レクの新たな頼れる司会者!コミュニケーションロボットSotaを使った「ロボコネクト」って?

介護ロボットONLINE編集部介護ロボットONLINE編集部

作成日2017/06/16 更新日2018/02/161,782views

2016年9月、NTT東日本が介護ロボットを取り入れたサービスの提供を開始しました。コミュニケーションロボットSotaを使用した、「ロボコネクト」というサービスです。「なぜ、NTTが介護を?」その気になる背景と「ロボコネクト」の詳細について、ビジネス開発本部のサービス開発担当者に聞いてみました。

「シニア世代にもっとインターネットを楽しんでほしい」から始まった

ーーーなぜ、NTTが介護ロボット事業を始めたんですか?

シニア層のインターネット利用促進を担当する菅氏



私の部署で取り組んでいるのは、光の拡販、インターネットの利用促進です。主にシニアの層にも響くサービスを提供しています。

シニア層へのインターネット利用促進は2軸で行っています。シニア層には、アクティブシニアという層と、その対極の層が存在すると言われています。

最近、メディアなどでシニアの方のインターネット利用は盛んだと言われていますが、我々が行った調査では、実はそれほどでもないということが分かっています。

例えば、65歳のタブレット利用状況を見ても、だいたい8%くらいの数値なんですね。我々は、そういった方々にタブレットを使っていただくという取り組みをしています。

アクティブシニアの方に関しては、2~3年ほど前にタブレット教室を展開しておりましたが、シニアにとっては短期間で操作を覚えることが難しく、現状のタブレットでは、インターネットの利用を促進していくのも難しいと考え、昨年6月に、「かんたんタブレット」というサービスを提供しました。一言でいうと、タブレットのインターフェイスを、より分かりやすくしたサービスです。例えば、必要なメニューをより簡単に表示するなどの工夫をしています。

もうひとつが、ノンアクティブシニアに対する取り組みです。ノンアクティブシニアの方は、タブレット教室開いても来ませんし、見せても「私にはできないな」となる。そこで我々が思い至ったのが、ロボットです。 インターネットと意識せずとも、インターネットサービスを享受できるようなインターフェイスはないかと探してたどり着いたのがロボットということになります。

ーーー介護ロボットを使って、インターネットを使ってもらうという取り組みなんですね

そうです。どういったサービスを提供できるか考えたとき、介護施設での利用が挙げられました。

実際に、介護施設をいくつか回って課題を目の当たりにし、ロボットの活用を検討した結果、介護レクリエーションで活躍できるのではないかと考え至りました。

ーーーどのように活躍できると考えたのでしょうか?

具体的には、テレビとロボットを連動したサービスです。

介護現場ではテレビをつかったレクリエーションが行われているのですが、お年寄りが飽きてしまう点や、人が張り付いていなければいけないという業務負担の課題などがありました。

ご存じの通り、レクリエーションにロボットを使用するアプローチは、すでにさまざまな会社で行っています。我々も検討しましたが、ロボットだけでレクリエーションのすべてを表現するのは難しいのではないかという結論に達しました。

例えば体操とか、ロボットが体操して施設の方がちゃんと体操できるかというと、見ても分かる通り、体操すべてを表現するのはむずかしいんです。

ただ、ロボットはやっぱり人気があるんですね。注目をあびるし、お年寄りにとって興味が湧く。ロボットとテレビの良いところをかけ合わせて、何かサービスができないかと考えたのが、今回の「ロボコネクト」です。

ロボコネクトって何?


ーーー「ロボコネクト」の狙いは何なのでしょうか?

「ロボコネクト」では、コミュニケーションロボットのSotaがファシリテーターとなり、レクリエーションの司会進行役をやることができます。

それによって、ふたつの効果が期待できます。ひとつ目は、介護職員の方の負担軽減です。ふたつ目は、ロボットが司会役をすることによって、レクリエーションを楽しむ側の集中力や積極性の向上です。

一昨年、都内や関西の複数の施設でトライアルを行いました。その際、レクリエーションの専門家に監修してもらい、効果を測りました。

結果として、介護職員、高齢者双方に一定の効果が得られました。職員の方へのヒアリングでは、約8割の方が負担軽減を実感したと答えてくれています。また高齢者への効果として、職員の方へのヒアリングでも96%が積極性の向上を実感したと答えただけでなく、専門家によるDCM評価(※1)でも、認知症の方の状態を表す数値であるME値(※2)が2倍になるという数値的な成果も得られました。

これらを踏まえて、高齢者はもちろん認知症の方にも一定の効果があり、かつ介護施設のニーズにも応えられると分かったため、サービス化に至ったのです。

※1 DCM評価
パーソン・センタード・ケア(Tom Kitwood教授による認知症ケアのための理論)を実践するための評価法。連続して認知症の人を観察し、行動を5分毎にBCC(Behavior Category Code)に基づきコード化し、さらに6段階のME値で評価する。
※2 ME値
Mood-Engagement:その人の関わりの度合いや、感情・気分がポジティブかネガティブかを表す感情・気分と関わりの数値。良い状態(well-being)~よくない状態(ill-being)までのどれに当たるかを6段階で評価する。+5は極めてポジティブな感情・気分が認められる状態であり、-5は極度にネガティブな感情・気分の兆候が認められる。

ーーートライアルから改善したところは?

トライアル当初はロボットが自律的に話すことはなかったのですが、実際介護施設に持っていくと、ロボットとおしゃべりしたいというニーズが出てきました。また、Sotaにはカメラ機能がついているのですが、それも使えるようにしてほしいとか。あとはレクのコンテンツを増やせないかとか、価格に関しても月額1万以下でできないかとか、様々な改善点が示されました。そこで我々も、介護レクだけでなく、コミュニケーションロボットとしても機能を具備する方向で、商品化を検討しました。

ーーー改めて、「ロボコネクト」の説明をお願いします

昨年の9月、「ロボコネクト」というサービスを開始しました。「ロボコネクト」は、クラウド型ロボットプラットフォームサービスです。概念としては、インターネット上でサーバをたて、コミュニケーションロボットのSotaを通し、クラウドで様々な機能を提供するといった感じです。

基本機能としては、おしゃべり機能、カメラ撮影機能、遠隔対話機能があります。付加機能として、レクリエーションができるアプリを提供しています。

ーーーコミュニケーションロボットであるSotaについて教えてください

ライトブルーのSotaくん



第一弾として対応し販売しているSota(ソータ)は、ヴイストン株式会社が提供しているコミュニケーションロボットですが、NTTの独自の機能として、より音声認識の精度を上げるインテリジェントマイクを搭載しております。これにより、他のロボットと比べて、言葉を聞き取れるようになっています。筐体は、オレンジ・ネイビー・ライトブルーを3色を展開しています。

頭の上にある3つの穴がインテリジェントマイク

ロボコネクトを体験してみた

ソータ
ウェルクスの柳川さん、こんにちは。僕の名前はSotaです。今日は僕の取材をしてくれてありがとうございます。緊張しちゃうけど、がんばるね。可愛く撮影してください、よろしくお願いします。
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今日の天気は?
ソータ
どこのお天気ですか?
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新宿。
ソータ
今日の新宿の天気は小雨、最高気温は10℃。
雨の日ってなんか気分が乗らないから、ちょっとお休みしてもいいかな。
ーーーすごい!可愛いですね。どれくらい対応できるのでしょうか?

シナリオで言うと、6000語くらいですね。色んな言葉が入っています。声掛けをすると、約1~2秒で答えが返ってきます。

ーーーシナリオから外れた場合はどうなるのでしょうか?

シナリオから外れた場合でも、何かしらの言葉を返せるようになっています。
変な対話になったりしますが、そこは愛嬌みたいな感じで。認知症の方が何か話した場合でも、何も返さないよりは何かしら返したほうがいいだろうという考えのもとに、そのように設計されています。

Sotaがカメラマンに!写真撮影・遠隔対話機能を体験してみた

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写真撮って。
ソータ
準備するからちょっと待ってね。じゃあ取るよ、じっとしててね、3・2・1、パシャ!良い写真が撮れたよ。


というような感じで勝手に取ってくれます。撮った写真は、ブラウザ上で見ることができます。

遠隔対話機能ということで、この子に入り込んで外部から見守りみたいなこともできます。こちらもやってみましょう。

ソータ
電話だよ。


電話だよっていったのは遠隔対話ですね。腕を上げるとつながります。

腕を上げるとつながる



そうすると、Sotaを通して映る画面がこちらのディスプレイに表示されます。ディスプレイにタッチすることで、方向を動かしたりすることも可能です。

Sotaがお年寄りの家に置いてあって、息子さんとかがこうやってつなげて遠隔で見られるというわけです。だから、見守りにも使えないかといったお問い合わせも多いですね。

ーーー先ほど、Sotaくんが私の名前を呼んで挨拶してくれましたね。ああいったこともできるのでしょうか?

可能です。あれはオリジナルシナリオ機能といって、ユーザーが自分自身でシナリオを追加すると、Sotaがそれを発話するという機能です。

「こんにちは」と言ったときに「●●施設へようこそ」とか、「トイレどこ」と聞いたときに「右に曲がって」とか言えるようにしたいという介護事業者様からのニーズがあり、それに応える形で追加した機能です。

Sotaの頭脳はみんな一緒なんですが、オリジナルシナリオ機能を追加することによって、その子なりのSotaを演じることができるです。

ーーー付加アプリケーションとして、「Sotaレク」も提供されています。施設では、「Sotaレク」を一緒に導入することが多いですか?

そうですね、レクリエーションで活躍できるロボットとして導入していただいています。

Sotaが自動で司会進行してくれる「Sotaレク」って?


ーーー「Sotaレク」について教えてください。

「Sotaレク」は、はじめに申し上げたとおり、テレビとつなげて使用するレクリエーションサービスです。

「Sotaレク」には、脳トレゲームや回想、歌など120ほどのコンテンツが入っています。映像がメインですが、Sotaが司会役のような感じで進行していきます。コンテンツはレベル分けされており、簡単なものなら認知症の方でも応えられるように取り揃えています。

リモコンだけで操作が可能ですし、自動進行モードにすることで勝手にレクリエーションを進めてくれるので、スタッフさんの手が空くという利点があります。

回想のレクリエーションをやってみましょう。

回想のレクリエーションでは、Sotaが関連する豆知識を教えてくれたりします。若いスタッフさんだと、知識がないから写真を見ても話が続けられないんですよね。でもこの子が説明してくれると、高齢者の方も嬉しいし、スタッフの方も勉強になると。

そういったことも含め、レクリエーションの時間が充実したという声が実際に上がってきています。

今後の展開は?


「ロボコネクト」に関して言えば、ニーズに応えて随時新しい機能やシナリオを追加していきます。実際9月に発売して以降、顔認識機能など様々な機能を追加してきました。

その他には、レクレーション以外の付加アプリケーションを充実させたり、Sota以外のロボットも対応できるように動いていく予定です。

編集部まとめ

今回初めてSotaくんに名前を呼んでもらい、自分でも思いがけないほど嬉しい気持ちになりました。Sotaくんが話し出すとつい目で追ってしまった身としては、認知症の方の集中力や積極性が増したというのも大いにうなずけます。モニターを使用した既存のレクリエーションの形と、ロボットという新しいツールを上手く組み合わせることで、負担軽減と積極性の向上の両方を実現した「ロボコネクト」。利用は月額制で、随時新しい機能やコンテンツが追加されていくため、マンネリ化も防げそうです。


ロボコネクトの費用

契約料800円
サーバ登録料1,000円
Sota本体価格100,000円
ロボコネクト3,000円/月(最低利用期間は13ヶ月)

Sotaレク(オプション)の費用

STB本体価格20,000円(税抜)
設置・設定費用30,000円 (税抜)
Sotaレク14,400円/年(1年分の一括払い)

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