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「まもる~の」で定期巡視が不要に!扉の向こうがわかる見守りへ(株式会社礎・わらい)

介護ロボットONLINE編集部介護ロボットONLINE編集部

作成日2018/05/28 更新日2018/08/037,970views

まもる~のの導入前・運用・効果まとめ


サービス付き高齢者向け住宅でありながら、要介護度の高い入居者を積極的に受け入れている「わらい〜和楽居〜」(株式会社礎)。「医療・介護特化型」のコンセプトのもと、看取りまで行うのが特長です。

「わらい」では、開設当初からさまざまなICT機器を取り入れ、24時間活用しています。「わらい」に導入されているスマホ対応のナースコールと2種類のセンサーは、すべて1台のスマートフォンで確認・操作が可能です。

今回注目したのは、2種類のセンサーのうちのひとつである、睡眠見守りセンサー「まもる~の」(ASD株式会社)。「まもる~の」は、入床・入眠・離床がひと目で分かる睡眠見守りセンサーです。モニター本体と、マットレスの下に敷くエアバッグセンサーを組み合わせて、睡眠のモニタリングを行うことができます。

「わらい」では、「まもる~の」とナースコールをうまく使い分けて、見守りはもちろん業務改善に有効活用しているとのこと。

「わらい」の運営会社である株式会社礎(いしずえ)の執行役員・理学療法士 糸魚川 恒氏に、介護ロボットを導入する際の注意点や、複数の介護ロボットを使い分けるコツ、取得したデータを無駄にしない秘訣などを取材してきました。

<インタビュー協力>
株式会社礎(いしずえ)
執行役員・理学療法士 糸魚川 恒氏

睡眠見守りセンサー「まもる~の」で介護と睡眠を見える化|ASD株式会社
睡眠見守りセンサー「まもる~の」で介護と睡眠を見える化|ASD株式会社

導入前|1台のスマホでナースコールもセンサーも使いたい


当施設では現在、睡眠見守りセンサー「まもる~の」無線式コールシステム「ココヘルパ Vcam」(ジーコム株式会社)、マット型センサー「aams」(株式会社バイオシルバー)の3つのICT機器を導入しています。

マット型センサー「aams」は重篤な方向けのオプションですが、それ以外の2つは全入居者様を対象に活用しています。

「まもる~の」モニター一覧

当施設は2016年11月に開設しましたが、開設する前から、ICT機器を積極的に取り入れようという方針を持っていました。
開設当初、ナースコール導入の助成金が存在したため、それを活用して、まずはナースコールを導入しようと決めていたんです。

調べていくうちに、スマホに対応した新しいナースコールシステムと既存のシステムは、新規導入ならそれほど費用が変わらないことを知りました。
そこで、「じゃあスマホ対応のシステムを導入しよう」となり、「せっかくスマホを使うなら、他のセンサーもスマホで見れるようになるといいよね」ということで、センサーも探しはじめたという経緯があります。

当施設は、「医療・介護特化型」のコンセプトのもと、医療依存度・介護依存度の高い入居者を積極的に受け入れており、看取りの機会も多いです。そのため、夜勤スタッフにとって、安否確認はかなりセンシティブなものとなります。そんな精神的負担の多い看取りを、見守りでサポートしていこうという思いもありました。

決め手は要望を柔軟に叶えてくれたから

スマホ1台で完結するので、複数の端末を持ち歩く必要がない

スマホ1台で完結するので、複数の端末を持ち歩く必要がない

ーーーセンサーにもいろいろありますが、今回「まもる~の」に決めたのはなぜですか?

機器の選定は、かなり難しかったですね。まず、展示会で機器を見に行って、そのあと気になったいくつかのメーカーに来社してもらい、直接説明を受けました。それでも、価格や特性が異なる機器を正確に理解した上で選定し、さらにそれを上席が納得するよう説明するのは、とても大変でした。

ただ、先ほど説明したとおり、「スマホ1台でナースコールもセンサーも見たい」という希望があったので、それを満たすかどうかでふるいにかけましたね。

実は、「まもる~の」はもともとアンドロイド用のアプリは用意されていなかったのですが、こちらの要望を伝えたら、すぐ試作品を作ってくれたんです。そうした姿勢にも感銘をうけ、最終的に「まもる~の」の導入を決めました。

「まもる~の」でもそうでしたが、解決したい課題や実現したいことをそのまま相談してみると、協力を惜しまないメーカーはたくさんいらっしゃいます。
「悪くないのに、ここだけが不満だ、惜しいな」と思ったら、それをそのまま伝えてみるのも、妥協のない機器選定には重要です。

「まもる~の」導入の初期費用は約680万円

「まもる~の」導入の初期費用は約680万円

導入|「かくれんぼごっこ」で操作を実践

ーーー導入の際に工夫したことはありますか?

当施設のスタッフの多くは、60代前後の女性です。人によっては、スマホの扱いに慣れない人もいました。

とはいえ、ナースコールも「まもる~の」も、スマホアプリは直感的に操作できるよう作られています。いちいち説明書を読んだり口で説明してもらったりするよりは、使ってみるほうが早く覚えてもらえるだろうと思いました。

まもる~ののスマホアプリは直感的な操作に優れている

スマホアプリは直感的な操作に優れている

そこで、施設オープン前にスタッフを集めて、それぞれにスマホを渡し、かくれんぼのようなスタイルで実際にアプリを使ってもらいました。スマホを持たないスタッフが居室に散らばってセンサーやナースコールを鳴らし、スマホを持ったスタッフがどこで鳴っているかを探したり、スマホを通して対応したりするというデモをやったんです。

そうすると、1時間もしないうちに、全員が操作できるようになったのです。それ以来、ICTやスマホに苦手意識をもつスタッフはいなくなりましたね。

運用|ナースコールと使い分け2段構えの見守りを実施

ーーー「まもる~の」の具体的な活用方法を教えてください。

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『「まもる~の」のセンサーは他製品よりもかなり小さい』という糸魚川氏

当施設では、全居室に「まもる~の」を導入しています。当施設は3階建てなので、2台のモニターを使用して、3つのブロックに分けて表示しています。

『「まもる~の」のセンサーは他製品よりもかなり小さい』という糸魚川氏

赤枠内が「まもる~の」用のモニター

モニターで確認できるのは、脈拍や呼吸、体動、部屋の温度や気圧、明るさ、そして入居者様の様子です。

脈拍などの数値に異常がある場合はアラームが鳴りますが、アラーム機能をメインに活用しているわけではありません。

当施設では、主に3つの使い方をしています。

スタッフルームにいながら安否確認

赤枠内が「まもる~の」用のモニター

各入居者の様子がひと目でわかる

1つめは、スタッフルームにいながらの安否確認です。「まもる~の」が取得する各種データから、部屋の様子や入居者様の様子を把握し、室内に入らずとも見守ることができます。

離床センサーとして

まもる~ののモニターでは、各入居者の様子がひと目でわかる

個別に時間設定ができる離床タイマー

2つめは、離床センサーとしての使い方です。

「まもる~の」の離床センサーは、入居者様ごとに詳細な設定が可能です。たとえば、「Bさんはふだんから活動量が少ないので、ベッドから1分離れた時点で通知するようにしよう」とか、「Aさんは夜間によくトイレに行くから、夜12時から朝5時の間に、ベッドから30分以上離れた時点で通知しよう」といった設定です。

自動で離床タイマーを起動しトラブルを通知してくれるので、発見の遅れを防ぐことができます。

早期発見や業務改善にむけたデータの活用

3つめは、早期発見や業務改善にむけたデータの活用です。

たとえば、「ちょっといつもと様子がちがうな」と感じた入居者様のデータを確認して、ふだんと変化がないかを見るという使い方をしています。睡眠や脈拍に変化があれば、早めに医師に相談するなど、いつもより注意して介助を行うなどの対応をします。

まもる~ので個別に時間設定ができる離床タイマー

緑色の部分が目が覚めている状態をあらわす。「ある入居者様の亡くなる前のグラフです。あまり眠れていない日が続いたかと思うと、ずっと寝ている日があることもわかります」と話す糸魚川氏

ほかにも、全入居者様のデータを分析して、多くの人が起床する時間帯に合わせてスタッフの数を増やすといった業務改善を行うこともあります。

ーーー「まもる~の」を見て駆けつける、ということはあまりないんですね。

そうですね。当施設では、ナースコールがその役割を担っています。「まもる~の」は、実際にトラブルのアラームが鳴った場合は別ですが、ふだんはデータが必要なときに、こちらがそのつど見にいくという活用方法がメインです。ナースコールと「まもる~の」を動と静で使い分け、2段構えで見守りを行っているという感じですね。

効果|扉の向こうがわかる意義

まもる~ののグラフ画像。緑色の部分が目が覚めている状態をあらわす


ーーー「まもる~の」導入によって得られた効果やメリットを教えてください。


大きな効果として、定期巡視が必要ないという点があげられます。当施設と入居者様の介護度が近い特別養護老人ホームでは、2時間ごとに定期巡視するのが一般的ですが、当施設では「まもる~の」を通して居室内を見守っているので、必要に応じた訪室が可能です。

これは、常に全室に気を張っていなければならない職員にとって、肉体的・精神的負担の軽減になります。また、見守り度合にメリハリをつけることで、限られた人員で安定したサービスを提供するための土台にもなります。

また、定期巡視のせいで寝ていた入居者様を起こしてしまい、入居者様の生活リズムをかえって崩してしまったり、入居者様を起こしてしまったことでスタッフの対応が増えるといったデメリットがなくなりました。

もう1つが、ベテランスタッフしか知り得なかった「感覚知」が、データとして出せるようになったことです。

たとえば、入居者様個々人の特性やそれに合わせた最適な介助タイミングなどは、熟練スタッフや勤続が長いスタッフが「なんとなく」把握していました。

しかし「まもる~の」を導入することで、「デイサービスに行った日はよく眠れているな」といった目に見えない感覚が可視化できるようになります。

こうしたデータを活用することで、より質の高いケアを提案できたり、入社したばかりのスタッフでも熟練スタッフと同レベルのケアができるようになったりします。

課題・問題点

ーーー逆に、問題や課題はありますか?

1つめが、マットレスによっては誤作動を起こすことがある点ですね。最近のマットレスは、自動除圧機能などが登場し、年々高性能になってきています。「まもる~の」のセンサーはマットレスの下に敷くタイプですが、マットレスの性能によっては、センサーが正しい情報を表示できないケースもあるんです。この点に関しては、メーカーの方にすでにご相談しています。

2つめが、「知らされた情報に対して、我々はどこまで介入すべきなのか?」という問題です。これまでは「気づかなかった」で済まされてきたことが、ICT機器の導入によって済まされなくなってきました。

ICTを使えば、人の目では気づけない小さな変化も知ることができますが、そのすべてに対応するわけにはいきませんよね。しかし、「知っていた以上は責任が生じる」という考え方があるのも事実です。

「まもる~の」にかぎらず、すべてのICT機器にいえることですが、知らされた情報に対して介入すべき否かの線引は、今後も慎重に議論していく必要があるでしょう。

まとめ

わらい居室内画像


「まもる~の」は、離床センサー機能も充実していますが、主たる見守りセンサーの機能自体は、ナースコールのように向こうからお知らせしてくれるという機器ではなく、むしろ自分たちが能動的にデータを取りに行くことで真価を発揮する機器だと思います。

その点を理解し、導入前から「こういうふうにデータを有効活用しよう」と想定しておくことで、より大きな成果が得られると思います。

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<取材協力>
医療・介護特化型サービス付き高齢者向け住宅 わらい〜和楽居〜
所在地:埼玉県越谷市 大里173-1
問い合わせ:048-971-5322

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