リスクの見える化で負担減、事故数も減少傾向に|シルエット見守りセンサ

リスクの見える化で負担減、事故数も減少傾向に|シルエット見守りセンサ
 
形態 特別養護老人ホーム、ショートステイ
規模 50~100床

シルエット見守りセンサの導入前後

千葉県船橋市芝山にある「オレンジガーデン」(社会福祉法人 康和会)は、ケアハウスや介護施設が併設する総合援助可能な福祉施設です。

オレンジガーデンの外観

特別養護老人ホームやショートステイでは、シルエット画像でベッド上の利用者の様子を見守れる「シルエット見守りセンサ」(キング通信工業株式会社)を導入しています。

事務長の鈴木さんは、合計7台導入しているシルエット見守りセンサについて、「スタッフの間ですでになくてはならないものになりつつある」と話します。

シルエット見守りセンサを導入した決め手や実際の運用方法、導入したからこそわかるメリット・デメリットなどを伺いました。

介護長の髙橋さん、事務長の鈴木さん、介護主任の竹谷さん

介護長の髙橋さん(左)、事務長の鈴木さん(中央)、介護主任の竹谷さん(右)に話を伺う

<インタビュー協力>

特別養護老人ホームオレンジガーデン(社会福祉法人 康和会)

事務長  鈴木雅博さん

介護長  髙橋大和さん

介護主任 竹谷聡太さん

導入前|事故やスタッフの負担が課題

ーーーシルエット見守りセンサを導入する前は、どのような見守りをおこなっていたのですか?

インタビューを受けるオレンジガーデンの3名

触ったらアラートが鳴るタイプのタッチセンサや、踏んだら鳴る着床センサ、利用者様にピンをつけて、ピンが外れたらアラートが鳴るピンセンサなどを使っていました。

そうしたセンサーの場合、職員はアラート音だけを頼りに駆けつけしなければならないため、実際に駆けつけてみたら誤報だったとか、一気に複数のアラート音がなったときに訪室の優先順位に戸惑いパニックになってしまうなどの課題があったのです。

また、職員が少ない夜間帯は転倒・転落事故が起きてしまうこともあり、事故が骨折や入院につながることもありました。これらを防ぐにはどうしたらよいか、考えていたときに、介護ロボットの補助金があることを知りました。

導入のきっかけ|リスクの見える化が鍵

ーーー導入する前に、20機種ほどの商品を検討されたとのことですが。

はい、見守りロボットに限らず、ロボットスーツのような移乗支援ロボットなども検討しました。最終的に見守りロボットの導入を決めたのは、これまで抱えてきた課題を解決できそうだと感じたのに加え、「リスクの見える化」をすることで職員の精神的負担を軽減する効果も期待できるのではないかと考えたからです。

ーーー「リスクの見える化」とは?

シルエット見守りセンサでは、ベッド上の利用者様の様子を、シルエット画像で離れた場所からiPod Touchなどの端末で見ことができます。シルエット見守りセンサの通知が鳴った場合、駆けつける前にシルエット映像を確認し、本当に駆けつける必要があるのかどうかを判断することができるのです。

また、これまでのセンサと比べて、一段階はやいタイミングで通知してくれるのも決め手の一つですね。事故の直前の動きではなく、はみ出しや起き上がりといった状態の通知も可能なので、駆けつける職員の時間的余裕ができるようになりました。

導入時の工夫

ーーーシルエット見守りセンサの導入を決めてから実際に導入するまでの流れを教えてください。

シルエット見守りセンサについて話す竹谷さん

竹谷さん

まず、どの利用者様に対してシルエット見守りセンサを使うかを決めるところからはじめました。

特別養護老人ホームのほうでは、基本的には、歩行や立位が不安定であるため夜間に転倒転落のリスクが高い方を対象にしています。

その後、ご利用者様やご家族様に機器を導入する旨をご説明していきました。

ーーーご家族から抵抗の声はありませんでしたか?

協力的頂ける方が多く、抵抗の声はありませんでしたね。シルエット画像なので、プライバシーに配慮されているのが大きかったと思います。

ーーー職員の間で不安な声などはありませんでしたか?

シルエット見守りセンサ導入時に気をつけたこと

新しい機器を導入すること自体に不安や苦手意識をもつ職員はいましたね。そうした不安や苦手意識を払拭するために、まずはリーダー層、ミドルマネージャーが完璧に操作方法を覚え、職員一人ひとりに教えられる体制を整えました。

もちろん、ミドルマネージャーが出勤しない日もあるので、そうした場合に備えて簡易マニュアルを作成し、いつでも誰でも手に取れるようにしました。

はじめは不安がっていた職員も、使っていくうちに操作方法を覚え、今ではパート職員も含め、全員が操作はもちろん設置や設定までできるようになっています。

運用方法

ーーー現在、合計7台導入していると伺いました。実際にどのように運用しているか教えてください。

特別養護老人ホームとショートステイで使用しています。

ショートステイでは、新規のショートステイの方に対して、夜間にどういった動きをされるのか、睡眠時間はどのくらいなのか、どの時間でトイレに起きるのかなどを確認し、ケアの方針やトイレの誘導時間を決めるのに使用しています。

特別養護老人ホームでは、先程申し上げたとおり、対象となるご利用者様に使用しています。

具体的には、日中・夜間問わず、臥床される時間帯に見守りを開始し、通知がきたら端末を確認したり、必要に応じて居室まで駆けつけたりしています。

シルエット見守りセンサを設置した様子

端末にはiPod TouchとiPadを使用しており、iPadはスタッフルームに設置し、iPod Touchは夜勤者や日勤中のリーダー層が携帯しています。

スタッフルームで映像を確認できる

通知がきたら、まずリーダーが端末を確認し、必要に応じて他の職員に駆けつけの指示を出します。駆けつけ不要と判断するのは全体の3割くらいですね。

導入してみて感じたメリット

ーー導入前後で変化はありましたか?

竹谷さん

職員の負担は間違いなく軽減されましたね。私自身もそれを実感しています。駆けつけ前にシルエット映像を見ることができるので、駆けつけの優先順位をつけられるようになり、それが精神的な負担の軽減につながっています。

また、ケアの情報を集める端末という視点からも、非常に役立っています。

髙橋さん

インタビューを受ける高橋さん

職員はもちろん、利用者様にとってもメリットを感じていただていると思います。不要な訪室がなくなったので、睡眠中に起こされることが減り、安眠していただけるようになりました

鈴木さん

事故件数も減少傾向になります。センサーが正常に稼働している夜間帯の事故はこれまで起きていません。さらに、センサーの導入によって時間的余裕ができた分、他の利用者様の対応可能時間が増えたため、全体的な事故の数も減ってきています。

トラブル、課題

ーーーありがとうございます。逆に、使っているからこそ分かるデメリットや、実際にあったトラブルなどがあれば教えてください。

機器のトラブルではないのですが、シルエット見守りセンサにはWi-Fiを使用しているので、ルーターの設定ミスで一時的に使用できなくなってしまったことがありましたね。

また、日中は、日光の関係でうまく検知できないということがあります。夜間での使用が多いとは思いますが、日中の使用で導入を検討されている施設は、正しく検知されるかどうか、事前に確認したほうがよいかもしれません。

「あれば必ず使う」ロボット

ーーー非常に参考になりました、ありがとうございます。その他に、導入を検討している施設にむけてアドバイスはありますか?

インタビューを受けるオレンジガーデン施設長の鈴木さん

当施設では、見守りロボットをはじめ、さまざまな種類の介護ロボットを試していますが、介護ロボットをはじめて導入されるなら、まずは見守りロボットから始めるのがいいのではないかと思っています。なぜなら、見守りロボットは現場職員が「あれば必ず使う」タイプのものだからです。

当施設でも、シルエット見守りセンサはすでになくてはならない機器になっています。普段のオペレーションに組み込まれているのはもちろん、私達の精神的な支柱にもなってきているのです。

介護業界において、生産性を向上させたり、効率化を進めたりするのは非常に難しいですが、介護ロボットの力を借りることで、少しでも改善を図れればと思っています。

シルエット見守りセンサ導入成功のポイント

<取材協力>

社会福祉法人 康和会 オレンジガーデン

住所:〒274-0816 千葉県船橋市芝山7-41-2

TEL:047-461-5356

FAX:047-461-5366