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介護ロボットって何?意外と知られていない定義に迫る

介護ロボットONLINE編集部介護ロボットONLINE編集部

作成日2017/08/18 更新日2018/03/273,706views


超高齢社会を迎え、介護負担軽減や要介護者の自立支援につながるとして期待を集めている介護ロボット。しかし、「そもそも介護ロボットとは何か?」について広く知られていない現状があります。

  • そもそも、ロボットって何?
  • 介護ロボットって、福祉用具なの?
  • 医療用ロボットとは何が違うの?

そんな疑問を持つ方へ向け、意外と知られていない「介護ロボット」の定義について「福祉用具」や「ロボット」の定義にも迫りつつ解明していきます。

7割弱が介護ロボットを「よく知らない」

2013年(平成25年)8月、内閣府が行った「介護ロボットに関する特別世論調査」にて、介護ロボットの認知に関するアンケートが行われました。それによると、介護ロボットについて「話だけは聞いたことがあった」と答えた人は41.9% 、「知らなかった」と答えた人は 26.1%であることが分かりました。

つまり、「そもそも介護ロボットを知らない」、または「言葉だけは知っているが実情はよく分からない」という人が全体の7割弱を占めているのです。政府が介護ロボットに人材不足解消や介護負担軽減を期待する一方、現場ではまだ認知が進んでいないという現状があります。

介護ロボットは福祉用具?福祉用具の定義とは

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厚生労働省は、「福祉用具・介護ロボット開発の手引き」にて、介護ロボットを「ロボット技術を活用した福祉用具」と位置づけています。これによると介護ロボットは、車いすや介護用ベッドと同じように、福祉用具として扱われていることが分かります。ここで気になるのが、「ロボット」の定義と「福祉用具」の定義です。ここではまず、「福祉用具」の定義をみていきましょう。

福祉用具に関しては、「福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律」と「介護保険法」に記載があります。

福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律
老人又は心身障害者の日常生活上の便宜を図るための用具及びこれらの者の機能訓練のための用具並びに補装具
介護保険法
要介護者等の日常生活の自立を助けるためのもの
つまり福祉用具とは、介護を必要とする人の手助けとなる、または自立支援につながる道具であると言えそうです。

そもそも、ロボットって何?

「介護ロボット」という言葉が浸透しつつありますが、実際に開発されている介護ロボットのなかには、およそ「ロボット」らしくないものも多数存在します。ここでは、そもそも「ロボットって何?」という疑問に迫ります。

ロボットの定義は諸説ありますが、ロボット産業育成を牽引する経済産業省による「ロボット政策研究会」では、以下のように定められています。

  • 情報を感知(センサー系)
  • 判断し(知能・制御系)
  • 動作する(駆動系)
よって介護ロボットも、センサー系、知能・制御系、駆動系の 3 つの技術要素を満たしている必要があると言えるでしょう。

何が違う?医療用ロボットと介護ロボットを比較

介護ロボットは、医療用ロボットと混合されがちです。ここでは、医療用ロボットとの違いをみていきましょう。
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医療用ロボットとは


疾病の治療や身体の構造・機能に影響 を及ぼすことを目的とするロボットのことです。主に上肢や下肢に装着して、身体の機能回復、症状の改善・進行抑制のために用いられます。医療機器に該当するものについては、薬機法(旧薬事法)による 許認可等が必要とされています。

医療用ロボット
疾病の治療や身体の構造・機能に影響 を及ぼすことを目的とするロボット
用途
上肢や下肢に装着して、身体の機能回復、症状の改 善・進行抑制のために用いる
許認可
医療機器に該当するものについては、薬事法による 許認可等が必要
対して介護ロボットは、あくまで介護分野で使用されるロボットであり、製造・販売するにあたっての許認可等が必要ありません。導入に関しても、施設の判断にて自由に行うことが可能です。

介護用ロボット
介護分野で使用されるロボット
用途
・車椅子の移動、ベッドー車椅子間の移乗などを支援する
・日常生活行動(排泄、食事、入浴など)を支援する
・上肢や下肢に装着して運動機能等を補助する
許認可
製造販売するにあたっての許認可等は要しない

流動的な介護ロボットの定義

ここで改めて介護ロボットの定義に立ち返りましょう。介護ロボットとは、「ロボット技術を活用した福祉用具」と定義できそうです。

ただし、介護ロボットの定義をより広く捉えている組織や団体もあります。例えば公益社団法人 かながわ福祉サービス振興会は、介護ロボットを「介護サービスを支援する先端機器・システム」の総称と捉えています。

ここまで述べてきた定義は、介護ロボットそのものを表す存在論的定義というよりは、介護ロボットの用途によった目的論的定義と言えるでしょう。

実際のところ、ロボットの定義自体定説といえるものはいまだなく、介護ロボットに関しても、明確な定義は存在していないという見方もできるのです。

まとめ

開発や導入、利活用にかかる便宜的な定義はあるものの、技術の発展にともなって解釈の幅が広がっていく可能性もじゅうぶんにあります。

いずれにしても、「なぜ介護ロボットが求められているのか」を理解することが、介護ロボットそのものへの理解につながっていくことは間違いないでしょう。

<参考資料>
内閣府政府広報室 (2013)「介護ロボットに関する特別世論調査」
厚生労働省 老健局振興課(2014)「福祉用具・介護ロボット開発の手引き」
経済産業省 (2005年)「ロボット政策研究会中間報告書」



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