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離床アシストロボット
リショーネPlus

商品名
離床アシストロボット リショーネPlus
サイズ
全長 2,075mm 全幅 1,009mm(車いす合体時)、全高 799~1,079mm
重さ
164kg(車いす部含む。マットレス除く)
希望小売価格
90万円(税抜・配送・組み立て費用別)
発売日
2017年1月20日

製品概要

ベッドが縦半分に分離して車椅子となる、離床アシストロボットです。利用者を持ち上げることなく車椅子側に移乗できるため、介助者の負担が軽減するだけでなく、移乗介助にともなうケガなどのリスク軽減も期待できます。

ベッドが車いすに大変身!離床アシストロボット「リショーネPlus」|パナソニックエイジフリー株式会社

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2016年4月に、介護事業を行う4つの会社を統合して誕生したパナソニックエイジフリー株式会社。施設・在宅両方に向けてサービスと商品を提供する、幅広い事業領域を持つ会社です。

そんなパナソニックエイジフリー株式会社だからこそ開発できる介護ロボットが、今回ご紹介する「リショーネPlus」です。一見普通のベッドに見える「リショーネPlus」の魅力と、背後に隠された開発秘話に迫ります。

パナソニックエイジフリーってどんな会社?

―――まずはパナソニック エイジフリー株式会社様の会社のご紹介をお願いします。

東京大学の非常勤講師も勤める河上日出生氏に話を伺った

パナソニックエイジフリー株式会社は、パナソニックを母体としている会社です。パナソニックエイジフリーの事業そのものは1998年にはじまり、来年でちょうど20周年になります。

最初は有料老人ホームというサービスからスタートし、順次事業を拡大していきました。
当社の一番の特徴は、介護用品を作る製造業と、商品やリフォームで生活環境を整える流通・小売業、そして在宅・施設向けの介護サービスを提供するサービス業と事業が多岐にわたり、かつそれぞれが専門分化・連携していることです。そのため、例えば施設のニーズにすばやく応えて商品を開発することが可能です。

介護用品開発としては、ベッド、排泄系、入浴系などがありますが、最近は新しくロボット技術を使った取り組みをしています。

ベッドが車いすに変身!新発想の移乗支援ロボット

―――「離床アシストロボット リショーネPlus」とはどのような製品ですか?


現在販売している「リショーネPlus」の前に、「リショーネ」という商品を発売しました。「リショーネ」は電動ケアベッドとフルリクライニング車いすを一体化した新商品です。ところで、電動ベッドがどういうものかはご存じですか?

介護施設にあるベッドというのは、通常3モーター、3モーションと言われています。背上げ・足上げ・高さ調整ができるという意味で、だいたいこれがスタンダードです。我々はそういったベッドに、その半分が分離して車いすに変形するものを作ったということです。

―――「離床アシストロボット リショーネPlus」開発の背景やきっかけを教えてください。

「リショーネ」は、ベッドと車いすを分離合体させることによって、ベッドと車いすの移乗介助を手助けしようという商品です。「リショーネPlus」は、その改善版になります。

「リショーネ」も「リショーネPlus」も、重介護度の方、いわゆる寝たきりの方を対象にしています。そういった方の移乗介助は通常、介護する人二人がかり、もしくは三人がかりで抱えて、ぐっと持ち上げて行われます。

そうするとよく言われるように、介護する方の腰痛はもちろん、介護を受ける方が感じる苦痛、あるいは恐怖などが問題になります。さらには体の状態が変わることによる血圧の急低下や内出血などのリスクもある。重介護度の方の移乗は、すごく気遣う作業なんですね。

我々は、そういった諸々のリスクや困難を伴う移乗介助を、介護する方も受ける方も安楽にできることを目指したのです。

リフトより簡単、しかも早い。機能を絞ることで実現したこととは

―――移乗というと、リフトを使用した移乗介助も考えられますが。

厚労省のデータとしては、リフトを導入している介護施設はだいたい8%と言われています。我々としては、実際使われているのはその半分以下だろうと考えています。

移乗用リフトには、移動できるタイプのリフトと、備え付けのリフトがあります。移動できるタイプは色々な所で使える良さはあるけれども、持ち運びが大変。備え付けのリフトは場所を取るなどの問題があります。また、スリングシートを使ってリフトで釣り上げるんですが、それには結構スキルが求められます。

だからこそ「リショーネ」は、簡単に、すぐに導入できることを前提として開発しました。その分、対象の方を重介護度の方とかなり絞っている。絞り込むことによって良さを出しているということです。


「リショーネ」とリフトの比較データがあります。ベッドから車いすへの移乗にかかる所要時間は、リフトに比べて約1/2、作業のステップ数に至っては1/4です。この作業工程の少なさは、導入後も持続的に使っていただくための大切なファクターです。

―――開発中に特に気をつけたこと・こだわりはなんですか?

実はベッドが真ん中で分かれるということが、業界的には非常識なことなんです。なぜ非常識かというと、床ずれ(=褥瘡)ですね、寝たきりの方は床ずれになりやすいと。我々はそこにチャレンジしました。

床ずれは、マットレスの体圧分散性ととても関係があります。例えばベッドのシーツのシワひとつあってもいけない。そういう常識があるんです。

そんな世界にあってベッドが真ん中にスパンと分かれているとなると、これ大丈夫なの?となる。そこで褥瘡(じょくそう)専門家の先生に入っていただいて、検証しました。検証の結果、一枚物のマットレスと違いがないということが確認できた。それでようやく商品化できたという流れがあります。

試作を重ねて分かった、ロボットならではの解答

―――「離床アシストロボット リショーネPlus」の開発でもっとも難しかったのはどんなことですか?

実はリショーネも、もともとはこのような形ではなく、人を抱えるという持ち上げ型のロボットから始まったんです。でも持ち上げ型のロボットをエイジフリーの介護施設で使って意見をもらっているうちに、ちょっとこれではまずいなということになったんですね。機能としてはなかなかおもしろいんだけど、実際の現場で使い物になるかというのとはまた違う問題だと。

例えば空間的な問題です。限られたお部屋の空間にロボットをいれると、足場がなくなってしまい、せまい。あとは安全面での問題です。持ち上げというのは、根本的に人が持ち上げるときのリスクをそのまま継承したものになっている。だからそこを変えないといけない。

持ち上げ型ロボットから、ロボットでしか成しえない一体型ロボットへと変化

結局のところ、ベッドと車いすの間を移乗するならベッドが車いすになればいい、そうすれば持ち上げすらないということで、馴染みのあるベッドと車いすという形はそのままに、分離合体させるという商品になりました。これが、人にはできない、ロボットならではの答えの出し方だったと言えるんじゃないかなと思っています。

―――リショーネとリショーネPlusでは何が違うのでしょうか?

形が決まった後に様々な所で実証し、ようやく販売になりましたが、最初は100台限定・実勢価格としては130万程度で販売しました。

「リショーネ」自体は、機能としては非常に受けれいてもらえたと言えます。その一方で、価格や安全性、運用性、利便性といったところで改善を強く求められました。

それらを改善したのが、「リショーネPlus」です。「リショーネPlus」は、実勢価格を80万程度まで下げ、分離する方向を左右どちらも選べるように改善しました。さらに組み立て型にしたことによって、在宅介護でも使えるようになりました。

移乗が楽になると、場に参加する機会が増える

―――利用者の声・外部の評価・反響にはどんなものがありますか?

在宅レンタルされた方からは、離床が一人でも安全・簡単にできるとの声が寄せられています。介護施設現場の反響としては、約70~80%のスタッフ様が身体的、心理的両方の負担が軽減されたと回答するなど、その有用性が実証されています。

身体・心理双方の負担が8割低減した

また、車いすの使用回数や離床時間が大幅に増加すると同時に、利用者の口数やリアクションも非常に良化したという結果が出ています。

介護する方の負担やストレスを軽減すると同時に、全介助を必要とする方が苦痛なく安心してベッドから離れ、場に参加する機会が増えることで心身が良くなった、元気になってきたという声をいただくのは、我々としても本当に嬉しいですね。介護する方、受ける方双方にお役立ちできるということを柱にしているので、そういう意味では目的通りの成果が出たなと自負しています。

世界初!ISO13482を取得

―――前モデルである「リショーネ」はISO13482に基づく認証を世界で初めて取得されていますね。

ISO13482は生活支援ロボットの初めての国際安全規格です。我々は規格制定にも若干関わっていますが、ここでは新しい概念の安全の手法、すなわち機能安全が求められています。

そのため、これまでの介護機器にくらべてとびぬけた安全性が必要になります。開発時も、求められる安全性にたいして、どうコストと折り合いをつけていくかが課題となりました。

そこで我々が工夫したのは、機能安全にまつわる部分を極小化していくということでした。安全部分をある一点に閉じ込めることで、高い安全性を実現しながらできるだけコストを抑える。そういった安全性の設計の考え方を見直すのが、第一のハードルとなりました。

ロボットが、「総介護時代」を明るくする

―――介護職員の中には、介護ロボットの導入にネガティブなイメージを持っている人がいます。そのような人に、介護ロボットが受け入れられていくのには何が必要だと思いますか?

ロボットというワードは非常に難しいんです。「リショーネ」も実は、最初はロボットとは名乗ってませんでした。ネガティブイメージを考えて、ロボットは強調しないでおこうとしたんです。

でも、最近は国が力を注いでいることもあって、現場の方のロボット意識も高まっているし、抵抗感も緩和されてきていると感じています。むしろロボットを肯定的に捉え、「介護する方=ロボットオペレーター」いう肩書を新たに作ることで、介護業界に対するイメージの改善につながるのではないかという声が、介護現場から出てくることもあります。

我々としては、「総介護時代」を迎えるにあたって、テクノロジーを取り入れることで少しでも介護に対して前向きになる、「明るい介護社会」に貢献できればいいなと思っています。

編集部まとめ

取材にあたり、実際に「リショーネPlus」を体験してみました。寝転がってみると、ベッドが真ん中で分かれているのを全く感じさせない寝心地の良さに驚きます。分離合体するときは、大きな衝撃や音もなく非常にスムーズ。介護する側と受ける側の顔を見合わせられる距離・位置で操作してくれるので、安心して身を任せられました。取材して感じたのは、介護ロボットが単なる「負担軽減」にとどまらない、可能性に満ちたものでありうるということです。「リショーネPlus」による負担軽減は、介護を受ける方の場の参加につながり、ひいては精神的な変化をもたらしています。


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