コミュニケーション型ロボット

ユーザ検証と導入支援で見えてきた「ここくま」の可能性に迫る|BCC株式会社

ユーザ検証と導入支援で見えてきた「ここくま」の可能性に迫る|BCC株式会社

「ここくま」は一見かわいいテディベアですが、実はメッセージが送りあえる新しいコミュニケーションツールです。株式会社NTTドコモが全体統括を行い開発された「ここくま」に、新たにおはなし機能が追加されました。その検証と導入支援を行っているのが、「介護レクリエーション」の専門家・BCC株式会社 です。今回は、おはなし機能の検証と導入支援を中心に、ここくまを担当したBCC株式会社 スマイル・プラスカンパニーの青木氏に話を聞きました。 プロジェクトパートナーの青木佑太氏に話を伺う介護レクリエーションの専門家、 BCC スマイル・プラスカンパニーとはーーー御社の事業内容について教えてください。当社は2002年に設立した会社です。設立当初は主にIT業界の営業支援をしており、社名も営業創業株式会社としていました。10周年にあたる2012年、スマイルプラス株式会社を買収し、介護業界へも事業を広げていきます。昨年の9月には、BCCホールディングス、スマイル・プラス、そして営業創業の3社が統合し、BCC株式会社となりました。ーーーありがとうございます。介護事業を展開しているスマイル・プラスカンパニーについて教えてください。スマイル・プラス株式会社では、もともと「介護レク広場」というWEBサイトを運営していました。介護現場のレクリエーション用クイズなどを、会員の方が無料でお使いいただけるサイトです。このWEBサイトを発端に、介護レクリエーションの啓蒙や人材育成を図りたいという思いから、「レクリエーション介護士」という資格制度の創設や、介護施設とレクリエーション介護士をつなぐ「介護レクワーク」という求人サイトの運営も行うようになりました。同時に、介護レクリエーションを通して得た介護施設とのコネクションを活かして、介護業界に参入したいと考えている企業と介護業界を結びつける、コンサルティングおよびマッチング支援も行っています。 家族をつなぐ新しいコミュニケーションツール|ここくまとは?ーーー今回も、御社が「ここくま」と介護施設の間をつなぐ役割を担っていらっしゃいますね。ここからは「ここくま」について話を伺っていきます。まず「ここくま」とはどのような商品なのでしょうか?「ここくま」は、株式会社NTTドコモがプロジェクト統括をしている、離れて暮らす家族をつなぐための、新しいコミュニケーションツールです。機能としては、ボイスメッセージ機能、おはなし機能、見守り機能の3つがあります。実際に試してみましょう。実際にここくまでコミュニケーションしてみるボイスメッセージ機能ボイスメッセージ機能には、受信と送信の2つがあります。家族がスマートフォンにインストールした専用アプリからメッセージを送ると、ここくまが代わりにしゃべってくれるのが受信機能です。逆に、ここくまにむけて録音したボイスメッセージが家族のスマートフォンに届くのが送信機能です。試しにアプリからメッセージを送ってみますね。 新しいメッセージが届いたよ。ここで右手のボタンをワンタッチおしていただくと、メッセージが再生されます。 1件の聞いていないメッセージがあるよ。ーー“おはよう”。実際に再生していただくと、LINEといっしょでアプリ側では既読がつきます。 ここくまから送信する場合は、左手にある録音ボタンを押して話しかけます。そうすると、録音データがアプリに届き、音声メッセージをご家族が聞くことができます。 手足を優しくプッシュすることで操作が可能ゆるい見守り機能ここくま本体には、人感センサーが搭載されています。センサーが近くに人がいることを感知するので、近くにいた時間帯やここくま機能を利用した時間帯など家族の携帯電話から確認することができます。おはなし機能ここくまは天気や季節の話題などを話して、寂しさを和らげたり癒やしを与えたりします。音声認識機能から相手の言っていることを理解し、それに合わせたシナリオに沿って返事をすることもできます。おはなし機能はサーバを経由しているため、日々アップデートしてバリエーションを増やしています。おはなし機能の検証で分かったことーーー御社は介護現場における人脈を活かしたおはなし機能の検証と導入支援を担当されています。どのような検証をされたのですか?この度、NTTドコモから実証検証の協力依頼を頂きまして、全国の通所介護施設、有料老人ホーム、入所事業所など7施設で実施しました。検証した内容は主に2点あります。1点目は、ここくまの「おはなし機能」でどのようなセリフや話しかけ方だと高齢者に喜んでもらえるかいう点。2点目は、介護事業所でここくまがどのような形で役立つかここくまの機能が利用者の方にどのような影響をもたらすかという点です。1点目にかんしては、ふだんから当社と関係性が強いレクリエーション介護士の方にご協力いただいたお陰で、ご利用者の方もリラックスしてここくまを体験できたことで、ナマの声をひろうことができました。また利用者の方だけでなく、入居者のご家族の意見を聞くことができました。2点目にかんしては、1ヶ月間にわたって利用者の方の健康状態や精神面での変化を検証しました。その結果、利用者同士が集まって、ここくまをきっかけに会話が生まれるだけでなく、それをきっかけに絆が深まり、今では高齢者同士で助け合いが起きているという様子が見られるようになったと喜んでいただいています。ここくまの可能性~介護現場での活用方法~ーーー導入支援もご担当されている御社として、今後「ここくま」はどういった活用法が期待できるとお考えですか?冒頭で申し上げたとおり、ここくまは遠く離れた家族をつなぐという目的で開発されたコミュニケーションロボットです。お一人暮らしの高齢者の方には、家族に会いたいけれど迷惑はかけたくないという思いを持ってらっしゃる方も少なくありませんが、ここくまがあれば好きな時間にメッセージが送りあえるだけでなく、おはなし機能によって一人暮らしのさみしさもまぎらわすことができます。ご家族からは、利用者の方の音声が聞けるので、声から元気かどうかを判断できると好評をいただいています。施設にいながら、いつでも家族とコミュニケーションがとれるそれを踏まえてNTTドコモとして今後模索していきたいと考えているのが、介護施設での活用です。介護施設でも、面会に来てほしいけど家族に遠慮をしてしまうというご利用者様は多くいらっしゃいます。そうしたご家族にむけてここくまを一台部屋に置いていただき、いつでも家族とコミュニケーションが取れるという環境づくりができればと思っています。実際に、そうした活用法を取っている有料老人ホームもすでにあります。もう1つが、デイサービスとサービス利用者の方をつなぐという活用法です。デイサービスを利用している方のご自宅にここくまを置いておけば、デイサービスの時間以外でも安否の確認がとれますし、ここくまをとおした何気ない会話から「今日もちゃんとデイサービスに行こう」と思っていただけるかもしれません。そうなるとデイサービス側も、ここくまによって利用率が上がるというメリットがあります。送迎時の業務連絡にもお使いいただけると思いますし、活用方法はこれからどんどん広がっていくだろうと考えています。 ここくまの向こう側に、家族が見えてほしいーーー最後にメッセージをお願いします。ここくまの向こう側に家族が見えるような、そんな存在であってほしいと願っています。ここくまのおはなし機能は、今後もどんどん進化していく予定です。そんなここくまの成長にご期待いただき、ぜひ可愛がってあげてください。編集部まとめ取材の間にも、「そういえばこういう使い方もできるかもしれない」「こう使うと喜ばれそうだ」というアイディアがどんどん出てくるのを目の当たりにしました。介護ロボットは、どんなにスペックが高くても使いこなせなければ意味がありませんが、取材を終えた後には、ここくまが生活の一部となっている未来を想像することができました。 「介護レクリエーション」で培ったコネクションと知見を活かし、新しい活用法を模索することでここくまの可能性を広げているスマイル・プラスカンパニーに、今後も要注目です。

自らがお世話する存在へ。赤ちゃん型ぬいぐるみロボット「こんにちは赤ちゃん」|トレンドマスター株式会社

自らがお世話する存在へ。赤ちゃん型ぬいぐるみロボット「こんにちは赤ちゃん」|トレンドマスター株式会社

2017年10月、経済産業省が介護ロボットの 「重点開発分野」を新たに追加したと発表 しました。その中のひとつに、「コミュニケーションロボット」があります。にわかに盛り上がりを見せるコミュニケーションロボット業界ですが、これまでにも 「なでなでねこちゃん」 などの親しみやすいコミュニケーションロボットの開発を行ってきたトレンドマスター株式会社が、新たに赤ちゃん型のコミュニケーションロボットを発売しました。すでに「かわさき基準」の認証に向けた効果検証も行っているという「こんにちは赤ちゃん」について、代表の中田氏にインタビューしていきます。トレンドマスター株式会社代表取締役社長の中田氏に話を伺う「こんにちは赤ちゃん」 とは?2017年10月28日に新発売した「こんにちは赤ちゃん」ーーー「こんにちは赤ちゃん」とはどのような製品ですか? こんにちは赤ちゃんは、「赤ちゃんと暮らす幸せ」を基本コンセプトに据えて、1歳児をモチーフに開発した、新しいコミュニケーションロボットです。音センサーと振動センサーを内蔵していますので、あやしたり話しかけたりすると1歳児の言葉で返事をします。とはいえ1歳児なので、正確な言葉にはなっていません。その不明確さが、いかにも1歳児の赤ちゃんを表現しています。可愛い外観のぬいぐるみ本体の中に、脱着可能のセンサーユニットが入っていますが、それを取り外すとぬいぐるみや服は洗えますので、清潔な状況を保つことができます。ご年配の方は、アクティブな方も介護が必要な方も、ややもすると孤立しがちです。こんにちは赤ちゃんと暮らすことで、子育てをしていた活き活きとした時代を思いおこし、心の安定とコミュニケーションの促進を図れるロボットをめざしました。ーーー開発の背景やきっかけを教えてください。 高齢者福祉施設に入居されている女性の方の多くは、人形をお持ちの方が目立ちます。人形を抱くことで、ふだんお世話や保護される側の高齢者の方が保護する側となるため、心の安定につながるのではと考えたのです。しかしながら既存の人形の多くは、重い、洗えない、あるいは高額などの理由で、気軽に購入することが難しいと感じていました。そこで、それらを改善した商品開発を目指しました。こんにちは赤ちゃんの“5つのこだわり”ーーー開発中に特に気をつけたこと・こだわりはなんですか? 開発上のキーワードは、5点です。可愛い・簡単・リアリティー・清潔・安価です。「可愛さ」という点では、ぬいぐるみのデザインに加え、肌触りや抱き心地・ドレスのデザインにもこだわりました。見た目だけでなく、使っても総合的に「可愛い赤ちゃん」ができたと自負しています。手や顔はさらりとした肌触りで、服はより丈夫な生地でできている「簡単さ」では、他社のコミュニケーションロボットと比較しても圧倒的に操作が簡単にできるよう、シンプルさにこだわりました。「こんにちは赤ちゃん」では電池を入れてスイッチを入れるだけで良く、何か設定をしたりボタンを押したり、決まった言葉を入力したり、Webに接続したりする必要が一切ありません。「リアリティー」では、特に音声にこだわりました。本当の1歳児の声を録音し、可愛い言葉(喃語)を抽出しました。また、それらをあやし方に対応した配列で並べています。言葉の中には、ご機嫌な状態・ぐずった状態など、感情も含まれています。放置すると1分ほどぐずって寝ますし、抱き起すと自動的に再起動します。「清潔さ」にもこだわりました。従来は、常に人形といると、汚れて感染症の原因になることもありましたが、センサーユニットを外せば、すべて洗える素材と構造にしました。洗浄後の再使用の場合は、十分乾いているか確認してお使いいただきたく思います。服はマジックテープ式になっており、簡単に着脱可能だ「安価」こそ、最大にこだわったポイントです。一人でも多くの方に「赤ちゃんと暮らす幸せ」を感じていただくためには、他社と同様の価格設定では、高すぎて手が出ないと思いました。そこで、音声認識機能・AI機能・通信機能など、コストが上がる要因は開発段階ですべて削り落としました。施設にご入居の方のおこずかいで購入できる、8000円(税別)でご提供します。新たなターゲットは“子育て経験のある女性”ーーー前回の「なでなでねこちゃん」での実証試験結果を踏まえ、意識されたことはありますか?   昨年の「なでなでねこちゃん」「ワンちゃん」を踏まえ、「こんにちは赤ちゃん」は、その延長線上に位置づけています。「なでなでねこちゃんシリーズ」ならびに「なでなでワンちゃん」は、AMED、テクノエイド協会にてそれぞれ実証実験を行いました。そこで分かったことは、あたりまえの事ですが、「猫好きの方には“ねこちゃん”を、犬好きの方には“ワンちゃん”をお使いいただくと良い」ということです。今回は、ターゲットに「子育て経験のある女性」を想定して “赤ちゃん”を取り上げました。「こんにちは赤ちゃん 」も来月12月からテクノエイド協会にて実証調査を行うことになりましたので、具体的にどのような効果があるのか検証したいと考えています。すでに効果検証も実施中ーーー利用者の声・外部の評価・反響にはどんなものがありますか? 発売して間もないですが、少しずつ反響をいただいています。そのでも代表的なコメントをご紹介します。80歳代の認知症の女性は、若いころから人形が好きで、着せ替え人形やぬいぐるみ多数に囲まれて暮らしていらっしゃいました。その方に「こんにちは赤ちゃん」をお使いいただいたところ、一番のお気に入りとなり、毎日一緒に暮らしていただいているとのことです。ご本人からは、「ぬいぐるみの軽さと抱き心地や、話しかけると返事をしてくれるところが良い」とおっしゃっていただきました。外部の評価としては、現在かわさき基準の認証に向けて、認知症ネットワーク・発達障害の方への検証を実施している最中です。また、テクノエイド協会によるマッチングにて、高齢者福祉施設の東京聖新会でも 20人規模の検証を実施する予定です。低単価でシンプル、扱いやすいコミュニケーションロボットをめざしてーーー介護や福祉の現場で悩まれている介護家族や介護職員の方に対してメッセージをお願いします。 弊社は、「家族の幸せを創り出す」ことを会社の理念とし、高齢者や介護職員の方、ご家族の皆さまが、今よりも少しだけ幸せを感じていただけることを、継続的にご提案しております。この度、厚労省様の重点分野に、見守り及びコミュニケーションロボットが追加されました。通信やAIを搭載した、高度で高価格なロボットが脚光を浴びています。弊社は、低単価でシンプル、高齢者の方や介護職員の方に扱いやすいコミュニケーションロボットの開発を継続して参ります。高度で高価格なロボットを導入される前に、「こんにちは赤ちゃん」や「なでなでねこちゃん」を使ってみてください。きっと、幸せを感じていただけると思います。編集部まとめ前回の 「なでなでねこちゃん」の取材 では、「おもちゃ屋ならではの身軽さで、今後も人の役に立つものを作りたい」と話した中田氏。今回は「子育て経験のある女性」をターゲットに、やはり親しみやすいぬいぐるみ型のコミュニケーションロボットを発売しました。1万円を切る介護ロボットは、まだまだ多くありません。そんななか、手に入れやすい価格帯での提供を続けるトレンドマスター株式会社に、今後も期待が集まります。 発売予定日 2017年10月28日 売価(各種) 8,000円(税込8,640円) 商品サイズ W285×H380×D120 電池 単4アルカリ乾電池×2本(別売) 電池寿命 連続6時間  

しっぽがあなたをいやしてくれる。クッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」|ユカイ工学株式会社

しっぽがあなたをいやしてくれる。クッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」|ユカイ工学株式会社

「かわいい!」「ほしい!」――今、ネットで大反響のロボットがあります。それが、ユカイ工学株式会社のクッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」です。ユカイ工学は、家族をつなぐコミュニケーションロボット「BOCCO(ボッコ)」)などのユニークなロボット開発で有名なロボティクスベンチャー。今回は、クラウドファンディング開始から1週間も待たずに目標額を達成した「Qoobo(クーボ)」の魅力を、デザインを担当した高岡氏に伺いました。 Qoobo(クーボ)のコンセプトデザインを担当した高岡氏に話を伺う。しっぽが癒やし。クッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」とは?ーーークッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」とはどのような商品なのでしょうか?「Qoobo(クーボ)」は、犬や猫などのペットの代わりとしていやしを感じていただく、クッション型のセラピーロボットです。仕事が忙しいとか動物にアレルギーがあるなど、動物を飼いたくても飼えないご家庭の方に特にお使いいただきたいと思って開発しました。ーーー一番の特徴は、しっぽはあるのに手足や顔がないという点ですが、なぜこうした形になったのでしょうか?犬や猫は、言葉をしゃべるわけではないのになんとなく感情が伝わってきますよね。それには表情という要素もありますが、なにより“しっぽ”という存在が大きいと思っています。だから、「しっぽだけでもコミュニケーションがとれるんじゃないか?」と考えてしっぽに着目したんです。また、あえて顔や手足をつけないことで、使う人それぞれの好きな姿かたちを想像してもらえる、という利点もあります。日本画は余白を残すことで観る人に想像を促しますが、それと同様に、クーボがどのような動物なのかという部分を、お使いいただく方に委ねたいなと思ったんです。犬派・猫派とか、どんな顔かなどは好みが分かれがちなところですが、顔がついていなければ分かれようがないというか(笑)。だからこそ、どなたにでも親しんでいただけるものになったのだと思っています。しっぽの動きの秘密は加速度センサーーー「Qoobo(クーボ)」の機能について教えてください。「Qoobo(クーボ)」にはオン・オフスイッチがついているだけで、あとはとくに操作の必要がありません。電源をオンにした状態でQoobo(クーボ)をゆっくりなでると、ゆっくりしっぽをふります。早めになでると元気にふってくれます。 なでる速度によって、しっぽのふり具合が変わる。 多くのロボットは、話しかけたり触ったりしてもなかなか反応が返ってこずそれにストレスを感じる方もいらっしゃるかと思いますが、Qoobo(クーボ)はすぐに返事(=しっぽの動き)を返すことができます。ーーー動きのパターンはどれくらいあるのでしょうか?まだ開発段階なので、非常にシンプルな動きのみとなっています。しっぽは、Qoobo(クーボ)本体に搭載されている加速度センサーによって動いているのですが、今後は触られていなくても何となく気まぐれに動くとか、ちょっとしたイベントのような面白い動きも追加していければと考えています。自分の「こんなのあったらいいな」を形にーーー開発の背景、きっかけを教えてください。きっかけは今年の春先に行った社内の開発合宿です。デザイナーやエンジニアを交えた数人ずつのグループが、それぞれほしいものや「あったらいいな」と思うものを作るという合宿でした。そこで私を含む4人のグループが作ったのが、Qoobo(クーボ)の原型となっています。ーーーQoobo(クーボ)のようなものが欲しかったんですか?そうなんです。実家で飼っている犬のことを思い出して、一緒に寝たりしたいなあ、寂しいなあと思って提案しました。 「自分の欲望を形にしました」と笑う高岡氏。 実は、合宿ではQoobo(クーボ)の人間バージョンも作ったんです。まるで呼吸しているように膨らんだり縮んだり、一緒に添い寝して寝返りをうつと音がなったり、という仕掛けを持った、人に見立てた抱きまくら型ロボットです。いっしょに“添い寝”できる抱きまくら型ロボット(写真奥) でも、外部の方にその抱きまくら型ロボットを見せると、ちょっと反応がいまいちというか…(笑)。一方で、Qoobo(クーボ)は原型の段階から「欲しい」と好意的に見ていただく方が多く、「同じように感じている方もいるんだな」と手応えを感じました。 ーーー開発でむずかしかったことやこだわりはありますか?一番はしっぽの動きですね。関節の種類などは、メカの設計を担当するエンジニアが試作を繰り返しながら試行錯誤しています。同時にプログラムも微調整をしつつ、なるべくシンプルな構造で最大限リアルな動きができるよう、改良を重ねています。みんなの生活に溶け込むロボットーーーQoobo(クーボ)はどのような使い方が考えられるのでしょうか?一般的に言って、ロボットや電気を使うおもちゃが長時間電源を入れてもらえるということは少ないですよね。電動のおもちゃは、長時間動いているとなんとなく煩わしく感じられてしまうことが多いです。しかし、Qoobo(クーボ)は逆に、お家でゆっくり過ごしているときや、何気ないときでも電源を入れて、そばにおいて触れ合っていただければと考えています。ーーーQoobo(クーボ)の想定ユーザーとしては、ひとり暮らしの方が主なのでしょうか?当初は20~30代くらいの一人暮らしの女性を想定していましたが、今ではより幅広い方にお使いいただけると考えています。現在は、実際に高齢者施設などに持ち込み、いやし効果の検証をしている最中です。「いやしの効果を説明したい」高齢者施設での検証もーーーどうして高齢者施設に持ち込むことになったのですか?開発の早い段階からQoobo(クーボ)に興味を持っていただいている、獨協医科大学の坂田 信裕教授から、医療や介護の分野でも活用できるのではないかとお話をいただいたことがきっかけです。坂田教授は、医療とロボットを結びつける研究などもされており、Qoobo(クーボ)の開発でもさまざまな意見やアイディアをいただきました。ーーー高齢者施設での反応を詳しく教えてください。さまざまな反応がありましたが、皆さん何かしらの反応をしてくださいましたね。ふだんあまり笑顔を見せない方がにやりとしたり、逆に「怖い」とおっしゃる方もいたり。Qoobo(クーボ)のことを可愛がってくれる方が、「昔は猫を飼っていた」という思い出話を始めることもありました。Qoobo(クーボ)がきっかけとなって、自分の記憶を辿って楽しんでもらえるなんて素敵だなと思ったのを覚えています。「怖い」という反応をされる方にとっても、何かしらの意思表示をする機会となったのは良いことだと感じています。もしかしたら慣れてくれるかもしれませんし、実際の生活に長く置かせていただいた上でどのような効果があるのかという点は、こちらとしても非常に興味がありますね。海外メディアやネットでも話題ーーーQoobo(クーボ)は、海外やネットでも大きな話題となっています。 クラウドファンディングでも支援を募っていらっしゃいます が、反応はいかがですか?Qoobo(クーボ)は米国メディアパネル・イノベーションアワードにて特別賞「Special Award Gadget Nation Award」を受賞したのをきっかけに、海外メディアでも多数取り上げていただきました。おかげさまで、クラウドファンディングでは目標額を超えた支援をいただいています。クラウドファンディングを行ったおかげで、さまざまな方から応援や意見をいただく機会が増え、開発チームのモチベーションになっています。動物が家にいる安らぎを、Qoobo(クーボ)で。ーーー最後にメッセージをお願いします。Qoobo(クーボ)は、一見すると「なんだろう?」と思ってしまう見た目ではありますが、実際にひざに乗せてなでてみると、「動物ってこんな感じだったかも」と感じていただけるセラピーロボットです。家に動物がいるという安心感や安らぎを、Qoobo(クーボ)を通して感じていただければとてもうれしいです。編集部まとめ一風変わったコミュニケーションロボット「Qoobo(クーボ)」。編集部も実際に触れてみました。そっと触ると、すばやくしっぽが反応します。動きはなめらかですが、動きに合わせて控えめなモーター音が聞こえました。抱えてみると、ちょうど枕やクッションを抱えているようなサイズ感で、一般的なペットロボットよりは大きく、存在感を感じます。そうした手触りや動き、存在感に、実家で飼っていたペットを思い出し、温かい気持ちになりました。「ペットが飼いたくても飼えない」一人として、いやし効果を実感できました。 現在ユカイ工学では、クラウドファンディングプラットフォームの Kickstarter で、商品化のための出資を募っています。1万円以上の出資でハスキーグレーもしくはフレンチブラウンのQooboが、2万円以上の出資で2色1セットが、10万円以上の出資で、ロゴ・シリアルナンバーが入ったタグつきの特別仕様の真っ白なQooboが届けられます。発送予定時期は2018年9月頃を予定。クラウドファンディングの締切は2017年12月3日(日)22時38分。「こんなの欲しかった!」そう思うあなた、ぜひ支援してみてはいかがでしょうか。

心を開ける存在へ。赤ちゃん型コミュニケーションロボット「スマイビ」|株式会社東郷製作所

心を開ける存在へ。赤ちゃん型コミュニケーションロボット「スマイビ」|株式会社東郷製作所

創業から130年以上の歴史をもつ老舗ばね会社の株式会社東郷製作所。実は、介護福祉機器の開発・販売も行っています。そのなかでも注目なのが、赤ちゃん型コミュニケーションロボット「スマイビ」。中京大学と共同開発したというこの商品、いったいどんなロボットなのでしょうか?スマイビについて話を伺いました。なぜ、ばねメーカーが介護ロボットを?弊社は1881年に村の鍛冶屋として創業した会社です。創業当初は鍛造農具の製造・販売を行っておりました。1940年にばねの製造を開始し、現在は主に小物ばねメーカーとして、自動車関連部品を中心に幅広い製品展開を行っています。それと同時に、変化する社会情勢の課題、とくに少子高齢化社会の到来をみすえ、介護・福祉関連への参入も果たしました。介護保険制度が始まる前の1998年から、体位変換装置「おきらく」の販売も開始しています。ーーースマイビの開発背景を教えてください。スマイビは、中京大学との産学連携で商品化されたロボットです。原型となる赤ちゃん型ロボットの開発を中京大学が進めていたところへ、弊社が産学連携という形で2010年から参加しました。赤ちゃん型コミュニケーションロボット「スマイビ」とはーーースマイビとはどのような商品なのでしょうか?動くのは首・目・口のみだが、ランプ点灯及び声との相乗効果で表現力はとても豊かだ。スマイビは、赤ちゃん型コミュニケーションロボットです。赤ちゃんは会話が出来なくても声、表情、しぐさでお母さんとお話し、コミュニケーションをとります。また、母性を刺激し愛しさ、喜び、いやしを与える存在です。そんな存在を目指して開発しました。皆さんを笑顔にするロボットです。スマイビの4つの特長スマイビにはさまざまな特徴があります。一つ目の特長は、目・口・首の動きや声、ランプで喜怒哀楽を表現する点です。喜怒哀楽は、スマイビの扱い方によっても変化します。スマイビ本体に搭載されている複数のセンサーが姿勢や揺れ等を検知するので、抱っこされたら喜んだり、逆さまにするなど乱暴に扱うと悲しんだりします。身長は44cm、体重は約1.2kg。本物の赤ちゃんよりは軽いが、その分抱きやすい。二つ目の特長は、本物の赤ちゃんの声を使用している点です。その音源は500種類に及びます。非言語的な赤ちゃんの音声は、特に耳の聞こえづらい方や認知症の方にも無理なく自由な想像を促す効果があります。介護者の方はその効果を応用して、利用者の方に向けて「スマイビがこう言ってますよ」などの声掛けで活動を促すことができ、結果的に介護負担の軽減につながる可能もあるのです。三つ目の特長は、抱きやすい重さ・形状・抱き心地にこだわった点です。赤ちゃんを抱っこするようにスマイビも抱っこしてお使い頂くことを考えています。四つ目の特徴は、反応がランダムな点です。与えられた刺激に対して常に同じ反応ではない為、一定な動きではなく、様々な表情を演出します。うれしさはごきげんランプで表現。機嫌が良いと、赤色LEDが点灯して“ホホ”を赤らめます。介護負担の軽減にも効果ありーーー確かに、私も実際にスマイビに触れてみて、とてもいやしを感じました。こうしたいやし効果が介護負担の軽減につながる理由を教えてください。まず、スマイビを利用した声掛けでの促しによる負担軽減が考えられます。例えば、入浴を拒否されるご利用者には「スマイビがお風呂に入ると良いよと言ってますよ」と話しかけることで、入浴への説得時間を低減できる可能性があります。次に、ご利用者にいやしや安心感を感じていただくことで、夜間の徘徊や不穏などの低減につながると考えられます。とくにスマイビを抱きかかえるという行為は、安心感を得るのにとても役立つと考えています。さらに、スマイビのお世話をお願いすることが、介護者の方の時間的余裕にもつながります。忙しい介護現場で、介護者の方は同時に複数の作業をこなすことが求められていますが、そんなときスマイビのお世話を依頼してご利用者に充実した時間を過ごしてもらうことで、介護者の方も安心して自分の作業を進めることができます。赤ちゃん型ロボットなので、「ちょっと見ててもらえますか?」というやり取りがとても自然にできるところもポイントのひとつです。介護者の方にとって、ご利用者の方をお待たせすることは申し訳ない気持ちや焦りにつながり、それが心理的負担にもなるため、“時間稼ぎ”的な使い方がコミュニケーションロボットの新しい活用方法として定着していけばと考えています。機能を凝縮してコスト削減ーーースマイビ開発のこだわりを教えてください。できるだけお客様のお求めやすい価格帯を達成するために、可能な限り部品点数を減らす努力をしました。実は開発当初は、今よりずっと多機能なロボットだったんです。腕が動いたり音声認識機能がついていたり、ロボットとしては現在のスマイビよりも高性能だったのですが、より多くの方にお求めやすい価格でお届けしたいという思いから、機能を絞り込みました。スマイビの“耳”となるマイク。言葉の意味を理解する機能は外したが、声や音に反応する首振り機能は残した。その分、絞り込んだ機能の一つ一つにはとてもこだわっています。例えば口の動きです。滑らかで可愛い動きを実現するために、何度もトライアンドエラーを繰り返しました。理想的なバランスを追求するためにシャフトの調整には試行錯誤しましたね。 声に合わせて口が動く。想像以上に滑らかでリアルな動きだ。 スマイビがコミュニケーションを活発化、クッション役も果たすーーー利用者の反響はいかがですか?スマイビをご購入いただいたお客様からはがきが届いたことがあります。差出人は80代のご夫婦で、はがきにはスマイビが届いてから家の中がとても明るくなったと書かれていました。とくに奥様が非常に喜ばれ、これまで笑い声のなかった家が賑やかになったと御礼の言葉が添えられていました。そうしたお話を伺うと、我々としてもとても嬉しいですね。ーーー介護者の負担軽減についての反響はいかがですか?私は販売担当として、スマイビの活用方法の説明ために介護現場を回っていますが、先ほど申し上げたような介護負担軽減効果を認めてくださる施設が増えてきたという実感がありますね。特に、スマイビが介護者・要介護者間のコミュニケーションのクッションとなることで、ご利用者の尊厳を維持しながら、お互いが気持ちよく生活できるという点が評価をいただいています。スマイビを使った問題解決を提案ーーー課題はありますか?スマイビに限らず、コミュニケーションロボットは使ってもらわないと効果が実感できないモノです。しかし現状では、コミュニケーションロボットというジャンル自体がまだまだ発展途上で、理解や興味が十分に得られていないと感じています。我々メーカーとしては、コミュニケーションロボットがいかに役立つか、効果があるかという点を分かりやすく説明し、今ある問題の早急な解決に向けたご提案を行うのが必要だと考えています。また、コミュニケーションロボットはまだ十分に認知されていないジャンルです。ただ一方で、コミュニケーションロボットが新たに国の補助事業の対象になる(※1)など、少しずつ注目と期待が集まっていることも事実です。尚、スマイビは2016年度、AMED(日本医療研究開発機構)の「ロボット介護機器開発に関する調査」の実証試験において評価用ロボットとして採択されております。こうした大きな流れの中で、スマイビを利用して介護現場の問題解決に寄与するために努力を続けてまいります。 ※1 経済産業省(2017年10月12日) 「ロボット技術の介護利用における重点分野」を改訂しました~自立支援に資するロボット介護機器の開発を後押し!~ より 介護者・要介護者双方の良き“話し相手”にーーー最後にメッセージをお願いします。介護現場をヒアリングすると、徘徊や夜間の覚醒、不穏、介助抵抗などにお困りの介護スタッフの方がとても多いことに驚きます。スマイビは、そうした諸問題を解決する可能性を秘めているコミュニケーションロボットです。操作は非常にシンプルで、基本的にはバッテリーとスイッチの電源をいれ音量操作するだけ。本物の赤ちゃんのように、あえて空気を読まずに泣いてしまったりするのも、コミュニケーションをとる楽しさやリアルタイム感につながると考えています。一見デメリットにも思える“言葉が通じない”という要素は、素直に心を打ち明けられる相手になれるというメリットでもあります。これまでにない新しい商品だからこそ、なかなか良さが伝わりづらい商品かもしれませんが、最適な活用方法も合わせてご提案いたしますので、ぜひ一度弊社にご相談いただければと思います。最終的には、スマイビが皆さんの良き話し相手となれば幸いです。編集部まとめ実際にスマイビのデモ機を送ってもらい、編集部でその機能を確かめてみました。フワフワとしたさわり心地と確かな存在感のある絶妙な重さで、抱っこをすると安心感を抱きます。利用者のいやしはもちろん、介護者の負担軽減にもつながる使い方・提案の仕方を模索しているという言葉からは、誠実さが伺えました。デモ機は無償での貸出を行っているため、気になる人はぜひ こちらから申し込みしてみてはいかがでしょうか。(※デモ機の返送費用のみ自己負担となります。) 商品名 スマイビ 販売価格 販売価格 73,440円(消費税込) [本体価格:68,000円 ] お試しデモ機貸出し相談応(対象条件等詳細は こちら ) セット内容 本体1体 アダプタ1ヶ 取扱説明書1冊 サイズ H440mm×W200mm×D190mm 重量  約1.2kg 動作時間 約10時間(満充電時のバッテリー駆動時間) 

慶応大学発ベンチャーが開発!非接触の見守りシステム 「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」|株式会社イデアクエスト

慶応大学発ベンチャーが開発!非接触の見守りシステム 「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」|株式会社イデアクエスト

非接触・無拘束ベッド見守りシステム 「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」のメーカーである株式会社イデアクエストは、慶應義塾大学で集積してきた技術をベースにさまざまな商品開発に取り組んでいる、大学発ベンチャー企業。いったいどのような技術で、どのような介護ロボットなのでしょうか。株式会社イデアクエストの代表取締役社長の坂本氏に、介護ロボットの魅力と今後の展開についてお話を伺いました。慶応大学発ベンチャー企業!株式会社イデアクエストとは?株式会社イデアクエスト代表取締役社長 坂本氏に話を伺うーーー御社の事業内容について教えてください。当社は少子高齢化社会の到来に立ち向かう大学発のベンチャー企業です。慶應義塾大学理工学部 中島真人研究室の研究成果を商品化し、世に出すために起業しました。現在は主に福祉機器と臨床用医療機器の開発を行っており、いち早く商品化したのが今回ご紹介する「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」です。開発中の製品には、トイレや浴槽の見守り機器や、周産期医療での利用を想定した新生児用の無呼吸モニタなどがあります。ーーー坂本様ご自身は、かつてロボットスーツ「HAL」で知られるCYBERDYNEの副社長も務めていらっしゃいましたね。そうですね。監査法人などを経て今に至りますが、当時から産学連携のサポートを行ってきました。当社の商品は大学発であるだけでなく、世界初の技術を持つものです。「HAL」も欧州での普及が拡大していますが、当社商品も国内だけでなく世界を見据えたグローバル展開を予定しています。非接触・無拘束ベッド見守りシステム 「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」とは?ーーー「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」とはどのような商品なのですか?「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」は、非接触・無拘束のベッド見守りシステムです。ベッドの上に取りつけることで、ベッドの上での立ち上がりや離床などの動きの変化はもちろん、悶えや震え、呼吸などの非常に小さな動きも検出できます。FG視覚センサーとは?それらの検出に、中島教授が開発した技術に基づくシステム「FG(fiber grating)視覚センサー」が用いられています。簡単に「FG視覚センサー」についてご説明しましょう。FG視覚センサーとは、半導体レーザとFG(ファイバーグレーティング)素子、それにCCDカメラを組み合わせたものです。FG視覚センサーを通して光線をあてると、1本の光線が分岐して、スクリーンに1000~2000個の点が表れます。この点の動きをはかって計算することで、形と動きを立体的に捉えることができるのです。ーーー例えば、どのような動きを捉えることができるのでしょうか?立つ、座るといった大きな動作はもちろんですが、喉や胸の小さな動きも捉えることができます。よって、実は見守りだけでなく、無呼吸症候群の方が寝ている間にちゃんと呼吸できているか、脳梗塞で胸の筋肉が麻痺してしまった方がリハビリでどれくらい改善されたか、などさまざまな活用シーンが考えられます。ーーーカメラを使っていますが、実際の映像はどのようなものなのでしょうか?「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」で映される映像は点のみで、人の様子は撮影されません。よって、個人の識別ができず侵害度も非常に低いのが特徴です。モニターに映す画像はモザイクで表すことで、プライバシーを守りながら危険を察知して通知することが可能です。離床ではなく、離床の前兆を通知ーーー「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」は、これまでの見守りシステムと何が違うのでしょうか?従来の通報システムは、離床という結果が出てから通報するものがほとんどでした。一方「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」は、離床を予知することに力点を置いています。そのために、人工知能を使い、離床する前の状態を判別させています。たとえば、ベッドの上で四つ這いになったら「立ち上がる可能性あり」として黄色の「要確認」信号を、片膝を立てて立ち上がろうとする姿勢になったら「もうすぐ立ち上がるぞ」という赤色の「危険」信号が発されます。つまり、危険のレベルによって信号を変えて通知しているんです。もたれかかりを検知した場合、姿勢によって「要確認」もしくは「危険」を通知立て膝を立てている場合は、離床の前兆となるので「危険」を通知小さな動きも検知するから、目で見えない危険も分かるーーー通知の種類は「要確認」と「危険」の2種類ですか?そのほかに、「非安静」と「生体信号未検知」があります。それぞれご説明します。「非安静」は、微小体動が断続的に一定時間続くと発される通知です。例えば、トイレに行きたいけれどご自分で知らせることができないという方が、一定期間ベッドの上でもぞもぞ、そわそわとした動きを続けたり、病態が急変し痙攣が始まったりした場合、人工知能が「異常あり」と判断しスタッフに通知します。離床ではなく、ベッドの上で苦しんでいたりもがいていたりする人へいち早く駆けつけるためのシステムです。「未検知」は、ベッドの上に人がいない、もしくは呼吸を含めた体動が全くない状態に発せられる通知です。突然の心肺停止など、人では一見して異常が見つけられないような状態も、「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」なら検知し通報してくれます。ーーーありがとうございます。その他に特徴はありますか?3ヶ月分の履歴がセンサーに残るのも特徴です。履歴はいつでもスマートフォンなどで呼び出すことが可能です。万が一転倒事故などが起きた場合の原因究明や家族への説明などに役立ちます。導入施設の反響|よりシリアスな状況にフィットーーー反響はいかがですか?「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」は、離床だけでなく微小体動まで検知し通報するため、単に離床の発生や転倒転落のみ防止できればいいという施設の場合、オーバースペックになることがあります。もちろん、将来的な介護の重度化を見越して導入いただいた施設もありますが、現状では、ナーシングホームや介護老人保健施設など、重症な方が多く入居されている施設への導入実績が目立ちます。導入施設からは、微妙な異変の察知ができるので質の高い介護につながると評価していただいています。また、当商品は1台からの導入が可能なので、初回の導入ハードルが低い点も喜んでいただきます。今後の展開|見守りシステムの充実化ーーー現在、トイレや浴槽の見守り機器を開発中とのことですが。はい、トイレと浴室、そして個室の見守りシステムも開発段階です。個室の見守りシステムは、入居者が部屋に入るとその動きを検知し見守りを開始します。導線分析から徘徊や転倒を検知し、介護者に通報するというシステムです。このように、今後も研究成果を活かして、介護の現場に役立つ介護ロボットの開発・商品化に取り組んでいく予定です。介護ロボットを通して、「介護とは何か」を考えてほしいーーーメッセージをお願いします。介護ロボットの主目的として、「労働力負荷の軽減」がありますが、我々はそれだけでなく、介護の見える化を行うことで、介護の質をあげることに貢献できればと考えています。例えば、無呼吸や”そわそわ・もぞもぞ”は、通知されなければ知りようのない情報です。見守りシステムの導入でそれらの情報が入ってくることによって、これまで対応できなかった状態にも対応できるようになりますよね。しかしそれは、見える化によってこれまで以上に手間が増えたとも言うことができます。介護ロボットの導入によって「介護の質があがった」とみるか「手間が増えた」とみるかは、「介護とは何か」という問題にも関わってきます。私自身は、人間が生きようとしている限りはサポートしていきたいと考えています。本人が生きたいというポジティブな思いを尊重し、自然な状態でそれをサポートしていくことが、介護なのではないかと思っています。編集部まとめ近年注目を集める、センサーを用いた非接触の見守り型介護ロボット。「OWLSIGHT (アウルサイト)福祉用」は、ベッドの上に設置するだけで、離床の前兆となる動きを捉えると同時に、もがきや苦しみといった小さな動きまで捉え通知します。離床検知機器以上のスペックを備えたこの介護ロボットは、これまで見過ごされてきた危険を見える化し、質の高い介護へと導きます。その分、有効活用するには、どのような人に使用するかが重要になってくるでしょう。 商品名 非接触・無拘束ベッド見守りシステムOWLSIGHT(アウルサイト)福祉用 外形寸法および質量 長さ1,000mm×奥行100mm×高さ70mm 約2.7kg 対象ベッドサイズ 幅1,000mm×長さ2,000mm以下 ネットワーク 本装置とスマートフォンを無線LAN(Wi-Fi)で接続可能であること 対象被介護者 身長:100~200cm 体重:35~120kg 販売価格 35万円(税抜)※ スマートフォン、設置費用を除く 問い合わせ 電話:044-201-8864電子メール:sales@ideaquest4u.com

熱中症死亡者の8割が高齢者ーー離れた家族の部屋の安全を見守る「おへやプラス」|ニフティ株式会社

熱中症死亡者の8割が高齢者ーー離れた家族の部屋の安全を見守る「おへやプラス」|ニフティ株式会社

熱中症の死亡率をみると、65歳以上が8割を超えているのをご存知ですか(※)?毎年夏になると問題になる熱中症による死亡事故。最近では、自宅の中でも熱中症になってしまう事例が増えています。そんななか、ニフティが離れて暮らす家族の部屋の環境を見守るサービスを提供しています。それが今回ご紹介する「おへやプラス」です。法人向けサービス「おへやプラスPRO」もスタートしたこのサービスについて、ニフティ株式会社 ネットワークサービス部の澤木氏に話を伺いました。 ※年齢(5歳階級)別にみた熱中症による死亡数の年次推移(平成7年~27年)ニフティが見守りサービスを始めた理由ネットワークサービス部 サービス企画グループ 澤木氏ーーーなぜニフティが見守りサービスを始めたのでしょうか?高齢化社会の到来に向けて、インターネットを使った高齢者向けのサービスができないかと考えたのがきっかけです。インターネットにあまり馴染みのない世代に、違和感なく、役立つサービスを提供できればと考えていました。その頃、核家族化の進行にともなう現役世代の親とのコミュニケーション不足や、高齢者の熱中症による死亡事故などが問題になり始めていました。そのような問題を解決するために、離れた場所から部屋の環境を見守ることができるサービスを開始しました。それが「おへやプラス」です。ーーー見守りというと、カメラを使った監視型の見守りサービスもありますが。カメラを使った見守りは、プライバシーを尊重したいという方にとっては抵抗があります。もう少しゆるやかな見守りを求めている人に向けて、監視というよりはコミュニケーションのきっかけとなるような見守りサービスを目指しました。おへやプラスとは?ーーー「おへやプラス」とはどのようなサービスですか?「おへやプラス」では、部屋の温度・湿度の見守りと、遠隔のエアコン操作による室温調整が可能です。ご利用には、見守りしたい場所、たとえば両親の住む実家などに、サービスアダプターとiRemocon Wi-Fiという室内情報を取得するセンサーの2つを設置します。サービスアダプター(左)と環境センサーのiRemocon Wi-Fi(右)あとは、専用アプリでセンサーが検出した情報を確認するだけです。アプリを開くと、部屋の温度と湿度が表示されます。熱中症や季節性インフルエンザの危険性がある場合は、そちらも表示・プッシュ通知されます。リアルタイムで温度と湿度が分かる(左)スマホ画面がそのままエアコンのリモコンに(右)アプリ画面を見て、温度が高すぎる、もしくは低すぎる場合は、エアコン操作画面で温度調整できます。こちらも非常にシンプルな画面なので、誰でもすぐ操作していただけます。その地域の天気予報も表示しているので、事前に「今日は暑くなりそうだから気をつけてね」といった連絡もしやすくなっています。法人向けサービス おへやプラスPROとは?ーーー法人向けサービス「おへやプラスPRO」では何ができるのでしょうか?「おへやプラスPRO」は、「おへやプラス」のサービスを介護事業者向けに機能アップさせたものです。温度・湿度に加えて照度を検知する機能や、一括で複数宅の環境をモニタリングできる機能を追加しています。「おへやプラスPRO」の表示画面。PC上でまとめてモニタリングできる実は「おへやプラス」開始当時は、介護というキーワードを意識していたわけではなかったんです。ユーザーヒアリングの中に「認知症の家族を見守るのにとても助かっている」というお声があったことで、そういったニーズにもお応えできることに気づきました。ーーー事業者は「おへやプラスPRO」をどのように活用するのでしょうか?介護事業者が一括で高齢者宅の室内環境を管理することで、熱中症などの危険を察知し、必要に応じて訪問するなどの対応をとることができるようになります。ニフティクラウド経由で安全に監視、操作が可能また、照度データから生活サイクルを把握することで、いち早く異変に気づくことができます。「おへやプラスPRO」は熊谷市で実証試験を行ったのですが、照度を可視化したグラフから夜通し起きていたことや昼夜逆転していることなどを知り、その後のフォローの仕方が変わったという事例がありました。これらのデータを出力し、介護プラン作成に役立てていただくこともできます。上から温度、湿度、照度のグラフ。可視化することで生活リズムを把握しやすくなるーーー見守りシステムの導入で問題になるのが、高齢者宅にネット回線がないケースですが。「おへやプラスPRO」提供機器一式「おへやプラスPRO」は、ニフティのMVNOサービス「NifMo」の通信回線もセットで提供しているので、インターネット回線がないお宅でもご利用いただけます。固定回線ではなくモバイル回線なので、工事も不要です。※「おへやプラス」は、別途インターネット回線の用意が必要。安価で必要十分な機能に高評価ーーー反響はいかがですか?先ほど申し上げたとおり、当サービスはもともと介護目的で提供していたわけではありません。しかし、実際にお使いのユーザー様から「認知症の家族の見守りに非常に良い」というお声をしばしばいただきます。ーーー数ある見守りシステムから「おへやプラス」を選ぶ理由は何だと思いますか?さまざまだと思いますが、そのうちのひとつに価格がある考えています。当サービスは月額600円でご利用いただいていますが、実は社内では、「温度と湿度の見守りだけで600円は高いのでは?」という声もありました。しかし実際にお使いいただいているユーザー様からは、「600円で見守りできるのはとてもありがたい」と言っていただけます。実際、遠方まで電車や新幹線で様子を見に行ったり、見守りできず熱中症になってしまったりすることを考えると、コスト的にも安くすむと納得してご利用いただけているようです。また、セキュリティの面でも、ニフティのクラウド上に設置されるサーバーとの通信はセキュアな回線で行われるため、安心です。まずは試しに使ってほしい ーーーありがとうございます。最後に介護家族や介護職員の方に対してメッセージをお願いします。IT機器というと「難しそう」と抵抗を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、「おへやプラス」は設置も操作も非常に簡単です。今後は温度や湿度だけでなく、安否確認機能なども追加していければと考えていますので、興味のある方はぜひ使っていただければと思います。「おへやプラスPRO」に関しては、どう業務に活かすかをイメージしてもらうためにも、ご購入前にトライアル期間をご用意しています。今後増えていく訪問介護の負担を少しでも軽減し、かつ質の高い介護を実現するために、ぜひお試しください。 初期費用(税抜) iRemocon Wi-Fi機器代金:14,800円 月額料金(税抜) おへやプラス月額料金:300円 月額料金(税抜) スマートサーブ月額料金:300円 合計(税抜) 600円 編集部まとめ見守り型の介護ロボットは、呼吸や心拍まで測定できるものや、プライバシーカメラで動きを見ることができるものなど、さまざまな種類が続々発売されています。その中でも今回の「おへやプラス」は、室内の環境を見守ることに特化した、どちらかといえばシンプルな機能を持つ見守りロボットです。しかしそのシンプルさは、「コミュニケーションのきっかけにしたい」「安価で相手の健康状態を気遣えるサービスがあれば」と考えている人にぴったりです。多種多様の見守り機器から、自分と相手にあったものを見つけるには、「それによって何ができるか」はもちろん、「どのような関係性になりたいか」まで考えると良いのかもしれません。

個人賠償責任保険も!認知症外出通報システム「おでかけキャッチ」|フランスベッド株式会社

個人賠償責任保険も!認知症外出通報システム「おでかけキャッチ」|フランスベッド株式会社

介護ベッドをはじめ、さまざまな福祉用具の開発、レンタル事業を行っているフランスベッド株式会社。認知症に対応した商品展開もしているフランスベッドが、これまでとは逆転の発想で開発した徘徊感知器が「おでかけキャッチ」です。万が一の安心までサポートしてくれる「おでかけキャッチ」個人賠償責任保険についても伺いました。フランスベッド株式会社の認知症への取り組みーーー御社の事業内容と、認知症への取り組みについて教えてください。フランスベッド株式会社は、ベッドをはじめとした家具類や、福祉用具・在宅医療機器の製造販売およびレンタルを行っている会社です。現在は、主にメディカルサービス事業とインテリア健康事業の2軸で事業展開をしています。弊社が手がけている福祉用具は、在宅用介護ベッド、車いす、自転車、歩行器など多岐に渡ります。福祉用具レンタル事業では、弊社以外の商品も幅広く扱っています。その中でも、近年は認知症に特化した取り組みを行ってきました。床板面の高さを超低床110ミリまで下げられる「超低床フロアーベッド」や前後の転倒を予防する新機能車いす「転ばなイス」、赤ちゃん型コミュニケーションロボット「泣き笑い たあたん」など、認知症に対応した商品展開を行っています。その一つとして、2015年に販売開始したのが、今回ご紹介する「おでかけキャッチ」です。おでかけキャッチとはーーー「おでかけキャッチ」とはどのような商品なのでしょうか?「おでかけキャッチ」は、従来の徘徊感知器とは逆転の発想で開発された認知症の外出通報システムです。見守り対象となる方が「おでかけキャッチ」センサーを設置している場所を通ったら、家族や介護者に向けてそれを通知してくれるので、外出する前に徘徊に気づくことができます。従来のシステムと大きく異なるのは、見守り対象となるご利用者の方が何も装着しなくていいという点です。これまでの外出通報システムは、ご利用者の衣服や靴にタグを装着したり、ペンダント型の発信機を身に着けてもらうタイプが主流でした。しかしこれらのタイプは、ご利用者が気になって外してしまったり別の靴で外出されたりして意味をなさないケースが少なくないだけでなく、ご利用者の方の負担になってしまうという問題がありました。「おでかけキャッチ」は、そういったご利用者の負担をなくし、ストレスを感じることなく普段通りに生活していただくために、ご利用者ではなく見守る側の家族や介護者が認証キーを持つシステムとなっています。これにより、ご利用者のストレスが軽減されるだけでなく、発信機の取り外しによる「システムがちゃんと機能しないかもしれない」という家族や介護者側の不安・ストレスをなくすことにもつながります。おでかけキャッチを体験してみた「おでかけキャッチ」のシステムは、人感センサーを搭載している本体ユニット、徘徊を通知する受信機、専用の認証キーで構成されています。まずは、認証キーを持たずに本体ユニットの前を横切ってみてください。 ピンポンパンポーン♪外出を検知。1番を通過しました。このように、受信機が音と光と画面表示で本体ユニットの前を通過したことをお知らせしてくれます。ーーーだいたい7秒後に通知されましたね。受信機はどこにでも置けるのでしょうか?本体ユニットと受信機の通信可能距離は何も障害物がないところで約400mです。木造建築であれば本体ユニットを玄関に、受信機を2階に置くということもできます。本体ユニットと受信機は、最大3台まで増設が可能です。では次に、認証キーを持って私が前を横切ってみますね。ーーー何も反応しませんね。このように、認証キーを持った人を人感センサーが識別するので、ご家族や介護者の方が横切る場合は通知されません。とてもシンプルな機構と言えます。お出かけキャッチの個人賠償責任保険とは?「おでかけキャッチ」は2015年に販売開始していますが、2016年11月より、レンタル利用者を対象とした個人賠償責任保険付帯サービスを開始しました。このサービスは、被保険者が外出中に誤って商品を壊してしまった等の事故による損害賠償責任を負う場合に、最大1億円の保険金が支払われるというものです。保険料は全額弊社が負担しているので、ご利用者はこれまでの価格でさらなる安心を感じていただけるサービスとなっています。ーーー2016年には、認知症の男性が徘徊中に列車にはねられ死亡した事故を巡って、損害賠償を請求するという裁判が開かれましたね。そうですね。裁判では、同居して介護されている方だけでなく、一緒に住んでいないご家族の賠償責任まで問われるなど大きな問題となりました。「おでかけキャッチ」の保険は、離れて暮らすご家族の不安や負担を軽減するためのものでもあるのです。ーーー「おでかけキャッチ」の保険では、列車事故による損害賠償にも適用されるのでしょうか?線路内に侵入し運行遅延が起きた場合や、買い物中に誤って商品を壊してしまった場合などは保険が適用となります。レンタルされている方からは、「安心を買っている」というお声をいただいています。おでかけキャッチのこだわりーーーこだわっている点や気をつけた点はありますか?開発にあたってもっともこだわったのは、確実性です。「システムが上手く機能しないかもしれない」という不安が少しでもあると、結局は常に気を張っていなければならない状態になってしまいます。どんなときも必ず通知してくれるという確実性を担保するために、さまざまな工夫を凝らしました。例えば、認証キーがセンサー検知範囲に一定時間とどまっている場合は受信機にアラートを表示したり、機械が倒れたり電源が抜かれたりした場合はエラーメッセージを出したりします。リーズナブルな価格帯で確実性を出すために、できるだけシンプルな機構で完結するシステムをとっています。「安心」が生活の質の向上につながるーーー「おでかけキャッチ」はどのような方に向いている商品でしょうか?本体ユニットと受信機が最大3台まで設置可能なので、出入り口が少なめの一軒家やマンションに適した商品と言えます。ーーー利用者からの反響を教えてください。あるご利用者の方からは、これまでいつ外出するかと常に気を張っていたところ、「おでかけキャッチ」を利用するようになってから本当に気が楽になったと感謝のお手紙をいただきました。以前はドアを開けたら音が鳴るように鈴をつけていたそうですが、音に気づかず外出されていたことがしばしばあったそうです。「おでかけキャッチ」を設置してからは安心してテレビを見れるようになったと書かれており、安心が生活の質にまで好影響を与えているのだなと、私どもも嬉しく感じました。課題とメッセージーーー課題はありますか?先ほども申し上げたとおり、「おでかけキャッチ」はマンションなどの住宅には最適ですが、出入り口の多い広めの一軒家には対応しきれない部分があります。そういった住宅に対して、リーズナブルな価格をキープしつつご利用いただくにはどうすればいいかが今後の課題といえるかもしれません。ーーー最後にメッセージをお願いします。おでかけキャッチは、今までに無かった逆転の発想から生まれた外出通報システムです。ご利用者様にも、ご家族の皆様にもストレス軽減と安心を感じていただけると思います。毎日の生活の中で、「気づかないうちに出かけてしまうかも」といったご心配を一つ軽減します。まずはご不明な点やご不安な事などを、お気軽にご相談ください。編集部まとめ従来の徘徊感知器とは異なり、見守る側が認証キーを持ち歩く新発想のシステム「おでかけキャッチ」。一緒に暮らす介護者はもちろん、離れて暮らす家族にまで安心を届けるために、個人賠償責任保険もついています。どんなに気をつけていても、24時間ずっと見守るのは不可能です。正確さにこだわった「おでかけキャッチ」の力を借りれば、住み慣れた住まいで安心して暮らし続けることができそうです。おでかけキャッチ サイズ 本体ユニット  幅14.5×奥行7×高さ21cm 受信機 幅8×奥行2.9×高さ13.5cm 認証キー 幅3.4×奥行1.4×高さ7.9cm 料金 商品名 おでかけ キャッチ WS-01 112セット 内容 本体ユニット×1、受信機×1、認証キー×2 利用者負担1割 864円(税込) 利用者負担2割 1,728円 (税込) 月額レンタル料 8,640円 (税込) 購入 224,60円 (税込) 販売・レンタル開始日 2015年12月 ※その他のセットは フランスベッド株式会社 、もしくはフリーコール0120-083413へ問い合わせおでかけキャッチ WS-01 個人賠償責任保険付帯サービス 概要 被保険者 おでかけキャッチ WS-01のレンタル利用者本人 被保険者の範囲 おでかけキャッチ WS-01のレンタル利用者本人およびその監督義務者等 保険金額 1億円 保険料 全額フランスベッド株式会社負担

シンプルなのに使い方無限大!家族をつなぐロボットBOCCO|ユカイ工学株式会社

シンプルなのに使い方無限大!家族をつなぐロボットBOCCO|ユカイ工学株式会社

可愛くてどこかなつかしい。そんなコミュニケーションロボット「BOCCO」をご存知ですか?「ぼっこ」とは、東北の方言で”子ども”という意味があります。「座敷わらしのように、そこにあると幸せを呼ぶような存在に」という願いが込められているとか。いったい、何ができるロボットなのでしょうか?「BOCCO」を始めするユニークなプロダクトを開発しているユカイ工学株式会社に行ってきました!ユカイ工学株式会社とはユカイ工学株式会社 CMOの冨永氏に話を伺う当社は、「エンジニアたちがユカイにものづくりができる会社」を目指し、2007年に創設した会社です。今回ご紹介する「BOCCO」の他にも、手のひらサイズのロボットドール「iDoll」やソーシャルロボットの「ココナッチ」など、さまざまなロボットやデバイスを開発しています。BOCCOとは?ーーー「BOCCO」とはどのようなロボットなのでしょうか?BOOCOは、家族をつなぐコミュニケーションロボットとして誕生しました。BOCCOのコンセプトは、まだスマートフォンを持たないお子さんが家でお留守番しているときに、離れた家族とコミュニケーションをとるためのロボットです。例えば、子どもが留守番中に電話がかかってきたとしても、防犯上出てほしくないという時がありますよね。でもそうすると、スマートフォンを持たない子どもと連絡をとる手段がなくなってしまう。そんなときにコミュニケーションがとれる手段として、BOCCOをお使いいただきたいと考えていました。BOCCOの基本機能ーーー「BOCCO」では何ができるのでしょうか?BOCCO本体と専用アプリを通じて、音声またはテキストメッセージをやりとりする、というのが基本の機能です。専用の無料アプリでは、BOCCO1台につき1つのチャットルームができるスマホからテキストメッセージを送った場合、BOCCOが機械音声でそれを読み上げてくれます。ボイスメッセージを送った場合は、BOCCOから録音したままの音声が流れます。逆にBOCCOからスマホへメッセージを送ることも可能です。BOCCOについている録音ボタンを押すと、音声の録音が開始します。最大60秒程度の録音が可能です。スマホ側では、送られてきた音声を再生できる他、アプリが音声を自動で文字に起こしてくれるため、内容をテキストでも確認することができます。よって、会議中や電車などの静かな場所でもすぐ確認することが可能です。ーーー専用アプリのチャットルームは何人まで対応していますか?何人でも入ることができますよ。ご覧のように、チャットルームはLINEのトーク画面のようになっており、使い方も簡単です。 専用の外部センサと連携専用の積み木型センサと組み合わせることで、より活用法が広がります。現在、当社では3種類のセンサをご用意しています。振動センサ、鍵センサ、部屋センサです。赤(振動センサ)・青(鍵センサ)・緑(部屋センサ)とカラフル。まるで積み木のようだ振動センサ振動センサは、ドアに取り付けるとで扉の開閉を検知し、外にいながら子どもが帰宅したことをリアルタイムで知ることができるセンサです。鍵センサ鍵センサは、その名の通り鍵の開け閉めをお知らせするためのセンサです。子どもを残して家をでるとき、子どもがちゃんと鍵をかけていったかなどを確認することができます。部屋センサ部屋センサは今年の7月に新たに販売を開始した、部屋の温度や湿度、照度を感知できるセンサです。部屋の様子がグラフや数値で見れるほか、熱中症になるほど部屋の気温があがったときは、部屋センサで感知した結果をBOCCO経由でスマホに通知し、注意を喚起してくれます。温度以外にも、電気がついているかいないをお知らせしてくれる照度センサもついています。ご高齢者の見守りに使用する場合は、トイレに設置して生活リズムを把握するのにも役立ちます。インターネットサービスとの連携もインターネットの外部サービスとの連携も可能です。例えば、Yahoo!天気と連携することで毎日天気をお知らせしてくれたり、防災情報を通知せたりするサービスがあります。また、同じくYahoo!が提供する「my Things」と連携し決まった時間に服薬をリマインドするといった使い方もできます。このように、BOCCOはコミュニケーションの媒介であると同時に、センサやサービスと組み合わせるプラットフォームでもあるのです。BOCCOのこだわりーーー「BOCCO」開発秘話やこだわりを教えてください。ユカイ工学株式会社 代表の青木氏に話を伺う実は開発当初、高齢者向けにするか子供向けにするかですごく迷ったんです。結果的には子供向けとして開発し販売したのですが、購入される方の2割はご高齢者の見守りとして利用されています。いずれにしても、こだわったのは「いかにシンプルなロボットにするか」という点です。開発にあたっては、なるべく要素を減らして、最低限の要素でロボットを作ってみようという考えがありました。BOCCO自体はボタンが2つしかなく操作も非常に簡単ですが、外部センサやサービスと組み合わせることで無限大の可能性があります。ーーー日本ユニシスと高齢者向けの実証実験を行っていますが。実証実験では、既製品のBluetoothセンサーを読み込めるよう改造したものを使用していますが、購入者の2割がご高齢者という事実からも分かる通り、現状のセンサやサービスをうまく活用することで、ご高齢者の見守りとしてもお使いいただけるのではないかと思います。子供向けとして売り出しているにもかかわらず、数ある見守りシステムのなかから「BOCCO」を選んでいただけるのは、「BOCCO」の親しみやすさがあるからかもしれません。既存の見守りシステムは「監視されている」という圧迫感を抱いてしまうものも少なくありませんが、「BOCCO」はどんな方からも可愛がっていただけるよう、首の揺れ方などにもこだわって作っています。BOCCOユーザーからの反響ーーー実際に高齢者の見守りロボットとして使用している利用者からはどのような反響がありますか?自分の親を兄弟でいっしょに見守っているという方などがいらっしゃいますが、見守りをしている側はもちろん、見守られる側のご高齢者からも反響がありますね。これまでの見守りシステムは基本的に見守る側の一方通行で、見守りされている方は特にメリットがないものがほとんどでしたが、BOCCOは双方向のコミュニケーションが取れるという点で評価いただいています。また既存の見守りシステムと大きく異なる点として、月額料金がかからないということがあげられます。「BOCCO」や専用センサを購入いただければ、あとは追加料金がかからないので、経済的にも助かるというお声をいただきます。課題と今後の展開ーーー反響を得て見えてきた課題はありますか?先ほど申し上げたように、「BOCCO」は外部サービスと連携してさまざまな機能を利用することができますが、設定のために別のアプリをインストールする必要があるなど手続きが煩雑だったという課題がありました。現在ではBOCCOのアプリ内で「myThings」の設定ができるよう改善しています。今後も、BOCCOアプリ内で様々な外部サービスを使用できるように進めていく予定です。編集部まとめインテリアとしても部屋に置きたくなる「BOCCO」。本体の機能はまるで留守番電話サービスのようにシンプルですが、センサや外部サービスと組み合わせることで、子ども向けとしても高齢者の見守りとしても、さまざまな使い方ができそうです。「離れて暮らす両親が心配だけど、いかにもな見守り機器を贈るのははばかられる」そんなお悩みを抱えている方にも最適だと感じました。BOCCO 商品名 BOCCO サイズ W90 x D55 x H195 (mm) 重量 220 (g) 価格 29,000円(税抜) センサ 種類 振動センサ、鍵センサ、部屋センサ 電源 単4電池2本 価格 3,980円(税抜)

Pepperが個人に合わせたクイズ出題、血圧測定も!介護施設向けロボアプリ「まいにちロボレク」|株式会社ロゴス

Pepperが個人に合わせたクイズ出題、血圧測定も!介護施設向けロボアプリ「まいにちロボレク」|株式会社ロゴス

web系システム開発を中心に行う株式会社ロゴス。実はグループ会社が介護施設の運営も行っており、このたび開発技術と介護のノウハウを活かして新しい介護施設向けアプリを開発しました。それが、Pepperを使ったレクリエーションアプリ「まいにちロボレク」です。他のPepperアプリと何が違うのか?詳しく話を伺いました。株式会社ロゴスってどんな会社?ーーー御社の事業内容について教えてください。代表の若林氏に話を伺う当社は業務系システムのWeb系システムの設計・開発とロボットアプリ開発事業を中心としたシステム開発会社です。サイド事業として太陽光発電事業も行っております。平成8年に創業し、丸21年が経過しました。創業当時は、業務系システム設計・開発とハードウエア設計・開発、Webデザイン制作、インターネット事業を行っております。現在はシステム開発の請負開発事業とロボットアプリ開発が主事業となってます。創業当時より自社商品開発にも積極的にチャレンジしてきており、過去にもオリジナル商品(アプリ)を開発、販売をしています。グループ会社では介護事業も行っており、現在は長野県上田市に1施設、埼玉県に3施設を運営していす。平成30年4月には埼玉県にもう1施設Open予定です。ロボットアプリ開発事業は、Softbank社のPepperアプリの開発に経営資源を集中し投資をかけています。Pepper発売当時からアプリ開発にチェレンジしてきており、オリジナル商品として「まいにちロボレク」を開発し販売しています。介護施設運営で目の当たりにした「課題」を解決ーーー「まいにちロボレク」開発のきっかけは?「まいにちロボレク」の計算クイズにチャレンジする高齢者。文字やボタンが大きく見やすい工夫がされている弊社子会社で行っている介護事業にて、介護現場の大変さを目の当たりにしたことが開発につながっています。要介護者の増加や介護職員不足の問題は、介護の現場を想像以上に過酷なものにしています。弊社は有料老人ホームのほかにデイサービスも併設し運営をしていますが、とくにデイサービスで行われる毎日のレクリエーション考案や、機能訓練における体操指導が介護士の業務を圧迫している現状に着目しました。こうした課題にたいして、ロボット(Pepper)が活用できる領域があると確信しました。これが開発のきっかけです。まいにちロボレクでできることーーー「まいにちロボレク」はどんなアプリですか?「まいにちロボレク」は、Pepperを使った介護施設向けのロボアプリです。最新バージョンである「まいにちロボレク vol3」は、個人レクリエーションと全体レクリエーションの2コース搭載している他、顔認証機能、問題出し分け機能、データ蓄積機能などが追加されています。レクリエーションの基本内容|対集団はもちろん、対個人にも「まいにちロボレク vol3」でできるレクリエーションは、計算、文章・漢字読み、タッチゲーム、全体体操の4種類です。計算、文章・漢字読み、タッチゲームは難易度が分かれておりだんだん内容が難しくなるため、介護予防に役立つだけでなく、飽きずに長くお楽しみいただけます。全体体操は、Pepperの動きに合わせて体操するレクリエーションです。4種類の体操が入っており、ご利用者が集まって全員でお楽しみいただけます。ーーー大勢の前でのレクリエーションと、対個人でのレクリエーション、2通りの使い方ができるということですか?全体体操では、Pepperが体操のお手本を見せながらレクリエーションを進行そうです。全体体操では、Pepperが司会役&体操の見本役となって、レクリエーションを進行してきます。個人レクリエーションでは、Pepperとご利用者が1対1となって楽しんでいただきます。介護の現場では、ご利用者が集まって皆で一斉にやるレクリエーションの他に、お一人お一人に合わせたレクリエーションをするところが増えてきました。個人レクリエーションはそういった観点でも需要があると考えています。新機能|顔で個人を特定、データを紐付けPepperが顔を見るだけで利用者を特定。個人データを蓄積していくーーー新しく追加した機能について教えてください。顔認証機能顔認証機能は、Pepperに搭載しているカメラを使って各利用者の顔を判別し個人を特定することができます。個人の特定によって、Pepperがご利用者の名前を呼んだり、個人レクリエーションの利用回数ごとに違うセリフを言ったりすることが可能です。記憶力テスト記憶力テストとは、認知度を計測するのに使われる長谷川式テストなどを参考にしたテストです。「今日は何日?」「3つの単語を言うので覚えてください」といったテストを個人レクリエーションに盛り込み回答してもらうことで、ご利用者の認知度の進み具合がチェックできます。データ蓄積機能各レクリエーションごとの正解率や利用回数がひと目で分かるデータ蓄積機能は、個人レクリエーションや記憶力テストのデータを個人に紐付け、蓄積していく機能です。利用回数や正解率をデータ化することで、Pepperのセリフが変わったり、症状の変化に気づくきっかけになったりします。問題出し分け機能問題出し分け機能では、個人ごとに難易度の違う問題を出題することができます。難易度は5段階に分かれています。データ蓄積機能から最適な難易度を判断し、それに合わせて個人ごとに設定することが可能です。オプション機能|体調変化にいち早く気づくこともーーーオプション機能について教えてください。オプションとして、血圧測定サポート機能をご用意しています。血圧測定サポート機能では、Pepperが対応血圧計の巻き方や測り方をを説明し、ご利用者自ら血圧を測っていただくためのサポートをしてくれます。取得したバイタルデータは、個人に紐付けられ蓄積されます。血圧測定とともに、健康に関するアンケートも実施します。「今の食欲は?」「昨日は良く眠れましたか?」といった、介護施設で毎日確認している質問内容となっています。こちらもデータ蓄積されていくので、バイタルデータとともに体調変化の確認に活用できます。Pepperが関西弁も!「まいにちロボレク」のこだわりーーー「まいにちロボレク」のこだわりを教えてください。ひとつは、使い勝手へのこだわりです。個人レクリエーションを実際に利用するのはご高齢者の方なので、Pepperが話す説明を分かりやすくしたり、タブレットに表示されるボタンを大きくしたりなど工夫しました。また、音声や顔認証の精度も非常に重要なので、何度も現場にPepperを持ち込み、スピーカーの位置や使用環境を確認しながら微調整を繰り返しました。同時に、どれだけ飽きないで利用していただけるかということにも注力し、アプリ開発を行いました。例えば「まいにちロボレク」では、現在標準語を入れて4種類の方言に対応しています。クイズに5段階の難易度を用意しているのも飽きない工夫のひとつです。正解するとPepperが褒めてくれるだけでなく、次のチャレンジをうながしてくれることで、症状の予防になるだけでなく、レクへのモチベーションにもなるんです。すでに全国で導入実績あり。利用者の反響ーーーすでに導入している施設からの反響はいかがですか?ご利用者からは、まずPepper自体が可愛いとか喋ってみたいと言っていただきますね。Pepperが来るだけでその場が明るくなるという声もあります。アプリに関しては、「顔を見ただけで名前を呼んでくれて嬉しい」というお声をいただきます。顔認証で個人を判別してから、その人に合ったコミュニケーションをするという点がとても好評です。ーーースタッフから反響はいかがですか?Pepperがレクリエーションをすることによって、スタッフの方の業務負担が軽減されたことにたいする反響はもちろんですが、データ蓄積機能にたいする反響も非常に多くいただいています。現状ではほとんどの施設が、ご利用者との会話をとおして得た情報を、手書きで記録しています。しかし「まいにちロボレク」のデータ蓄積機能によってPepperが自動で情報を取得し、かつ可視化してくれるので、非常に手間が省けたと言っていただきます。ーーー実際の現場では、蓄積されたデータをどのように活用しているのですか?先程申し上げたように、クイズの正解率や記憶力テストの結果から、症状の変化に気づくことができます。また個人レクリエーションを利用した履歴もたまっていくので、ご家族に報告する際に履歴データを活用している施設もあります。血圧測定サポート機能をご利用いただいている施設では、バイタルデータでご利用者の体調を確認したり、アンケートの結果をスタッフ同士で共有したりしています。今後の展開とメッセージ今後の展開を伺う。「まいにちロボレク」の可能性は無限大だーーー今後の展開を教えてください。今後は、機能の拡充はもとより、健康状態を管理できるIoT機器との連動と、そこから収集できた情報の一元管理するクラウドシステムの開発、またその情報をもとに予防健康管理へとつながる情報提供システムの開発が必要になると考えてます。具体的には、次回のバージョンアップで施設内の入居者との自然言語会話(AI活用、研究)の充実などを行う予定です。最終的には、一日中Pepperを有効活用できるようなアプリを作り上げたいです。朝は送り迎えの声かけ、血圧測定時にはそのサポート、レクの時間はレクを、夕方は送り出しの挨拶、夜は徘徊通知…といったように、一日中、365日使えて楽しんでもらえて、かつ効果が出るところまでもっていきたい。そこまで行けば、介護ロボットが普及していくだけでなく、サービス自体も質が上がっていくのではないかと思っています。ーーー最後にメッセージをお願いします。「介護業界の人材不足をロボットで解決!」とよく言われますが、本当にご家族やスタッフの方役立つものにするためには、現場での検証をとおした度重なる改良が不可欠だと考えています。「まいにちロボレク」は実際の介護現場で何度も使ってもらい、より役立つアプリにするためにそのつど改良を加えています。今後も現場の声を最優先に考えつつ、最新技術を使って何ができるのを考え続けていくつもりです。編集部まとめ顔認証機能でデータを個人に紐付け、それに合わせてPepperの対応を変えたり、問題を変更したりできる「まいにちロボレク vol3」。今後は利用者の嗜好などを個人データに取り入れ、よりパーソナルなコミュニケーションを可能にしていきたいとのことで、期待が高まります。蓄積されたデータが業務に活用できる点も、介護業務のICT化に一躍買いそうです。 サービス名 まいにちロボレク vol3 アプリ使用料 18,000円/月(税抜)

赤ちゃん型ロボットで「介護される」立場から「世話する」立場へ「泣き笑い たあたん」フランスベッド株式会社

赤ちゃん型ロボットで「介護される」立場から「世話する」立場へ「泣き笑い たあたん」フランスベッド株式会社

介護ベッドをはじめ、さまざまな福祉用具の開発、レンタル事業を行っているフランスベッド株式会社。認知症の方に向けた商品開発にも力を入れており、その一環として今年の5月に赤ちゃん型のコミュニケーションロボットを発売しました。なぜ赤ちゃん型なのかどのようなコミュニケーションがとれるのかどのような効果が期待できるのかなど、気になる疑問を聞いてみました。フランスベッド株式会社ってどんな会社?ーーー御社の事業内容について教えてください。今回お話を伺った広報IR課 係長の梅本氏フランスベッド株式会社は、ベッドをはじめとした家具類や、福祉用具・在宅医療機器の製造販売およびレンタルを行っている会社です。1946年に創業後、当時はまだ珍しかったベッドを開発、発売しました。その後、高齢化社会がそれほど問題視されていなかった時代にメディカルサービス事業を立ち上げ、在宅介護用ベッドの開発販売を手がけ始めます。1983年には日本で最初に療養ベッドのレンタルを開始するなど、先駆的な事業展開を行ってきました。現在はメディカルサービス事業とインテリア健康事業の2軸で事業展開をしています。弊社が手がけている福祉用具は、在宅用介護ベッド、車いす、自転車、歩行器など多岐に渡ります。福祉用具レンタル事業では、弊社以外の商品も幅広く扱っています。赤ちゃん型コミュニケーションロボット「泣き笑い たあたん」とは?ーーー「泣き笑い たあたん」について教えてください。「泣き笑い たあたん」は、手足に触れると赤ちゃんを模したセラピー人形が泣き声や笑い声をあげたりする、赤ちゃん型コミュニケーションロボットです。「泣き笑い たあたん」と触れ合うことによって、ご利用者、とくに認知症の方のアクティブな感情を引き出すことを目的としています。ーーーなぜ認知症の方を対象としているのでしょうか?「泣き笑い たあたん」自体は、認知症以外の方にもお使いいただけます。高齢者に限らず、お孫さんへご購入される方もいらっしゃいます。認知症の方と申し上げたのは、「泣き笑い たあたん」の開発コンセプトに、「加齢や障害にかかわらず自分らしく活き活きとした生活を送る」ための専門療法である”ダイバージョナルセラピー”があるからです。「たあたん」開発の背景ダイバージョナルセラピーとはーーーダイバージョナルセラピーと「たあたん」の関係について詳しく教えてください。ダイバージョナルセラピーは、福祉先進国・オーストラリアで生まれた「老いを楽しむ」ことを軸においた考え方およびセラピーです。認知症をもつ高齢者の方は、すでに退職されたり子どもが独立したりと日々の義務から解放された方が多いですが、その分孤立感や退屈を感じているケースがしばしばあります。コミュニケーションの機会や誰かに頼られる機会が減っていくと、認知症が助長されるという側面もあります。また、通常は認知症が進むと安全が最優先され、「楽しむこと」は後回しにされがちですよね。ダイバージョナルセラピーではそんな「楽しみ」を重視し、個性に合った楽しみや生きがいを提供することで、QOL生活の質向上をサポートしています。介護されるという受け身の人からお世話という行動の人へそのような文脈のなかで、能動的な感情を呼び起こす赤ちゃんを模した人形を使った「ドールセラピー」がオランダではじまりました。その一つとして、「泣き笑い たあたん」の前身となる「ヒーリングベイビー たあたん」が2001年に開発されます。販売開始から少しずつ出荷台数を伸ばしていることから、こういった商品にニーズがあると分かり、このたび新機能を追加した「泣き笑い たあたん」を販売するに至りました。「ヒーリングベイビー たあたん」や「泣き笑い たあたん」との触れ合いをとおして、ご利用者の方は「介護される」という受け身の立場から「お世話をする」という立場になります。「可愛がりたい」「お世話をしてあげたい」といった気持ちが、よりポジティブな感情を引き出していくのです。「泣き笑い たあたん」を抱っこしてみたーーーどこを触ると反応するのでしょうか?手を触ると泣き、足を触ると笑います。機能はこの2つだけです。ーーーおしゃべりできたほうがコミュニケーションが弾みそうですが…。実は、機能を「泣き声・笑い声」に限定したところもポイントのひとつなんです。例えば、もしご利用者の方が「たあたん」のおしゃべりする内容を理解できなかった場合、混乱してかえって逆効果になってしまいますよね。でも、泣くだけ・笑うだけであれば、ご利用者の方は自分の過去の記憶や想像を自由にふくらませることができるんです。ーーー確かに、「どうしたのかな」と考えたり話し合ったりするきっかけになりそうです。実際抱っこすると、「抱っこしている感」がありますね。高齢者の方でも抱きやすいよう、重量は約1.4kgと本物の赤ちゃんより軽く作ってありますが、頭部とお尻の部分を重くしたりと、本物らしさを追求しています。抱っこが難しい方は、膝に乗せていただくこともできます。また、泣き声や笑い声には本物の赤ちゃんの声を使用しています。認知症にはいろんなことを混合するといった症状がありますが、それでも「泣き笑い たあたん」を放り投げてしまうことはほとんどないと聞いています。これも、「赤ちゃん」という存在が関係しているのかもしれませんね。介護従事者の気分改善もモニター調査で分かったこととはーーー発売前にモニター調査(※1)をされていますね。結果について教えていただけますか約1ヶ月間のモニター調査の結果、「泣き笑い たあたん」使用後のご利用者の気分にさまざまな改善が見られました。「泣き笑い たあたん」をご利用者様に手渡すとパッと表情が明るくなり、職員ではなかなか引き出すことが出来ない笑顔になりました。また、徘徊やおむついじり等の周辺症状が落ち着き、「泣き笑い たあたん」を寝かしつけるためにティッシュの箱を枕としてあてがったりするなど、行動にも変化が見られました。 フランスベッドホールディングス株式会社 ニュースリリースよりさらに、私どもとしても予想外だったのですが、ご利用者を見守る介護者の方も気分が改善したことが分かりました。ふだんなかなか笑顔を見せないご利用者が笑っている姿を見て自分も嬉しくなったという声もあり、ご利用者・介護者双方にメリットがあると言えます。 ※1参考:モニター実施概要 ・実施機関:特別養護老人ホーム タマビレッジ ・実施状況:同特別養護老人ホーム施設において利用者と介護職員を固定して、「泣き笑い たあたん」使用前後の気分の変化をチェックリストと記述式で記録。 ・対象者:デイサービス利用者1名、入所者3名、介護職員3名 ・実施期間2017年1月12日2月9日の約1か月間 ーーー施設の雰囲気が明るくなりそうですね。効果が期待できる認知症の方は、どの程度の重度なのでしょうか?認知症の重度を軽度、中等度、重度と分けた場合、もっともマッチするのは中等度・重度の方です。赤ちゃんとして認識するときと人形として認識するときのどちらもありますが、前者の場合はお世話の対象として、後者の場合は回想法として有効です。反響とこれからーーー実際に利用されている方からの反響はいかがですか?施設の方からは、シンプルな機能で、職員では引き出せない明るい笑顔を引き出せる点を非常に評価いただいています。また、施設ご利用者の方への声がけのバリエーションに悩まれている若い施設職員の方からは、「泣き笑い たあたん」を話のきっかけにしたり、行動のうながしに活用したりできると好評です。ご利用者の方には、「泣き笑い たあたん」のために洋服を作ったり歩行器に乗せて散歩に行ったりという新たなアクティビティーにつながっており、自発的な行動が見られるとのことです。ご利用者の心理状態が安定することで、職員の方の介護負担感も軽減できる可能性があります。ーーー反響を受けて、新たな課題はありますか?ご要望として多いのが、「一緒にお風呂に入りたい」というお声です。お風呂を嫌がるご利用者の方に対して、「たあたんと一緒に入ろう」とお声がけできれば、スムーズな入浴につながるのではというスタッフの方からご意見をいただいています。現在の「泣き笑い たあたん」は防水ではないので、バージョンアップを図るとしたら次は防水仕様にしたいですね。ーーー最後にメッセージをお願いします。「泣き笑い たあたん」は赤ちゃん型である点と、泣く、笑うといったシンプルな機能にした点がポイントです。「泣き笑い たあたん」をご利用者様に手渡すと、パッと表情が明るくなり、笑顔になります。そんなご利用者様のお姿を多くの方に見て実感していただきたいと思っております。ご希望があれば、「泣き笑い たあたん」の効果的な使い方などをレクチャーいたしますので、お気軽にご相談ください。編集部まとめ見た目は昔ながらの赤ちゃん人形らしい「泣き笑い たあたん」。機能としては「触ると泣く笑う」の2つに限定されますが、だからこそ利用者のイマジネーションを刺激し、ポジティブな感情や「お世話してあげたい」という生きがいを導くのかもしれません。山本氏が繰り返し述べていた「要介護者・介護者の方双方にメリットのある商品こそが良い商品」という言葉からも、「泣き笑い たあたん」が単なる人形型ロボットではなく、笑顔を生み出すことで施設全体の雰囲気を変えていく可能性を秘めていると感じました。 商品名 泣き笑い たあたん 身長 約47cm 体重 約1.4kg 電源 単3電池×3本 本体価格 14,800円(税抜) 発売日 2017年5月 問い合わせ フリーコール:0120-083413

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