歩行の見える化で安心感と納得感を提供|キューズタグウォークプラス

歩行の見える化で安心感と納得感を提供|キューズタグウォークプラス
形態 介護付有料老人ホーム
規模 50~100床

キューズタグウォークを導入しているグランフォレスト学芸大学。「よく食べ」「よく動き」「よく寝る」をコンセプトに、木の温もりと人の温もりに囲まれて、その人らしく安心して過ごせる環境を提供している、介護付有料老人ホームです。

そんな同ホームの運営会社であるスミリンフィルケア株式会社は、今、「4つの見える化」を進めています。

「質の高い睡眠」「健康的な食事」「快適な環境」「適切な運動」をそれぞれ見える化するために、ICTを積極的に活用しているスミリンフィルケアのグランフォレスト学芸大学では、「歩行の見える化」を実現する「キューズタグウォーク」を導入しています。

キューズタグウォークは、軽量のセンサーを腰につけて10m歩くだけで、「バランス」「速さ」「リズム」等の指標を数値化し、歩行状態を評価できる介護ロボットです。

それに加え、「キューズタグウォークプラス」はTUGの自動測定と帳票の印刷機能を搭載しており、体力測定の精度向上と効率化を図ることができます。

今回は、そんなキューズタグウォークの使用感と、キューズタグウォークプラスを活用した今後の展望について、グランフォレスト学芸大学に取材しました。

理学療法士の三友さん、支配人の白鳥さん、理学療法士の仙洞田さん

理学療法士の三友さん(左)、支配人の白鳥さん(中央)、理学療法士の仙洞田さん(右)に話を伺う

<インタビュー協力>

介護付有料老人ホーム グランフォレスト学芸大学

支配人   白鳥 慶介さん

理学療法士 三友 良晃さん

理学療法士 仙洞田 洋登さん

「4つの見える化」にむけて

インタビューを受ける三友さんと白鳥さん

白鳥さん

スミリンフィルケアでは、「質の高い睡眠」「健康的な食事」「快適な環境」「適切な運動」の4つをまとめて「フォレストライフ」と位置づけ、その実現にむけてそれぞれの「見える化」を積極的に行っています。利用者様の状態や環境をICTの力で見える化することで、根拠のある介護と安心感をご提供したいと考えているからです。

とくに「適切な運動」の見える化においては、歩行やリハビリを数値化することで、介護スタッフや利用者様ご本人はもちろん、ご家族様にも安心感と納得感を持っていただきたいと試行錯誤してきました。

そんななかで出会ったのが、住友電工さんの「キューズタグウォーク」でした。

客観的な数値で共通認識を促す

キューズタグウォークでは、本体を利用者様の腰に装着し、数メートル歩いていただくだけで、利用者様の歩行状態が数値やグラフで細かく表示されます。

これまで、利用者様の歩行状態は、介護スタッフが各々で「以前より歩けなくなっているな」等と感覚的に把握していましたが、キューズタグウォークを使うことで客観的な数値としてスタッフ全員に共通認識されるのであれば、我々が進めているフォレストライフの「適切な運動」に一歩近づくのではないかと考えたのです。

そこで、何度か実証した後、まずは1ホームに導入してみようということで、導入を決めました。

導入前|測定頻度に課題

ーーキューズタグウォークを導入する前は、どのように歩行測定を行っていたのですか?

キューズタグウォークについて話す三人

三友さん

PT(理学療法士)である私からお答えします。これまでの歩行分析は、セラピストが利用者様の歩いている姿をビデオで撮影し、それを見ながら評価するという方法が主流でした。

利用者様の基本情報や疾患などを踏まえた上で評価を行いますが、当然ながら、そこには評価者であるセラピストの主観が入ります。リハビリテーションは主観的な評価が非常に重要であり、それ自体に問題があるわけではありませんが、利用者様にとっては、評価に対して実感が抱きづらいことも多々あったようです。

例えば、「少し右足をひきずっていますね」といっても、専門知識がないと、ビデオを見てもなかなか分からないということもしばしばです。

また、PT・OT(作業療法士)の人材が限られている中で、より多くの利用者様の歩行を測定・分析をするという点でも課題がありました。ビデオ撮影を用いた歩行測定では、利用者様1名につきセラピスト1名がつく必要があるため、一般的な介護施設よりも手厚くセラピストを配置している当ホームでも、十分な頻度での測定が難しかったのが実情でした。

運用と効果|月に1回の歩行測定をめざす

ーーキューズタグウォークを導入して、歩行測定や歩行測定を取り巻く環境はどのように変化しましたか?

キューズタグウォークのセンサーとPC画面

三友さん

歩行測定自体は、セラピストはもちろん、専門知識のない介護スタッフでもできるようになりました。設置とPCの操作方法さえ分かれば、誰でも簡単に測定することが可能です。

そのおかげで、セラピストは専門的な知識が必要なリハビリに集中できるようになってきました

ーー貴ホームで想定している使い方を教えてください。

キューズタグウォークの運用方法白鳥さん

当ホームは全64床ですが、導入しているキューズタグウォークは1台だけです。1台で100人の利用者様の情報を登録することができます。

当ホームでは、セラピストが入居者様の基本情報をシートにまとめているのですが、そこに、キューズタグウォークの情報も追加していく予定です。

キューズタグウォークのおかげで歩行測定にかかる時間が短縮されるので、今後は月に1回の頻度で歩行測定を行っていこうと考えています。

運動プログラムも活用

また、キューズタグウォークでは、測定結果とともに、結果に即したおすすめの運動プログラムも表示されますが、それをもとに、利用者様に運動を提案することもあります。

ーーセラピストの目から見て、その運動プログラムは参考になると感じますか?

三友さん

キューズタグウォークについて話すグランフォレスト学芸大学のスタッフ

感じますね。我々は普段、歩行中に上から見て骨盤が回旋しすぎていないか、後ろに曲がりすぎていないかなどをチェックしています。そうした症状が起きている原因としては、お腹や足の付け根の筋肉が弱いことが考えられるのですが、キューズタグウォークは、まさにそうした部分を改善するためのプログラムを推奨してくれます。我々の視点と変わらない視点で分析・評価ができているのだなと感じますね。

そのため、我々は、そうした運動プログラムをどのような環境で行うべきか等を考え、実行に移すことに注力できます。例えば、「Aさんは転倒リスクがあるので、平行棒のなかでトレーニングを行おう」といった評価は、専門知識のある我々が担うべき部分といえます。

コミュニケーションツールとしても期待

白鳥さん

インタビューを受けるグランフォレスト学芸大学の支配人白鳥さん

また、本来の意図とは異なるかもしれませんが、セラピスト以外のスタッフにとっては、この運動プログラム機能をコミュニケーションツールとして活用できると考えています。

実際に、あるホームでは、介護スタッフがキューズタグウォークで歩行測定を行い、その結果を元に利用者様とコミュニケーションをとっている例もあります。

また、地域交流の一貫で近所の方にキューズタグウォークを試していただいた際にも、結果を見ながら「以前どこか怪我をした経験がありますか?」等と声をかけるきっかけになるとして、とても好評でした。

セラピストほどの専門的な知識がない介護スタッフでも、利用者様と会話のきっかけをつかむツールとして活用できるという点で、大きな可能性を秘めたデバイスだと感じています。

今後の展望|キューズタグウォークプラスで歩行できない人の測定も

ーーありがとうございます。次に、キューズタグウォークプラスについてお伺いします。貴ホームでも今後の活用方法を模索している段階だと思いますが、どのような期待を持っていますか?

三友さん

キューズタグウォークプラス(以下、プラス)は、歩行だけでなく、TUG(Time  Up and Go )の自動測定機能を搭載したモデルです。

キューズタグウォークが歩行可能な入居者様に対してのみ利用できるのに対し、プラスは、歩行できない入居者様に対しても利用できるのが大きなメリットだと感じています。

プラスでは、立ち上がり、歩行、着座に分けて、それぞれの時間とその際の動揺を確認できるので、車いすの方に対しても、評価や運動プログラムの作成をすることが可能になると期待しています。

歩行できる・できないにかかわらず、セラピスト以外のスタッフでも運動プログラムが提供できる仕組みづくりをしていくのが、今、我々が目指しているゴールです。

介護記録との連携

ーーさらにその先の展望はありますか?

キューズタグウォークについて話す3人

最終的には、キューズタグを利用するだけで自動的にリハビリの計画ができるようになると良いですね。介護記録システムと連携させることができれば、より精度の高いリハ計画が、負担なく立てられるようになるはずです。限られたリソースの中で、再現性の高いツールを活用して効果的にリハビリテーションを実施していくことが、これからの介護に求められていくと感じています。

ーーありがとうございました。

<取材協力>

スミリンフィルケア株式会社

介護付有料老人ホーム グランフォレスト学芸大学

住所:〒153-0053 東京都目黒区五本木3-13-26

電話:03-6452-2812