ユーザ検証と導入支援で見えてきた「ここくま」の可能性に迫る|BCC株式会社

介護ロボットONLINE編集部介護ロボットONLINE編集部

作成日2017/11/30 更新日2017/11/30561views

「ここくま」は一見かわいいテディベアですが、実はメッセージが送りあえる新しいコミュニケーションツールです。株式会社NTTドコモが全体統括を行い開発された「ここくま」に、新たにおはなし機能が追加されました。その検証と導入支援を行っているのが、「介護レクリエーション」の専門家・BCC株式会社 です。

今回は、おはなし機能の検証と導入支援を中心に、ここくまを担当したBCC株式会社 スマイル・プラスカンパニーの青木氏に話を聞きました。

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プロジェクトパートナーの青木佑太氏に話を伺う

介護レクリエーションの専門家、 BCC スマイル・プラスカンパニーとは

ーーー御社の事業内容について教えてください。

当社は2002年に設立した会社です。設立当初は主にIT業界の営業支援をしており、社名も営業創業株式会社としていました。10周年にあたる2012年、スマイルプラス株式会社を買収し、介護業界へも事業を広げていきます。昨年の9月には、BCCホールディングス、スマイル・プラス、そして営業創業の3社が統合し、BCC株式会社となりました。

ーーーありがとうございます。介護事業を展開しているスマイル・プラスカンパニーについて教えてください。

スマイル・プラス株式会社では、もともと「介護レク広場」というWEBサイトを運営していました。介護現場のレクリエーション用クイズなどを、会員の方が無料でお使いいただけるサイトです。

このWEBサイトを発端に、介護レクリエーションの啓蒙や人材育成を図りたいという思いから、「レクリエーション介護士」という資格制度の創設や、介護施設とレクリエーション介護士をつなぐ「介護レクワーク」という求人サイトの運営も行うようになりました。

同時に、介護レクリエーションを通して得た介護施設とのコネクションを活かして、介護業界に参入したいと考えている企業と介護業界を結びつける、コンサルティングおよびマッチング支援も行っています。

家族をつなぐ新しいコミュニケーションツール|ここくまとは?

ーーー今回も、御社が「ここくま」と介護施設の間をつなぐ役割を担っていらっしゃいますね。ここからは「ここくま」について話を伺っていきます。まず「ここくま」とはどのような商品なのでしょうか?

「ここくま」は、株式会社NTTドコモがプロジェクト統括をしている、離れて暮らす家族をつなぐための、新しいコミュニケーションツールです。

機能としては、ボイスメッセージ機能、おはなし機能、見守り機能の3つがあります。実際に試してみましょう。

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実際にここくまでコミュニケーションしてみる

ボイスメッセージ機能

ボイスメッセージ機能には、受信と送信の2つがあります。家族がスマートフォンにインストールした専用アプリからメッセージを送ると、ここくまが代わりにしゃべってくれるのが受信機能です。逆に、ここくまにむけて録音したボイスメッセージが家族のスマートフォンに届くのが送信機能です。

試しにアプリからメッセージを送ってみますね。
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新しいメッセージが届いたよ。
ここで右手のボタンをワンタッチおしていただくと、メッセージが再生されます。
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1件の聞いていないメッセージがあるよ。ーー“おはよう”。
実際に再生していただくと、LINEといっしょでアプリ側では既読がつきます。

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ここくまから送信する場合は、左手にある録音ボタンを押して話しかけます。そうすると、録音データがアプリに届き、音声メッセージをご家族が聞くことができます。

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手足を優しくプッシュすることで操作が可能

ゆるい見守り機能

ここくま本体には、人感センサーが搭載されています。センサーが近くに人がいることを感知するので、近くにいた時間帯やここくま機能を利用した時間帯など家族の携帯電話から確認することができます。

おはなし機能

ここくまは天気や季節の話題などを話して、寂しさを和らげたり癒やしを与えたりします。

音声認識機能から相手の言っていることを理解し、それに合わせたシナリオに沿って返事をすることもできます。おはなし機能はサーバを経由しているため、日々アップデートしてバリエーションを増やしています。

おはなし機能の検証で分かったこと

ーーー御社は介護現場における人脈を活かしたおはなし機能の検証と導入支援を担当されています。どのような検証をされたのですか?

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この度、NTTドコモから実証検証の協力依頼を頂きまして、全国の通所介護施設、有料老人ホーム、入所事業所など7施設で実施しました。検証した内容は主に2点あります。1点目は、ここくまの「おはなし機能」でどのようなセリフや話しかけ方だと高齢者に喜んでもらえるかいう点。2点目は、介護事業所でここくまがどのような形で役立つかここくまの機能が利用者の方にどのような影響をもたらすかという点です。

1点目にかんしては、ふだんから当社と関係性が強いレクリエーション介護士の方にご協力いただいたお陰で、ご利用者の方もリラックスしてここくまを体験できたことで、ナマの声をひろうことができました。また利用者の方だけでなく、居者のご家族の意見を聞くことができました。

2点目にかんしては、1ヶ月間にわたって利用者の方の健康状態や精神面での変化を検証しました。その結果、利用者同士が集まって、ここくまをきっかけに会話が生まれるだけでなく、それをきっかけに絆が深まり、今では高齢者同士で助け合いが起きているという様子が見られるようになったと喜んでいただいています。

ここくまの可能性~介護現場での活用方法~

ーーー導入支援もご担当されている御社として、今後「ここくま」はどういった活用法が期待できるとお考えですか?

冒頭で申し上げたとおり、ここくまは遠く離れた家族をつなぐという目的で開発されたコミュニケーションロボットです。

お一人暮らしの高齢者の方には、家族に会いたいけれど迷惑はかけたくないという思いを持ってらっしゃる方も少なくありませんが、ここくまがあれば好きな時間にメッセージが送りあえるだけでなく、おはなし機能によって一人暮らしのさみしさもまぎらわすことができます。

ご家族からは、利用者の方の音声が聞けるので、声から元気かどうかを判断できると好評をいただいています。

施設にいながら、いつでも家族とコミュニケーションがとれる

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それを踏まえてNTTドコモとして今後模索していきたいと考えているのが、介護施設での活用です。

介護施設でも、面会に来てほしいけど家族に遠慮をしてしまうというご利用者様は多くいらっしゃいます。そうしたご家族にむけてここくまを一台部屋に置いていただき、いつでも家族とコミュニケーションが取れるという環境づくりができればと思っています。実際に、そうした活用法を取っている有料老人ホームもすでにあります。

もう1つが、デイサービスとサービス利用者の方をつなぐという活用法です。

デイサービスを利用している方のご自宅にここくまを置いておけば、デイサービスの時間以外でも安否の確認がとれますし、ここくまをとおした何気ない会話から「今日もちゃんとデイサービスに行こう」と思っていただけるかもしれません。そうなるとデイサービス側も、ここくまによって利用率が上がるというメリットがあります。送迎時の業務連絡にもお使いいただけると思いますし、活用方法はこれからどんどん広がっていくだろうと考えています。

ここくまの向こう側に、家族が見えてほしい

ーーー最後にメッセージをお願いします。

ここくまの向こう側に家族が見えるような、そんな存在であってほしいと願っています。ここくまのおはなし機能は、今後もどんどん進化していく予定です。そんなここくまの成長にご期待いただき、ぜひ可愛がってあげてください。

編集部まとめ

取材の間にも、「そういえばこういう使い方もできるかもしれない」「こう使うと喜ばれそうだ」というアイディアがどんどん出てくるのを目の当たりにしました。介護ロボットは、どんなにスペックが高くても使いこなせなければ意味がありませんが、取材を終えた後には、ここくまが生活の一部となっている未来を想像することができました。 「介護レクリエーション」で培ったコネクションと知見を活かし、新しい活用法を模索することでここくまの可能性を広げているスマイル・プラスカンパニーに、今後も要注目です。






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