企業インタビュー

先進的な取り組みで魅力的な現場作りを!東京都ロボット介護機器・福祉用具活用支援モデル事業に選出|社会福祉法人友愛十字会砧ホーム

先進的な取り組みで魅力的な現場作りを!東京都ロボット介護機器・福祉用具活用支援モデル事業に選出|社会福祉法人友愛十字会砧ホーム

東京都が行なった平成28年度ロボット介護機器・福祉用具活用支援モデル事業に、特別養護老人ホームとして唯一選出された、世田谷区にある社会福祉法人友愛十字会砧ホーム。モデル事業での取り組みは、専門的知見を有するアドバイザーによる、施設へのコンサルティング及び効果検証と、施設のロボット介護機器等導入の際の補助の2つがあります。モデル事業に応募した経緯から、介護ロボット導入後の今日までの状況、現場で働く介護職員の反響について、お話を伺ってきました。 歴史ある法人での先進的な動き 今回お話を伺った方:鈴木健太氏 こんにちは、砧ホームへようこそ。本日は看護師であり介護部部長の私、鈴木がお話させていただきます。 ―――早速ですが、東京都のロボット介護機器・福祉用具活用支援モデル事業に応募した経緯を教えていただけますか?私たちの施設では、先進的な取り組みを積極的に行おうと、モデル事業に応募する前からロボット体験会を開催していました。さらに、さまざまな福祉用具を試したり、施設に講師を招いて研修したりしていました。その取り組みの一貫として、介護ロボットのモデル事業の話を知り、応募を決めました。「この介護ロボットが欲しくて」とか、「施設で問題視されている課題を解決するため」というわけではなく、介護業界における先進的な取り組みのひとつとして、介護ロボット導入について考えていたことがきっかけと言えます。―――介護ロボットを導入したらどういった取り組みをしたいと考えていらっしゃいましたか?今後、さらなる介護職員人材不足が見込まれる中で、人が集まる施設になって、ケアの充実化を図れる魅力ある施設作りの一助になればと考えていました。具体的に言うと、介護ロボットを活用することで、 先進的な取り組みに積極的に挑戦したいという前向きな職員で溢れる職場にしたいなと。 ―――やはり、介護職員の人材不足というものは感じられますか? かなり感じています。私たちは人材確保の取り組みを含め、対外的なアピール力に課題を抱えているんです。「介護するのであれば、砧ホームに一度は入職しないと専門職として面白くないんじゃないですか?」とまではいきませんが、ゆくゆくは介護の登竜門的施設になれたらと考えているんです。そのため、社会福祉法人東京都社会福祉協議会が主催するアクティブ福祉in東京で、施設での取り組みを報告したりして、受賞をとおして世の中に知ってもらおうという動きはしているのですが、前述のとおり、アピール力が弱くて…なかなか難しいですね。介護ロボット導入したことで得られた反響―――水をさす質問かもしれませんが、介護ロボットに頼っている施設という印象を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか?そうですね。介護ロボットがいきなりポンとくるとそうかもしれませんが、私たちはずっと先進的な取り組みを行なっていたというのもあり、おかげさまで、介護ロボット導入の影響から、「私も介護ロボットを利用したケアをしてみたい」という介護職員からの問い合わせをいただいております。―――逆に集まってきているんですね!まさに期待通りなんです。前向きに学びたいという気持ちを持って入職いただくことで、現場も活性化するんですね。私たちが目指している現場の形になってきているかなぁと思います。日本の人口減少に比例し、介護する人口も減少する中で、昔ながらの介護思考では難しいという認識は、 砧ホームだけではなく広く業界に浸透しているのではと感じています。介護ロボットもそうですが、外国人介護士の受け入れなんかも昔なら考えられなかったと思いますし。施設を利用されている方のご家族からも、これからも新しいことを実践していってほしいという声をいただきます。―――確かに、ご家族の方だけではなく、少子高齢化は周知の事実ですものね。むしろ介護職員を労ってくださっている状況です。 介護職員の方にマッスルスーツを実演していただきました! ―――現在導入されている介護ロボットについて教えてください 。1番最初に持ってきたのが、イノフィスのマッスルスーツです。マッスルスーツとは、装着することで腰の負担を軽減してくれる腰補助用の介護ロボットです。担当の方にレクチャーいただいたのですが、当初装着に1分以上かかっていました。自分のポジションにあわせるのに時間がかかっていたんですね。しかし、4ヶ月経った今、慣れている職員に関しては、移動しながら10秒くらいでつけちゃうんです。それこそ変身しながら現場に駆けつけるではないですけど(笑)さらに、次の職員が着用しやすい脱ぎ方というのがあるんです。いろんな職員が使うので、バンドをゆるめて外しておくとか、使いながら発見していくこともあります。マイナス思考だと「面倒くさいなぁ、ダメじゃん」といった感じですぐ終わってしまいますが、みんな前向きにいろんな提案をし、「どうしたらいいんだろう?」と、随時改善し活用しています。うちにマッスル三浦と呼ばれている、マッスルスーツマスターがいるので、せっかくなので彼に実演してもらいましょう。 「こんにちは」と言いながら颯爽とマッスルスーツを着用しはじめる三浦さん 慣れた手つきでベルトをしめていく 歩きながらにも関わらずものの10秒で着用完了 ―――歩きながら10秒で着用完了は、さすがマッスル三浦さんですね! そうですね、もう慣れました。 ―――マッスルスーツを使う場面はどういったときですか? モデル事業なので、 課題の解決場面として計画したベッド上の排泄介助か、トイレ誘導の際に使用しています。夜勤中に使うことが多いのですが、明けの朝の疲労感が違いますね。 ―――どのくらいの時間装着していらっしゃるのでしょうか? けっして軽いわけではないので、長くても30分ちょっとくらいですね。 ―――30分だったらつけている方がいいですか? 朝の4時半から30分くらい排泄入るんですが、なかったときとは全然違います。ベッドの排泄介助を行うときはずっと前かがみの姿勢なんですが、本当に楽なんです。マッスルスーツがあってよかったと思います。 ご家族にも喜んでもらえた見守りケアシシステム対応ベッド フランスベット株式会社製見守りケアシステムM1―――見守りケアシステム対応のベッドについてはいかがでしょうか? 見守りケアシステムは、ベッドの上の体重のズレによって、状態を検知する介護ロボットです。まず、四隅に体重計がついていると思ってください。例えば、頭側の2つの荷重がなくなるとこの人は起き上がったな、片側に荷重が移ったら端座位になったな、全荷重がなくなったら立ち上がって離床されたな、といった具合に、寝ている方の状態を検知します。以前はマットを踏むことで立ち上がりを通知させる機器を使っていたので、さまざまなパターンに対応できるようになりました。このベッドは端座位の時点で鳴るので、以前の通知時にはすでに足がついてる、転倒の可能性が高い危険な状態の手前で、情報をキャッチすることができます。何より、設定が簡単なんです。誰でもすぐ使えます。コントローラーの表示どおりに、言われたとおりに設定するだけで完了です。通知は職員が持っているPHSに送られますし、画面には通知元の部屋番号も表示されているので、すぐ確認できます。左側のリモコンで設定を行う 当初補助金が600万に対して、8分の7、つまり、525万上限でるということで、全額ベッドにつぎ込む算段だったんです。「20台買える!」って。しかし現実はそうじゃなかった。4種類選んでという話になって。それでも10台増やすことができましたけど。また介護ロボットの種類も3種類に落ち着きました。―――職員から「覚えにくい」「使いづらい」といった声は聞こえましたか?もともと床に貼るタイプのセンサマットを使っていたので、スムーズに導入できました。設定も簡単ですからね。以前使っていた床のセンサは、養生テープで貼るんですけど、1ヶ月くらいではがれてきちゃうんです。床の清掃のたびに貼り直しが発生したこともあり、労力がかかり見栄えも悪かったんです。ベッドにはテープ貼りの労力はかからず、見栄えに関しては新品なので、逆に綺麗になりました。見守りベッドを導入したことで、ご家族からも、「新しいベッドにしていただいてありがとうございます」という喜びの声もいただきました。これは本当にありがたかったですね。介護ロボット周辺機器の費用ってどこが負担する?キング通信工業株式会社製シルエット見守りセンサ―――シルエット見守りセンサに関してはいかがですか? シルエット見守りセンサは、部屋に赤外線センサをつけて、 wi-fiルーターを中継地点とし、職員が持っているタブレットに情報を送る介護ロボットです。 以前使っていたセンサはベッドセンサという、圧がかかって反応するタイプなんですね。ベッドに2本の電極をかけて、電極が離れるとセンサが離床を感知する物理的なものなんです。それをシルエット見守りセンサに変えました。しかし、ひとつ問題になったのは、wi-fiの環境を整えないといけなかったということです。私たちの施設はwi-fi環境が整っておらず、そもそもwi-fi料金は補助の対象外になっているんです。そのため、施設でお金払って、自前で整えないといけないんです。―――介護ロボットだけではなく環境を整えるためにも費用がかかるのですね。当初の見積もりですと、ざっと5台くらいで足りるだろうということだったのですが、部屋の端にいてもタブレットに電波が届かないと意味がないため、結局15台必要ということになりました。しかし、やるって決めたからにはという感じで15台設置しました。―――タブレット端末にはどのような情報が届くのでしょうか。設定も操作も全てタブレットでできるんです。従来のものは寝返りだけでもPHSに通知がくるので、必ず駆けつけないといけなかったのですが、見守りセンサは寝返りひとつにしてもシルエットを確認し、壁側に寝返ったのであれば安心だなと判断できるので、駆けつける回数は減っていると思います。ただ、導入していきなり成果を発揮したかというとそうでもなく、より使いやすくするために細かい設定が必要でした。現在も改善途上ですが、それも面白さではありますね。介護ロボット導入することで現場は混乱?―――3種類の介護ロボットはどのように現場に浸透していったのですか?シルエット見守りセンサは、レクチャー受講チェック表を作って、業者から直接説明を受ける形でした。移行期間を設け、従来のセンサと平行して利用しつつ、職員が使えるようになったのを確認して古いものを外し、新しいもののみ残しました。ベッドタイプのものは簡単だったので、私が業者の説明を聞き、リーダーへレクチャーし、リーダーがメンバーにレクチャーしていった感じですね。1番大変だったのはマッスルスーツです。そもそもマッスルスーツがなくても自力で介護していましたし、重さが5kgあるんです。スポーツするときに利用するサポーターをイメージいただくと分かりやすいかと思いますが、着用の仕方を間違えると、マッスルスーツのサポートが得られないんです。効果を得られるポジションで着ることができないといけないんです。業者の薦めで、リーダー以上からレクチャーしていくことになりました。そして使えるメンバーを毎月4人ずつ増やしていこうと。しかし、途中でレクチャーを受けた者が私的な怪我で離脱するなど、うまく進まなくなってしまったんです。少ない人数でやるメリットとして、確実にレクチャーしやすい点が挙げられるかと思うのですが、今回はデメリットが露呈したというか、うまく進まず何やっているんだろうって。さらには取り組みが見えない部分もあったんです。―――取り組みが見えないというのは具体的にはどういった点でしょうか?マッスルスーツを着用している職員に対して、使い方をレクチャーされていない職員がフォローしきれないという事態が起きました。以前はポケットにナースコールをいれていたんですけど、マッスルスーツをつけているとナースコールが取れなかったり、5kgを背負っているので何か鳴ったときにパッと動けないんです。使っている者同士だとフォローの仕方が分かるのですが、使っていない職員には分からないのです。東京都とコンサルとの打ち合わせが7月にあって、このままではうまくいかないので計画を変更してはという話になって、それなら一斉にやってしまおうということになりました。4人ずつではなく、職員全員できるようになろうということで、レクチャーの仕方を業者に教えてもらって、職員同士で伝えていく流れにし、8月中に全職員が使えるようにするということで、まさに今やっているところです。施設で利用する際の介護ロボットの可能性について日々模索中―――ひとつのやり方がダメだと分かった場合、他の方法も考えていかないといけないですね。そうですね、それが今回の東京都の活用支援モデル事業の主な視点なんです。介護ロボットの利用者に対する効果は、開発業者が効果検証を行っています。今回のモデル事業は、介護ロボットを施設に導入し、施設の中でどのように行えば使っていけるようになるか見ているので、いい例だと思います。ですので、ひとつの方法ではうまくいかなく、方向転換してというのはひとつの報告になるのではないでしょうか。―――難しかったのは導入方法の部分であって、導入してからは順調に進んでいますか?導入した後も、改善点や問題点が報告されています。しかし、チームであったり体制が組まれているので、すぐにこうしていこうと都度フィードバックが可能となっています。改善点や問題点を吸い上げて克服していく体制を整えることも、介護ロボット導入にあたって必要な要素なのではと思います。―――介護ロボットを見てみたいと同業他社からの問い合わせがあったりしますか?見学会自体、モデル事業の取り組みの一貫として組み込まれているので、 今後行う予定です。 あと、海外から見学させてほしいという問い合わせが2件くらいあったのですが、調整がつかなくて実現はしませんでした。―――本日お聞きした中にネガティブな意見があまりないように感じますが? 便利な部分と便利すぎて便利じゃない部分があるという印象です。センサなので反応すると鳴っちゃうわけで、鳴ると確認するということが生じます。しかし、もともとセンサを使っていたので、とくに業務が増えたというわけではないのですが。現場職員の目線を業者に伝え、改善という名の機器のバージョンアップを常に行っていただいているので、私たちはより使いやすい仕組みだったり、手順だったりを模索していけたらいいかなと考えています。 導入する上で職員はどのように介護ロボットを考えていたの?―――介護ロボットは介護業界においてひとつの大きな変化だと思うのですが?もちろんマイナス思考の職員もいると思います。ただ、これ以外の取り組みでもそうですが、「みんなでやっていこう!」と、今までさまざまな課題をひとつひとつ達成してきました。話がずれてしまうかもしれませんが、以前オムツ0というケアが業界で主導されたときがあったんです。そこで、私たちもオムツを使わないケア、つまり、トイレでの排泄を行うために便通コントロールやトイレ誘導を積極的に行おうと。しかし、なかなか難しく、ゼロって達成できないんです。達成できなくても目標に向かっていく気持ちややりきる気持ちを、職員は身につけていると思うので、こうしましょうといったらみんながその方向に邁進できるような、施設ではありますね。―――施設職員が先進的な取り組みに前向きなんですね。スライディングシートやリフトを使った持ち上げない介護であったり、新しいケアに関して常にアンテナを張っています。介護ロボットやICTもそのひとつだと思います。ずっと昔のままでは魅力もないですし、そもそも今現場にいる職員ひとりひとりが魅力を作っていかないといけないので、前向きな取り組みをすることが施設の魅力づくりにつながっていくのではと考えています。―――その時々の時代の変化を受け入れて、対応していくということですね? 私も専門職なので、変化をポジティブに受け入れる施設じゃないと魅力を感じないということがあります。医療に医療機器があるように、福祉に福祉用具があって、それらを使いこなすのは当然それぞれ専門職の専門性かと。専門職にとって向上心というのは本当に大事なので、成長できる施設じゃないと面白くないですよね!編集部まとめ取材中、「時代の流れに沿った介護をまず行ってみる!」という強い気持ちがひしひしと伝わってきました。砧ホームの取り組みはケアの手法から介護ロボット導入まで広がりを見せました。まだまだ検証段階と鈴木さんはおっしゃっていましたが、確かな手応えとともに施設の発展に尽力する姿がとても印象的でした。 関連記事:人工筋肉で介護の腰痛問題を解決!マッスルスーツ| 株式会社イノフィス関連記事:離床はもちろんはみ出しも!人の動きを検知する「シルエット見守りセンサ」|キング通信工業株式会社

【インタビュー】なぜ大和ハウスが介護ロボットを?「D’s TETOTE」で聞いてみた【後編】

【インタビュー】なぜ大和ハウスが介護ロボットを?「D’s TETOTE」で聞いてみた【後編】

さまざまな介護ロボットを展示している、大和ハウスの介護福祉機器展示場「D’s TETOTE」。 前編 では、見学レポートをお届けしました。そもそも、なぜ住宅メーカーである大和ハウスが介護ロボットを取り扱い始めたのでしょうか?ショールームを案内してくれた、ロボット事業推進室 グループ長 新倉氏に話を聞いてみました。前編はこちらから→【体験レポ】大和ハウスの介護ロボット展示場「D’s TETOTE」に行ってみた!【前編】 介護ロボットは施設の課題解決の手段ロボット事業推進室 グループ長 新倉氏ーーーなぜ、大和ハウスが介護ロボットの販売代理店を始めたのでしょうか?現在、我々ロボット事業推進室が介護ロボットを通して目指しているのは、介護福祉施設の課題解決です。意外と知られていないかもしれませんが、大和ハウスの医療機関や介護施設などの福祉分野の建築数は業界トップクラスなんです。そのなかで、人手不足や離職率の低下といった課題にむけて、なにかできることは無いかと考えてきました。そこでたどり着いたのが、介護ロボットだったのです。ーーーたしかに、展示されている介護ロボットのほとんどは施設向けのものでした。取り扱う介護ロボットは、施設の中で役に立つか、課題解決につながるかという点を重視して決めています。介護施設の現場にベストマッチする介護ロボットを選定し提供することで、施設内での生産性が向上したり、労働負荷が軽減し職員の定着につながったりする。そのための手助けをする役割を、大和ハウスが担っていきたいと考えています。超高齢社会到来で、大和ハウスが果たす役割とはーーー近年は、地域包括ケアの広がりとともに、在宅での介護を進めていく風潮があります。そうですね。ご自宅で最期を過ごしたいという方が多いにも関わらず、実際には病院で最期を迎えられる方がほとんどという調査結果もありますが、いずれはそういったニーズにもお応えしていければと考えています。ーーー住宅とロボット技術の組み合わせの延長線上に、いわゆる住宅自体がロボット化した「スマートハウス」がありますが。今後は住宅そのものではなく、「住まい」の中にある「暮らし」に貢献できる技術により注目が集まっていくのかもしれません。その意味で、AIスピーカーや室内コントロールモデムなどは非常に面白いと思っています。それらも含めて、高齢社会の中で、本当に必要な時期に本当に必要なものが提供できるような準備を進めていく必要があります。当社自身は介護福祉に関係するロボット技術を有していませんが、住宅ベースのネットワークやバックボーンをもつという強みを活かして、2025年問題にむけて果たせる役割があるはずだと考えています。ロボットでなくても良い――大和ハウスがめざすものーーー今後の展開を教えてください。ロボット事業は、創業者の思いである「世の中の役に立つものを」という考え方からスタートし、現在では施設の課題解決に取り組んでいます。将来的には、介護の必要な高齢者に限らず、すべての高齢者の生きがいや暮らしやすい住まいづくり、街づくりにまで貢献し、誰もが最期まで快適に生活していただけるような環境を提供できればと考えています。そのために役立つものであれば、ロボットにこだわらず積極的に取り扱っていきたいですね。 ショールームのレポート記事はこちら: 【体験レポ】大和ハウスの介護ロボット展示場「D’s TETOTE」に行ってみた!【前編】 編集部まとめロボット事業の今後の展開への質問に対して、「2025年問題を前にして、まだまだ暗中模索している最中だ」という率直な言葉が印象的でした。介護ロボットはあくまで「世の中を良くする」手段であり、目的ではないことを強調する新倉氏のインタビューからは、介護ロボットの課題よりもむしろ可能性を感じます。介護ロボットに興味のある人もない人も、一度実物を触って体験してみることで、介護ロボットはもちろん介護そのものについても理解が深まるのではないでしょうか。 『CYBERDYNE』、『ROBOT SUIT』、『ロボットスーツ』、 『ROBOT SUIT HAL』、『ロボットスーツHAL』、『HAL』、 『Hybrid Assistive Limb』 は、CYBERDYNE株式会社の登録商標です。 「メンタルコミットロボット」は国立研究開発法人産業技術総合研究所の登録商標です。 「パロ」は株式会社知能システムの登録商標です。 『マインレット』『MINELET』は株式会社エヌウィックの登録商標です。 『POPO』『ポポ』は株式会社モリトーの登録商標です。 『comuoon』はユニバーサル・サウンドデザイン株式会社の登録商標です。 『プールス』『Purus』はプールス株式会社の登録商標です。 『COGY』『コギー』は株式会社TESSの登録商標です。

人間のサポート役として介護ロボットを利用!株式会社レオパレス21グループ「あずみ苑木更津」

人間のサポート役として介護ロボットを利用!株式会社レオパレス21グループ「あずみ苑木更津」

介護業界の先駆け的存在で介護ロボット導入を進めている、株式会社レオパレス21グループの介護施設「あずみ苑」。現在、関東と中部地方で80施設以上を運営しており、今回、千葉県木更津市「あずみ苑木更津(デイサービス・ショートステイ)」に導入されているコミュニケーションロボットPALRO(パルロ)について、導入したきっかけから施設のお客様の反応、PALROの利用方法についてお話を伺ってきました。今回お話を伺った方。シルバー事業部 運営部 運営企画課 運営チーフの原嶋めぐみ氏(左)、千葉第3エリア エリア長の小倉宏樹氏(右)お客様の満足度向上とスタッフの業務負担軽減のために介護ロボットを導入―――PALRO(パルロ)導入のきっかけを教えてください。原嶋氏:弊社の企業理念は「新しい価値の創造」であり、新しいことにチャレンジしていこうという社風があります。そのため、弊社は介護ロボットの可能性に早くから着目し、導入に向けて動き出そうとしていました。私は、2007年2月にあずみ苑の施設スタッフとして入社しました。 その後、施設長を経験し 、現在入社11年目で本社で働いています。現場での経験と今後の介護職員人材不足、介護ロボットの社会的活躍を見越して、介護ロボットについて先進的に取り組むため色々と調べていくうちにPALROについて興味を持ちました。―――介護ロボットにもさまざまな種類があると思うのですが、その中でもなぜPALROを?原嶋氏:介護ロボットの導入を検討していくうえで着目していたことが2つありました。ひとつは、お客様の満足度の向上。もうひとつはスタッフがいきいきと働けるように業務負担軽減を図ることです。介護業界で働いている方は、ご高齢者の方のために助けになりたい、サポートしたいという気持ちを持っている方が多いと思っています。でも、現場での経験から、お客様の前に出て、大きな声で体操をしたり、体を張ってレクリエーションをしたりというのは、スタッフ皆が得意なわけではないことを感じていました。そのため、以前より、“レクリエーションをサポートしてくれるロボットがあればいいな”と思っていました。また、体操やレクリエーションひとつにしても、プログラムを考えなければいけないので、その点においても業務負担の軽減ができれば…と感じていました。小倉氏:そうですね、プレッシャーや緊張からか、レクリエーションを担当する日の前日から眠れないなんて声も聞いたことがあります。原嶋氏:そこで、このような問題の解決を図っていくため、コミュニケーションロボット導入の考えに至り、PALROの導入を決めました。平成26年11月にオープンしたあずみ苑木更津操作ではなく、話しかけることでPALROを動かす ―――PALRO導入が確定した要因ってありますか?原嶋氏:そうですね。調べていくうちに、PALROはもともと高齢者施設で活躍することを前提に開発されたロボットだと分かり、実際に富士ソフト㈱(PALROの開発メーカー)へ見学に行きました。私自身、機械はあまり得意ではありませんが、そんな自分でも操作ができそうと思えるくらい簡単でした。操作というより、声掛けですね!「●●やって」とか、「ちょっと声が小さいからもっと大きな声だして」とか、PALROに話し掛けるだけで「はーい」だったり「わかりました」と言って、動いてくれるんです。 ―――人の手で行なっていた介護をロボットに任せるというところで、導入時いろいろ混乱等あったのかなと思うのですが。小倉氏:もちろん、施設で初めて介護ロボットを扱うということで、少し不安はありました。しかし、原嶋がいうように、ロボットを操作するのではなく、話しかけるだけで自動的に動いてくれるので、働いているスタッフもすぐにPALROに慣れ、抱いていた不安はなくなりました。また、レクリエーションの基礎的なことをプログラミングされているロボットなので、導入もスムーズにいったと思っています。導入にあたって手間がかかるようだと、業務負担軽減につながらず、本末転倒になってしまいますしね。お客様もすんなりと受け入れていただけて、「かわいいね」って声を掛けてくださっています。―――想像と違って操作が簡単ということで驚きました!小倉氏:はい。弊社では、「あずみ苑木更津」以外にも2施設でPALROを導入しているのですが、どこの施設でもお客様からは好評いただいています。「かもめの水兵さん」を歌って踊るPALRO。歌っているときは、頭部に「♪」マークがつく。お客様から「かわいい」の声 小倉氏:お客様からは、PALROについて、「声が子どもみたいでかわいい」とか、鉄腕アトムで見ていたあの世界が目の前にあるということで、「これどうなっているの?」とか、「中に人が入ってその人がしゃべっているんでしょ?」という声もありました。 ―――レクリエーションなど、やらされている感を訴えるようなお客様は?原嶋氏:そのような方はいらっしゃらないですね。レクリエーションの時間は、例えば、ご利用されているお客様が30名いらっしゃれば、何名かは参加されず何かしらしていることもあるんですが、PALROが行なうレクリエーションが嫌いという声は聞いたことがないですね。これは富士ソフト㈱の担当者の方から伺ったんですが、ロボットの開発にあたって、女性だけのチームがいらっしゃるそうなんです。より愛着がわくように、かわいく見える仕草だったり、言葉を研究したりして搭載しているとのことでした。そのため、絶妙な動きをするというか、かわいく見える工夫がされているので、ちょっと関わるとかわいいと思ってしまうんですよね。5歳の男の子の設定で開発されているので、お孫さんと関わっているような感覚で接することができるのかなと。―――PALRO導入にあたり、難しかったことなどありますか?小倉氏:言葉の認識は少し難しかったですね。声掛けは定型的な内容でないと認識しません。―――PALRO導入後、周囲の反響はいかがですか?原嶋氏:PALROの導入を知っていただくイベントを開催したこともあり、介護ロボットを導入している事業所が身近にないとのことで他の事業所のスタッフの皆さんが施設見学に来てくださいました。集客にも、活用ができていると思います。栃木県の「あずみ苑」では、レクリエーションはもちろんのこと、PALROを玄関に置き、来客者とPALROがコミュニケーションをとれるようにしています。近隣にお住まいの方が遊びに来たりもするので、おもしろい活用方法だと思います。―――施設によって同じPALROでも使い方が違ったりするんですね。原嶋氏:そうですね。「あずみ苑木更津」では、お客様皆さんに対してのレクリエーションではなく、どちらかと言うと、個別にお話をする形で活用していますが、全体でのレクリエーションで活用している施設もあるので、PALROの活用方法については、もっともっと研究が必要だと思っています。ただ、レクリエーションやコミュニケーションのサポートで使用するだけでなく、PALROと関わりをもったことによってお客様の身体状況に変化があったかなど、もう1歩専門的な分析をしていくことが今後の課題ですね。話を聞くモードのPALRO介護ロボットを利用し、介護の質をあげていく―――普通に利用するフェーズから質をあげていくフェーズに?原嶋氏:富士ソフト㈱でも介護ロボットの効果検証をされていますが、そもそも介護ロボットの定義自体曖昧なのが課題であると思います。特にコミュニケーションロボットに関しては、いわゆる「笑顔が増えた」などのふわっとした表現でしか実証されていないというところがあるんです。―――他の施設では違う介護ロボットも導入していらっしゃるとのことですが? 原嶋氏: 現在弊社の介護施設で導入している介護ロボットは、PALROとマッスルスーツですが、他の介護ロボットも、費用対効果も踏まえた検証を続けています。―――使うにあたり、介護職員の方から使ってよかった、業務が楽になったという話はありましたか? 小倉氏: はい、PALRO1台で何名かのお客様がコミュニケーションをとっていれば、そこに関わっていた職員はその様子を見守りながら他の業務に時間が使えますよね。そういった点から導入してよかったという声がありました。―――体感的に、介護ロボット市場は拡大してきていますか? 原嶋氏: すごく増えていると思います。3年程前は、インターネットで「介護ロボット」と検索した際、情報量が少なかった記憶があります。例えば、離床センサーを製作している会社も、検索結果に数社しかありませんでしたが、今は、選ぶのが大変なくらい製品があります。電化製品と一緒で、3年前に比べて機能も向上しているということは今後も向上していくのではないかと思っています。 ―――介護ロボット導入について悩んでいらっしゃる他施設様に向けてメッセージをいただけますか? 原嶋氏: 介護業界で働くことを志す人は、何か役に立ちたいと思っている方が多いと思うんです。そこにロボットが入ることによって、自分たちの業務が奪われてしまう、無機質、冷たい感じがするなどという印象を持っている方も多いと思います。実際に介護ロボットの導入に関わり感じたのが、介護ロボットに全部を任せるのではなく、職員がなかなか手の届かないところを介護ロボットにサポートしてもらうことで、職員はお客様と向かう時間を多く持てる。このことは、お客様にとって、とても良いことではないかと思っています。例えば、前に立って自分がやらない代わりにお客様の横について、「PALROが右腕挙げてって言ったらこのようにするんですよ」と言って一緒に動いたり、お客様の動きの様子を見たりすることができます。自分が緊張しながらレクリエーションや体操していると、なかなか気持ちに余裕がなく、お客様の細かい様子まで目が届かない時はあるとおもいます。本来の業務をするための一助となるような使い方をすることが望ましいのかなと思っています。小倉氏:PALROに興味があるお客様や、事業所の方のお問い合わせ・見学も随時承っております!レオパレス21グループの介護サービス施設「あずみ苑」への問い合わせはこちらから 編集部まとめ 編集部取材中に通りかかった高齢者様数人もPALROに興味津々で、「あら、かわいい」「照れているわ」とコミュニケーションをとっていました。IT社会に突入しスマートフォンが当たり前の時代、自然と「高齢者=メカが苦手or嫌い」というレッテルを貼りがちですが、実は介護ロボットは高齢者の興味をそそるツールのひとつなのかもしれません。 関連記事:人工筋肉で介護の腰痛問題を解決!マッスルスーツ| 株式会社イノフィス関連記事:ケアプラン改善にも!次世代マット式見守りシステム「眠りSCAN」|パラマウントベッド株式会社

【体験レポ】大和ハウスの介護ロボット展示場「D’s TETOTE」に行ってみた!【前編】

【体験レポ】大和ハウスの介護ロボット展示場「D’s TETOTE」に行ってみた!【前編】

あの大和ハウスが、ロボット事業を展開しているのをご存知ですか?少子化と高齢化という2つの問題を前にして、大和ハウスが着手しているのがロボット事業です。取り扱う介護ロボットは、装着型のロボットスーツ「HAL®」やアザラシ型のメンタルコミットロボット「パロ」など多岐にわたります。そんな介護ロボットを展示しているショールームが、大和ハウス工業東京本社にあります。「介護ロボットに興味はあるけど、なかなか触れる機会がない」「一度体験してみたい」「どんな介護ロボットがあるのか知りたい」そんな思いを抱えている人は、ぜひ大和ハウスの介護福祉機器を展示している「D’s TETOTE」に行ってみましょう。今回は、介護ロボットONLINE編集部が「D’s TETOTE」に行ってみた感想をレポートします! どこにある?今回伺った介護福祉機器展示場「D’s TETOTE」は、大和ハウス工業 東京本社1階にあります。JR水道橋駅から徒歩2分程度にある本社ビルを入ると、すぐ左手にガラス張りの部屋が見えました。ここが、介護ロボットのショールーム「D’s TETOTE」です。入り口には「ご自由にお入りください」の文字が。心配な人は事前に予約しておこう。最近では、アジアやヨーロッパなど海外からの見学者も多いとか。今回は特別に、ロボット事業推進室グループ長 新倉氏にショールームを案内してもらいました。ロボット事業推進室 グループ長 新倉氏何が見られる?「D’s TETOTE」では、大和ハウスが取り扱う介護ロボットが随時展示されています。展示されるロボットは日によって変わる場合があるので、目当ての介護ロボットがある人は事前に確認しておくと良いでしょう。今回展示されていたロボットは以下の通りです。 会社名  ロボット名 プールス株式会社 除菌タオルディスペンサー Purus(プールス) 株式会社知能システム メンタルコミットロボット PARO(パロ) CYBERDYNE株式会社 HAL®福祉用下肢タイプ(ハル) 株式会社エヌウィック 自動排泄処理ロボット マインレット爽(さわやか) ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社 会話支援装置 comuoon®(コミューン) 大和ハウス工業株式会社 狭小空間点検ロボット moogle(モーグル) キング通信工業株式会社 見守り支援ロボット シルエット見守りセンサ 株式会社TESS ペダル付き車いす COGY(コギー) 株式会社モリトー 免荷式リフト POPO(ポポ) 介護ロボットを見学&体験!ロボットの中には、実際に体験できるものもいくつかあります。さっそく編集部も体験させてもらいました!1.除菌タオルディスペンサー Purus(プールス)ひとつめは「Purus(プールス)」という自動おしぼり製造機。本体の中に除菌液とおしぼりのもととなる専用のロール紙が入っており、好みのおしぼりの長さや厚さを設定することが可能です。一見介護とは関係なさそうに思えますが、標準的なおしぼりより大きなおしぼりを作ることができるので、お手拭きや身体を拭く清拭(せいしき)などに利用されています。2.メンタルコミットロボット PARO(パロ)コミュニケーションロボットとして国内外で有名なPARO(パロ)。アメリカでは、認知症の方への医療機器として登録されています。体中にセンサーが搭載されており、撫でると動物と同じような反応を返してくれます。実際に触ったり抱っこしたりすると、見た目以上に高性能であることが容易に見て取れます。ぬいぐるみのような可愛らしさだけでなく、本物の動物のようなリアルさ、反応の多様さに驚きました。抱っこすると目を閉じて寝てしまうPARO(パロ)新倉氏は、「PARO(パロ)は言葉は発しませんが、撫でるだけで血圧が安定するなど、アニマルセラピーと同じような効果が期待できます」と説明します。利用者がPARO(パロ)に関わっている間の時間を有効活用することで、職員の負担軽減だけでなく、より質の高いケアを実現することもできそうです。3.ロボットスーツ HAL®(ハル)ロボット事業推進室の原点となった、HAL®福祉用(下肢タイプ)CYBERDYNE社のロボットスーツHAL®(ハル)。画像のHAL®福祉用(下肢タイプ)は、装着者自身の脚での歩行や立ち座りのトレーニングをアシストするロボットスーツです。立ち座りや歩行動作に不自由を感じる人でも、HAL®を使った運動を通じて身体機能を改善することができます。住宅だけでなく、医療機関や介護福祉施設の建築数でもトップクラスの大和ハウス。新倉氏は、「介護施設という建物の建築だけでなく、その建物で生活している方や業務に従事している方々へお役に立てる事はだろうかとスタートしたのがロボット事業です。HAL®のような商品を取り扱うことで、必要とされる方のお役に立て、オンリーワンの施設になるお手伝いもできると考えています」と話します。今回は、腰痛リスク軽減を目的としたHAL®介護支援用(腰タイプ)を装着してみました。HAL®介護支援用(腰)は、腰部負荷を低減して腰痛リスクを軽減してくれる本体重量は約3kgだが、装着してみるとあまり重さは気にならない腰とお腹まわり、大腿部へ合計4本のベルトをしめたら装着完了です。実際には皮膚にセンサーを貼り付け、そこから生体電位信号を読み取ることで意思に従った動作を補助してくれます。4.自動排泄処理ロボット マインレット爽マインレット爽(さわやか)は全自動排泄ロボットです。専用カバーに包まれたカップの中にシャワートイレや陰部洗浄機能がついているため、いつでも清潔な状態が保てます。フィルターを通して空気を循環、除湿しているので、ニオイも気になりません。5.会話支援装置 comuoon(コミューン)comuoon(コミューン)は、難聴者の方向けの卓上型会話支援装置です。本体正面から約30度の範囲内にいる人へ音の明瞭度・指向性・レスポンスの良さにより、話し手の声を聞こえやすくしてくれます。医療・介護施設はもちろん金融機関等のカウンターや調剤薬局にも多く導入されています。実際に聞いてみると、声が少し大きめに聞こえるのが分かります。新倉氏は、「健常な方だと音がちょっと大きくなっただけと感じるかもしれませんが、高齢による難聴や70デシベル程度の中等度難聴者の方であれば効果は実証済み、補聴器装着者や人工内耳でも高い改善効果が期待できます」と説明します。6.見守り支援ロボット シルエット見守りセンサセンサが検知している情報を手前のタブレットで見ることができるシルエット見守りセンサは、シルエットで利用者の動きを判断することで、プライバシーに配慮しつつ危険を事前に通知してくれる見守り支援ロボットです。新倉氏は「無線環境で使用でき、電源を確保すればどこでも持ち運びできるのも魅力です」と説明します。展示場では、タブレットの表示画面を見ることもできます。関連記事:離床はもちろんはみ出しも!人の動きを検知する「シルエット見守りセンサ」|キング通信工業株式会社7.足こぎ車いす COGY(コギー)COGY(コギー)はペダル付きの足こぎ車いすです。足こぎですが、一方の足で漕ぎ出すともう一方の足が動くという反射の機能を応用することで、軽度から重度の片麻痺の人の操作も可能にしています。左足を踏み出すと右足が反射で動き、前に進む。操縦も左手のみで行う現在は全国で約6000台、主に事福祉用具貸与事業者からの在宅レンタルや病院・介護施設のリハビリスペースなどで使われています。新倉氏は「脳梗塞や脳卒中で片麻痺になられた方が外に出る喜びを感じていただいたり、運動量をあげていただくためにも有効」と説明します。実際に操作してみると、漕ぎ出しの軽さを実感します。左手だけの操縦も想像より簡単で、すぐ覚えられました。8.免荷式リフト POPO(ポポ)免荷式リフトのPOPO(ポポ)は、リフト機能で立ち上がりを支援したり、免荷機能で歩行時の負担を軽減してくれる介護ロボットです。利用者は身体にハーネスを装着し、リフトで持上げられながら立ち上がります。ハーネスは腰と大腿部に取り付ける。操作は上げ下げの2つだけだ歩行時も自分の体重を免荷してくれるため、膝が痛いケースや手術後の早期トレーニングにも適用できます。また、免荷機能により床から足が離れても転倒しないため、転倒恐怖症を持つ高齢者の方も安心して歩行訓練ができます。「膝を落としてみてください」の指示に恐る恐る下半身の力を抜く。足を離してもハーネスがしっかり身体を支えてくれた以上が、今回見学できた介護ロボットでした。画像で見たことはあっても実際に目にしたことがなかったものばかりで、非常に新鮮でした。PARO(パロ)やcomuoon(コミューン)、POPO(ポポ)は、体験してみないと分からない魅力があります。言葉の説明だけでなく、実感として介護ロボットの良さを感じてみたいという人にとって、有意義な時間が過ごせること間違いなしです。予約不要。誰でも入場可能介護福祉機器を展示する「D’s TETOTE」は大和ハウス工業 東京本社1階にあり、誰でも入場可能です。ただし、展示されている介護ロボットが入れ替わる可能性があるため、心配な人は事前に予約しておくと良いでしょう。予約は 大和ハウス工業のロボット事業ページ からできます。 後編 では、大和ハウスの介護ロボットにかける想いを伺います!後編を読む→ 【インタビュー】なぜ大和ハウスが介護ロボットを?「D’s TETOTE」で聞いてみた【後編】 編集部まとめロボット事業の今後の展開への質問に対して、「2025年問題を前にして、まだまだ暗中模索している最中だ」という率直な言葉が印象的でした。介護ロボットはあくまで「世の中を良くする」手段であり、目的ではないことを強調する新倉氏のインタビューからは、介護ロボットの課題よりもむしろ可能性を感じます。介護ロボットに興味のある人もない人も、一度実物を触って体験してみることで、介護ロボットはもちろん介護そのものについても理解が深まるのではないでしょうか。 『CYBERDYNE』、『ROBOT SUIT』、『ロボットスーツ』、 『ROBOT SUIT HAL』、『ロボットスーツHAL』、『HAL』、 『Hybrid Assistive Limb』 は、CYBERDYNE株式会社の登録商標です。 「メンタルコミットロボット」は国立研究開発法人産業技術総合研究所の登録商標です。 「パロ」は株式会社知能システムの登録商標です。 『マインレット』『MINELET』は株式会社エヌウィックの登録商標です。 『POPO』『ポポ』は株式会社モリトーの登録商標です。 『comuoon』はユニバーサル・サウンドデザイン株式会社の登録商標です。 『プールス』『Purus』はプールス株式会社の登録商標です。 『COGY』『コギー』は株式会社TESSの登録商標です。

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