しっぽがあなたをいやしてくれる。クッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」|ユカイ工学株式会社

介護ロボットONLINE編集部介護ロボットONLINE編集部

作成日2017/11/11 更新日2017/11/13249views

「かわいい!」「ほしい!」――今、ネットで大反響のロボットがあります。それが、ユカイ工学株式会社のクッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」です。ユカイ工学は、家族をつなぐコミュニケーションロボット「BOCCO(ボッコ)」)などのユニークなロボット開発で有名なロボティクスベンチャー。

今回は、クラウドファンディング開始から1週間も待たずに目標額を達成した「Qoobo(クーボ)」の魅力を、デザインを担当した高岡氏に伺いました。

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Qoobo(クーボ)のコンセプトデザインを担当した高岡氏に話を伺う。

しっぽが癒やし。クッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」とは?

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ーーークッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」とはどのような商品なのでしょうか?

「Qoobo(クーボ)」は、犬や猫などのペットの代わりとしていやしを感じていただく、クッション型のセラピーロボットです。

仕事が忙しいとか動物にアレルギーがあるなど、動物を飼いたくても飼えないご家庭の方に特にお使いいただきたいと思って開発しました。

ーーー一番の特徴は、しっぽはあるのに手足や顔がないという点ですが、なぜこうした形になったのでしょうか?

犬や猫は、言葉をしゃべるわけではないのになんとなく感情が伝わってきますよね。それには表情という要素もありますが、なにより“しっぽ”という存在が大きいと思っています。

だから、「しっぽだけでもコミュニケーションがとれるんじゃないか?」と考えてしっぽに着目したんです。

また、あえて顔や手足をつけないことで、使う人それぞれの好きな姿かたちを想像してもらえる、という利点もあります。日本画は余白を残すことで観る人に想像を促しますが、それと同様に、クーボがどのような動物なのかという部分を、お使いいただく方に委ねたいなと思ったんです。

犬派・猫派とか、どんな顔かなどは好みが分かれがちなところですが、顔がついていなければ分かれようがないというか(笑)。だからこそ、どなたにでも親しんでいただけるものになったのだと思っています。

しっぽの動きの秘密は加速度センサ


ーーー「Qoobo(クーボ)」の機能について教えてください。

「Qoobo(クーボ)」にはオン・オフスイッチがついているだけで、あとはとくに操作の必要がありません。

電源をオンにした状態でQoobo(クーボ)をゆっくりなでると、ゆっくりしっぽをふります。早めになでると元気にふってくれます。

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なでる速度によって、しっぽのふり具合が変わる。

多くのロボットは、話しかけたり触ったりしてもなかなか反応が返ってこずそれにストレスを感じる方もいらっしゃるかと思いますが、Qoobo(クーボ)はすぐに返事(=しっぽの動き)を返すことができます。

ーーー動きのパターンはどれくらいあるのでしょうか?

まだ開発段階なので、非常にシンプルな動きのみとなっています。しっぽは、Qoobo(クーボ)本体に搭載されている加速度センサーによって動いているのですが、今後は触られていなくても何となく気まぐれに動くとか、ちょっとしたイベントのような面白い動きも追加していければと考えています。

自分の「こんなのあったらいいな」を形に


ーーー開発の背景、きっかけを教えてください。

きっかけは今年の春先に行った社内の開発合宿です。デザイナーやエンジニアを交えた数人ずつのグループが、それぞれほしいものや「あったらいいな」と思うものを作るという合宿でした。そこで私を含む4人のグループが作ったのが、Qoobo(クーボ)の原型となっています。

ーーーQoobo(クーボ)のようなものが欲しかったんですか?

そうなんです。実家で飼っている犬のことを思い出して、一緒に寝たりしたいなあ、寂しいなあと思って提案しました。

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「自分の欲望を形にしました」と笑う高岡氏。

実は、合宿ではQoobo(クーボ)の人間バージョンも作ったんです。まるで呼吸しているように膨らんだり縮んだり、一緒に添い寝して寝返りをうつと音がなったり、という仕掛けを持った、人に見立てた抱きまくら型ロボットです。

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いっしょに“添い寝”できる抱きまくら型ロボット(写真奥)

でも、外部の方にその抱きまくら型ロボットを見せると、ちょっと反応がいまいちというか…(笑)。一方で、Qoobo(クーボ)は原型の段階から「欲しい」と好意的に見ていただく方が多く、「同じように感じている方もいるんだな」と手応えを感じました。

ーーー開発でむずかしかったことやこだわりはありますか?

一番はしっぽの動きですね。関節の種類などは、メカの設計を担当するエンジニアが試作を繰り返しながら試行錯誤しています。同時にプログラムも微調整をしつつ、なるべくシンプルな構造で最大限リアルな動きができるよう、改良を重ねています。

みんなの生活に溶け込むロボット

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ーーーQoobo(クーボ)はどのような使い方が考えられるのでしょうか?

一般的に言って、ロボットや電気を使うおもちゃが長時間電源を入れてもらえるということは少ないですよね。電動のおもちゃは、長時間動いているとなんとなく煩わしく感じられてしまうことが多いです。しかし、Qoobo(クーボ)は逆に、お家でゆっくり過ごしているときや、何気ないときでも電源を入れて、そばにおいて触れ合っていただければと考えています。

ーーーQoobo(クーボ)の想定ユーザーとしては、ひとり暮らしの方が主なのでしょうか?

当初は20~30代くらいの一人暮らしの女性を想定していましたが、今ではより幅広い方にお使いいただけると考えています。現在は、実際に高齢者施設などに持ち込み、いやし効果の検証をしている最中です。

「いやしの効果を説明したい」高齢者施設での検証も


ーーーどうして高齢者施設に持ち込むことになったのですか?

開発の早い段階からQoobo(クーボ)に興味を持っていただいている、獨協医科大学の坂田 信裕教授から、医療や介護の分野でも活用できるのではないかとお話をいただいたことがきっかけです。坂田教授は、医療とロボットを結びつける研究などもされており、Qoobo(クーボ)の開発でもさまざまな意見やアイディアをいただきました。

ーーー高齢者施設での反応を詳しく教えてください。

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さまざまな反応がありましたが、皆さん何かしらの反応をしてくださいましたね。ふだんあまり笑顔を見せない方がにやりとしたり、逆に「怖い」とおっしゃる方もいたり。

Qoobo(クーボ)のことを可愛がってくれる方が、「昔は猫を飼っていた」という思い出話を始めることもありました。Qoobo(クーボ)がきっかけとなって、自分の記憶を辿って楽しんでもらえるなんて素敵だなと思ったのを覚えています。

「怖い」という反応をされる方にとっても、何かしらの意思表示をする機会となったのは良いことだと感じています。もしかしたら慣れてくれるかもしれませんし、実際の生活に長く置かせていただいた上でどのような効果があるのかという点は、こちらとしても非常に興味がありますね。

海外メディアやネットでも話題


ーーーQoobo(クーボ)は、海外やネットでも大きな話題となっています。 クラウドファンディングでも支援を募っていらっしゃいます が、反応はいかがですか?

Qoobo(クーボ)は米国メディアパネル・イノベーションアワードにて特別賞「Special Award Gadget Nation Award」を受賞したのをきっかけに、海外メディアでも多数取り上げていただきました。

おかげさまで、クラウドファンディングでは目標額を超えた支援をいただいています。クラウドファンディングを行ったおかげで、さまざまな方から応援や意見をいただく機会が増え、開発チームのモチベーションになっています。

動物が家にいる安らぎを、Qoobo(クーボ)で。


ーーー最後にメッセージをお願いします。

Qoobo(クーボ)は、一見すると「なんだろう?」と思ってしまう見た目ではありますが、実際にひざに乗せてなでてみると、「動物ってこんな感じだったかも」と感じていただけるセラピーロボットです。

家に動物がいるという安心感や安らぎを、Qoobo(クーボ)を通して感じていただければとてもうれしいです。

編集部まとめ

一風変わったコミュニケーションロボット「Qoobo(クーボ)」。編集部も実際に触れてみました。そっと触ると、すばやくしっぽが反応します。動きはなめらかですが、動きに合わせて控えめなモーター音が聞こえました。抱えてみると、ちょうど枕やクッションを抱えているようなサイズ感で、一般的なペットロボットよりは大きく、存在感を感じます。そうした手触りや動き、存在感に、実家で飼っていたペットを思い出し、温かい気持ちになりました。「ペットが飼いたくても飼えない」一人として、いやし効果を実感できました。

現在ユカイ工学では、クラウドファンディングプラットフォームの Kickstarter で、商品化のための出資を募っています。1万円以上の出資でハスキーグレーもしくはフレンチブラウンのQooboが、2万円以上の出資で2色1セットが、10万円以上の出資で、ロゴ・シリアルナンバーが入ったタグつきの特別仕様の真っ白なQooboが届けられます。発送予定時期は2018年9月頃を予定。

クラウドファンディングの締切は2017年12月3日(日)22時38分。「こんなの欲しかった!」そう思うあなた、ぜひ支援してみてはいかがでしょうか。


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