費用がどうしても高くなる傾向にあります。また一度購入してしまえば終わりというわけではなく、介護記録ソフトであれば月額使用料がかかるなど、ランニングコストも発生します。しかし近年では、ICT化に補助金がでたり、ICT化することで報酬加算されたりする動きがではじめています。次章では、ICT化にまつわる介護報酬改定や補助金制度について解説します。介護のICT関連の報酬加算・補助金制度2018年度に実施される介護報酬改定では、介護事業所や業務のICT化を評価する改定が決定しています。たとえば訪問介護では、ICTを活用し動画などで利用者の状況を把握し、定期的に助言する場合、加算が取得できるようになりました。その他の例も見ていきましょう。テレビ電話でリハ会議に参加【通所リハ・訪問リハ】2018年度の介護報酬改定で、リハビリテーション会議への医師の参加が、テレビ電話などを活用した遠隔参加でもOKとなりました。これにより、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)が算定しやすくなります。動画で利用者の状況を把握・助言【訪問介護】先述したとおり、訪問介護ではICTを活用した動画などで利用者の状況を把握・助言が評価されるようになりました。具体的には、生活機能向上連携加算(I)という加算が算定できるようになります。オペレーターの専任要件が緩和【定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護】定期巡回型サービスでは、ICT等の活用によって利用者情報確認やコール対応ができれば、オペレータと事業所の職員の兼務が認められることになりました。排せつ介護の分析にICTを活用【介護老人福祉施設】今回の改正で新たに作られた排せつ支援加算は、排せつ介護に要する原因分析し、その結果を踏まえた支援計画と支援をするした場合に算定される加算です。分析に使える介護ロボットやICT機器を導入することで、加算を取りながら質の高い介護が実現できそうです。ICT導入に使える補助金制度IT導入補助金ITツールを導入しようとする中小企業・小規模事業者に対して、生産性の向上を図るために経費の一部を支援する補助金です。パッケージソフトの費用はもちろん、WEBサーバーの利用料や導入にかかる教育費用なども補助の対象となっています。補助金の対象となるのは以下のとおりです。 パッケージソフトの本体費用 クラウドサービスの導入・初期費用 クラウドサービスの契約書記載の運用開始日から 1年分までのサービス利用料、ライセンス、アカウント料 パッケージソフトのインストールに掛かる費用 ミドルウエアのインストールに掛かる費用 動作確認に掛かる費用 IT ツール(ソフトウエア、サービス等)の導入に掛かる教育、操作指導費用。また、事業計画の検討に関係するコンサル費用(しかし、関連会社、取引会社への説明会等費用は補助対象外) 契約書記載の運用開始日から 1年分までの問い合わせ・補助対応に掛かる費用、保守費用 社内外・取引先向けホームページ制作サービス初期費用 契約書記載の運用開始日から1年間の WEBサーバー利用料(ただし、既に存在するホームページの日常的な更新・改修費用は補助対象外) 地域医療総合確保基金(介護分)地域医療総合確保基金(介護分)とは、介護施設や介護従事者の確保に向けた取り組みを支援する基金です。人材確保の一環として職場環境の改善を支援していますが、そのなかに「介護ロボット導入支援事業」があります。補助内容は自治体によって異なりますが、1機器につき導入経費の2分の1(上限10万円)程度が補助されることが多いようです。介護現場で今すぐ使えるICTはこれ!ここでは、実際に介護の現場で使われているICT機器を紹介します。介護記録システム「ケアコラボ」ケアコラボ(carecolLabo)は、アセスメントからケアプランの作成、日々のケア記録に特化した介護記録システムです。バイタルや食事量などの基本的な記録はもちろん、写真や動画も記録でき、それらを一元管理することが可能です。またそうした情報をスタッフ同士だけでなく利用者の家族とも共有できる点が特徴です。排せつ予知デバイス「DFree」排せつ支援加算に活用できそうな機器として「DFree」があります。DFreeは、超音波センサーで膀胱の大きさの変化を捉え、排尿の前後のタイミングをアプリでお知らせしてくれるICT機器です。2018年4月には「排泄自立支援」プランのサービス展開を開始し、個人の排泄状況をアセスメントし、その方にあった支援計画を作成するサポートまで行ってくれます。失敗しない導入の進め方業務効率化や生産性アップに貢献してくれるICTですが、導入の仕方を誤ると、せっかく購入したスマホやタブレットが使われずに放置されてしまう、という事態にもなりかねません。介護事業所や介護業務のICT化を成功させるには、以下の3つを意識しましょう。現場で導入を推進する人材の確保どんなに便利なサービスでも使われないと意味がありません。現場の意見も聞かず、トップダウンでICT化を進めるのではなく、現場レベルでICT化をいっしょに進めてくれる推進者を確保しましょう。成功事例に学ぶ介護業界のICT化はまだはじまったばかりですが、すでに先駆的な施設はめざましい成果を挙げています。そうした施設に話を聞いたり足を運んだりすることで、成功した要因や自分の施設でも活かせそうなポイントを習得しましょう。タイミングを図る何の問題もないところに、突然ICTを導入しようとしてもうまくいきません。現場で困っていることや悩んでいることを探り、その解決にむけてみんなの心が動いているときこそ、ICT化のベストタイミングです。ICT化はあくまで手段介護報酬が改定される2018年度以降、ますます盛んになるだろう介護業界におけるICT化。ICT化は、介護の人材不足という避けては通れない大きな課題を解決するための重要な手段です。業務効率化のために、多くの事業所が介護記録システムや介護ロボットを導入せざるを得なくなるでしょう。そんなとき忘れてはならないのが、ICT化はあくまで手段であるということです。ICT化の真の目的は、離職率の低下や定着率アップにつながる職場環境の改善や、利用者のQOL向上やADL維持にあります。ICT機器を選ぶときは、「導入することで介護の質に貢献するか?」という視点をぜひ持っておいてください。

 初めての親の介護で不幸にならないために読む「介護の基本」と「コツ」

初めての親の介護で不幸にならないために読む「介護の基本」と「コツ」

あなたは、親の介護について考えたことがありますか?「来るべき親の介護に、準備万端です!」という人はきっと少数派でしょう。多くの人は、介護が必要な状態になってはじめて、真剣に親の介護について考えだすはずです。なかには、親の介護のために慌てて会社を辞めたり、親と同居を始めたりする人もいるでしょう。しかし、介護は子育てとは違い、ゴールのないものです。思いのほか長くかかることもじゅうぶんありえます。そうなったときにあとから後悔しないように、今から親の介護のことを考えてみましょう。3つの介護スタイル介護のスタイルには、おもに3つの選択肢があります。在宅介護 遠距離介護 施設入居 まずはそれぞれのスタイルの説明と、メリット・デメリットを見ていきましょう。在宅介護とは自宅で介護士や家族が介護する介護スタイルです。ここでは、親と同居して介護することを指します。在宅介護のメリット在宅介護の最大のメリットは、要介護者が住み慣れた自宅で生活を送ることができる点でしょう。また、「これまでの恩返しとして、自ら介護したい」という方にとっても、すぐそばで見守ることのできる在宅介護はおすすめです。自ら介護する分、介護費用がかからないこともメリットとして挙げられます。在宅介護のメリット・「家で過ごしたい」という要介護者の希望を叶えられる・自分で介護したい、近くで見守りたいという人にはマッチする・自分で介護する分、介護費用がかからない在宅介護のデメリット一方で、在宅介護にはデメリットもあります。最大のデメリットは、介護者の精神的・肉体的負担が大きいことでしょう。介護は24時間つづく重労働です。介護保険サービスなどを上手く活用しながら、無理のない範囲で行わなければいつか破綻していしまいます。また、夜間に状態が急変した場合などの対策も必須です。在宅介護のデメリット ・介護者に大きな精神的・肉体的負担がかかる・緊急時の不安が大きい 「介護は家族がするもの」という考え方で無理をすると、介護うつになってしまうことも! 在宅介護をするにしても、全部自分でやろうとはせずに、賢く介護保険サービスを活用しよう!遠距離介護とは離れて暮らす高齢の親が自立した生活を送れるように、別居している家族がサポートする介護スタイルです。遠距離介護のメリット遠距離介護のメリットのひとつに、要介護者・介護者双方が転居しなくてすむという点が挙げられます。お互いが住み慣れた場所で生活を送れるので、その分ストレスも減るでしょう。また在宅介護と比較して、四六時中介護に直面するわけではないため、心理的な負担が少ないケースもあります。さらに、独居の家族を遠距離介護している場合、いずれ施設への入所が必要になった際、優先的に入所できる可能性があります。 遠距離介護のメリット ・要介護者・介護者の双方とも転居せずにすむ・施設入所の際、独居のほうが優先的に入所できる可能性がある 遠距離介護のデメリット遠距離介護の最大のデメリットは、交通費がかかることです。遠距離介護をしている人は週末などを利用して家族の様子を見に行くことが多いですが、遠距離であればあるほど交通費がかさんでしまいます。また、自分で介護できない分、訪問介護等の介護保険サービスを駆使する必要がでてきますが、介護保険サービスも無料ではないので、その分費用がかさみます。遠距離介護のデメリット ・交通費がかかる・介護費用がかかる 見守りカメラなどを導入するのも遠距離介護を成功させるコツだよ! 介護保険サービスをフル活用すれば、毎日ヘルパーさんに様子を見てもらう体制を作ることも可能だよ!施設介護とは親が老人ホームなどの施設に入居して介護サービスを受ける介護スタイルです。施設介護のメリット施設介護の最大のメリットは、介護のプロが見守ってくれる点でしょう。施設には介護士の他に看護師や医師などがいるため、万が一のときも安心です。また、自ら介護する必要がないので、介護者にとってはその分精神的な負担が軽減されるでしょう。施設介護のメリット・専門家に介護してもらえる・家族の負担が軽減される施設介護のデメリット一方でデメリットとして、施設利用の費用の高さがあります。終身利用を前提した介護保険施設(介護保険が使える施設)は特別養護老人ホームと呼ばれていますが、こちらでも介護費の他に個室費用などがかかります。高級有料老人ホームとなると、入居一時金だけで数千万円の支払いが発生することもあります。また、仮に高額な入居費用を支払ったとしても、その環境が要介護者に合うかどうかまでは保証されません。場合によっては、施設になじめず退所し、自宅に戻ってくることもあるのです。施設介護のデメリット ・費用が高い・退所してしまうこともある 「施設にいれるなんてかわいそう」なんて外野の声に惑わされず、自分にとっても家族にとっても最善な方法を選ぼう! どの介護スタイルにも、それぞれメリットとデメリットがありますね。自分の仕事や経済的状況、親の状態などを考慮して、何が最適なのかをよく考える必要があります。とはいえ、はじめての介護では「何が分からないのか分からない」状態に陥ってしまうこともしばしばです。そこで次章からは、介護がはじまる前、はじまった後の動き方について解説していきます。介護はどうやって始まる?親の介護が必要だと判明するまでの流れは人それぞれですが、おもに3つのパターンに大分できます。1.病院から始まる救急車で運ばれたり、かかりつけ医から介護の必要性について提案をうけたりするパターンです。2.家族の申請から始まる「ちょっと様子がおかしいな」「いつもと違うな」と家族が気づき、病院や専門医にかかるパターンです。3.通報から始まる徘徊しているところを保護されたり、「子どもが財布を盗んだ」といって交番に駆け込んだりするところから介護の必要性に気づくパターンです。介護がはじまったらすべきこと いずれのパターンを辿ったとしても、実際に親の介護の必要性を目の前に突きつけられると、誰しも戸惑ってしまうものです。ここでは、介護が必要だと判明したあとにするべきことを解説してきます。 まずは地域包括支援センターに行く介護がはじまったら、必ず専門家に相談しましょう。相談先としておすすめなのが地域包括支援センターです。地域包括支援センターは各自治体に設置されており、介護に関する悩みや相談を受け付けてくれるところです。「何が分からないのか分からない」状態の人も、「介護が必要といわれたけれど、どうすればいいでしょうか?」と率直に相談してみましょう。要介護認定をうける次は「要介護認定」をうけましょう。在宅介護、遠距離介護、施設介護のいずれを選ぶとしても、介護サービスをうけるには「要介護認定」が必要です。「要介護認定」には申請書が必要です。申請書は市役所にもらいにいくか、市役所のホームページからダウンロードしましょう。申請は無料で、ケアマネジャーが代行して行うこともできます。ケアプランを作成する要介護認定が無事とれたら、次はケアプランを作成しましょう。ケアプランとは、1ヶ月の介護スケジュールのこと。ケアプランは、本人や家族と協議した上で、ケアマネジャーという人が作成してくれます。ケアマネジャーは介護のスペシャリストで、あなたの介護生活の心強い理解者であり相談者でもあります。介護でわからないことや不安なことがあれば、ケアマネジャーに相談してみましょう。ここまでできたら、介護保険サービスの利用が開始されます。施設介護の場合は施設を探す施設介護の場合は、施設を探す必要があります。施設にもたくさんの種類があるので、まずはインターネットなどで自宅付近の施設を検索してみましょう。ここでは、いくつか代表的な施設の種類を紹介します。1.特別養護老人ホーム1つ目は特別養護老人ホームです。 特別養護老人ホームとは、介護を必要とする65歳以上の方が入居できる公的な施設のこと。介護保険サービスの一つであるため、利用料が安く抑えられるというメリットがあります。有料老人ホームのような一時金も必要ありません。ただし、入居要件として介護度3以上(※1)であることが定められており、誰でも入居できるわけではないという点に注意です。また利用料の安さから入居希望者が多く、なかなか入居できないケースもあります。 ※1 介護度1、2 の方も特例として入居が可能 2.介護付有料老人ホーム2つ目は介護付き有料老人ホームです。介護付き有料老人ホームとは、介護サービスがついた高齢者向けの居住施設のこと。介護・看護スタッフが24時間体制で対応しており、食事や入浴、排せつなどの介助サービスなどをうけることができます。特別養護老人ホームのような入居条件を設けている施設はあまりなく、原則誰でも入居できます(※2)。入居には、入居するときに支払う「入居一時金」と、月々支払う「月額料金」が必要です。ただしプランによっては、「入居一時金」なしで「月額料金」だけとするところもあります。これらの費用は、特別養護老人ホームにくらべると割高です。※2 「介護専用型」の場合は要介護1以上の介護認定が必要3.住宅型有料老人ホーム3つ目は住宅型有料老人ホームです。住宅型有料老人ホームとは、生活支援サービスがついた高齢者向けの居住施設のこと。介護付き有料老人ホームとの違いは、介護サービスが外部サービス利用となる点です。必要なサービスを自分で選択できるのが魅力ですが、介護付き有料老人ホームの介護サービス費が月額利用料に含まれているのに比べ、住宅型有料老人ホームでは月額利用料に含まれていないため、介護保険の限度額を超えると高額になるおそれがあります。在宅介護・遠距離介護を成功させるコツいくら家族とはいえ、絶え間なくつづく介護は心身の負担になります。在宅介護や遠距離介護では肉体的にも精神的にも追いつけられ、介護うつになってしまう人も少なくありません。「介護は家族がするもの」「親の介護のためには自分が犠牲になるべき」ーーこうした考え方は、持続的な介護の敵です。介護をつづけていくには、介護者が無理なく介護できる環境を整える必要があります。ここでは、在宅介護・遠距離介護を楽に、便利にするコツを教えます。介護保険サービスはフル活用しよう1つ目は介護保険サービスの活用です。介護保険サービスには、家に来て介助をしてくれるタイプのサービスや、施設に通ってリハビリや介助をうけられるサービス、福祉機器や住宅改修の費用を負担してくれるサービスなどがあります。自己負担はサービス料の1~2割なので、ライフスタイルや費用と相談しながら、どんなサービスをどのようにうけるか、ケアマネジャー等と決めましょう。介護ロボット、ICT機器を活用しよう2つ目におすすめなのが介護ロボットやICT機器の活用です。介護ロボットというと大掛かりで高額なイメージがあるかも知れませんが、最近では個人でも購入できる価格帯のものも増えてきています。とくにおすすめなのが、見守り支援ロボットです。要介護者の家に設置しておけば、離れた場所からでも部屋の様子を見守ることができたり、スマホアプリなどを通して声をかけたりすることができます。ネットワークカメラのようなものからぬいぐるみのようなようなものまで多種多様なので、ニーズや好みに合わせて選んでみてはいかがでしょうか。関連記事を読む: 在宅介護でも活躍!ネットワークカメラの活用法と購入時の5つのポイント 介護休暇・介護休業を活用しよう3つ目が 介護休暇・介護休業の活用です。介護休暇・介護休業とは、家族(義理の家族も含む)の介護のために会社を休める制度のことです。 介護休業 2週間以上にわたって介護が必要な要介護状態の家族を介護するために、通算93日間の休業期間を3回に分けて取得できます。 介護休暇 要介護状態にある家族の介護やその他の世話を行うために、1年に5日(対象家族が2人以上の場合は10日)までの休暇の取得が可能です。 介護には急な呼び出しや家族の同伴がつきものですが、そんなときに介護休業や介護休暇を利用してみましょう。関連記事を読む: 介護スタッフも知っておきたい!育児・介護休業法とは? まとめ親の介護は突然はじまります。自分の仕事や生活で精一杯というときに「親の介護」という難問が突きつけられれば、誰しも戸惑ったり混乱したりしてしまうものです。そんなときこそいったん冷静になって、「どんな介護をすべきか?」を考えてみましょう。一番大切なことは、介護者であるあなた自身が無理せず、余裕をもって介護にあたれることです。そのためにも、介護保険サービスや介護ロボットなど、使えるモノは迷わず使いましょう。「親を施設に入れるなんて」「介護は家族がするもの」といった傍観者の声に惑わされず、要介護者・介護者双方が幸せになれる介護のあり方を模索してみてください。関連記事を読む: 増加する介護離職の実態と、介護と仕事を両立するためにできる3つのこと

川崎市の福祉イベント「ウェルフェアイノベーションフォーラム2018」に行ってきた!

川崎市の福祉イベント「ウェルフェアイノベーションフォーラム2018」に行ってきた!

2018年3月20日、神奈川県川崎市にて「 ウェルフェアイノベーションフォーラム 2018」が開催されました。10年目を迎えたかわさき基準(KIS)の認証式や、さまざまなテーマにわかれたシンポジウムなどが行われる同フォーラムに、介護ロボットONLINE編集部がお邪魔してきました!KIS認証機器を中心に、気になる介護ロボットの紹介やシンポジウムの内容をレポートしていきます!ウェルフェアイノベーションフォーラムとはウェルフェアイノベーションフォーラム2018とは、川崎市が開催している福祉と産業のイベントです。今回が7回目の開催となる本フォーラムでは、川崎市独自の福祉製品認証基準である「かわさき基準(KIS)」の認証をうけた福祉機器の認証式や、4つのテーマからなるシンポジウム、そして最先端機器の体験や展示が行われます。川崎市の取り組み川崎市では、2014年度から「産業と福祉の融合で新たな活力と社会的価値の創造を目指す」取り組みを進めています。こうした取り組みを「ウェルフェアイノベーション」と位置づけ、約300の企業・団体等が参画するフォーラム運営のほか、福祉課題を解決する異業種間連携等の「新たな製品・サービスの創出に向けたプロジェクト」や、本市独自の福祉製品認証基準である「かわさき基準(KIS)」認証を通じた製品の活用促進等を行っています。2017年度からは、5年間の計画となる「第2期川崎市ウェルフェアイノベーション推進計画」を策定し、新たに「モニター評価等支援事業」などをスタートしました。次章からは、ウェルフェアイノベーションフォーラム2018の様子をレポートしてきます!16製品がかわさき基準(KIS)認証を取得本年で10年目を迎えたかわさき基準(KIS)の認証式。今回の募集テーマは、「新たな在宅モデルの構築、介護者・介助者負担の軽減、ダイバーシティのまちづくり」でした。今回、テーマに沿った16の福祉機器が認証をうけました。 かわさき基準(KIS)プレミアム認証福祉製品 MIRAI SPEAKER Curvy (株式会社サウンドファン) 引きずり型避難マット「ストレッチグライドR(レスキュー)タイプ (パラマウントベッド株式会社) 車椅子 レル・ライト (有限会社さいとう工房) ヘルパー歩 (キョウワアグメント株式会社) 移動・移乗 FREE-SLOPE(株式会社ミスギ) ARUKUTOMO(株式会社発明ラボックス) 視覚障がい者歩行誘導ソフトマット 歩導くん ガイドウェイ(錦城護謨株式会社) 排泄(おむつ) ディスパース オンリーワン幅広テープ(株式会社光洋-ディスパース) 排泄(ポータブルトイレ) ラップポン・ブリオ (日本セイフティー株式会社) 食事 MOMOシリーズ(テクノツール株式会社) コミュニケーション コバリテ視覚支援スタートキット(株式会社古林療育技術研究所) こんにちは赤ちゃん(トレンドマスター株式会社) 見守り 見守りケアシステム M2(フランスベッド株式会社) その他 トランクソリューション(トランクソリューション株式会社) AYUMI-EYE(株式会社早稲田エルダリーヘルス事業団) モフトレ(株式会社Moff) ここでは、介護ロボットONLINE編集部がとくに気になった機器をご紹介します。自動ラップ式排泄処理システム ラップポン・ブリオラップポンは、排泄物を自動でラップしてくれるポータブルトイレです。水を使わず、ポータブルトイレに付き物のバケツ洗浄も必要ないので、介護者の負担や、ニオイを気にする要介護者の精神的負担も軽減されます。関連記事を読む 自動で密封、すぐ捨てられる!自動ラップ式トイレ「ラップポン」|日本セイフティー株式会社 赤ちゃん型コミュニケーションロボット こんにちは赤ちゃん比較的高額なコミュニケーションロボットが多いなか、「こんにちは赤ちゃん」は8,000円(税抜)という低価格で提供している点が大きな特徴です。「利用者によってはコミュニケーション促進や癒しの効果も期待できる」として、今回認証をうけました。関連記事を読む 自らがお世話する存在へ。赤ちゃん型ぬいぐるみロボット「こんにちは赤ちゃん」|トレンドマスター株式会社 歩行解析デバイス AYUMI EYE画像: 測定時間が1/10に!「自分の足で歩きたい」を叶える歩行解析デバイス「AYUMI EYE」とは? AYUMI EYEは、専用センサーを利用者の腰部へはりつけ、6~10m歩くだけで利用者の歩行状態を見える化する歩行解析デバイスです。川崎市は、「AYUMI EYEを利用することで利用者に歩行の改善の意識づけを行うとともに、適切な歩行改善トレーニングの実施につなげることができれば、歩行の改善と生活の変化が期待できる」と評価しています。関連記事を読む 測定時間が1/10に!「自分の足で歩きたい」を叶える歩行解析デバイス「AYUMI EYE」とは? IoT自立支援・回復サービス モフトレ画像: 介護報酬申請にも使える!介護予防サービス「モフトレ」|株式会社Moff モフトレは、ウェアラブルモーションセンサーのMoff Bandとタブレットを使用した機能訓練トレーニングサービスです。トレーニングの実施時間はもちろん、それぞれのトレーニングの回数や角度(可動域)などのデータが記録されます。またそうしたデータを共有することで、ご家族、ケアマネージャーなどとより密なコミュニケーションをとることが可能になります。川崎市は、現状や訓練効果を客観的に把握し取組を進めることができる点、利用者と支援者のコミュニケーション活性化にもつながる点をとくに評価しています。関連記事を読む 介護報酬申請にも使える!介護予防サービス「モフトレ」|株式会社Moff トークセッションで介護ロボット導入のコツを紹介シンポジウムでは、「介護現場での人とモノとの関わり方」「認知症とテクノロジー 新しい取組と実践」などのテーマにわかれてトークセッションが行われました。とくに「介護現場での人とモノとの関わり方」では、積極的に介護ロボットを取り入れている特別養護老人ホーム金井原苑(社会福祉法人一廣会) 施設長の依田明子氏が登壇し、導入のコツとして「新しいことは、たとえ良いことでも職員にとっては負担となる」としたうえで、それを乗り越えるために以下の3点を挙げています。 現場で導入を推進する人材の確保 成功事例に学ぶ タイミングを図る 金井原苑では、さまざまな助成金を駆使しながら2年間で500万円ほどの設備投資を行い、介護リフトを含む多種多様な介護ロボットを導入しているとのことでした。まとめ今年で7回目となる「ウェルフェアイノベーションフォーラム」。昨年度からは新たにモニター事業を開始するなど、国内でも先進的な取り組みを続けてきました。福祉機器や介護ロボットをはじめとした「モノ」を活用し、新しい介護のあり方の模索していく川崎市の今後に注目です。<ウェルフェアイノベーションフォーラム2018>開催日:2018年3月20日(火)12:45~会 場:川崎フロンティアビル 2階概 要:・KIS認証式- 知って、使ってみよう -(12:50~13:10)・シンポジウム- 聞いて、深めよう -(13:15~18:30 )・体験・展示- 見て、触れよう -(11:30~18:00)

CareTEX(ケアテックス)2018に行ってきた!気になる介護ロボットをレポート

CareTEX(ケアテックス)2018に行ってきた!気になる介護ロボットをレポート

3月14日~16日の3日間、CareTEX(ケアテックス)が開催されました。CareTEX(ケアテックス)とは、「国際介護用品展」「介護施設産業展」「介護施設ソリューション展」の3つで構成された、介護用品やサービスの専門展です。同時開催として、「次世代介護テクノロジー展」「健康長寿産業展」「超高齢社会のまちづくり展」も開催されました。これらをまとめて、「東京CareWeek2018」と位置づけています。今回は、とくに「次世代介護テクノロジー展」で見つけた気になる介護ロボットを中心に、CareTEX(ケアテックス)や東京CareWeek2018の様子をレポートします!介護ロボット、IoT製品だけで30件以上!今回のCareTEXでは、介護ロボット、IoT製品だけでも30件以上の展示がなされていました。介護ロボットONLINEで取材した商品はもちろん、まだ研究段階の製品や発売したばかりの製品も多数出展されていました。 介護記録から排せつのタイミングを予測するシステムは、九州工業大学 大学院情報工学研究院 システム創成情報工学研究系 齊藤研究室の研究だ。 2018年3月13日に販売を開始した「モフ測」にて、Moff Bandをつけたところ。「モフ測」は身体機能を手軽に計測して見える化するサービスだ。ウェアラブルデバイスでの身体測定機能ブームが到来!?「次世代介護テクノロジー展」で目立ったのが、ウェアラブルデバイスによる身体測定サービスです。介護ロボットONLINEでもすでに取材している モフトレや AYUMI EYE を筆頭に、歩行測定や身体機能測定を手軽に行える介護ロボットが多数展示されていました。「キューズタグウォーク」で歩行分析を体験してみたそのうちのひとつ、「キューズタグウォーク」で実際に歩行分析を体験してみました。「キューズタグウォーク」は、住友電気工業株式会社が開発している歩行分析機器です。加速度センサーを内蔵した手のひらサイズの機器を腰につけ、10m程度を歩くだけで歩行測定が完了します。 専用センサをベルトで腰につけるだけで準備完了。あとは往復10m程度を歩くだけだ。間を置かずに測定結果がでました。画面を見ながら解説してもらいます。歩行評価は「動き」「前後バランス」などの6項目にわかれており、それぞれに点数がつけられます。編集部員は「前後バランス」と「リズム」の得点が年代平均より低いことがわかりました。「ふだん、座り仕事ばかりではないですか?」という一言についドキリとしてしまいます。担当者によれば、過去3回のデータとの比較することができるため、利用者のモチベーションアップやコミュニケーション促進としても役立つとのことでした。移乗支援ロボットで体験!介護ロボットとして確かな地位を確率してきた「移乗支援ロボット」。 イノフィスのマッスルスーツ をはじめとしたロボットスーツはもちろん、 愛移乗くん や リショーネPlus などの移乗ロボットも多数展示されていました。 編集部が体験したのが、マッスル株式会社の「ROBOHELPER SASUKE(ロボヘルパー サスケ)」です。「ロボヘルパーSASUKE」は、ベッド・車いす間の移乗をアシストしてくれるリフト型介護ロボット。そのアシストは「まるでお姫様抱っこ」みたいと評判だとか。さっそく体験してみました! ベッドに寝た状態から体験開始! 「ロボヘルパーSASUKE」を使用する前に、腕を固定するためのカバーをかけます。その後、足首にポールを差し込んだ状態で徐々にリフトしていきます。 安定感があるので、持上げられているという感覚をほとんど感じなかった。実際に体験してみると、「リフトされている感」「持上げられている感」をほとんど感じず、非常に安心感がありました。持ち上げた状態で「ロボヘルパーSASUKE」を車いすの前まで移動させ、次は徐々におろしていきます。移乗中は介護者と要介護者が常に向かい合わせの状態になるので、実際の介護現場では声かけをしながら移乗できます。ベッドから車いすに移動するときも揺れを感じることなく、安心して身を任せることができました。もちろん、介助者の腰負担の軽減も期待できそうです。介護システムブースが大盛況介護ロボットブースとおなじく盛況だったのは、介護システムブースです。こちらのブースでは、介護記録ソフトや介護保険請求ソフト、モバイルシステムや介護アプリなどが展示されており、多くの人が真剣にブース担当者の説明を聞く姿が見られました。中でも介護ロボットONLINE編集部が注目したのは、NDソフトウェア株式会社のブースに展示されていた「Voice fun(ボイスファン)」です。こちらは、音声入力で介護記録できる音声入力支援システムです。 「Voice fun(ボイスファン)」は介護福祉業界に特化して開発されているため、「移乗」「口腔」といった業界用語もスムーズに変換できるのが特徴です。担当者によれば、情報共有と業務効率の大きな改善が期待できるとのことでした。専門セミナーは満員状態!CareTEX(ケアテックス)では、業界動向や施設運営など、さまざまなコースにわかれて専門家が講演する専門セミナーが終日開催されています。 専門セミナーのコース一覧。 介護ロボットONLINE編集部は、とくに「最先端テクノロジーコース」のセミナーを聴講してきました!オリックス・リビングは介護ロボット導入のメリットを紹介オリックス・リビング株式会社の 取締役社長 森川 悦明氏によるセミナーでは、同社施設における介護ロボットの活用法や、導入メリットが紹介されました。森川氏によれば、介護ロボット導入のメリットは以下の3つがあるとのことです。 ケアの質の向上 先進的取組をしているという従業員のプライド向上 よくする介護に携われるという期待感同社は正社員率が80%を超えており、その要因の一つに介護ロボットの導入があるのではないかと述べていました。さくらコミュニティサービスは「介護記録ソフト」のこれからを解説株式会社さくらコミュニティサービスの高橋学氏によるセミナーでは、AIによる科学的介護の導入や2018年度介護報酬の改定について解説されました。同社は、AIを活用したケアプラン作成支援システムを開発したことで、昨年大きな話題となった企業です。高橋氏によれば、介護記録にかかっているコストは年間で1万8000時間、時給にすると2000万円にものぼるとのこと。しかし介護記録ソフトを使えば、約400万円のコストダウンが実現できる可能性があると述べていました。介護記録ソフトのデメリットとして「導入コストの高さ」がありますが、すでに政府は「人づくり革命」「生産性革命」と名付けられた政策にて介護のICT化を推し進めており、今後介護記録ソフト導入に対して何らかの補助金が出る可能性が高いとのことです。ビーブリッドはICTの失敗しない導入方法を伝授株式会社ビーブリッドの代表取締役である竹下康平氏によるセミナーでは「テクノロジーは介護を救えるか」と題して、介護のICT化の流れや失敗しない導入の進め方が解説されました。急激に押し寄せた「ICT化」の風潮に対して、「ICT化はあくまで手段であり、目的ではない」ときっぱり主張し、その上で導入のためには「ICTへの理解」「現場職員への説明・気持ち」「ハード・ソフトの環境整備」が不可欠であると結論づけています。2018年度以降、今まで以上にICT化の動きが盛んになるはずと述べ、メーカー主導でなく介護現場の第一線に立つ介護事業者主導でのICT機器開発が望まれると発言していました。まとめ多くの介護ロボットが一堂に集結したCareTEX(ケアテックス)。介護ロボットブースは年々拡張していっている印象を受けました。展示会のたびに新製品が発売されており、介護ロボットの勢いがまだまだ衰えていないことを実感します。介護ロボットに劣らず勢いを感じさせるのが、介護業務のICT化とそれにともなう介護システムです。人材不足や業務効率化にダイレクトに影響を与える介護記録ソフトの導入や施設全体の統合システム化は、今後政府主導でますます推進されていくと考えられます。介護業界は問題が山積みだとよく言われますが、そうした課題に対して、テクノロジーを用いてどのように対抗していくべきか、改めて考えさせられる展示会でした。

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