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飲み込みの音を聞きやすくした集音器
ごっくんチェッカー

名称
ごっくんチェッカー
マイクセンサー
27φ×5mm厚 アルミ/マイクケーブル1.4m
スピーカー
135×100×105 mm、重量 460g (ABS)
販売価格
98,000円(税抜)

問い合わせ先
電話:03-5879-4260
https://www.happyris.jp/contact/ 

製品概要

「ごっくんチェッカー」は、嚥下音を見える化する介護ロボットです。高性能のセンサーで嚥下音や呼吸音をひろい、スピーカーで聴くことができます。嚥下音や呼吸音から、利用者がきちんと食べ物を飲み込んだかどうかをチェックすることがで、嚥下による事故の予防が期待できます。

嚥下音を聞ける化・見える化「ごっくんチェッカー」|株式会社ハッピーリス

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さまざまな種類が発売されている介護ロボット。しかし、嚥下に特化した介護ロボットはおそらく今回ご紹介するものが唯一でしょう。「ごっくんチェッカー」は、嚥下音を”聞ける化””見える化”する介護ロボットです。

開発メーカーである株式会社ハッピーリスの代表取締役、吉田氏に詳しいお話を伺いました。

ハッピーリス 取締役の平井氏(左)、代表取締役の吉田氏(中央)、インターン生の大神氏(右)

ハッピーリス 取締役の平井氏(左)、代表取締役の吉田氏(中央)、インターン生の大神氏(右)

集約技術のスペシャリスト|ハッピーリスってどんな会社?

ーーー株式会社ハッピーリス様の会社のご紹介をお願いします。

当社は、集音技術を応用したさまざまな製品を開発・販売しているメーカーです。例えば産業用の異音検査センサーは、工場内で製造中の製品が動作不良を起こす時の小さな軋み音を、騒音下であっても採取することができ、不良であることを知らせます。周りの音を一切拾わずに、必要な音だけ検知するという特殊な集音技術で、生産工場はもちろん医療機関などの分野でお使いいただいています。

ーーー医療分野ではどのような製品を開発しているのですか?

医療分野では、「ケアレコ」という音響機器を開発しました。「ケアレコ」は、聴診器から聞こえる体内の音を携帯電話に録音したり、通話相手に聞かせることができる機器です。販売開始後、教育の場で心音を大きな音で聞かせたいという要望があり、スピーカーとつなげるタイプも開発しました。

「ごっくんチェッカー」開発の背景

ーーー「ごっくんチェッカー」は嚥下音を”聞ける化””見える化”した商品です。なぜ嚥下に着目したのでしょうか?

「ごっくんチェッカー」は、高齢者の摂食・嚥下障害に詳しい東京医科歯科大学の准教授である戸原 玄先生が、「ケアレコ」をお使いになったことがきっかけで開発をはじめました。

戸原先生が「ケアレコ」を使いたいとおっしゃったとき、「なぜ嚥下障害の専門家が?」と疑問に思い、診療に立ち会っていろいろお話を聞いたんです。そこで初めて嚥下障害や誤嚥性肺炎などの問題を知りました。

さらに1年ほど訪問診療などに同行し、介護家族の方やヘルパーさんからヒアリングした結果、誤嚥が怖くて食事介助が心理的な負担になっていることが分かってきました。そこで、嚥下音を”聞ける化”・”見える化”して、少しでも誤嚥を減らす商品が作れないかと考えるようになったんです。

ごっくんチェッカーとは?

ーーー「ごっくんチェッカー」とはどのような製品ですか?

ごっくんチェッカー

ごっくんチェッカーは、嚥下音、つまりモノを飲み込むときの「ごっくん」という音を聞いて、正しく飲み込めているかを確認できる機器です。ごっくん音のチェックにより、誤嚥していないか、喉頭残留がないかなどが判断できるので、安心で安全な食事介助につながります。

また、嚥下障害のある方のリハビリやトレーニングにも役立ちます。「ごっくんチェッカー」で嚥下音を聞きながら、正しい嚥下の指導や効果測定が可能です。

ーーー使い方を教えてください。

「ごっくんチェッカー」では、音で嚥下を確認する方法グラフで嚥下を確認する方法の2つがあります。

音で嚥下を確認する方法

まずは音から聞いてもらいましょう。「ごっくんチェッカー」はスピーカーアンプとセンサーの2つから成り立ちます。はじめに、ベルトでセンサーを喉元に固定します。

ごっくんチェッカー装着図

ベルトでセンサーを装着した状態

この状態で水を飲んでみます。何が聞こえますか?

ーーーかなりはっきりと飲み込む音が聞こえました。呼吸の音もとても良く聞こえますね。

はい。実は誤嚥の判断には、息の音が非常に重要なんです。人間は、何かを飲んだり食べたりしたあと、たいてい必ず息を吐きます。その音にノイズなどがないことを確認することで、正しい飲み込みかどうかを判断しているんです。

ーーー正常でない飲み込みの場合、どのような音がするのでしょうか?

息を吐くときに「ゴロゴロ」という音が聞こえるときは、喉頭残留の証拠です。のどに食べ物が残ってしまった状態ですね。この音が聞こえたら、咳払いを促すなどして、音が消えたことを確認します。 

グラフで嚥下を確認する方法

次に、嚥下を”見える化”したグラフをご覧いただきます。

飲み込み音をグラフで表した図

飲み込み音をグラフで表した図。左上のグラフが理想的な飲み込み音を示す

3つグラフがありますが、まずは左上のグラフをご覧ください。縦軸が圧力、横軸が時間を表しています。これが良い飲み込みのグラフです。

ーーー短く「ごっくん」しているという感じですかね。

そうです。通常、良い飲み込みは「ごっくん」が短いです。

つぎに、左下の黄色と緑の矢印の波形をご覧ください。左上の波形と比べて、一回の飲み込みに時間がかかっているのが分かりますね。これは、飲み込む力が弱くなっている証拠なんです。この波形が出たら、喉の筋肉を鍛えたほうが良いといえます。

最後に、右下の青色の矢印の波形をご覧ください。これを見て何か分かることはありますか?

ーーー波形の形が正常のものと全く違いますね。長く圧力がかかっているんですかね。

これは誤嚥の波形です。波形が減衰していないということは、気管で一定期間圧力がかかり続けているということを意味します。つまり、気管の中にモノが入っている状態を表しています。この波形がでたら誤嚥しているということなので、気管から残留物を排出させるという対処をすることになります。

このように咽頭残留と誤嚥を区別して波形で”見える化”させたのは、世界的に見ても初めてのことです。

食事介助だけじゃない「ごっくんチェッカー」の活用

このグラフを活用して、その人の嚥下力を見たりトレーニングやリハビリに活かしたりすることもできます。

これまで、嚥下力が低下している人が安全に食べられる食べ物や調理方法を知るには、医師による内視鏡検査や造影検査などをするしかありませんでした。しかし「ごっくんチェッカー」を使えば、有資格者でなくてもすぐ調べられるんです。硬さの違う食べ物を用意して、その飲み込み具合を確認することで、その人の嚥下力を知ることができ、それによって最適な食事を提供することができます。

また、2014年から現在まで、浜松市リハビリテーション病院の藤島一郎先生に「ごっくんチェッカー」の検証や改良のご協力をいただき、嚥下障害のリハビリにも役立つことが立証されました。患者さんご自身に自分の飲み込み音を聞いてもらうことで、良い嚥下を学習することができるのです。

ーーー自分の飲み込み音が聞こえると、やる気も出そうですね。

そうですね。リハビリやトレーニングのモチベーションアップにもなりますし、食欲増進にもつながります。

反復唾液嚥下テスト(RSST)をやってみた

飲み込み力をチェックする方法のひとつに、反復唾液嚥下テスト(RSST)があります。これは、30秒間に唾液を飲み込み続け、その音やグラフを確認するというテストです。実際にやっていただきましょう。

実際のテスト結果

実際のテスト結果。「嚥下力に問題はない」とのことで安心

結果は、このようにグラフで出ます。グラフを見る限り、嚥下力に問題はないようですね。問題がある場合は、その部分が黄色や緑で表示されるようになります。

ごっくんチェッカーのテスト結果の見方

問題がある嚥下が行われた場合のグラフ例。該当箇所が色塗りされる

テストによる定期的なチェックで、常に最適な食事提供や姿勢指導が可能になるため、誤嚥や窒息の予防になります。

利用者の反響

ーーー反響にはどのようなものがありますか?

介護する方からは、誤嚥を放置してしまう心配がなくなったので、安心して食事介助にあたれると言っていただきます。また、食事介助を受ける側も自分が食べたり飲んだりした音が聞こえるため、次の一口に進みやすく、食事介助全体にリズム感が出て、スピーディになったという声も多いです。

ーーー食事介助の時間や負担が軽くなり、業務負担も軽減されたということですね。

その他には、食事介助支援としてではなく、コミュニケーションツールしてもお使いいただいている方もいます。「ごっくんチェッカー」は小さな音も拾い聞こえやすくするので、声が出にくい方がコミュニケーションをとるときに装着する例もあります。

ごっくんチェッカーで介護業界を変えていきたい

ーーー「ごっくんチェッカー」の登場によって、食事介助はどのように変化していくと考えますか?

まずは、食事介助の心理的・業務的負担の軽減です。次に、誤嚥による肺炎や窒息の予防が今以上に広がっていけばと考えています。また被介護者にとっても、食事介助がスムーズに進むことでこれまでよりしっかりと食事を摂ることができます。

加えて、今私たちが考えているのが、「ごっくんチェッカー」を活用した介護のワークシェアリング化です。

「ごっくんチェッカー」を使えば、誰もが安全に食事介助ができるようになります。これまで食事介助をしたことがない方でも、例えば昼の1時間だけ食事介助の仕事にあてるということができるのではないかと考えているのです。

今、「介護」というと、排泄や入浴などの身体介護に加え、部屋の掃除や身の回りの整理整頓などの生活サポートなど、ありとあらゆる業務が含まれます。しかし、「その中の食事介助だけやります」という人がいても良いのではないかと思うんです。

業務を分業化することで「介護」のハードルが下がり、「それならできそう、やってみたい」という人が増えれば、介護人材の質の向上にもつながるのではないでしょうか。

そういったワークシェアリングを促進するためにも、「ごっくんチェッカー」をはじめとした介護ロボットが活用されていけば良いなと思っています。

今後の展開は?

他分野の介護ロボットと協力し、「ごっくんチェッカー」の活用シーンを増やしていく予定です。例えば、正しい食事姿勢を確保するために、ベッドや車いすのロボットと連携させるなどを考えています。

メッセージ

身体の筋肉はスポーツなどで鍛えることができますが、喉の筋肉を日常的に鍛えているという人はほとんどいません。しかし実際には、嚥下力は40代くらいからだんだん低下していきます。

口から食べ物を食べるという行為は、人間の尊厳にもかかわる非常に重要な行為にもかかわらず、あまり重視されていません。嚥下力の大切さを広めるためにも、「ごっくんチェッカー」が施設や病院だけでなく、スポーツジムやカフェなど、いろんなところに設置されると良いなと思っています。


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