リフト式移乗機の問題を解決!床走行移乗機「ヘルパー育(はぐみ)」|キョウワアグメント株式会社

介護ロボットONLINE編集部介護ロボットONLINE編集部

作成日2017/10/19 更新日2017/10/23508views

介護職員の腰痛問題が取り沙汰されてから、「ノーリフティングポリシー」にもとづいて移乗にリフトを使用する介護現場が増えています。しかし実際には、導入コストや機能性のために、リフト式移乗機がうまく活用されていないケースも少なくありません。

そうした従来の移乗用リフトの課題を克服した、新しい床走行式リフトの開発を行っているのがキョウワアグメント株式会社です。2017年9月末に開催された国際福祉機器展では、床走行式リフト「ヘルパー育(はぐみ)」の改良版が展示されていました。

「ヘルパー育(はぐみ)」そしてその改良型機器について、キョウワアグメント株式会社の代表 柵木貞雄氏に話を聞きました。

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キョウワアグメント株式会社 代表の柵木貞雄氏に話を伺う

吊り下げ型リフト式移乗機の問題解決を目指す

ーーー昨年、床走行式リフト「ヘルパー育(はぐみ)」の販売を開始されました。今回出展しているのは、その改良版なんですね。

そうです。「ヘルパー育(はぐみ)」も一般的な移乗用リフトに比べて小型ですが、改良版ではそれをさらに小型化しています。

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移乗機にしてはかなり小型の「ヘルパー育(はぐみ)」改良版。

ーーーまずは「ヘルパー育(はぐみ)」について教えてください。

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「ヘルパー育(はぐみ)」は、これまでの吊り下げ型リフト式移乗機の問題解決を目指した、新しい移乗機器です。

従来の吊り下げ型リフト式移乗機には、機能性やコストなどにさまざまな課題がありました。

ひとつ目は、装置が大きいため導入しづらいという問題や、導入コストが高いのに限られた場所でしか使えず共有性がないという問題です。それにたいして「ヘルパー育(はぐみ)」は小型化・床走行式にしたことで、施設内での移動が容易で、コストの面でも導入しやすくなっています。

ふたつ目は、吊り下げるときの揺れが、被介助者の方に不安感や恐怖感を与えることがあるという問題です。「ヘルパー育(はぐみ)」は吊り下げ型リフトとは異なり、専用スリングをアームに引っ掛け、腰と臀部をしっかり支えるので、揺れにくく安定した姿勢での移乗が可能です。

自然な体勢での移乗が可能


ーーー「ヘルパー育(はぐみ)」の使い方を教えてください。


基本的な使い方は展示している改良版と同じなので、実際に車いすから移乗するところをご覧いただきましょう。

まずは車いすに乗った状態で、専用のスリングシートを被介助者に装着します。その後、本体のアーム部分にスリングシートを引っ掛けます。その後は、電動スイッチでアームを持ちあげることで、車いすから体全体を浮かせていきます。

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スリングシートを装着し、アームに引っ掛けるだけ。

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後ろから見た様子。自然な座位姿勢のまま身体が持ち上がっている。

従来のリフト式移乗機にくらべ、スリングシートの装着も簡単になっています。また「ヘルパー育(はぐみ)」に関しては、座位だけでなく臥床姿勢からの移乗も可能なので、座位姿勢にする手間と負担がかかりません。

開発のきっかけとなった母の言葉


ーーー開発のきっかけは?

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私の母が体調を崩し、車いすの利用を余儀なくされたことがきっかけです。移乗の際に吊り下げ式のリフトを使用していたのですが、ある日母が「まるで荷物みたいに吊り下げられている」と言ったんですね。そこから、「もっと利用者のことを考えた機器が作れないか」と思うようになったのです。

私自身、もともと自動車メーカーの開発者をしていたこともあり、「よりユーザー目線にたった移乗介助機器が作れるはずだ」と考え試行錯誤を続けた結果、「ヘルパー育(はぐみ)」の開発に至りました。

ーーー開発で苦労した点を教えてください。

例えばスリングシートひとつとっても、利用者が痛みを感じないように作るとなると、かなり細かい調整や設計変更が必要になります。そうしたテストを何度も繰り返し行うので、開発には時間がかかりましたね。

茨城県グローバルニッチトップ企業促進育成事業に参画も

ーーー御社は昨年の「茨城県グローバルニッチトップで企業促進育成事業」に参画していますね。

はい。その事業を通して、現在5つの介護福祉施設で「ヘルパー育(はぐみ)」を導入いただいています。

そこでは、リフトよりも小型のため手軽に使用できる点や、介護者の負担を軽減する点を評価いただいています。

ーーー今後の展開について教えてください。

今回展示している「ヘルパー育(はぐみ)」の改良版は、在宅での使用を見越した改良を行っています。小型化もそのひとつです。今後は、施設でも自宅でも、誰もが安全に、簡単に移乗できるような世の中にしていければと考えています。

編集部まとめ

移乗機器というと、天井から吊り下げるタイプのものや、そうでなくてもかなり大掛かりな装置を想像しがちです。しかし国際福祉機器展で展示されていた「ヘルパー育」の改良版は、頑張れば家の中でも使えそうなサイズでした。在宅利用に向けた更なる改良を行っていきたいという力強い言葉に期待が高まります。










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