介護ロボット関連ニュース

実はメリットがいっぱい!神奈川県の「さがみロボット産業特区」とは?

実はメリットがいっぱい!神奈川県の「さがみロボット産業特区」とは?

全国でも1・2を争うスピードで高齢化が進んでいる神奈川県。そんな神奈川県では、深刻化する超高齢社会にむけて、3つの「特区」を設けて独自の取り組みを行っています。「特区」とは、規制緩和などの特例措置が適用される特別なエリアのこと。今回は、そのうちのひとつである「さがみロボット産業特区」をご紹介します。さがみロボット産業特区とは?画像提供: さがみロボット産業特区特設HP さがみロボット産業特区は、生活支援ロボットの研究開発や、実用化・普及を推進しているエリアです。生活支援ロボットとは、介護・医療、高齢者等への生活支援、災害対応など、人々の生活を支えるロボットをさします。一般的に想像するような二足歩行ロボットだけでなく、ロボット関連技術を使った製品や機器、たとえば、高齢者の見守りセンサーやドローンのようなものも含まれます。そうした生活支援ロボットの実用化を通じて、地域の安全・安心を実現することが目標として掲げられています。そのために、特区ではおもに4つの支援を行っています。1.規制緩和ロボットの実用化に向けて必要となる規制緩和について国との協議を行い、実証実験や実用化を支援しています。たとえば、通常であれば市町村等からしか受け付けていない介護保険適用の提案も、この特区から行うことが可能です。2.開発支援企業や大学等の各機関がもつ技術・資源を最適に組み合わせる「神奈川版オープンイノベーション」によって、共同研究開発を促進します。その他、「重点プロジェクト」の実用化に向けて、アドバイザー支援や広報支援、国の補助金等の獲得に向けた支援等も行っています。3.実証実験生活支援ロボットの実証場所やモニターのコーディネートを行っており、 「重点プロジェクト」や「公募型ロボット実証実験支援事業」では、実証実施にかかる一部経費を補助しています。 「公募型ロボット実証実験支援事業」では、毎年度全国から公募を行っています(※  平成29年度の募集は終了)。 また、本格的な実証実験の前に、あらかじめ動作確認等を行うことができる「プレ実証フィールド」を用意しています。4.立地支援特区制度を活用して新たに事業展開をはかる企業にたいして設備費など投資額の一部を補助したり、低い利率で融資を受けられる制度があります。具体的には、「企業誘致促進補助金」では、県外からの立地の場合、投資額の10%・上限額10億円が、「企業誘致促進賃料補助金」では賃料月額の2分の1・上限900万円が補助されます。さがみロボット産業特区で商品化した介護ロボットさがみロボット産業特区の支援によって、これまでに数々のロボットが商品化されてきました。その中でも、今回は介護ロボットに絞って紹介していきます。パワーアシストハンド|株式会社エルエーピー画像提供: さがみロボット産業特区特設HP 「パワーアシストハンド」は、脳血管疾患などにより麻痺した手指や固まりかけている関節の曲げ伸ばしをサポートするロボットです。専用グローブのなかに手を入れることで、空気圧を利用したシステムで手指の曲げ伸ばしをサポートしてくれます。特区では、実証実験や発売に当たっての検査や手続きに関するアドバイス等の支援を行いました。ReWalk(リウォーク)|株式会社安川電機 画像提供: さがみロボット産業特区特設HP ReWalk(リウォーク)は、脊髄損傷により起立できなくなってしまった方向けの歩行アシスト装置です。腕時計型のコミュニケータと補助杖と一緒に使用します。センサーが身体の傾きなどを検知し、それに合わせて歩行をアシストしてくれます。特区では、神奈川リハビリテーション病院における実証実験を支援しました。 OWLSIGHT(アウルサイト)|株式会社イデアクエスト 画像提供: さがみロボット産業特区特設HP  OWLSIGHT(アウルサイト)は、非接触・無拘束の見守りシステムです。ベッドのそばに取りつけることで、ベッドの上にいる人の立ちあがりやもたれかかりなどを検知するほか、もだえやふるえのような小さな動きも検知してくれます。特区では、2ヶ所の介護施設で一定期間使用してもらい、そこで出た意見を改良に反映させ、商品化を実現しました。ベッドサイド水洗トイレ|TOTO株式会社画像提供: さがみロボット産業特区特設HP ベッドサイド水洗トイレは、ベッドのそばに設置できるポータブル水洗トイレです。 水洗機能により、 従来のポータブルトイレのメリットをそのままに、ポータブルトイレでは気になりがちなニオイや処理の負担が軽減されています。特区では、介護施設において排泄に関する実態調査を実施するとともに、高齢者宅においても実際に一定期間使ってもらう実証実験を支援しました。さがみロボット産業特区だからできることさがみロボット産業特区の取り組みは、ロボットメーカーの開発支援だけではありません。ロボットの実用化・普及によって、県民や介護施設の課題解決をめざしたさまざまな取り組みも行っています。ここでは、県民や介護施設が利用できる取り組みをまとめました。1.ロボット体験施設で、介護ロボット等が体験できるロボット体験施設とは、住宅展示場内のモデルハウスで、実際の暮らしに近い環境でロボットを体験できるロボットのショールームのことです。現在は、厚木会場・茅ヶ崎会場にてロボットが展示されています。展示されているロボットは以下のとおりです。 うなずきかぼちゃん いまイルモ  パルロ  ハロー!ズーマー パワーアシストハンド    など ロボット体験施設のほかに、ロボット体験認定ルームもあります。こちらは、企業のショールームやすでにロボットを活用している福祉施設で、もっているロボットを一般公開している施設をさします。施設によって公開しているロボットが異なるので、事前に確認するとよいでしょう。 →参考: ロボット体験認定ルーム 一覧 2.ロボット体験キャラバンで、介護ロボットの説明が聞けるロボット体験キャラバンとは、 介護施設等の実際の現場まで生活支援ロボットを持ってきてもらい、説明を聞いたり体験できたりする出張型の説明会および体験会のことです。 今年度からは、介護施設や医療機関に加え、地域のコミュニティなども訪問先に加わりました。  ロボット一覧 の中から事前に6種類から8種類のロボットを選び、当日に持ってきてもらいます。  現在、第3期募集が行われている最中です。第3期募集期間■平成29年11月1日(水曜日)から平成30年1月31日(水曜日)まで※具体的な訪問日は別途調整訪問先対象■県内の介護・障がい者(児)施設、医療機関、地域のコミュニティ、福祉イベント、学校など※応募者多数の場合は先着順 訪問先での流れ■訪問時間…2~3時間程度■内容…ロボットの機能・使い方などの説明、ロボットの体験(適宜、質疑応答)、アンケートの記入 3.生活支援ロボットのモニター制度で、一定期間ロボットが試せる 生活支援ロボットのモニター制度とは、購入やリースをする前に一定期間ロボットを試せる制度です。神奈川県内の介護施設や医療機関等が対象ですが、ロボットによっては、県内在住の個人の方も申し込み可能です。モニター期間は1ヶ月で、試用後は簡単なアンケートに回答する必要があります。 現在は12のロボットから選ぶことができます(※1)。※1  ロボット一覧 にて「モニター対象」と記載のあるもの募集期間■平成29年4月14日(金曜日)から平成30年1月19日(金曜日)までモニター募集対象■神奈川県内の介護・障がい者(児)施設・医療機関・学校など※ロボットによっては、県内在住の個人の方も申し込み可能4.ロボット導入支援補助金で、最大200万円の補助が受けられる さがみロボット産業特区で商品化したロボットを導入する施設等向けに、最大で200万円の「ロボット導入支援補助」制度があります。こちらはロボットが社会の中で活用されていることを多くの方に知ってもらうため、 原則として神奈川県内の法人による購入が補助対象となりますが、一部のロボットは個人も対象になります。募集期間■平成29年4月14日(金曜日)から平成30年1月31日(水曜日)まで※ 予算の上限に達した場合には、期限前でも受付終了 補助金額 ■ロボット1台ごとに、購入価格(本体価格+対象付属品等の価格)に3分の1を乗じた額か、200万円のいずれか低い方の額を補助 まとめ 介護ロボットをはじめとする生活支援ロボットの実用化・普及を全国に先駆けて行う「さがみロボット産業地区」。実は開発メーカーだけでなく、介護施設や介護ロボットの購入(レンタル)を考えている施設等にとってもたくさんのメリットがある取り組みなのです。介護ロボットの導入で介護報酬が加算される可能性が高まってきた今、こうした支援制度を活用することで介護ロボットの活用がより身近なものに感じられるでしょう。 介護ロボットONLINEでは、独自の取り組みを行う自治体を今後も特集していきます。 <参考資料>さがみロボット産業特区特設HP

介護ロボが夜勤職員の代わりに!見守りロボット導入で報酬加算、厚生労働省が発表

介護ロボが夜勤職員の代わりに!見守りロボット導入で報酬加算、厚生労働省が発表

2018年4月に行われる介護報酬改定。すでに改定に向けてさまざまな議論が行われています。そんななか、厚生労働省は見守りロボットを導入することで加算対象となる夜勤職員の数を減らしてもよいとする方針を固めました。一言で言えば、見守りロボットが夜勤職員の代わりになるということです。見守りロボットとは?どのくらい導入したら加算が取得できるの?など、詳しく解説していきます。※2017/12/13更新しました。 見守りロボが夜勤職員の代わりに!?夜間職員配置加算が緩和話題になっているのは、「夜勤職員配置加算」の緩和です。見守りロボットの導入で、「夜勤職員配置加算」を取得しやすくしようとしているのです。夜勤職員配置加算とは?夜勤が発生する特別養護老人ホーム(以下、特養)では、介護の質を保証するためおよび介護職員の過負担を防ぐために、夜間に配置する最低人員数が決められています。介護報酬制度では、この最低基準よりも多く夜間に人員を配置した場合、報酬加算するシステムがあります。これを夜勤職員配置加算と呼びます。現行のルールでは、夜間に最低基準よりも1人以上多く職員を置いた場合に報酬が加算されます。加算要件に「見守りロボット」が追加される?今回の改定では、「最低基準よりも1人以上多く置いた場合」という加算要件に以下の2つの要件を追加しようとしています。1.ベッド上の入所者の動向を検知できる見守りロボットを、入所者数の15%以上に設置している場合 2.見守りロボットを安全かつ有効に活かすための委員会を設置し、必要な検討を行っている場合この両方を満たしている場合に、夜勤職員の数が最低基準を0.9人上回っていれば取得できるようにするとしています。つまり、見守りロボットが夜勤職員の0.1人分に相当するということです。これによって夜勤職員の数を減らすことはできなくとも、職員の勤務時間を減らすことはできるので、休憩時間が多くとれるなどのメリットがあると考えられます。見守りロボットの効果は?気になるのは、見守りロボットが本当に夜勤職員0.1人分の働きができるのか?という点です。この疑問に応えるべく、厚生労働省は平成29年5月~8月にかけて見守りロボットの効果検証を実施しました。この検証により、見守りロボットには介護職員の負担軽減効果や業務改善効果があると判明したのです。ナースコールによる訪室回数が6分の1に減少実証研究では、 非接触の見守りシステム  OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用 や マット式見守りシステム 眠りSCAN を含む7機種が採用されました。その結果、導入後の訪室回数が減少したという結果がでたのです。とくにナースコールによる訪室は導入前の6分の1まで減っていることから、介護職員の負担を減らしつつ、必要なときに訪室できていることがわかります。ヒヤリハット、介護事故が0件に!ふたつめの効果として、ヒヤリハットや介護事故の減少があげられます。見守りロボット導入から3回調査が行われましたが、回数を重ねる毎にヒヤリハットや介護事故の件数がすくなくなっていき、最終的には0件になっています。半数以上の介護職員が高評価介護職員への聞き取り調査では「夜間も安心して見守ることができる」と回答したのが50%、「介護者の心理的負担が軽くなる」と回答したのが42.8%と、過半数が好意的な評価をくだしています(複数回答)。ただし、「必要以上に見に行くこととなってしまう」と18.8%が回答しており、状況や使い方によっては、導入前よりも訪室を増やしてしまう可能性も示唆されています。対象となる見守りロボットとは?今回の基準緩和の対象となる見守りロボットについては、現在のところ「 高齢者がベッドから落ちそうになったり、はいかいしたりした場合、センサーが感知して知らせる機器 」とのみ報道されています( NHKニュース より引用)。ここでは、経済産業省の「ロボット介護機器開発・導入促進事業」において開発された介護ロボットを中心に、対象となると考えられる見守り機器をご紹介します。Neos+Care(ネオスケア)Neos+Care(ネオスケア)は、3Dセンサを用いて人の動きを検知し、それをシルエット画像で表示することで、早く正確に、しかもプライバシーに配慮しながら見守りができる予測型見守りシステムです。2017年春には「生体モニターオプション」も追加され、対象者の3種の生体状態(体動:身体を動かす動作、静止:椅子やベッドで安静にしている動作、停止:生体反応がない状態)をリアルタイムに把握することができるようになりました。開発メーカーによれば、 Neos+Care(ネオスケア) を導入した現場からは「転倒の回数が減った、転倒者の数が減った」という反響や、駆けつけの前に状況が確認できるので、実際にケア時間の削減につながったというデータもあるとのことです。 取材記事はこちらから 業界初!予測型見守りシステム「Neos+Care(ネオスケア)」|ノーリツプレシジョン シルエット見守りセンサシルエット見守りセンサは、ベッド上の空間を検知する赤外線センサを使った見守りシステムです。センサによって起床やはみ出し、離床を検知して通報するだけでなく、端末を使って離れた場所からも様子が確認できるのが特徴です。開発メーカーによれば、シルエット画像を確認することで本当に今すぐ駆けつけが必要かどうか判断できるため、不要な駆けつけを減らすことが期待できるとのことです。取材記事はこちらから離床はもちろんはみ出しも!人の動きを検知する「シルエット見守りセンサ」|キング通信工業株式会社 OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用は、非接触・無拘束のベッド見守りシステムです。ベッドの上に取りつけることで、ベッドの上での立ち上がりや離床などの動きの変化はもちろん、悶えや震え、呼吸などの非常に小さな動きも検出できます。開発メーカーによれば、のどや胸の小さな動きも捉えることができるため、見守りだけでなく、無呼吸症候群の方が寝ている間にちゃんと呼吸できているか、脳梗塞で胸の筋肉が麻痺してしまった方がリハビリでどれくらい改善されたか、などさまざまな活用シーンが考えられるとのことです。取材記事はこちらから 慶応大学発ベンチャーが開発!非接触の見守りシステム 「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」|株式会社イデアクエスト 眠りSCAN<眠りSCANは、マットレスの下に敷くだけでベッド上に居る人の状態をリアルタイムでモニタリングできる、非接触型の見守りシステムです。センサーは体動や呼吸・心拍などを検知します。それらの情報から睡眠・覚醒・起き上がり・離床などの状態を判断し、リアルタイムでモニター表示します。開発メーカーによれば、状況を見える化することはスタッフの精神的負担の軽減につながるだけでなく、状況に合わせて介護の優先順位をつけることで、目が覚めているときに介護するなどして入居者の睡眠を確保しつつ、巡視業務にもメリハリをつけることができるとのことです。実際に眠りSCANを全床に設置している施設からは、「夜間の見守りが楽になった」という声があがっていると言います。取材記事はこちらから ケアプラン改善にも!次世代マット式見守りシステム「眠りSCAN」|パラマウントベッド株式会社 見守りロボットのこれまでとこれから上で紹介した以外にも、さまざまな見守りロボットがこれまでに開発されてきました。経済産業省の事業である「ロボット介護機器開発・導入促進事業」では、他分野と比較してもっとも多い35社が見守りロボットの開発に乗り出しています。 介護ロボットONLINEが独自に行った調査 では、半数を超える61.5%の人が 「今後導入する予定のある介護ロボット」に「見守り支援型」をあげており、介護施設も高い関心を寄せていることが分かりました。<さらに 介護ロボットONLINE独自の取材 では、すでに「シルエット見守りセンサ」を導入している施設の声として「駆けつけの回数が減っていると思う」という聞き取りも行っています。見守りロボットの有用性は、すこしずつ証明されてきていると言えるでしょう。今後の社会保障審議会に注目!ロボットスーツや大型の移乗支援ロボットに比べて安価な商品も多く、安全面でも不安が少ない見守りロボットは、介護ロボットとしては導入へのハードルも低いといえます。厚生労働省の実証研究では、見守りロボットによって介護職員の負担や介護事故が減少するという結果もでています。見守りロボット導入に加算がつけば、費用対効果の面でも期待が高まるでしょう。介護ロボットONLINEでは、今後も見守りロボットの取材を積極的に行っていきます。 <参考資料> 厚生労働省(2017年)第153回社会保障審議会介護給付費分科会資料 厚生労働省「介護ロボットの導入支援及び導入効果実証研究事業」公募開始 (2017/12/13)

2018年の介護報酬改定を解説!介護ロボット導入で加算も

2018年の介護報酬改定を解説!介護ロボット導入で加算も

2018年度、3年ぶりに介護報酬が改定されます。これまで介護ロボットONLINEでは、「つぎの改定では介護報酬が引き下げられるのではないか?」と予想してきました。(参考: どうなる?2018年の介護報酬改定を大予想! )しかし11月に入ってから、引き下げ論から一転、引き上げ論へと軌道修正がはかられています。介護報酬が引き上げられれば、事業所の経営にも余裕ができ、そこで働く介護職員の給与もあがる可能性があります。一方で、介護報酬の出どころである我々の税金や、サービス利用者の自己負担額があがることにもつながります。今回は、どのサービスの報酬が引き上げられるのか、はたまた引き下げられるのかについて、現時点での方針をまとめていきます。さらに、そうした改定によって介護業界はどのように変わるのか、再度予想してみました。引き下げ論から一転、介護報酬引き上げへ!しかし…2017年12月11日時点で、政府は次回の改定で介護報酬を引き上げる方向で調整を続けています。2017年10月、11月の2度に渡り財務省が介護報酬のマイナス改定を要求したことをうけ、前回同様2018年度の改定でも介護報酬は引き下げられるのではないかというのがこれまでの大方の見方でしたが、そうした風潮をくつがえす結論といえます。この引き上げ論の背景には、 前回のマイナス改定による事業所の経営悪化 慢性的な人手不足 引き下げに強く反対する関係団体による署名活動などがあると考えられます。ただし、引き上げ幅は微増となる見通しで、サービスによっては引き下げになることも検討されています。引き下げ or 減算されるサービスは?まず、どのサービスがどれくらい引き下げられるのか、あるいは減算されるのかを見ていきましょう。通所介護の基本報酬が引き下げへ!基本報酬の引き下げを検討されているのが、大規模型の通所介護です。現在、通所介護の基本報酬は、事業所規模ごとに設定されています。現行の介護報酬制度でも、大規模型の通所介護は報酬単価は低く設定されていますが、それでも他の規模とくらべて高い利益率を記録しています。ここに目をつけ、大規模型の通所介護の基本報酬をさらに引き下げようというのが、今回の提案です。訪問介護が議論の的に!集合住宅減算の拡充、生活支援の報酬引き下げも?引き下げおよび減算が検討されているのは、訪問介護です。「集合住宅減算」の拡充を検討!まずは、減算項目から解説していきます。現行の介護報酬では、事業所と同じ敷地内、または隣接する敷地内にある建物で暮らす利用者に対してサービス提供する場合、10%減算するとされています。これを「集合住宅減算」とよびます。今回の改定では、「集合住宅減算」に該当する範囲を広げようという議論がなされています。具体的には、以下の3つの観点から見直しが進められています。 現行、 10%減算の対象となっているのは有料老人ホーム等に限られているが、有料老人ホーム等以外の建物、たとえば一般の集合住宅も、10%減算の対象にする 事業所と同一の敷地内、または隣接する敷地内にある集合住宅でなくても、そこで暮らす利用者の人数が月20人以上いる場合も、10%減算の対象にする 同じ敷地内、または隣接する敷地内にある建物で暮らす利用者が月に50人以上の場合、減算幅を広げる これが決定されれば、集合住宅を中心に訪問介護を行っている事業所の報酬が大幅に減ることもありえます。ヘルパーの資格取得が簡単に!生活援助は報酬引き下げも?引き下げが検討されているのは、訪問介護の「生活援助」の基本報酬です。介護給付費分科会にて提出された資料には、 訪問介護の中でも、身体介護に重点を置くこと それをふまえて、身体介護と生活援助の報酬にメリハリをつけること が提案されています。つまり、身体介護の報酬を手厚くする一方で、生活援助の報酬を引き下げる方針ということです。そのために、ホームヘルパーの資格がなくても生活援助ができるように新たな研修制度を創設することも検討されています。ヘルパーへのハードルを下げることで人材確保しつつ、生活援助の報酬引き下げに対して妥当な理由づけをしていると言えるでしょう。引き上げ or 加算されるサービスは?ここからは、介護報酬が引き上げ、あるいは加算されるサービスをまとめていきます。今回の改定のキーワードとなるのは、「地域包括ケア」「自立支援」そして「人材確保」です。この3つを推進すると思われるサービスや取り組みに対しては、介護報酬が新たに創設されたり、加算されたりしています。ここでは、とくに「自立支援」と「人材確保」にむけた改定について解説します。リハ専門職との連携で特養・ショートステイの報酬アップ!ひとつめは「自立支援」にむけた改定です。理学療法士や言語聴覚士など、外部のリハビリ専門職と連携した機能訓練を実施する事業所に対して、報酬を手厚くする改定が議論されています。具体的には、「個別機能訓練加算」の要件緩和と、「生活機能向上連携加算」を新たに創設することが検討されています。 「個別機能訓練加算」の要件緩和現行の介護報酬では、特養と介護付きホームにおいて機能訓練指導員を務めるリハビリテーション専門職を常勤・専従で1人以上配置することが求められているが、施設内ではなく外部のリハ職と連携して行う形も認める 「生活機能向上連携加算」を新たに創設ショートステイにおいても同様の加算を取得できるように、「生活機能向上連携加算」を創設 これにより、これまで機能訓練指導員を雇うことができなかった事業所でも、積極的に機能訓練が行えるようになると考えられます。介護ロボ15%=夜勤職員0.1人分!特養で見守りロボット導入加算2つめは「人材確保」にむけた改定です。人材の確保が難しい夜勤職員にかわって、見守りロボットを導入することを認める改定が議論されています。特養における夜勤職員は、入居者の数によって最低人員数が決められています。現行の介護報酬では、最低基準より1人以上多く夜勤職員を配置した場合、報酬が加算されます。これを、「夜勤職員配置加算」とよびます。今回の改定では、「1人以上多く夜勤職員を配置する場合」という要件に、下記の2つを追加する案が出ています。 ベッド上の入所者の動向を検知できる見守りロボットを、入所者数の15%以上に設置している場合 見守りロボットを安全かつ有効に活かすための委員会を設置し、必要な検討を行っている場合 具体的には、この両方を満たしている場合に、夜勤職員の数が最低基準を0.9人上回っていれば取得できるようにするとしています。つまり、見守りロボットが夜勤職員の0.1人分に相当するということです。これによって夜勤職員の数を減らすことはできなくとも、職員の勤務時間を減らすことはできるので、休憩時間が多く取れるなどのメリットがあると考えられます。処遇改善加算で、介護士の給与が8万円アップ!「人材確保」にむけた2つめの施策として、「介護職員の処遇改善加算」があります。これまでにも、「処遇改善加算」として介護士の給与を実質1~2万円アップする改定が行われてきました。今回の改定では、なんと8万円相当の賃上げを行う方針で調整が進んでいるのです。具体的には、介護サービス事業所における勤続年数10年以上の介護福祉士について、月額平均8万円相当の処遇改善を行うとされています。この処遇改善のために公費1000億円程度が投じられると言われており、財源には消費税率の10%への引き上げによって生じる増収分が使われるとされています。どうなる?改定後の介護業界を大予想!1.介護報酬は微増。しかし基本報酬部分は引き下げもあり、厳しい状態は続く?引き下げ論から一転して、微増に着地しそうな介護報酬。しかし、基本報酬の部分で引き下げが検討されているサービスもあり、事業者にとっては苦しい状況がつづくと考えられます。前回のマイナス改定後は、過去最高水準の倒産件数をマークしてしまいました。倒産をまぬがれた事業所も、厳しい経営状態であることは想像に難しくありません。そんななか、わずかながらの報酬引き上げが介護業界に好影響を与えるのかは疑問です。2.処遇改善では一定の効果が。でも本当に必要なのは「イメージアップ」?一方で、介護職員の処遇改善加算はこれまでに一定の効果をあげてきたといえるでしょう。実際に、12年と16年の介護職員の給与(月額)を比較してみると、約2万円上昇していることがわかります。今回の改定では、これまでとくらべても大幅な加算となる8万円の処遇改善が見込まれています。これにより、今まで以上に介護士の給与アップがすすむと考えられます。しかし、「人材確保」には、賃金アップだけではじゅうぶんでないという意見も散見されます。介護ロボットONLINEが独自に行ったアンケートでは、人材不足解消のために必要なこととして、「介護職の社会的地位の向上」が「給与の引き上げ」に次いで多くあげられていました。政府は、賃金アップと同時進行的に、介護職のイメージアップをはかる施策をうつべきではないでしょうか。3.今回は見守りロボット限定も、今後はその他のロボットも活用されていく?2018年の改定では、はじめて介護ロボットが介護報酬加算の要件として採用されそうです。今回は見守りロボットのみが取り上げられましたが、この改定で介護ロボットが身近になれば、今後さまざまなロボットが介護の現場に参入していくと考えれます。経済産業省は、すでに来年度より「ロボット介護機器開発・標準化事業」として11億円の予算確保にむけて動き始めています。介護ロボットは、介護の人材不足や職員の負担軽減のためだけでなく、介護を受ける側の自立支援を促すものとして注目を浴びています。次世代介護の鍵をにぎる「介護ロボット」と共生する、新しい介護の形を考えていく必要がありそうです。まとめ2018年4月に大詰めをむかえる「介護報酬改定」。「地域包括ケア」「自立支援」「人材確保」など、今後の介護の方向性を決定づける議論が今、白熱しています。介護ロボットONLINEでは、今後も介護報酬改定に向けた動きを追っていきます。<参考資料>厚生労働省(2017年)「第155回社会保障審議会介護給付費分科会資料」 厚生労働省(2017年)「平成 30 年度介護報酬改定に関する審議報告(案)」 経済産業省(2017年)「ロボット介護機器開発・標準化事業」 JOINT 介護(2017年11月16日)「介護報酬の引き上げを」 関係団体、182万筆の署名を政府へ提出

現役介護職員160名にアンケート調査を実施!97%が「人材不足を感じる」一方で対策は「特にしていない」が4割

現役介護職員160名にアンケート調査を実施!97%が「人材不足を感じる」一方で対策は「特にしていない」が4割

厚生労働省によると、2025年には介護職員が約253万人必要になるのに対し、供給の見込みは約215万人で、およそ37.7万人もの人材が不足すると報告されています。介護職員は毎年増えているものの、実際に必要とされる人数には追いついていないという現状があるのです。これをうけ、政府は人材確保のためにさまざまな施策を打ち出しました。具体的には、処遇改善として介護報酬を加算したり、労働環境改善として介護ロボットの開発・導入を支援したりしています。一方で、実際に介護の現場で働く介護職員は、こうした現状をどう受け止めているのでしょうか。スタッフはふだんから人材不足を感じているのか、感じている場合は、解決には何が必要だと感じているのでしょうか?介護ロボットONLINE編集部では、全国の介護従事者向けに、働く職場での人材不足の実態についてアンケートを行いました。97.5%が「人材不足を感じる」(1)あなたの職場では、人材不足を感じますか?現在働いている職場で人材不足を感じているかどうか聞いたところ、「人材不足を感じている」と答えた人が97.5%(156名)、「感じていない」と答えた人が2.5%(4名)となりました。圧倒的多数の人が自らの職場で人材不足を感じており、人材不足問題が介護業界で常態化していることがうかがえます。 「人材不足を感じている」と回答した人まずは、「人材不足を感じている」と回答した人の詳細をチェックしていきます。 6割以上が「一人当たりの業務量が多い」(2)どんなときに人材不足を感じますか?人材不足を感じる場面を聞いたところ、「一人当たりの業務量が多い」が63.2%(96カウント)ともっとも多く、次いで「休みがとりにくい」が61.8%(94カウント)となりました(複数回答)。 それ以降は「予定外の残業が多い」(28.3%/43カウント)、「希望する勤務時間・日数より多く働いている」(25%/38カウント)、「残業時間が長い」(16.4%/25カウント)と続きました。 仕事の負担が多いときや、望んだ働き方ができないときに人材不足を感じてることが分かります。半数以上が「給与の低さ」について言及(3)人材不足の原因は何だと思いますか?自由回答にて人材不足の原因について聞いた項目では、120件の回答中64件が「給与の低さ」について言及されています。その他には、「介護業界全体のマイナスイメージ」「人間関係」「雇用する財源がない」「介護保険制度の限界」「配置基準がおかしい」などの回答が寄せられました。 コメントの一部を紹介いたします。コメント(自由回答)● ハードな仕事な割に待遇が良くない。(男性/40代)● 国の人員配置基準が少ない。(男性/50代)● 介護従事者たちが疲れ切ってしまっている。介護業界で働く中の人たちを大切にする必要があると思う。(女性/20代)● 上司のサービス残業の多さを見て、この業界での希望が持てない。(女性/50代)● 介護業界全体のマイナスイメージ。(女性/50代)● 同世代より給与が低い!結婚したら、共働きしないと子育てできない!(男性/40代)● 好景気で他業種に人が流れた。(女性/40代)人材不足解消にむけた取り組みについてここからは、すべての回答者に向けた質問に戻ります。人材不足解消のために「給与の引き上げ」が行われたのは約1割(4)あなたの職場では、人材不足解消のためにどのような取り組みをしていますか?人材不足を解消するために実施された取り組みを聞いたところ、「特にしていない」が40.9%(65カウント)ともっとも多く、次いで「職場でのコミュニケーションの円滑化」が28.3%(45カウント)という結果になりました。それ以降には「スキルアップ・資格取得のサポート」(25.2%/40カウント)、「社内・社外研修の実施」(23.9%/38カウント)、「メンタルヘルス対策の実施」(20.8%/33カウント)と続きます。「給与の引き上げ」は13.8%(22カウント)となっており、「人材不足の原因」と感じている給与に関して直接的な措置をとっている事業所は少数派であることが分かります。「介護ロボット導入による業務効率化」は5%(8カウント)となっており、 前回の調査 と同様、介護ロボットの普及があまり進んでいない現状が明らかになりました。 77%が「解決には“介護職の社会的地位の向上”が必要」(5)どうすれば介護職の人材不足が解決すると思いますか?介護職の人材不足を解決するために何が必要か質問したところ、「給与の引き上げ」と回答した割合が84.4%(135カウント)ともっとも高く、次いで「介護職の社会的地位の向上」が76.9%(123カウント)、「休暇がとりやすい環境づくり」64.4%(103カウント)となり、それぞれが半数を上回りました。実際に実施された取り組みとして挙げられていた「職場でのコミュニケーションの円滑化」と回答したのは36.9%(59カウント)で、過半数にはとどかないものの比較的高いニーズがあることがうかがえます。逆に、「実際に実施されている取り組み」(問4)と「介護職員が有効だと感じている解決法」(問5)のあいだに25ポイント以上の差があるのは、上位の「給与の引き上げ」と「休暇がとりやすい環境づくり」に加え、「労働時間の調整」(問4:16.4%/問5:43.1%)「福利厚生の充実」(問4:9.4/問5:35%)となりました。ここから、介護職員の求める改善と実際に行われている改善に大きな乖離があることが分かります。ちなみに、「介護ロボット導入による業務効率化」での差は10.6ポイント(問4:5%/問5:15.6%)となりました。(6)その他、介護の人材不足問題にたいする意見を自由に記述してください。コメントの一部を紹介いたします。コメント(自由回答)● 処遇改善だと思う!きつい仕事の割には給料安くて手当ても少ない。だからやめる人も増える。(女性/30代)● 加算ではなく、基本報酬を公務員並みにしてほしいです。(女性/60代以上)● この業界は誰でも入りやすいが、誰でも続けられる職業ではない。心理的にストレスの多く、さまざまな面で配慮が求められる仕事であるにも関わらず、社会的地位、給与、福利厚生すべてにおいて、他業種より悪い。それでも高い意識を持って仕事をしている人が、安心して続けられる環境を整えないと、悪循環は解消されないと思う。(女性/40代)● 賃金の引き上げを行い、労働者の流入を促進しつつ人員配置基準を見直し、労働者一人当たりの業務量を減らしてゆとりのあるケアを提供できるようにすることが必要。(男性/50代)● 介護は人材不足だと前から騒がれているのに、国は改善をしてくれるどころか介護報酬を厳しくしていくばかりで、介護職員の首を絞めている。介護の仕事は好きだしこれからも続けていきたいと思っていても、給料への不満は常にある。さらに社会的地位が低く胸を張って自分の仕事を周りのみんなに言えない自分がどこかにいるのがとても悲しい。(女性/30代)● 人材不足は少子高齢化が進む流れで、全国のあらゆる業界が直面する問題。介護業界は人材獲得競争を他業種も含むあらゆる企業と競争する羽目になるが、正直勝ち目がないと感じている。(男性/30代)● とにかくお給料が安いので男性職員は結婚して子どもができると辞めてしまう人が多い。もったいないです。(女性/50代)● テクノロジー導入に関する情報や助成。人とロボットの共存という概念が当たり前になること。(女性/50代)● もっと書類業務をへらす。もしくは、AIの導入で記録を効率化する。(男性/40代)まとめ今回の調査では、全体の97%以上が実際に自らの職場で人材不足を感じているという結果となり、介護現場での人手不足が常態化している実態が明らかになりました。 人材不足の原因として「給与の低さ」をあげる人が半数以上いる反面、実際に「給与の引き上げ」が実施されたと回答した人は13.8%にとどまっています。 その他、労働時間や休暇のとりやすさなどが改善すべき点として挙げられている一方で、そうした改善策があまり取られていない現状から、現場からの要望と実際の対応にずれがあることが浮かび上がってきました。 コメントでは、「給与の引き上げ」には基本報酬のあり方から問いなおす必要があるという意見が散見され、事業所単位での対応には限界があるという考えがうかがえます。 介護職員が考える人材不足問題の有効な解決法として、2番目に多く挙げられている「介護職の社会的地位の向上」。その実現には、「給与の引き上げ」はもちろん、それを可能にする介護保険制度の見直しを含む、国単位での対応が求められていると言えそうです。 「介護の人材不足」について、また、このアンケートの結果や内容についてのご意見やご感想は、公式Twitter( @kaigo_robot )または Facebook までお寄せください。なお、本コンテンツの文章およびグラフの引用・転載を希望される方は、 介護ロボットONLINE問い合わせフォーム よりご連絡ください。< アンケート調査概要 > ・調査期間:2017年11月11日(土)~11月22日(水)・調査対象:介護従事者10代~60代以上の男女160名・男女割合:男性/30.6%・女性/68.1% 

アンケート調査から判明!身体拘束の実態と介護ロボットの光と影

アンケート調査から判明!身体拘束の実態と介護ロボットの光と影

要介護者の行動を制限し、自由をうばう「身体拘束」。厚生労働省は、2018年度より不当な身体拘束の対策を強化すると発表しました(※1)。身体拘束をゼロにすべく、今注目を集めているのが介護ロボットです。センサーを含む見守りロボットは身体拘束を不要にする可能性を秘めています。一方で見守りロボットには「監視」の一面もあり、それが新たな身体拘束になるのではないかという懸念の声もあがっています。見守りロボットは「監視」を生んでしまうのでしょうか、それとも期待通り身体拘束を減らすことができるのでしょうか?“身体拘束のグレーゾーン”とも言える見守りロボットについて、アンケート結果を紐解きながら考えていきます。※1 「身体拘束、来年度から対策強化へ 減算を拡大 要件も厳格化 厚労省方針」より身体拘束とはまずは「身体拘束とは何か」を整理しておきましょう。身体拘束とは、手足をベッドにしばりつけたり、鍵のかかった部屋に閉じこめたり、ベッドやいすを使用して行動を制限したりすることを指します。具体的には、下記の行為が挙げられます(※2)。 徘徊しないように、車いすやいす、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。 転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。 自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む。 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢をひも等で縛る。  点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、または皮膚をかきむしらないように、手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける。 車いすやいすからずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y字型拘束帯や腰ベルト、車いすテーブルをつける。 立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるようないすを使用する。 脱衣やおむつはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。 他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドなどに体幹や四肢をひも等で縛る。 行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる。 自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する。 ※2 「 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準 」より 3つの身体拘束|スリーロックとはさらにひろく身体拘束を定義する言葉として、「スリーロック」があります。「スリーロック」は、しばしば3つの身体拘束とも呼ばれます。1.スピーチロック言葉による拘束です。「ちょっと待っててね」「~しちゃダメ」「立ち上がらないで」「どうしてそんなことするの」といった叱責の言葉も含まれます。2.ドラッグロック薬物の過剰投与、不適切な投与で行動を抑制することです。夜間の徘徊などを、眠剤や安定剤、泌尿器系の薬でコントロールすることもこれに当たります。3.フィジカルロック物理的な拘束をして身体の動きを制限することです。先ほど上げた11の具体例もここに当てはまります。スピーチロックやドラッグロックは目に見えない分、ケアする側も自覚がないまま行ってしまうことがあります。スリーロックの関連記事はこちらから介護の身体拘束は、どこからが当てはまるのか?(認知症オンライン)身体拘束が認められるケース身体拘束は、いついかなるときでも禁止されるというわけではありません。場合によっては、身体拘束をしてもやむを得ないと考えられています。厚生労働省は、身体拘束が認められる要件として以下の3つを定めています。 切迫性 利用者本人または他の利用者等の生命または身体が危険に晒される可能性が著しく高いこと 非代替性 身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する介護方法がないこと 一時性 身体拘束その他の行動制限が一時的なものであることこの3要件を満たす場合は、「緊急やむを得ない場合」として身体拘束が認められます。見守りロボットは身体拘束をなくすことができるのか?本来であれば、「緊急やむを得ない場合」以外では禁止されている身体拘束。しかし実際には、緊急時以外でも身体拘束が行われているという調査結果が出ています。 NPO法人「地域ケア政策ネットワーク」が実施した調査 によれば、介護相談員の33.1%が虐待や身体拘束が疑われる行為を目撃していることが分かりました。身体拘束の理由は“人材不足”?なぜ身体拘束はなくならないのでしょうか? 京都府が実施した調査 によれば、 身体拘束の廃止が困難な理由として、半数を超える58.9% の施設が「介護を担当する職員が少ない」と回答したことが分かりました。つまり、「介護の人材不足」が身体拘束を招いているという現状があるのです。人材不足の中で、どう見守りを強化するか?厚生労働省は「 身体拘束ゼロへの手引き 」にて、「人員不足を理由に、身体拘束をやむなしとするのは本末転倒」だと指摘し、身体拘束をしない工夫のポイントとして「見守りの強化・工夫」を挙げています。では人材不足問題を抱えた上で、今以上に見守りを強化するにはどうすれば良いのでしょうか?その解決策として、最先端のロボット技術を搭載した見守りロボットに期待が集まっています。社会福祉法人シルヴァーウィング 常務理事の石川公也氏は、「 医療・介護分野におけるロボット活用の可能性 」にて、「見守りセンサーは介護施設での身体拘束廃止や、在宅の孤立死問題の解決に有効」と述べています。そうした期待をうけ、これまでに多くの見守りロボットが開発されてきました。ここでは、すでに市販されている見守りロボットをご紹介します。 ベッド見守りシステム| OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」は、非接触・無拘束のベッド見守りシステムです。特徴は、立ち上がりや離床はもちろん、悶えや呼吸などの非常に小さな動きも検出できるところ。これにより、無呼吸症候群の方が寝ている間にちゃんと呼吸できているかなどまで確認できます。OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用では人の様子は撮影されないため、一般的なカメラと比較して侵害度が低く、プライバシーに配慮されているといえます。取材記事はこちらから 慶応大学発ベンチャーが開発!非接触の見守りシステム 「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」|株式会社イデアクエスト マット式見守りシステム|眠りSCAN「眠りSCAN」は、マットレスの下に敷くだけでベッド上にいる人の状態をリアルタイムでモニタリングできる、非接触型の見守りシステムです。センサーにより、体動や呼吸・心拍などを検知し、睡眠・覚醒・起き上がり・離床などの状態が分かります。モニターでは、イラストによって状態を表示し、数値などでバイタルデータを表示します。取材記事はこちらから ケアプラン改善にも!次世代マット式見守りシステム「眠りSCAN」|パラマウントベッド株式会社 予測型見守りシステム| Neos+Care(ネオスケア)「Neos+Care(ネオスケア)」は、3Dセンサーを用いて人の動きを検知し、それをシルエット画像で表示する予測型見守りシステムです。センサーでは、起き上がり動作や端座位、柵越え、ずり落ち、離床、入退室などの検知が可能です。モニターではシルエット画像が表示されるため、通常のカメラ映像に比べプライバシーに配慮されているといえます。取材記事はこちらから業界初!予測型見守りシステム「Neos+Care(ネオスケア)」|ノーリツプレシジョン 3Dセンサ見守りシステム|シルエット見守りセンサ 「シルエット見守りセンサ」は、ベッド上の空間を検知する赤外線センサーを使った見守りシステムです。センサーによって起床やはみ出し、離床を検知します。モニターでは個人の特定ができないシルエット画像で表示されるため、通常のカメラ映像に比べプライバシーに配慮されているといえます。取材記事はこちらから 離床はもちろんはみ出しも!人の動きを検知する「シルエット見守りセンサ」|キング通信工業株式会社 介護ロボットが新しい身体拘束を生んでしまう?ご紹介したように、ほとんどの見守りロボットは要介護者のプライバシーに配慮した見守りができるよう、機能を制限するなどの工夫をしています。しかし、それでもこうした見守りロボットを指して「身体拘束にあたるのではないか」「人権侵害になるのではないか」と疑問を呈する人も多くいます。 ネット上では、センサーなどによる身体拘束について、さまざまな意見があがっています。 ねぇねぇ!センサーマットって身体拘束なの?— りょうこ (@r_ryokooo) 2012年1月25日 介護業界で身体拘束について、よく問われますが、よくわからないのが、センサーマットとか離床センサーは拘束になるケースもあると言いますが、どこまでが拘束なのかがわからなくなります。— グータラ介護士 (@wild78644079) 2017年11月13日 以前見学した施設でのこと。離床センサーを希望したら、それは身体拘束にあたるから当施設は使いません、と。でも母はコール使えず、今フラつきながら勝手に歩こうとしてて非常に危険、少ない職員でどう気がつくの?と質問したら「ベッドに鈴つけます」と。(((猫かよ!)))— フルフル (@chapter1925) 2017年7月23日 前に身体拘束防止の研修でフットセンサーも身体拘束って言われた。センサーが鳴ってその人の動きを抑制するなら拘束だけど、動こうとする人が転んだりする危険がないよう介助にすぐ行けるようにするためなら問題ないんじゃって言ったらそれでも拘束ですって言い切られたけど、やっぱり違うよね。— 釦 (@botao_tomomi) 2012年7月19日 厚生労働省は、センサーが身体拘束にあたる可能性を示唆厚生労働省は「 介護ロボット重点分野別 講師養成テキスト 」 にて、現在介護施設で使用されている認知症老人徘徊感知機器(センサー)が身体拘束にあたる可能性を示唆しています。切迫性・非代替性・一時性の3要件を満たさない場合に安易にセンサーを使用することに関して、「人権を侵している」と注意喚起しているのです。 見守りロボットに対しても危険性を指摘 見守りロボットに関しても、同様の危険性を指摘しています。とくに映像監視型の見守りロボットを例にあげ、「可視化した画像を見ているだけでは監視・抑制機器となりかねない」と述べています。具体的には、センサーの感知をうけて、 「動かないで」 「まだ寝ててください」 などの対応、いわゆる“スピーチロック”が身体拘束につながるとしています。介護ロボットで身体拘束ゼロをめざすためにとはいえ、すでに多くの施設で、見守りロボットやセンサーが身体拘束廃止のために使われています。また自治体によっては、身体拘束廃止への工夫として、見守り機器の使用を推奨しているケースもあります(※3)。従来の徘徊感知機器にせよ、ロボット技術を活用した最先端の見守りロボットにせよ、大切なのはそれらをいかに使いこなすかという点にあるといえるでしょう。 ※3 岡山県「身体拘束のないケアの実現に向けて」より身体拘束を生まない見守りロボットの使い方厚生労働省は「 介護ロボット重点分野別 講師養成テキスト 」 にて、見守りロボットを使用する際の重要なポイントとして下記を上げています。  画像や履歴から、行動のきっかけや原因・背景を分析する 「どんな生活がしたいのか」という思いを汲み取り、ケアプランに位置付ける  職員同士で情報を共有し、チームで取り組む 定期的にモニタリングを実施し、その必要性について見直しを行うセンサーや見守りロボットが身体拘束を生む恐れがあることをじゅうぶんに理解した上で、そうならない使い方を模索することが、今後の課題となるでしょう。見守りロボットは“グレーゾーン”現在のところ、センサーや見守りロボットが身体拘束にあたるかどうかはグレーゾーンだといえます。使い方によっては、センサーや見守りロボットがスピーチロックなどの身体拘束を招くことにもなりかねません。そうした機器を活用する、もしくはこれから活用しようとする介護従事者は、監視・抑制機器ではなくあくまでも要介護者の自立支援機器としての活用法を十分考える必要があるでしょう。見守りロボットを「監視」という身体拘束を生むものとするか、はたまた身体拘束を減らす救世主とするかは、介護現場で働くあなた次第といえそうです。 <参考資料>介護のニュースサイト Joint「身体拘束、来年度から対策強化へ 減算を拡大 要件も厳格化 厚労省方針」(2017/11/20, http://www.joint-kaigo.com/article-5/pg75.html)認知症オンライン「介護の身体拘束は、どこからが当てはまるのか?」(2017/11/20, https://ninchisho-online.com/archives/13096/)日本看護倫理学会 臨床倫理ガイドライン検討委員会(2015 年6月)「身体拘束予防ガイドライン」NPO法人 PandA-J(2011年)「サービス提供事業所における虐待防止指針および身体拘束対応指針に関する検討」厚生労働省(2015年)「 介護ロボット重点分野別 講師養成テキスト 」特定非営利活動法人 地域ケア政策ネットワーク(2017年3月)「 身体拘束及び高齢者虐待の未然防止に向けた 介護相談員の活用に関する調査研究事業 報告書 」 特定非営利活動法人 地域ケア政策ネットワーク 介護相談・地域づくり連絡会(2017年3月)「 身体拘束及び高齢者虐待の未然防止に向けた 介護相談員の活用に関する調査研究事業 報告書」京都府(2015年)「 平成27年度介護保険施設等における身体拘束状況調査結果 」

介護スタッフも知っておきたい!育児・介護休業法とは?

介護スタッフも知っておきたい!育児・介護休業法とは?

持続的で質の高い介護を実現するためには、介護家族の突発的な介護離職を防ぐことが非常に大切です。悩みやとまどいを抱く介護家族に向けて、介護のプロとして「育児・介護休業法」について説明できるようにしておきましょう。ここでは、介護家族の介護離職をふせぐ「育児・介護休業法」の情報を分かりやすく解説するとともに、介護スタッフが初めての介護にとまどう介護家族のためにできるアドバイスをまとめていきます。 介護スタッフが、利用者の家族にできること初めて家族の介護に直面することになった方にとって、介護スタッフは非常に頼りがいのある存在です。介護スタッフにとっても、利用者の介護だけでなくその家族をフォローも同時に行うことで、さまざまなメリットが得られます。介護家族との信頼関係ができる介護初心者の介護家族は、「何が分からないのかが分からない」という状態にあります。そんな家族に向けて「育児・介護休業法」の紹介をはじめとしたアドバイスやフォローをすることで、「頼りになる!」という安心感や信頼感をもってもらうことができます。質の高い介護が実現する質の高い介護は、多くの関係者の協力関係があって成り立つもの。介護家族が不安や悩みを一人で抱え込んでしまうと、介護の共倒れになってしまいかねません。介護スタッフが気持ちよく介護をするためにも、介護家族のフォローは不可欠です。介護離職問題に貢献できる介護離職とは、家族の介護を理由に仕事を辞めてしまう問題です。介護離職をしてしまうと、精神的、身体的、経済的負担が一挙に押し寄せることになります。 もちろん、熟考した上での介護離職は悪いことではありません。しかしパニックのまま介護離職をしてしまうと、あとで後悔することになりかねないのです。 ゆとりある介護をするためには、介護離職をさせない工夫が非常に重要です。 介護休業とは介護休業とは、要介護状態になった家族の介護やその他の世話のために、一定期間以上の休業を取得できる制度です。 介護休業とは 2週間以上にわたって介護が必要な要介護状態の家族を介護するために、通算93日間の休業期間を3回に分けて取得できます。 誰が取れる?   ・1年以上、同じ会社で働いている人・介護休業取得から半年後も同じ会社で働く予定のある人※上記を満たしていれば、パート・アルバイトの方でも取得できます。 対象となる家族は?   父母(配偶者の父母もふくむ)、配偶者(事実婚もふくむ)、子、祖父母、兄弟姉妹、孫POINTはここ! 介護スタッフとして、介護家族にアドバイスするPOINTは以下の3つです。 (1)3回にわけて取得できる 介護休業は、通算93日間まで取得できます。この93日間は、最大3回に分割することができます。例えば、介護の準備期間である退院後に1ヶ月(31日間)、特養への入所が必要になったときに1ヶ月(31日間)、看取りの時期に1ヶ月(31日間)、合計で93日間というように、段階に合わせて取得することができるのです。 (2)申し出は2週間前に介護休業を取得するには、休業開始の2週間前に申し出る必要があります。申出には「介護休業申出書」を会社に提出します。会社によっては、家族が要介護状態にあることを証明する書類が必要な場合もあります。 (3)休業しても、賃金の67%が支給される 雇用保険の介護給付金制度を使えば、休業中でも賃金の67%が支給されます。支給されるのは、介護休業が終了してからとなります。休業することで経済的な不安を感じている介護家族にとっては、非常に心強い制度です。介護休暇とは 介護休暇 とは? 要介護状態にある家族の介護やその他の世話を行うために、1年に5日(対象家族が2人以上の場合は10日)までの休暇の取得が可能です。 誰が取れる? ・6ヶ月以上、同じ会社で働いている人・1週間の内、2日以上働いている人 ※上記を満たしていれば、パート・アルバイトの方でも取得できます。 対象となる家族は?   父母(配偶者の父母もふくむ)、配偶者(事実婚もふくむ)、子、祖父母、兄弟姉妹、孫POINTはここ! 介護スタッフとして、介護家族にアドバイスするPOINTは以下の2つです。 (1)事前の申出は不要介護休暇は、介護休業と違って事前の申出が必要ありません。「どうしても今すぐ休まなくてはいけなくなってしまった!」というときでも、その場で電話して休暇が取れます。ただし会社によっては、後日書類の提出を求める場合があります。(2)取得単位は「半日」から介護休暇は、半日からの取得が可能です。そのため、午前に介護関連の用事を済ませて午後から出社するという使い方もできます。よりフレキシブルな休み方、働き方ができるだけでなく、数少ない休暇を最大限有効活用することができます。  介護家族にすべきアドバイスとは?介護休業・介護休暇に共通して言えることは、取得する休暇は家族を介護するための休暇ではないという点です。ここは強調して説明する必要があります。「育児・介護休業法」による休業・休暇は、あくまで「介護の環境を整備するための期間」です。そこの理解がないと、せっかく休暇をとったのに介護に忙殺され、結局休暇期間が終わるまでに利用サービスや入所先が決まらず、介護離職してしまうということになりかねません。もっとも介護初心者の方にとっては、「休みをとったは良いけど、休みの間に一体何をすべきなの?」という疑問が依然として残るでしょう。そうした悩みを抱えるご家族のために、介護のスタート段階にすべきことをまとめました。ぜひ、介護家族のフォローにお役立てください。  “介護休業中にすること”リスト 「介護の環境を整備する」といっても、内容は多岐にわたります。家族の要介護認定をとったり、ケアマネジャーと面談したり、入所する施設を探したり、介護サービスを受ける場所を見学したり…。もちろん、その間に要介護者を介護しなければいけないこともあります。限られた休業期間で効率よく環境整備をするには、「何をすべきか」を明確にする必要があります。「何が分からないのか分からない」状態の介護家族に、最低限でも下記のようなアドバイスができると良いでしょう。 1.介護保険、介護サービスの概要を知るこれまでまったく介護に関わることがなかった人にとって、介護保険や介護サービスは未知の世界です。どのような仕組みなのか、どのような種類があるのかなどは、今後長く介護していくにあたって知っておいて損はありません。懇切丁寧に教える必要はありませんが、介護保険や介護サービスについて分かりやすく解説されている冊子を渡したり、ウェブサイトを紹介したりすると、介護家族としてはとても助かります。2.地域包括支援センターに行くもし、介護家族がまだ地域包括支援センターに行っていなかったら、ぜひ行くように勧めましょう。ただし、その際は下記の点も一緒に伝えましょう。 サービス利用者(要介護者)の居住区の地域包括支援センターに行く必要がある。 ほとんどの地域包括支援センターは平日の17時まで。 「介護保険証の番号」「かかりつけの主治医氏名、医療機関名、所在地、電話番号」「個人番号」を控えて持っていく。スムーズなやり取りのために、こうしたちょっとした一言を付け加えてあがると親切です。3.介護関係者と、介護の役割分担を決めておく介護は、一人でできるものではありません。主介護者がいたとしても、主介護者を支える多くの人が必要です。とくに在宅介護をする場合は、家族間での介護の役割分担をあらかじめ決めておくことが大切です。4.介護機器を上手に取り入れるときには介護機器を上手く介護に取り入れることも大切です。最近では、ロボット技術を活用した在宅向け介護機器が販売されるようになり、見守りやコミュニケーションに役立てられています。見守りロボットとしては、 認知症外出通報システム「おでかけキャッチ」 や 室内環境見守りサービス「「おへやプラス」 があり、状況やニーズによって使い分けることもできます。コミュニケーションロボットとしては 「なでなでねこちゃん」 や 「泣き笑い たあたん」 があり、要介護者にいやしや生きがいを提供するのに役立っています。介護の環境整備にかかる期間は約3ヶ月一般的に、介護に適した環境整備には約3ヶ月ほどかかると言われています。その3ヶ月の間に、介護家族はさまざまな準備をする必要があります。ただでさえ大変な介護の第一歩の時期に、何度も会社を休んだり早退したりすることに遠慮や気兼ねを感じてしまうと、さらなるストレスを抱え込むことになります。そうしたストレスが介護離職につながれば、結果的に要介護者や介護スタッフにとってもマイナスの影響を与えかねません。もっとも助けを必要としている時期に「育児・介護休業法」を始めとする的確な情報提供やアドバイスをすることで、介護家族の介護離職を防ぎ、要介護者・介護スタッフにとってもより良い介護を導くことができます。<参考資料>厚生労働省「育児・介護休業法について」(2017年11月20日,http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html)厚生労働省「【平成29年10月1日施行対応】育児・介護休業法のあらまし」(2017年11月20日,http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/34.html)和氣美枝(2016)『介護離職しない、させない』毎日新聞出版

【11/29~12/2開催】2017 国際ロボット展@東京ビッグサイト

【11/29~12/2開催】2017 国際ロボット展@東京ビッグサイト

国内の介護ロボット市場は、2015年度に10億7,600万円となり、前年度比549.0%と大きく伸長しました。2020年度には149億5,000万円になると予測され、他業種他職種からも注目されている介護ロボットですが、不透明さもまだまだあるのではないでしょうか。人とロボットが共存・協働することでより優しい社会となることを願い、「ロボット革命がはじまった ― そして人に優しい社会へ」をテーマに開催される「2017 国際ロボット展」について、ご紹介いたします。 開催概要概要は以下のとおりです。 名称2017 国際ロボット展[ INTERNATIONAL ROBOT EXHIBITION 2017 (iREX2017) ] 開催趣旨国内外における産業用・サービス用ロボットおよび関連機器を一堂に集めて展示し、利用技術の向上と市場の開拓に貢献し、ロボットの市場創出と産業技術の振興に寄与する。 開催期間2017年(平成29年) 11月29日(水) ~ 12月2日(土) 開催時間10:00~17:00 会場東京ビッグサイト 東 1、2、3、4、5、6 ホール 〒135-0063東京都江東区有明3-11-1 アクセスマップはこちらよりご覧ください 入場料1,000円※事前登録者および招待券持参者、中学生以下は無料 主催一般社団法人 日本ロボット工業会、日刊工業新聞社 後援経済産業省、厚生労働省、国土交通省、総務省、文部科学省、駐日英国大使館、日本商工会議所、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、日本貿易振興機構(JETRO)、日本放送協会(NHK) 〈順不同、申請予定、法人格略〉 協賛計測自動制御学会、情報通信ネットワーク産業協会、製造科学技術センター、全日本プラスチック製品工業連合会、テクノエイド協会、日本アミューズメントマシン協会、日本機械工業連合会、日本金属プレス工業協会、日本クリーン環境推進機構、日本建設機械工業会、日本建設機械施工協会、日本工作機械工業会、日本産業機械工業会、日本自動車工業会、日本自動車部品工業会、日本食品機械工業会、日本鍛圧機械工業会、日本鉄鋼協会、日本電気計測器工業会、日本電機工業会、日本電気制御機器工業会、日本塗装工業会、日本半導体製造装置協会、日本福祉用具供給協会、日本福祉用具・生活支援用具協会、日本フルードパワー工業会、日本ベルト工業会、日本防錆技術協会、日本包装機械工業会、 日本溶接協会、日本ロボット学会、マイクロマシンセンター、ロボット革命イニシアティブ協議会〈順不同、申請予定、法人格略〉 お問い合わせ「2017国際ロボット展」事務局日刊工業新聞社 業務局イベント事業部 〒103-8548東京都中央区日本橋小網町14-1 TEL:03-5644-7221FAX:03-5641-8321URL:http://www.nikkan.co.jp/eve/irex/E-mail:j-event@media.nikkan.co.jp

“後ろから乗る”電動車いす「RODEM(ロデム)」が新発売!|株式会社テムザック

“後ろから乗る”電動車いす「RODEM(ロデム)」が新発売!|株式会社テムザック

ロボット会社の株式会社テムザックは2017年11月20日、“ 後ろから乗り込めるロボット”「RODEM」の販売を開始しました。介護ロボットONLINE編集部が新製品発表会に潜入してきたので、そのレポートをお送りします!“乗れるロボット”RODEMとは?RODEM(ロデム)は、新しい形の電動車いすです。一般的な車いすが「前から“座る”」形式であるのに対し、RODEMは「後ろから“乗る”」形式をとっているのが一番の特徴です。これにより、ベッドやいすなどへ移乗するときも、身体の向きを変える必要がありません。6つのメリット発表会では、RODEMの6つのメリットについて説明されました。1.ベッドやいすからの乗り移りがスムーズにソファからRODEMを操作し、一人で乗り込むことができるRODEMは座席の高さが変えられるため、乗り込む際はいすやベッドと同じ高さまであげて、腕の力を使って前方にスライドするように乗り込むことができます。2.狭い場所でも旋回がしやすい大きく感じるが、実は一般的な車いすとほぼ同じ大きさRODEMは四輪駆動で動いているため、その場での旋回がスムーズにできます。また、一見大きく感じられるサイズ感ですが、実は全長は一般的な車いすよりも小さく、幅もほぼ同じか数ミリ大きい程度です。ふだん車いすで無理なく生活できる環境であれば、RODEMも活躍することができます。3.スマートフォンで遠隔操作ができる降りたあとは、邪魔にならない場所に停めておけるRODEMは、スマートフォンで遠隔操作できるため、乗らないときは部屋の隅に停めておき、必要になったら自分のそばまで呼び寄せることができます。発表会では、離れた場所からソファまでRODEMを呼び寄せ、向きを変えて一人で移乗する様子がデモンストレーションされました。4.歩行車と視線の高さを合わせることができ、会話しやすい横に立つ髙本代表取締役とほぼ同じ高さだRODEMはこれまでの車いすと比べて、座った状態でも高い目線を保つことができます。髙本代表取締役によれば、「デンマークでの実証実験の際も、目線が高くなり見下されなくなったという点が非常に評価された」とのことです。  座面高は 、シートが一番高い状態で785mm、一番低い状態で400mmになります。5.生活空間を広げ、自立度をアップテーブルの下にも入り込めるRODEMでは、車いすでは困難だった活動もできるようになります。デモンストレーションでは、シートを上げて前かがみして、テーブルの奥にあるコップをとり水を飲む様子が見られました。動画では洗面台で身支度をする様子や、食事の準備をする様子も映し出されました。6.前傾姿勢により、気持ちが前向きになるRODEMは、“質の高い生活を、すべての人に”をコンセプトに開発された製品です。髙本代表取締役は、いすに“座る”形式の車いすから、後ろから“乗る”形式へと発想を転換したことで、生活が楽になるのはもちろん、気持ちまで前向きになるというメリットがあると話します。価格は?レンタルできる?RODEMのメーカー希望小売価格は、98万円(非課税、送料・調整費別)。レンタルの場合は月額で約5万円程度となる予定とのことです。介護保険適用の場合、ユーザーの負担額は約5,000円~10,000円程度を想定しているとのことでした。さらにリースでの展開も予定しており、6年契約で月額約18,000円程度と想定されています。販売やレンタルは、総合商社のCBC株式会社と協業し、全国の福祉機器レンタル会社や医療機器販売代理店にて行われます。今後の展開は?まずは日本を中心に販売を開始し、来年の5月頃に配送を予定しているとのことです。国内以外では、イギリスやロシア、EUからはじめ、2019年からはアメリカや中国での販売も開始し、2020年には5000台の販売を目標としています。2017国際ロボット展で試乗できるRODEMは、2017年11月29日(水)~12月2日(土)に東京ビックサイトで開催される「2017国際ロボット展」にて試乗体験ができます。概要は下記のとおりです。 日時 2017年11月29日(水)~12月2日(土) 10:00~17:00 会場 東京ビックサイト 東6ホール NEDOブース内 RODEM(ロデム)スペック 名称/型番 RODEM(ロデム)/M651  サイズ  全幅690mm × 全長1000(~1203)mm  ※( )シートが一番低い状態 高さ 全高920(~1254)mm 座面高400(~785)mm   ※( )シートが一番低い状態 重量 約110kg 速度 最高6km/h ※速度調整可能 コントローラ  ジョイスティック/スマートフォンによる遠隔操作(Bluetooth) 駆動方式 4輪駆動  充電 プラグイン方式(家庭用100V)/充電時間:8時間 カラーバリエーション ブルーメタリック、ピンクメタリック、ダークグレーメタリック、シルバー、ホワイト 防水 生活防水

介護支援専門員(ケアマネジャー)とは?AIがケアプラン作成でケアマネ不要説も!

介護支援専門員(ケアマネジャー)とは?AIがケアプラン作成でケアマネ不要説も!

ケアプラン作成という大きな役割を担う介護支援専門員(ケアマネジャー)。人工知能(AI)がケアプランを作成するというニュースが話題となりましたが、ケアマネジャーの仕事を奪うことになるのでしょうか?今回は、介護支援専門員って何?どうしたらなれる?将来性はあるの?など、気になる疑問についてまとめてみました。介護支援専門員とは?介護支援専門員とは、要介護(支援)者が適切な介護サービスを受けられるようサポートする、介護の専門職です。ケアマネジャー(ケアマネージャー)とも呼ばれ、ケアマネジャーになるためには5年以上の実務経験を積んだのち、介護支援専門員実務研修受講試験に合格する必要があります。介護支援専門員になるには介護支援専門員は、各都道府県が認定する公的資格です。介護支援専門員になるためには、各都道府県が実施している介護支援専門員実務研修受講試験に合格する必要があります。介護支援専門員になるまでの流れは、以下のとおりです。受験資格介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格はいくつかありますが、2018年以降の試験から、この受験資格が変更になります。ポイントを整理すると、 いままで対象だった介護等の業務やケース・ワーカーが対象外  介護職員に関しては、介護職員初任者研修、ホームヘルパー2級、実務者研修などの資格を持っている人の受験資格制度が対象外になり、介護福祉士として5年以上の実務経験が必要  となります。介護支援専門員の合格率平成28年度の介護支援専門員実務研修受講試験の合格率は13.1%でした。例年は15~19%あたりを推移しており、試験の難易度はそれなりに高いといえます。 実施時期 合格率 第15回 平成24年度 (2012年10月28日) 19.0% 第16回 平成25年度 (2013年10月13日) 15.5% 第17回 平成26年度 (2014年10月26日) 19.2% 第18回 平成27年度 (2015年10月11日) 15.6% 第19回 平成28年度 (2016年10月2日) 13.1%試験内容試験内容は多岐に渡り、介護支援分野、保険医療サービス分野、福祉サービス分野に大分されます。 介護支援分野 保健医療サービス分野 福祉サービス分野 介護支援専門員の大きな役割であるケアプランの作成には、介護サービス全般を知っている必要があるだけでなく、介護保険にも精通している必要があります。さらに、利用者や介護サービス事業者、医療機関との話し合いも発生するため、幅広い知識が求められるのです。介護支援専門員実務研修の内容介護支援専門員実務研修受講試験に合格したら、実務研修を行います。実施時期は都道府県によって異なりますが、研修は国が定めたカリキュラムにそって実施されます。国が定めたカリキュラムでは、研修期間は6日間、研修時間は合計44時間以上と示されています。介護支援専門員の役割介護支援専門員の役割は主に二つあります。ケアプランの作成1つ目の役割は、ケアプラン(介護サービス計画)の作成です。ケアプランの作成には、本人や家族との面談によるインテーク、利用者の情報や面談から課題を把握・分析するアセスメントなどが必要です。ケアプランは、これによって「どのような介護サービスが、どのように受けられるのか」が決まるので、利用者本人や家族にとっては非常に重要です。介護支援専門員は、利用者の意向を把握するのはもちろん、「隠された意向」にも気づき、スポットライトをあてなければいけません。また、「できないことのカバーする」“補完的介護”ではなく、「できることを伸ばす」“良くする介護”のためのケアプランにする必要があります。事業者・関係機関とのサービス調整役2つ目の役割は、サービス事業者・施設等の連絡調整です。ケアプランが完成したら、介護サービスの提供事業者を探して手配します。事業者の選択も利用者の意向に沿うことが原則ですが、利用者側に知識や情報が乏しい場合は、介護支援専門員が代わりに選択することもあります。時には介護保険によるサービスだけでは対応できないこともあります。そうしたケースに備え、介護保険外のサービスについても通じておく必要があるでしょう。候補となった事業所に連絡を入れ、定員等の空きがあるかどうか確認し、サービスを調整します。事業者が決定したら、サービス担当者会議を開催します。介護支援専門員は、自らが進行役となり会議を進めていきます。AIがケアプラン作成?ケアマネジャーの将来性介護支援専門員の役割の一つである「ケアプラン作成」。実は最近、AI(人工知能)を使ってケアプランを作成しようという試みがなされているのです。AI によるケアプランの開発、提供を事業内容に掲げる株式会社シーディーアイは、日本初となる人工知能によるケアプラン作成の実証プロジェクトを本格的に開始しました(※1)。 ※1  愛知県豊橋市でケアプラン作成を支援する人工知能の利用を開始介護保険データを学習させた人工知能にケアプランを作成させ、ケアマネジャーが調整した上で利用者に提供し、利用者の身体状況の改善度やケアマネジャー業務の変化等を調査するとのことです。AIの登場でケアマネは不要になるのか?人工知能が作成したケアプランによって改善や業務負担軽減効果が見られれば、介護支援専門員(ケアマネジャー)の需要は減るのでしょうか?現実には、それほど単純ではないと言えるでしょう。なぜなら、ケアプランは介護保険データだけでなく、本人の意向や家族の状況、地域の事情、気候の変化(気温が下がってきたから痛みが増した等)など、さまざまな条件を総合的に考慮してはじめて、最適なものとなるからです。こうした微妙な調整をAIができるようになるには、まだまだ時間がかかると考えられます。まとめ介護支援専門員は、高度な知識やスキルが求められる介護の専門職です。介護の要となるケアプランは、長年の実務経験と深い見識にもとづいて作成されます。AIがケアプランを作成できるようになったといえども、事業者や施設とのやり取りはもちろん、ケアプランを実行する介護スタッフとの協働が必須の介護支援専門員(ケアマネジャー)の代わりとなるには十分ではありません。介護支援専門員の需要は、とうぶん減ることはないでしょう。

「介護ロボットが介護職員人材不足を解決?」それって本当か考えてみた!

「介護ロボットが介護職員人材不足を解決?」それって本当か考えてみた!

うちの施設に介護ロボットが来るらしいぞ。人材不足解消のためと言うけれど、ロボットでは痒いところに手が届かないと思うなあ。 本当にそうか、一緒に考えてみましょう。 介護ロボットへの反応年々注目度が高まる介護ロボット。しかし、実際に介護の現場で働く人や介護に携わっている人からは、懐疑的な声も上がっています。 人手不足解消や負担軽減のための介護ロボットがほとんどかと思いますが、それが利用者さんの為になるかといえばやっぱり疑問ですね😌ただ職場にも介護ロボットという名の「離床センサー」があって、見守り支援とかターミナル期のバイタルをステーション内のPCで常に確認出来るのでこれは便利です😉— massa (@massa201708) 2017年10月3日 介護ロボット、AI、IOTは介護負担を軽減するものとしては期待が出来るが、介護そのものをするわけではない。やはり介護は、人間による手が必要。人手不足解消が介護を救う。 https://t.co/HhgJZTQpRV— sigma college (@sigma_care) 2017年9月12日 こうした声が上がっている一方で、政府は介護ロボットの開発や普及に多額の予算を充てています。厚生労働省は、介護ロボットの導入費用を補助する「介護ロボット等導入支援特別事業」に、約52億円の予算を投入しました。経済産業省は、介護ロボットの開発費用を最大1億円まで補助する「ロボット介護機器開発・導入促進事業」を5年間実施しています。 52億円も?!正直、そんなお金があるなら、給料を上げてほしいと思っちゃうな…。 政府としては、将来起こる大規模な人材不足を見越した投資のつもりなのかもしれません。 介護の人材不足問題介護ロボット開発・普及の背景には、2025年にピークを迎える介護の人材不足問題があります。介護の人材不足は問題とは、2025年に約37.7万人もの介護職員が不足すると推測されている問題です。これだけの介護職が不足するのには、さまざま要因があります。大きな要因のひとつは、要介護者が増加していくにも関わらず、介護職を担う現役世代が減少してしまうことです。そのため、介護の現場では今後ますます効率的な介護が求められていくと考えられます。求められるのは“効率的な介護”? “効率的な介護”って何だろう? 政府は、自立支援と介護負担軽減が“効率的な介護”につながると考えているようです。 経済産業省の「ロボット介護機器開発・導入促進事業」では、開発の対象となる介護ロボットの説明として、以下の2点を挙げています。(1)要介護者の自立促進(2)介護従事者の負担軽減両者を実現する介護ロボットを導入することで、結果的に効率的な介護が可能となると考えているといえます。介護ロボット開発の実態 これまでにどんな介護ロボットが開発されてきたんだろう? 実際には、主に(2)介護従事者の負担軽減を目的とした介護ロボットが優先的に開発されています。「ロボット介護機器開発・導入促進事業」によって、これまでに多くの介護ロボットが開発されてきました。中にはすでに市販されているものもあります。 ロボット介護機器開発・導入促進事業 製品化機器一覧 をみると、開発済のロボットの多くが「介護従事者の負担軽減」を目的としたものであることに気づきます。例えば、装着型の移乗支援ロボスーツや介護施設の見守り支援ロボットなどがそれに当たります。 つまり、介護ロボット=介護従事者のためのもの、ということ? 最近では、そうした考え方に変化が起きています。介護ロボットは誰のため?開発事業の成果を見ても、介護ロボットは介護従事者の負担を軽減するためのものという考え方が読み取れます。しかし、2017年9月末に行われた「ロボット介護機器開発・導入促進事業 成果報告会」にて、そうした考え方に一石が投じられました。介護ロボット=介護従事者の負担軽減のため、という定義に疑問を呈し、「介護ロボットはあくまで介護者のためにある」と主張されたのです。さらに、介護ロボットの位置づけや活用目的についても説明されました。 介護ロボットの定義 介護に用いるロボットの総称 介護における位置づけ 物的介護手段 活用目的 被介護者への影響を重視(介護従事者の作業の代行ではない) 介護ロボットは効率化のための単なる「介護従事者の代わり」ではなく、よりよい介護のために使われるべき物的介護手段であると強調されています。つづけて、よりよい介護のためには、介護ロボットが業務負担軽減につながらないばかりか、従来以上の負担を強いる場合もあるという指摘がされました。 介護ロボットが介護負担を増やす可能性もあるんだ! 負担が増えたとしても介護ロボットを取り入れてよりよい介護をするかどうかは、倫理的な問題ですね。 介護ロボットは人材不足を本当に解決できるのか?もう一度、「介護ロボットは人材不足の役に立つのか」という問いについて考えてみましょう。人材不足の解決には、人手を補充すると同時に、介護業務を効率化する必要があります。介護ロボットは当初、介護負担を軽減することで効率化に役立つと考えられていました。しかし現場へのヒアリングや実証試験を通して、介護ロボットは介護負担軽減だけでなく、よりよい介護にも役立つ可能性があると分かってきたのです。それと同時に、介護ロボットが必ずしも負担軽減につながるわけではなく、今まで以上の負担を強いる場合もあると分かってきました。つまり、介護ロボットによっては、人材不足解決に貢献することもあれば、そうでないこともある、というのがとりあえずの回答となりそうです。 大事なのは、僕たち介護職員が介護ロボットをどう使いこなすかと言えそうだなあ。 介護ロボット=人の代わりという考え方は間違いで、介護の主役はあくまで人であることを覚えておく必要がありますね。

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