人間のサポート役として介護ロボットを利用!株式会社レオパレス21グループ「あずみ苑木更津」

介護ロボットONLINE編集部介護ロボットONLINE編集部

作成日2017/09/11 更新日2018/03/274,211views

介護業界の先駆け的存在で介護ロボット導入を進めている、株式会社レオパレス21グループの介護施設「あずみ苑」。現在、関東と中部地方で80施設以上を運営しており、今回、千葉県木更津市「あずみ苑木更津(デイサービス・ショートステイ)」に導入されているコミュニケーションロボットPALRO(パルロ)について、導入したきっかけから施設のお客様の反応、PALROの利用方法についてお話を伺ってきました。

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今回お話を伺った方。シルバー事業部 運営部 運営企画課 運営チーフの原嶋めぐみ氏(左)、千葉第3エリア エリア長の小倉宏樹氏(右)

お客様の満足度向上とスタッフの業務負担軽減のために介護ロボットを導入



―――PALRO(パルロ)導入のきっかけを教えてください。


原嶋氏:弊社の企業理念は「新しい価値の創造」であり、新しいことにチャレンジしていこうという社風があります。そのため、弊社は介護ロボットの可能性に早くから着目し、導入に向けて動き出そうとしていました。

私は、2007年2月にあずみ苑の施設スタッフとして入社しました。 その後、施設長を経験し 、現在入社11年目で本社で働いています。

現場での経験と今後の介護職員人材不足、介護ロボットの社会的活躍を見越して、介護ロボットについて先進的に取り組むため色々と調べていくうちにPALROについて興味を持ちました。

―――介護ロボットにもさまざまな種類があると思うのですが、その中でもなぜPALROを?

原嶋氏:介護ロボットの導入を検討していくうえで着目していたことが2つありました。ひとつは、お客様の満足度の向上。もうひとつはスタッフがいきいきと働けるように業務負担軽減を図ることです。

介護業界で働いている方は、ご高齢者の方のために助けになりたい、サポートしたいという気持ちを持っている方が多いと思っています。でも、現場での経験から、お客様の前に出て、大きな声で体操をしたり、体を張ってレクリエーションをしたりというのは、スタッフ皆が得意なわけではないことを感じていました。

そのため、以前より、“レクリエーションをサポートしてくれるロボットがあればいいな”と思っていました。また、体操やレクリエーションひとつにしても、プログラムを考えなければいけないので、その点においても業務負担の軽減ができれば…と感じていました。

小倉氏:そうですね、プレッシャーや緊張からか、レクリエーションを担当する日の前日から眠れないなんて声も聞いたことがあります。

原嶋氏:そこで、このような問題の解決を図っていくため、コミュニケーションロボット導入の考えに至り、PALROの導入を決めました。


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平成26年11月にオープンしたあずみ苑木更津


操作ではなく、話しかけることでPALROを動かす

―――PALRO導入が確定した要因ってありますか?

原嶋氏:
そうですね。調べていくうちに、PALROはもともと高齢者施設で活躍することを前提に開発されたロボットだと分かり、実際に富士ソフト㈱(PALROの開発メーカー)へ見学に行きました。

私自身、機械はあまり得意ではありませんが、そんな自分でも操作ができそうと思えるくらい簡単でした。操作というより、声掛けですね!「●●やって」とか、「ちょっと声が小さいからもっと大きな声だして」とか、PALROに話し掛けるだけで「はーい」だったり「わかりました」と言って、動いてくれるんです。

―――人の手で行なっていた介護をロボットに任せるというところで、導入時いろいろ混乱等あったのかなと思うのですが。


小倉氏:もちろん、施設で初めて介護ロボットを扱うということで、少し不安はありました。しかし、原嶋がいうように、ロボットを操作するのではなく、話しかけるだけで自動的に動いてくれるので、働いているスタッフもすぐにPALROに慣れ、抱いていた不安はなくなりました。また、レクリエーションの基礎的なことをプログラミングされているロボットなので、導入もスムーズにいったと思っています。導入にあたって手間がかかるようだと、業務負担軽減につながらず、本末転倒になってしまいますしね。

お客様もすんなりと受け入れていただけて、「かわいいね」って声を掛けてくださっています。

―――想像と違って操作が簡単ということで驚きました!

小倉氏:はい。弊社では、「あずみ苑木更津」以外にも2施設でPALROを導入しているのですが、どこの施設でもお客様からは好評いただいています。

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「かもめの水兵さん」を歌って踊るPALRO。歌っているときは、頭部に「♪」マークがつく。

お客様から「かわいい」の声


小倉氏:お客様からは、PALROについて、「声が子どもみたいでかわいい」とか、鉄腕アトムで見ていたあの世界が目の前にあるということで、「これどうなっているの?」とか、「中に人が入ってその人がしゃべっているんでしょ?」という声もありました。

―――レクリエーションなど、やらされている感を訴えるようなお客様は?


原嶋氏:そのような方はいらっしゃらないですね。レクリエーションの時間は、例えば、ご利用されているお客様が30名いらっしゃれば、何名かは参加されず何かしらしていることもあるんですが、PALROが行なうレクリエーションが嫌いという声は聞いたことがないですね。これは富士ソフト㈱の担当者の方から伺ったんですが、ロボットの開発にあたって、女性だけのチームがいらっしゃるそうなんです。より愛着がわくように、かわいく見える仕草だったり、言葉を研究したりして搭載しているとのことでした。

そのため、絶妙な動きをするというか、かわいく見える工夫がされているので、ちょっと関わるとかわいいと思ってしまうんですよね。5歳の男の子の設定で開発されているので、お孫さんと関わっているような感覚で接することができるのかなと。

―――PALRO導入にあたり、難しかったことなどありますか?

小倉氏:言葉の認識は少し難しかったですね。声掛けは定型的な内容でないと認識しません。

―――PALRO導入後、周囲の反響はいかがですか?

原嶋氏:PALROの導入を知っていただくイベントを開催したこともあり、介護ロボットを導入している事業所が身近にないとのことで他の事業所のスタッフの皆さんが施設見学に来てくださいました。集客にも、活用ができていると思います。

栃木県の「あずみ苑」では、レクリエーションはもちろんのこと、PALROを玄関に置き、来客者とPALROがコミュニケーションをとれるようにしています。近隣にお住まいの方が遊びに来たりもするので、おもしろい活用方法だと思います。

―――施設によって同じPALROでも使い方が違ったりするんですね。

原嶋氏:そうですね。「あずみ苑木更津」では、お客様皆さんに対してのレクリエーションではなく、どちらかと言うと、個別にお話をする形で活用していますが、全体でのレクリエーションで活用している施設もあるので、PALROの活用方法については、もっともっと研究が必要だと思っています。

ただ、レクリエーションやコミュニケーションのサポートで使用するだけでなく、PALROと関わりをもったことによってお客様の身体状況に変化があったかなど、もう1歩専門的な分析をしていくことが今後の課題ですね。

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話を聞くモードのPALRO


介護ロボットを利用し、介護の質をあげていく



―――普通に利用するフェーズから質をあげていくフェーズに?


原嶋氏:富士ソフト㈱でも介護ロボットの効果検証をされていますが、そもそも介護ロボットの定義自体曖昧なのが課題であると思います。

特にコミュニケーションロボットに関しては、いわゆる「笑顔が増えた」などのふわっとした表現でしか実証されていないというところがあるんです。

―――他の施設では違う介護ロボットも導入していらっしゃるとのことですが?

原嶋氏: 現在弊社の介護施設で導入している介護ロボットは、PALROとマッスルスーツですが、他の介護ロボットも、費用対効果も踏まえた検証を続けています。

―――使うにあたり、介護職員の方から使ってよかった、業務が楽になったという話はありましたか?

小倉氏: はい、PALRO1台で何名かのお客様がコミュニケーションをとっていれば、そこに関わっていた職員はその様子を見守りながら他の業務に時間が使えますよね。そういった点から導入してよかったという声がありました。

―――体感的に、介護ロボット市場は拡大してきていますか?

原嶋氏: すごく増えていると思います。3年程前は、インターネットで「介護ロボット」と検索した際、情報量が少なかった記憶があります。例えば、離床センサーを製作している会社も、検索結果に数社しかありませんでしたが、今は、選ぶのが大変なくらい製品があります。電化製品と一緒で、3年前に比べて機能も向上しているということは今後も向上していくのではないかと思っています。

―――介護ロボット導入について悩んでいらっしゃる他施設様に向けてメッセージをいただけますか?

原嶋氏: 介護業界で働くことを志す人は、何か役に立ちたいと思っている方が多いと思うんです。そこにロボットが入ることによって、自分たちの業務が奪われてしまう、無機質、冷たい感じがするなどという印象を持っている方も多いと思います。

実際に介護ロボットの導入に関わり感じたのが、介護ロボットに全部を任せるのではなく、職員がなかなか手の届かないところを介護ロボットにサポートしてもらうことで、職員はお客様と向かう時間を多く持てる。このことは、お客様にとって、とても良いことではないかと思っています。

例えば、前に立って自分がやらない代わりにお客様の横について、「PALROが右腕挙げてって言ったらこのようにするんですよ」と言って一緒に動いたり、お客様の動きの様子を見たりすることができます。自分が緊張しながらレクリエーションや体操していると、なかなか気持ちに余裕がなく、お客様の細かい様子まで目が届かない時はあるとおもいます。

本来の業務をするための一助となるような使い方をすることが望ましいのかなと思っています。

小倉氏:PALROに興味があるお客様や、事業所の方のお問い合わせ・見学も随時承っております!

レオパレス21グループの介護サービス施設「あずみ苑」への問い合わせはこちらから

編集部まとめ

編集部取材中に通りかかった高齢者様数人もPALROに興味津々で、「あら、かわいい」「照れているわ」とコミュニケーションをとっていました。IT社会に突入しスマートフォンが当たり前の時代、自然と「高齢者=メカが苦手or嫌い」というレッテルを貼りがちですが、実は介護ロボットは高齢者の興味をそそるツールのひとつなのかもしれません。



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