巡回回数が半減!「見えない不安」を解消|ペイシェント・ウォッチャー

巡回回数が半減!「見えない不安」を解消|ペイシェント・ウォッチャー
形態 特別養護老人ホーム
規模 50~100人

ペイシェントウォッチャー導入前後の変化

特別養護老人ホーム もみじ館は、1979年に開設した北水会病院が母体となり、1997年からスタートした施設です。現在、スタッフは約140名。サービス内容は、特別養護老人ホーム54床、地域密着型特別養護老人ホーム23床、短期入所生活介護30床、通所介護定員40名、さらに、訪問介護、居宅介護支援センターも運営しています。

特別養護老人ホーム もみじ館の外観

そんなもみじ館では、アルコ・イーエックスの病床見守りシステム「ペイシェント・ウォッチャー」を検証導入し、活用しています。

運営試験も含めると活用するようになって約2年。現場のスタッフのストレスは軽減され、入居者の安全をより守れるようになったことはもちろん、入居者の眠りの質も向上し、生活リズムも良くなったといいます。

谷津孝英さん(地域生活相談室 室長)にお話を聞きました。

地域生活相談室 室長の谷津孝英さん

地域生活相談室 室長 谷津孝英さんに話を伺う

<インタビュー協力>

特別養護老人ホーム もみじ館(社会福祉法人 北養会)

地域生活相談室 室長 谷津孝英さん

スタッフ 渡邊将人さん

(取材・文・撮影/大橋博之)

導入前|人と人が笑顔でつながる地域づくりにむけて

ーーーもみじ館の特徴を教えてください。

特別養護老人ホームもみじ館の外観

私たちの施設理念は「人と人が笑顔でつながる地域づくり」と掲げており、そのために私たちは何ができるのかを常に考えています。

入居されている方が、安全に生活していただくはもちろんのこと、それにプラスして、入居者様が望んでいることや、求める生活のスタイル、楽しみを少しでも叶えるための支援もしていくことを大切にしています。

ーーー導入経緯を教えてください。

導入することになったのは、アルコ・イーエックスさんから2016年9月頃に「病床見守りシステムを開発したいので協力してもらえませんか」という話があったからです。それで、1ユニットに導入してみて検証をしながら良いものを一緒に作ろうということでスタートしました。

ーーーお話があったとき、どう思われましたか?

インタビューを受ける谷津さん

ICTは今後、福祉の世界でも必要になってきます。われわれは入居者様の生活を安心してその方らしく過ごせるよう支援させて頂いていますが、現場のスタッフへの負担も考慮しなくてはいけません。「ペイシェント・ウォッチャー」は、そんなスタッフの負担を軽減してくれますし、入居者様の安全をこれまで以上に高めることに役に立ちます。そう考えるとわれわれの施設にとっても必要なものだと思いました。それに開発に関わられるのは良い経験にもなると考えました。

ーーー検討の期間はありましたか?

もみじ館は、先進的な取り組みにも前向きでしたし、みんなが賛同しました。

プライバシーに配慮した導入、現場の意見で運用を変更

ーーー導入もスムーズだった?

入居者様とご家族に「ペイシェント・ウォッチャー」の説明をさせていただき、導入することのメリットをお伝えしました。また、今は動画を記録していませんが、記録する可能性もある、ということも踏まえてお話しして承認をいただきました。

ペイシェントウォッチャーを紹介するもみじ館スタッフの渡邊将人さん

同社スタッフ 渡邊将人さんにもお話を伺った

設置では入居者様のベッドの位置がそれぞれ違うため、壁に付けられる部屋は壁に付けて、そうでない部屋は支柱を立てて取り付けました。その取り付けに時間がかかった、ということもありませんでした。

ただ、1ユニットに9名の方が生活されていますが、1名だけ「カメラで見られるのは…」ということで設置していません。

ーーーやはり、抵抗がある方もいらっしゃいますよね。

プライバシー、個人情報の問題はあります。「ペイシェント・ウォッチャー」導入時は、動画は撮ることも見ることもせず、入居者様の動きを検知したときの場面しか見えないようにしていました。しかし、その後、みんなの意見を聞くと、現場としてはリアルタイムで映像を見れる方が安全だとなり、今はそのように対応しています。

運用|リアルタイムで映像確認

ーーーアルコ・イーエックスの病床見守りシステム「ペイシェント・ウォッチャー」の具体的な運用方法を教えてください。

ペイシェントウォッチャーの運用方法

ワンフロアーに9名の方のお部屋があり、その1ユニットに導入しています。

タブレットとデスクトップの2種類を利用し、入居者様が寝ている状況を「ペイシェント・ウォッチャー」のリアルタイム映像で確認しています。

ペイシェントウォッチャー

入居者様が動くと「ペイシェント・ウォッチャー」の赤外線カメラが感知して知らせてくれるので、スタッフはその入居者様のもとにすぐに駆けつけます。また、スタッフがフロアーを離れて移動しているときにはiPadで映像を見て確認することができます。

ペイシェントウォッチャーの管理画面

 

ーーー操作面で難しかったことはありましたか?

難しかったことは特にありません。1人1人に合わせた設定も問題なくできますし、不都合はなかったですね。

効果|「見えない不安」が軽減

ーーー導入して1年が経過して、入居者さんの反応はいかがでしょうか?

「ペイシェント・ウォッチャー」を気にされている様子はまったくありません。カメラが際立ったデザインでもありませんし、音が出るわけでもありませんからね。時計くらいの大きさなので、抵抗感はないようです。

ーーー現場のスタッフの方の反応はいかがでしょうか?

導入当初は半信半疑なところがありましたが、映像が見れるようになった段階で、「便利になった」という声が聞かれるようになりました。

「ペイシェント・ウォッチャー」を導入しての評価やよりよい運営のため、スタッフにアンケートを取ったところ、全員が「精神的なストレスが軽減された」と答えています。やはり、スタッフは見えないところで起こっているかもしれないことへの不安が大きかったのだと改めてわかりました。

巡回頻度・巡回回数が大幅減

ーーー「見えないところで起こっているかもしれないことへの不安」とは?

ペイシェントウォッチャーについて話す谷津さん

入居者様が夜中に起き上がり、転倒してしまうこともあります。入居者様に何かあったとき、スタッフは「もっと早くに見に行けばよかった、ちゃんと見ておけばよかった」という責任感からストレスを感じることもあります。それが軽減できたということです。

巡回回数は平均で13回、多いときで17回もありましたが、導入後は5回くらいでよくなりました。以前は40分に1回だった定期巡回も、90分に1回に軽減できました。「見えないところで起こっているかもしれないことへの不安」から、必要以上に巡回回数が多くなってしまっていたんです。

ヒヤリハット報告が増加=事故予防が徹底化

ーーースタッフは頻繁に巡回することがストレスなのではなく、見えないことの不安が大きかった、ということですね。

はい。「ペイシェント・ウォッチャー」があっても、知らせて駆け付けたときにはすでに転倒していた、ということも考えられるので、リアルタイムで見れるのは助かっています。

そのため、事故が起こるのでは、と思った「ヒヤリハット」は、一か月で10件だったのが、23件に増えました。いままで気づけなかったことが気づけるようになった。「ヒヤリハット」が増えることは事故を予防するという意味では喜ばしいことです。

また、今、介護事件が問題視されていますよね。「ペイシェント・ウォッチャー」で映像が撮れていれば、何かあったとき、われわれは適切な処置をしていた、という証拠にもなるとも考えています。

介護ロボットで入居者様の生活の質を向上させたい

もみじ館の谷津さんと渡邊将人さん

ーーー今後の活用を教えてください。

われわれが「ペイシェント・ウォッチャー」を導入したのは、入居者様の生活の質を向上させたい、という想いもあってのことです。やはり、昼間は活動されて夜はしっかり寝ることが重要です。われわれが入居者様を夜間、訪室している回数が多くなると、そのことで目が覚めて起きてしまうということにもつながります。

もちろん、検診などで行くことはあります。しかし、不安だからと何度も何度も様子を見に行くとそれがマイナスになります。入居者様が夜起きた分、昼間寝てしまうという悪循環になっては意味ありません。入居者様には夜間、しっかりと睡眠を取っていただき、日中の活動量を増やす。できるだけ生活リズムを整えていただいて、冒頭に言ったように、入居者様の楽しみや趣味に費やしてもらいたい。その手段の一つとして「ペイシェント・ウォッチャー」は価値があります。

ーーーこんなことをしてみたい、できたらいいなというのはありますか?

睡眠の質が分かるようになるといいなと思っています。また、バイタル面もわかるといいですね。触ればわかることではありますが、触らなくても熱があるとか、センサーで体温や呼吸数を感知してくれるようになるととても助かります。

ーーー「ICTは今後、福祉の世界でも必要」ということですね。

今、介護用の電動アームや電動車椅子など多くの製品があります。入居者様に笑顔が増えるのなら導入を検討してもいいと考えています。

特別養護老人ホームもみじ館の外観

<取材先情報>

特別養護老人ホーム もみじ館(社会福祉法人 北養会)

住所:〒319-0323 茨城県水戸市鯉淵町2222-1

Tel : 029-259-9295

Fax : 029-259-9296

 

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