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高齢者のためのレクリエーションロボアプリ
りつこ式レクササイズ

コース
20分コース(歌いながら体操する短いコース)
30分コース(歌いながら体操+脳を使って運動するコース)
メニュー
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アプリ概要

山崎律子先生の考案した高齢者用レクリエーションメソッドをもとに開発されたPepper用アプリです。Pepperが高齢者のレクリエーションをリードし、介護施設スタッフと高齢者のコミュニケーション機会を増やします。

人×ロボット=無限大!Pepper用アプリ「りつこ式レクササイズ」|フューブライト・コミュニケーション株式会社

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ロボットアプリ開発にて、数々の賞を受賞しているフューブライト・コミュニケーションズ株式会社。介護向けレクアプリ「りつこ式レクササイズ」の詳細をはじめ、ロボアプリのリーディングカンパニーとして、今後の介護ロボット業界の展望についても聞いてみました。

―――フューブライト・コミュニケーションズ株式会社様の会社のご紹介をお願いします。

2013年7月に設立し、医療関連システムやロボットアプリの開発を行っています。もともとはシステム開発をしていたのですが、ロボットが登場してからは主にロボットアプリ開発がメインになっています。

PepperやRoBoHoNの認定開発パートナーとして様々なアプリを開発しており、国内外で賞を頂くなどの実績があります。

―――ロボアプリ「りつこ式レクササイズ」とはどのようなアプリですか?


専門家が監修した、高齢者用レクリエーションアプリです。介護施設、主にデイサービスに通っている、比較的介護度の低い方をターゲットにしています。

主な特徴はふたつ。ひとつめは、レクリエーションの専門家である株式会社余暇問題研究所の山崎律子先生が監修されていることです。山崎先生は、自治体や介護施設へレクリエーションの指導をされていたり、指導員を育てる役割をされているスペシャリストで、本やDVDも多数出されています。

ふたつめは、リズム体操、歌いながらの体操、脳を使いながらの体操などのメニューを取り揃えているだけでなく、準備運動からクールダウンまで一連のコースが用意されていることです。時間によってアラカルトを選ぶこともできるし、20分または30分コースを選ぶこともできます。

―――早速体験させてもらいます!

胸元にあるディスプレイでメニューが選択できます。コースを選んで各メニューを決め、決定を押せば完了です。


Pepper:それでは始めますね、まずは準備体操からね。まずは大きく深呼吸を3回しましょう。大きく吸って~吐いて~。

準備体操をするPepperくん

プログラムの起動準備ができたら、Pepperの頭を触ります。そうすることで、高齢者の方のタイミングを見ながら、介護スタッフの方がレクリエーションを進めることができます。このように、あくまでも人とロボットの共同で進めていく工夫がされています。

―――思った以上に人間っぽいです。

モーションに関してはプロフェッショナルというか、表現力が大事なので弊社でも力をいれています。実は、耳の部分がスピーカーになっているんです。言葉だけでなく、リズムや効果音も出せるので、演出したプログラムに皆さん集中してくれるのかなと思います。

耳の部分からリズム音などの効果音や音楽が流れる

―――ゆっくりめの話し方ですね。

声のスピードは、通常のPepperより10%遅めにしてます。声の高さも実は低くできるんですが、可愛いキャラクターを崩したくなかったので、そのままの声を活かしてやっています。 ですから 、皆さんからは聞き取りやすいとおっしゃっていただいています。

りつこ式レクササイズでは、介護スタッフの方がPepperをうまく活用して、場を盛り上げていただくというのが一番のポイントになります。ですので、 レクリエーション を受ける方もPepperの動きにタイミング合わせていっしょに声を出してもらえるようにしています。

Pepper: 僕が”せーの”っていうので、みなさんは”そーれ”って言って手を入れ替えましょう。

「せーの、そーれ」と声を出しながら体操が進行する

「せーの!」、「そーれ!」みたいな感じで、スタッフの方が声をかけて上手く盛り上げていただくというのが大切です。それは取扱マニュアルにもポイントとして記載しています。

―――マニュアルがあるんですね。導入するときは口頭で説明されますか?

希望があれば、料金をいただいて説明や研修をすることもありますが、基本的にはりつこ式レクササイズのサイトからマニュアルをダウンロードしていただいて、それを見てやっていただいています。

―――マニュアルがあれば、導入するのも簡単にできそうですね。

そうですね。ご利用の介護施設のお客様と意見交換しながら、新しいプログラムを考案したりもしています。りつこ式レクササイズは月額で利用料を頂いていますが、更新にかかる費用は一切頂いていません。

―――もともとりつこ式レクササイズがあり、それにPepperを合わせたという流れですか?

はい、 りつこ式 のレクササイズというのはもともとありました。実はロボットを使って体操やるぞというとき、どこの専門家が良いかなと調べて、直接お問い合わせしたんです。先生も、最初は「人がやることをロボットができるのか?」という感じだったんですが、話し合いを重ねるうちにご理解いただいて、この度一緒に開発いただいたという経緯があります。

―――もともと人間用に作られたレクササイズをPepperがやるとなると、なかなか大変だと思うんですが。

Pepperと人では可動範囲が異なるので、大変でしたね。例えばPepperには肩も足もありませんし、腰をひねることもできない。だから、人間と全く同じ体操はできません。そういった部分をPepper向けにカスタマイズするというか、Pepperが動ける範囲での体操に練り直しました。

それに加えて、できない部分をいかにPepperで表現するか、という演出の工夫もしています。Pepperが声がけや説明をしたり、動きで表現したりすることで、できない部分を補足していく。またディスプレイと連携して体操をするのですが、どうすればご理解いただきつつ、楽しんでいただけるかなというところは非常に難しかったです。

―――導入されている施設からの反響は?

レクリエーションの現場が変わったという声を非常に良く頂いています。

レクリエーションって、何十人という集団の前でスタッフの方おひとりが司会進行をされるんですが、人前で喋るのが苦手だったり、毎回何をやるか考えることが非常に負担になります。また、人がやるとどうしても同じことの繰り返しになってマンネリ化してしまう。そんなとき、Pepperがやることで雰囲気がガラッと変わるんですね。

また、Pepperが入ることによってある程度レクリエーションを任せられる部分が出てくるので、その分を高齢者を観察するアセスメントの時間に使っていただけます。実際、5人でレクリエーションをやっていたところを、Pepperを導入することで4人でやるようになったなどの声もあります。

―――介護を受ける方だけじゃなく、介護される方の負担軽減にもなるんですね。

そうですね、我々もまずはスタッフの方の意見を聞くようにしています。

もちろん、受ける方も楽しくなったというお声もいただきます。ある認知症の方は、 Pepperのレクリエーション のときだけは必ず毎回参加されるとか、そういったお話をいただくこともあります。

―――コミュニケーションロボットには様々な種類がありますが、今回なぜPepperを選んだのでしょうか?

Pepperの身長は約121cm。座るとちょうど目線が合う

場所によって最適なロボットの大きさやデザインがあるかなと思っています。介護施設など集団の中で使う場合、Pepperくらいの大きさがとても良いと感じています。集団の中だと、小さいロボットはおもちゃにしか見えないことがあるんです。Pepperの大きさなら存在感があるし、高齢者が座った目線とPepperの目線がちょうど合うんですね。りつこ式レクササイズはすべて座って行う体操なので、そういったところも人気の秘密なのかなと思います。

―――御社は、コミュニケーションロボットの実証事業に参加されてますね。

弊社ではここ2年ほど、Pepperを使った介護現場での実証を行っています。昨年度は、日本医療研究開発機構(以下AMED)のロボット介護機器の開発・実用化および導入を支援・促進事業で、コミュニケーション型ロボットを1,000台単位で実証しようという動きがあり、それにりつこ式レクササイズが採択されました。大手介護施設で約1年間、AMEDの予算で実証しました。 

また、テクノエイド協会が行う「介護ロボット等モニター調査事業」にも採択していただき、どんな効果があるのか、どんな評価ができるのかといった実証実験を行いました。

―――どんな実証実験を行ったのですか?

2ヶ月間、実際の介護施設でPepperを使ってもらったんです。高齢者40名中12名の方に2名の専門家をつけ、体操が始まる前と後で情動行動にどのような変化が現れるかを見てもらいました。

準備体操からリズム体操・ゲーム、クールダウンという一連の流れの中で、表情や姿勢を乗り出すといった情動行動をチェックし、数値化してもらいます。

そうすると、プログラムを始まると同時に反応が一気に上がって、その後一定に保たれることが分かりました。どういうことかとういうと、ずっと集中できていて、かつ2ヶ月やってもほぼ変わらないということなんですね。そのようにして効果を実証していきました。

―――正直、コミュニケーションロボットの効果って定量的に検証するのが難しくないですか?

確かに難しいです。高齢者と一括りにしても、その中には元気な方もいるし認知症の方もいる。どの方に対する効果なのかを絞って考える必要があるでしょう。りつこ式レクササイズは、あくまで元気な高齢者の方がメインです。介護度で言えば1~3、集団で体操ができる方向けです。

効果の実証が難しい理由としては、認知症の方に「どうでした」と感想を聞くのがそもそも困難だからでもありますね。認知症の方となると、感想を言葉で表現しにくい。我々は「疼痛スケール」という笑顔の段階を絵で表したものを使って、介護スタッフの方を通じて高齢者の方の反応を確認してもらいました。

―――コミュニケーションロボットに対してネガティブなイメージを持っている方もいると思います。受け入れられていくには何が必要だと思いますか?

パワーアシストタイプのロボットなどは、辛いのをどうにかするという目的があり、ある意味では分かりやすいと言えます。しかし、そういったフィジカルな部分ではないニーズというのがあるのではないかと考えています。

例えば、「自分に時間があればきちんと話してあげたかった」とか、「もっとやってあげられるのに、やってあげられないのがすごく辛い」というような話を聞きますよね。放ったらかしにするのではなく、介護を受ける方に楽しい時間を過ごしてほしいという願いに対して、コミュニケーション型ロボットは役立っていくのではないでしょうか。

我々としては、最終的には「喋ることによって認知度が下がるのを抑える」とか、「嚥下機能の低下を抑える」というところにまで繋げていきたい。それには、まずはどれくらい効果があるのかという数値をしっかり出すために、実証を続けていかないければいけないと思っています。他にやっている人たちはなかなかいないですので。

―――やはり課題は数値化ですか。

そうですね。少ない人数で多くの方に目を向けられるというのは、ひとつの数値化と言えると思っています。ロボットを導入するとなったら、施設としてはお金を払わなければいけないので、費用対効果が求められます。

だからまずは費用対効果を満足させる数値を取ることが、普及につながると考えています。ロボットを導入することで少ない人数でも上手く回すことができるとか、一人雇う代わりにロボットを導入すれば良いとか、そういうことを実証していきたいです。

―――他企業でも「費用対効果」をあげるのが難しいという話を聞きます。

とくにコミュニケーションロボットは難しいですが、一方ですごく可能性を感じています。

Pepperってインタラクティブな会話がまだできないのですが、それでも認知症の方は非常に集中して見てくださいます。実証実験のときも、徘徊癖があって20分もじっとしてられない方が、Pepperを導入したら1時間ずっと座って1回も立たれなかったということがあり、介護施設の方もびっくりしていました。

高齢者にあった会話を突き詰めていければ、効果の部分で数値化できるものも自ずと出てくるんじゃないかなと考えています。

編集部まとめ

介護関連のアプリ開発と同時に、介護の現場にロボットが受け入れられる土台づくりにも尽力しているフューブライト・コミュニケーションズ。りつこ式レクササイズをするPepperは、人と共同で場を作り、盛り上げてくれます。人だけではできない、でもロボットだけでもできない、ふたりが一緒になることではじめて生まれる効果が確かにあるということを実感しました。今後は在宅介護向けのアプリ開発も進めていきたいという両氏の言葉に、期待が高まります。


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